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【発明の名称】 部品装着方法及び同装置
【発明者】 【氏名】宮本 正信

【要約】 【課題】部品吸着の位置ずれや傾きをより正確に検知できるようにして、部品装着精度を高める。

【解決手段】部品吸装着の本作業中に、ノズルを回転させつつ検知ユニット30により検出した部品(回転対称型の部品)の投影像を画素読み出し手段50により読み出してエッジ検出手段51及び投影中心計算手段52により投影中心を求め、さらにサインカーブあてはめ手段53において、上記投影中心計算手段52において求められた投影中心のデータからノズル回転角に対する投影中心の軌跡を正弦曲線の一般式として求めるようにした。そして、位置ずれ計算部54において、上記式に基づき部品のずれ量を求めるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動可能なヘッドユニットに搭載されたノズル部材により回転対称形の部品を吸着してこれを所定位置に装着する部品装着方法において、ノズル部材を回転させつつ、ヘッドユニットに具備されている光学的検知手段により部品の投影を検出して該投影の中心を求めるとともに、ノズル回転角に対する投影中心の軌跡を示す式を求め、該式に基づいて部品吸着位置のずれを求めることを特徴とする部品装着方法。
【請求項2】 部品を吸装着する本作業の前に、ノズル部材を回転させつつ、上記光学的検知手段によるノズル部材の投影の検出に基づいてノズル中心を検出するとともに、このノズル中心をノズル回転角に対応させて記憶し、本作業中には、部品の投影中心と、記憶されている上記ノズル中心とに基づいて上記式を求めることを特徴とする請求項1記載の部品装着方法。
【請求項3】 部品供給側と装着側とにわたって移動可能とされ、かつノズル部材が取付けられているヘッドユニットを備え、このヘッドユニットにより部品供給側から回転対称形の部品を吸着してこれを装着側の所定位置に装着する部品装着装置において、ヘッドユニットに具備された平行光線の照射部および受光部により部品の投影を検知する光学的検知手段と、上記ノズル部材による部品の吸着後にノズル部材を回転させつつ上記光学的検知手段により部品の投影を行わせたときの該投影の中心を求める部品投影中心検出手段と、ノズル回転角に対する部品投影中心の軌跡を示す式を求める式算出手段と、求められた式から部品吸着位置のずれ量を求める演算手段とを備えていることを特徴とする部品装着装置。
【請求項4】 上記ノズル部材を回転させつつ上記光学的検知手段によりノズル部材の投影を行わせたときの該投影の中心を求めるノズル投影中心検出手段と、ノズル回転角度とノズル投影中心とを対応づけて記憶する記憶手段とをさらに備え、上記式算出手段は、ノズル回転角と部品の投影中心と上記記憶手段に記憶されているノズル投影中心のデータとに基づいて上記式を算出することを特徴とする請求項3記載の部品装着装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC等の電子部品のような小片状の電子部品をプリント基板上の所定位置に装着するための部品装着方法及び同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、移動可能なヘッドユニットに部品吸着用のノズル部材を備えた吸着ヘッドを回転かつ昇降可能に搭載し、部品供給部のテープフィーダー等からIC等の小片状の電子部品を吸着して位置決めされているプリント基板上に移送し、プリント基板の所定位置に装着するようにした部品装着装置は一般に知られている。特に最近では、ヘッドユニットに吸着部品の側方から光を照射してその投影を検出する光学的検知手段を設け、部品吸着後に部品をノズル軸回りに回転させながら部品の投影像を検出することにより、部品の吸着状態、例えばノズル部材に対する吸着位置のずれや傾きを調べて装着位置の補正等を行なうようにした装置が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような光学式検知手段を備えた部品装着装置では、通常、部品の投影像が最小となるときのノズル回転角を調べ、これと部品の投影幅とに基づいて吸着位置のずれ等を検出するようになっている。
【0004】ところが、従来の装置では、上述のように部品の最小投影幅、つまり単一の投影データのみに基づいて吸着位置のずれ等を検出するため、検出結果の信頼性が必ずしも高いものとはいえない。すなわち、外乱光の影響等により、最小投影幅の検出自体に誤差が含まれる場合があり、このような場合には正確な吸着位置のずれ等を検知することができない。特に、極小のチップ部品等では高い部品装着精度が要求される一方、部品寸法に対する誤差の割合が大きくなる。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、吸着位置のずれや傾きをより正確に検知できるようにして、部品装着精度を高めることができる部品装着方法及び同装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、移動可能なヘッドユニットに搭載されたノズル部材により回転対称形の部品を吸着してこれを所定位置に装着する部品装着方法において、ノズル部材を回転させつつ、ヘッドユニットに具備されている光学的検知手段により部品の投影を検出して該投影の中心を求めるとともに、ノズル回転角に対する投影中心の軌跡を示す式を求め、該式に基づいて部品吸着位置のずれを求めるようにしたものである(請求項1)。
【0007】ノズル回転に伴う部品中心位置の軌跡は一定の規則性を有しており、回転中心と部品中心とがずれている場合には、ノズル回転に伴う部品中心の軌跡を座標平面上に示すと規則的な波形の曲線となる。すなわち、部品が回転対称形の場合には、ノズル回転角に拘らず投影中心が部品の中心となって部品中心を容易に求めることができるため、上記のようにして、ノズル部材を回転させつつ部品の投影を検出して部品中心を求めることにより、その結果から部品中心の軌跡を式として求めることが可能となる。そして、このようにして求めた式は複数の部品中心位置に基づいているため信頼性が高く、従って、この式に基づいて部品中心位置を求めることで、部品吸着位置のずれを正確に検知することが可能となる。
【0008】また、上記の方法においては、部品を吸装着する本作業の前に、ノズル部材を回転させつつ、上記光学的検知手段によるノズル部材の投影の検出に基づいてノズル中心を検出するとともに、このノズル中心をノズル回転角に対応させて記憶し、本作業中には、部品の投影中心と、記憶されている上記ノズル中心とに基づいて上記式を求めるようにするのが好ましい(請求項2)。
【0009】すなわち、組立て誤差等により、部品の回転中心とノズル中心とがずれているような場合も有り得るので、上記のようにノズル回転に伴うノズル中心の変位を加味して上記式を求めるようにすることで、部品吸着位置のずれをより正確に検知することが可能となる。
【0010】また、本発明は、部品供給側と装着側とにわたって移動可能とされ、かつノズル部材が取付けられているヘッドユニットを備え、このヘッドユニットにより部品供給側から回転対称形の部品を吸着してこれを装着側の所定位置に装着する部品装着装置において、ヘッドユニットに具備された平行光線の照射部および受光部により部品の投影を検知する光学的検知手段と、上記ノズル部材による部品の吸着後にノズル部材を回転させつつ上記光学的検知手段により部品の投影を行わせたときの該投影の中心を求める部品投影中心検出手段と、ノズル回転角に対する部品投影中心の軌跡を示す式を求める式算出手段と、求められた式から部品吸着位置のずれ量を求める演算手段とを備えているものである(請求項3)。
【0011】この装置によれば、請求項1の方法の実施が適切に行われる。
【0012】また、請求項3記載の部品装着装置において、ノズル部材を回転させつつ上記光学的検知手段によりノズル部材の投影を行わせたときの該投影の中心を求めるノズル投影中心検出手段と、ノズル回転角度とノズル投影中心とを対応づけて記憶する記憶手段とをさらに備え、上記式算出手段は、ノズル回転角と部品の投影中心と上記記憶手段に記憶されているノズル投影中心のデータとに基づいて上記式を算出するようにすれば(請求項4)、上記請求項2の方法の実施が適切に行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】図1および図2は本発明に係る部品装着装置の一例を示している。同図に示すように、部品装着装置の基台1上には、プリント基板搬送用のコンベア2が配置され、プリント基板3が上記コンベア2上を搬送され、所定の装着作業用位置で停止されるようになっている。
【0015】上記コンベア2の前後側方には、それぞれ部品供給部4が設けられている。各部品供給部4には、それぞれ多数列のテープフィーダー4aを有し、各テープフィーダー4aはそれぞれ、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の部品を所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるようにするとともに、テープ繰り出し端にはラチェット式の送り機構を具備し、後記ヘッドユニット5により部品がピックアップされるにつれてテープが間欠的に繰り出されるようになっている。
【0016】また、上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5はX軸方向(コンベア2の方向)およびY軸方向(水平面上でX軸と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0017】すなわち、上記基台1上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール7と、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置されて、この支持部材11に設けられたナット部分12が上記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材11には、X軸方向に延びるガイド部材13と、X軸サーボモータ15により駆動されるボールねじ軸14とが配設され、上記ガイド部材13にヘッドユニット5が移動可能に保持され、このヘッドユニット5に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸14に螺合している。そして、Y軸サーボモータ9の作動によりボールねじ軸8が回転して上記支持部材11がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動によりボールねじ軸14が回転して、ヘッドユニット5が支持部材11に対してX軸方向に移動するようになっている。なお、上記Y軸サーボモータ9及びX軸サーボモータ15には、それぞれ駆動位置を検出するエンコーダ10,16が設けられている。
【0018】上記ヘッドユニット5にはノズル部材からなる吸着用ヘッド20が設けられている。この吸着用ヘッド20は、ヘッドユニット5のフレームに対して昇降及び回転が可能となっており、詳しく図示していないが、Z軸サーボモータ22を駆動源とする昇降駆動手段及びR軸サーボモータ24を駆動源とする回転駆動手段により駆動されるようになっている。吸着用ヘッド20の下端には部品吸着用のノズル21が設けられており、部品吸着時には図外の負圧供給手段からノズル21に負圧が供給されて、その負圧による吸引力で部品が吸着されるようになっている。なお、上記Z軸サーボモータ22及びR軸サーボモータ24には、それぞれ駆動位置を検出するエンコーダ23,25が設けられている。
【0019】ヘッドユニット5の下部には、上記各ノズル21に吸着された部品の吸着状態を検出するための検知ユニット30(光学的検知手段)が設けられている。検知ユニット30は、ノズル中心位置検出等のためにノズル21の投影像を検出する手段と、部品の投影像を検出する手段とを兼ねるものであり、ノズル21を挟んで相対向する光の照射部31a(平行光線の照射部)とCCDラインセンサからなるディテクタ31b(受光部)とを有しており、照射部31aにおいて発光ダイオード等の光源からの光をレンズを介して平行光として照射して上記ディテクタ31bで受光するように構成されている。
【0020】また、上記基台1におけるヘッドユニット5の可動範囲内の適当な位置には、ノズル交換ステーション34が設けられている。このノズル交換ステーション34は、図3に示すように、ノズルクランププレート35と、このプレート35に配設されて、ノズル径等の外形的特徴量が相違する複数種のノズル21を着脱可能に保持するノズル保持部36と、ノズルの有無を判別するノズル判別センサ37と、昇降用シリンダ38等を備えている。そして、ノズル交換時には、ヘッドユニット5がこのノズル交換ステーション34に対応する位置まで移動して、これらの間でノズル21の交換を行うことができるようになっている。
【0021】図4は上記部品装着装置における制御系統の概略構成をブロック図で示している。この図において、部品装着装置に装備される制御装置は、上記各サーボモータ等の各種回転軸の駆動を制御する軸制御装置41と、検知ユニット30からの信号を受ける検出装置42と、これらを統括制御する上位コントローラ43とを備えている。
【0022】上記軸制御装置41は、吸着用ヘッド20の制御のための手段として、R軸サーボモータ24の制御によって回転の制御を行う軸回転制御手段44と、Z軸サーボモータ22の制御によって昇降の制御を行う軸高さ制御手段45と、ノズル21への負圧供給の制御によって部品吸着の制御を行う吸着制御手段46とを含み、この他にY軸サーボモータ9及びX軸サーボモータ15の制御によってヘッドユニット5のX,Y方向の制御を行う手段(図示せず)等を含んでいる。
【0023】一方、上記検出装置42は、画素読み出し手段50、エッジ検出手段51、投影中心計算手段(部品投影中心検出手段)52、サインカーブあてはめ手段(式算出手段)53および位置ずれ計算部(演算手段)54を含んでいる。
【0024】上記検出装置42は、部品の吸装着作業等に必要な種々の演算処理を行うもので、特に、検知ユニット30による部品の認識時には、部品吸着後にノズル21を回転させつつ上記検知ユニット30により検出した部品の投影像から該投影像の中心を求め、得られたデータからノズル回転に伴う部品中心位置の軌跡を示す式を求める。そして、上記式に基づいて部品吸着位置のずれを求め、さらに部品装着時の各サーボモータ等の各種回転軸の駆動に対する補正値を演算する。この際、投影像のデータが画素読み出し手段50により読み出され、エッジ検出手段51において投影像の端部が検出され、投影中心計算手段52において投影中心が求められる。そして、得られた投影中心のデータに基づきサインカーブあてはめ手段53において上記式が求められ、位置ずれ計算部54において上記補正値等の演算が行われる。
【0025】なお、図4中、符号55は光源制御手段で、上記検知ユニット30の照射部31aを制御するようになっている。
【0026】ここで、上記検出装置42における補正値等の算出方法について説明する。
【0027】部品の吸着位置がずれている場合、すなわちノズル21の回転中心Oと部品中心O′とがずれている場合には、ノズル回転に伴う部品中心O′の軌跡は、図5の実線に示すように回転中心Oを中心とする円となり、このような部品中心O′の軌跡を、縦軸をY軸方向の位置、横軸を回転角θとする座標平面上に示すと、図6の実線に示すような波形、具体的には、下記一般式で示されるような正弦曲線(サインカーブ)となる。
【0028】
【数1】
Y=Isin(θ+α) I;振幅 α;位相差この式において振幅Iは図5に示した円(部品中心O′の軌跡)の直径、すなわち回転中心Oに対する部品中心O′のずれに相当する。
【0029】従って、投影の極小値までのノズル回転角をβとすると、部品のX,Y,θ(R軸)の各方向のずれ量ΔX,ΔY,Δθは、【0030】
【数2】Δθ=βΔX=Icos(α+β)
ΔY=Isin(α+β)
とすることができる。
【0031】従って、装着部品が回転対称形の部品の場合には、ノズル回転角に拘らず投影の中心が部品の中心位置となるため、検知ユニット30による部品の認識により得られる投影像から部品中心位置を求め(図6中、二点鎖線は投影端部の軌跡を示す)、その値から上記数1の式を求めることにより、上記数2の各式から部品のずれ量ΔX,ΔY,Δθを求めることができる。
【0032】この場合、数1の式における未知数は2つ(I,α)であるため、回転角の異なる2つの部品中心位置のデータが得られれば数1の式を求めることが可能であるが、回転角の異なるより多くの部品中心位置のデータに基づいて上記式を求めることにより、部品中心O′の軌跡を表す式として正確な式を求めることができる。例えば、回転角の異なる2つの部品中心位置のデータを一組として複数組みのデータに基づいてそれぞれ未知数(I,α)を求め、各値のそれぞれ平均値を採用して上記数1の式を求めるようにすることが考えられる。この際、未知数(I,α)の値に対して一定の閾値を設け、閾値外のデータを除いて平均値を求めるのが好ましい。
【0033】以上のように構成された部品装着装置において部品の吸装着作業が開始されると、まず、上記ノズル21に対して図外の負圧発生手段により吸着用負圧が与えられるとともに、所定のサーボモータが駆動されることによりX,Y,θの各方向における移動が開始される。そして、部品供給部4に対する目標位置にノズル21が達すると、ノズル21が下降し、所定下降位置で部品供給部4のテープフィーダ4aから部品が吸着され、それからノズル21が上昇し、該部品が検知ユニット30による所定の部品認識高さにセットされる。
【0034】そして、この状態において、検知ユニット30による投影検出に基づいて部品吸着ずれを求める処理が行われる。
【0035】図7は、そのような処理をフローチャートで示している。以下、この処理について説明することにする。なお、以下の説明において吸着部品は平面視で長方形の部品(回転対称型の部品)とする。
【0036】この処理では、まず、ノズル21の回転角が読み出され、所定の回転角だけノズル21が回転したか否かが判定される(ステップS1,S2)。ここで、判定がNOの場合には、検知ユニット30により検出される部品の投影像のデータが読み込まれるとともに(ラインセンサ読み出し)、該投影像の端部検出がなされて(両端エッジ検出)投影の中心位置、すなわち部品の中心位置が求められる(ステップS5〜S7)。
【0037】次いで、R軸サーボモータ24の作動によりノズル21が予め定められた所定微小角度だけ回転されてステップS1にリターンされる(ステップS8)。
【0038】こうしてノズル21が所定角度づつ回転されながら、各回転角毎に投影中心が求められ、最終的に所定回転角分のデータが得られると(ステップS2でYESと判定されると)ステップS3に移行される。
【0039】ステップS3では、上述のようにして得られた投影中心のデータから、上記数1の式が求められる(サインカーブあてはめ)。そして、ステップS4において、上記数1の式と投影が極小となるときのノズル回転角とから上記数2の各式が求められ、これらの式に基づいて部品位置のずれ量、すなわち回転中心Oに対する部品中心O′のX,Y,θの各方向のずれ量ΔX,ΔY,Δθが演算されるとともに、部品装着の際のX、Y、θの各方向の補正量が求められ(ステップS4)、これにより本フローチャートが終了する。
【0040】そして、このようにして求められた補正量に基づいて上記各サーボモータ等が駆動されることにより、部品がプリント基板3の所定位置に装着される。
【0041】以上のような当実施形態の装置によると、部品装着作業の際には、ヘッドユニット5に設けられたノズル21による部品の吸着およびプリント基板3上への装着が行われるとともに、部品吸着時に部品の方向、位置のばらつきによって誤差が生じることに対し、図7に示す処理で部品位置のずれ量が求められ、このずれ量に基づき装着位置が補正されることにより精度よく部品が装着される。そして、このような処理が部品吸着後の装着位置への移動中に行われることにより、部品の吸着から装着までの一連の作業が効率よく行われる。
【0042】特に、上記の装置においては、部品中心O′が回転中心Oからずれている場合のノズル回転に伴う部品中心O′の軌跡が上記数1の式ような正弦曲線となることに着眼し、検知ユニット30による部品の投影像から部品中心位置を求めて上記数1の式を求め、この式に基づいて部品のずれ量を求めるようにしているため、得られるずれ量の信頼性が高い。すなわち、回転角の異なる多数の部品中心位置のデータに基づいて数1の式を求めるため、ノズル回転に伴う部品中心O′の軌跡を示す式としての精度が高く、そのためこの式に基づいて得られる部品のずれ量も信頼性が高い。従って、投影角度によって外乱光の影響等を受け易い状況があったり、あるいは、最小投影幅の検出が難しい極小のチップ部品等であっても正確に部品中心を求めてそのずれを求めることができる。そのため、従来のこの種の装置と比較すると部品の吸着位置のずれや傾きを正確に検知することができ、これにより部品装着の精度が効果的に高められる。
【0043】次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態に係る装置の基本的な構成は上記第1の実施の形態に係る装置と共通するため、共通の部分については同一の符号を付して説明を省略し、以下に相違点について詳しく説明することとする。
【0044】図8は、第2の実施の形態に係る部品装着装置の制御系統の構成をブロック図で示している。この図に示す制御系統は、上記第1の実施の形態の制御系統の検出装置42にさらに軸振れデータ記憶手段56が含まれた構成となっている。
【0045】すなわち、第2の実施の形態に係る部品装着装置では、部品の吸装着の本作業前に、ノズル21を回転させながら検知ユニット30によりノズル21の先端の投影像を検出したときのデータに基づいて、ディテクタ31bの中心Co(図12参照)を基準とするノズル中心位置を検出し、これをノズル21の回転角に対応させて上記軸振れデータ記憶手段56に記憶する。この際、投影像のデータは画素読み出し装置50により各画素毎にディテクタ31bから読み出され、エッジ検出手段51により投影像の端部が検出された後、投影中心計算手段52において投影幅の中心が求められることによりノズル中心位置が求められる。すなわち、投影中心計算手段52が本願のノズル投影中心検出手段として兼用されている。なお、ディテクタ31bの中心Co(以下、基準位置という)は、ヘッドユニット5の移動基準となる位置で、当実施形態では、上述のようにディテクタ31bの理論上の中心位置を基準位置としているが、ディテクタ31bの中心位置に限らず、ディテクタ31bの端部を基準とすることもできる。
【0046】そして、部品吸装着の本作業においては、部品吸着後にノズル21を回転させつつ上記検知ユニット30により検出した部品の投影像から該投影像の中心を求め、これにより得られたデータと、軸振れデータ記憶手段56に記憶されているノズル中心位置のデータとに基づき、サインカーブあてはめ手段53においてノズル回転に伴うノズル中心に対する部品中心位置の軌跡を示す式を求める。そして、位置ずれ計算部54において、上記式からノズル中心に対する部品中心位置を求めるとともに、この部品中心位置と軸振れデータ記憶手段56に記憶されているノズル中心位置のデータとに基づいて基準位置に対する部品中心位置のずれを求めて各種回転軸の駆動に対する補正値を演算するようになっている。
【0047】上記のような第2の実施の形態に係る部品装着装置では、例えば、吸着用ヘッド20に対してノズル21が取付けられると、部品装着の本作業の前に、準備段階の処理としてノズル21の中心位置を求めるための処理が行われる。
【0048】この処理について図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0049】吸着用ヘッド20にノズル21が取付けられると、まず、上記Z軸サーボモータ22の作動により、ノズル21が図10(a)に示すような下降位置から、図10(b)に示すような上昇位置、具体的には、ノズル先端で検知ユニット30のレーザー光を遮る位置に上昇され、この時のノズル21の回転角(R軸回りの回転角)が読み出される(ステップS11)。
【0050】次いで、ノズル21が一回転したか否かが判定される(ステップS12)。ここで、判定がNOの場合には、検知ユニット30によるノズル先端の投影像のデータが読み込まれ(ラインセンサ読み出し)、該投影像の端部検出(両端エッジ検出)がなされた後、これに基づいて上記基準位置に対する投影幅の中心、つまりノズル中心位置が求められる(ステップS13〜S15)。そして、求められたノズル中心位置と、この時のノズル21の回転角、つまりステップS11で読み出された回転角が上記軸振れデータ記憶手段56に記憶される(ステップS16)。
【0051】次いで、R軸サーボモータ24の作動によりノズル21が予め定められた所定微小角度だけ回転されてステップS11にリターンされる(ステップS17)。
【0052】こうして、ノズル21が所定角度づつ回転されながら、各回転角毎にノズル中心位置が求められて記憶され、最終的に指定回転分のデータが検出されると(ステップS2でYESと判定されると)本フローチャートを終了する。
【0053】つまり、この装置では、上記のようにノズル交換ステーション34が設けられてノズル21の交換が可能となっているが、この場合、例えばノズル21がR軸に対して傾いて取付けられていたり、ノズル21が曲がっていたりすると、図11のようにノズル中心Sと回転中心Oとが一致せず、この状態でノズル21を回転させるとノズル中心Sが回転中心Oに対して振れることになる。そして、さらに、吸着ヘッド20とこれを支持するベアリングとの間にガタがある等していると、ノズル回転時のノズル中心Sの軌跡は、図12の二点鎖線に示すように歪になる。
【0054】そこで、上記図9の処理では、ノズル21の回転角に対応したノズル中心位置を正確に把握すべく、所定回転角毎に基準位置に対するノズル中心位置を求め、これら回転角とノズル中心位置とを対応づけたテーブルを軸振れデータ記憶手段56に記憶するようにしている。
【0055】そして、上述のような準備段階の処理が行われると、部品吸装着の本作業が開始され、本作業では、検知ユニット30による部品認識に基づいて部品位置のずれ量および補正値が求められる。この処理は、基本的には第1の実施の形態の処理(図7のスローチャート)に基づいて行われる。
【0056】すなわち、ノズル21が所定角度づつ回転されながら、各回転角毎に投影中心、すなわち上記基準位置に対する部品の中心位置が求められ(ステップS1,S2、S5〜S8)、所定回転角分のデータが得られると(ステップS2でYES)、ステップS3に移行される。
【0057】そして、ステップS3では、上述のようにして得られた部品の投影中心のデータと、軸振れデータ記憶手段56に記憶されているノズル中心位置のデータとに基づいて、ノズル回転に伴うノズル中心Sに対する部品中心O′の軌跡を示す式が求められる。
【0058】ここで、吸着ヘッド20とこれを支持するベアリングとの間にガタがある等して、回転に伴いノズル中心Sが振れるような場合であって、かつノズル中心Sと部品中心O′とがずれいるような場合には、ノズル21の回転に伴い、図12の実線に示すように部品中心O′は移動し、回転角に応じたノズル中心Sおよび部品中心O′の変化は、縦軸をY軸方向の位置、横軸を回転角θとする座標平面上に示すと、例えば図13に示すような不規則な波形となる。しかし、ノズル中心Sに対する部品中心O′のずれは常に一定であるため、回転角に応じたノズル中心Sに対する部品中心O′の位置、すなわちノズル中心Sの振れ分(図13中斜線で示す部分)を除いた部品中心O′の位置は正弦曲線となる。
【0059】従って、ステップS3では、回転角に応じた部品中心O′の位置がこのような正弦曲線の一般式(上記数1)として求められる。この場合も、第1の実施の形態同様に、回転角の異なるより多くの部品中心位置のデータに基づいて上記式が求められることにより該式の精度が高められる。
【0060】そして、ステップS4では、上記正弦曲線の一般式と投影が極小となるときのノズル回転角とから導かれるずれ量の演算式(上記数2)に基づいてノズル中心Sに対する部品中心O′のずれが求められ、さらにその結果と軸振れデータ記憶手段56に記憶されているノズル中心位置のデータとから上記基準位置に対する部品中心O′のずれ量ΔX,ΔY,Δθが演算される。そして、θ方向の上記ずれ量Δθを加味して部品装着時におけるノズル回転角が求められ、さらにX、Y各軸方向の上記ずれ量ΔX,ΔYと、求められた部品装着時のノズル回転角とから、部品装着時のノズル中心に対する部品中心のX、Y各軸方向のずれ量が求められ、こうして求められた部品装着時のノズル中心に対する部品中心のX、Y各軸方向のずれ量と、部品装着時のノズル回転角でのノズル中心位置と、上記基準位置とに基づいて部品装着の際のX、Y各軸方向の補正量が求められて本フローチャートが終了する。
【0061】そして、上記のようにして求められた補正量に基づいて上記各サーボモータ等が駆動されることにより、部品がプリント基板3の所定位置に装着される。
【0062】以上のような第2の実施の形態の装置によれば、部品吸装着の本作業に先立って、図5に示す準備段階の処理によりノズル回転角毎のノズル中心位置を求めて記憶し、本作業の際には、準備段階で求められたノズル中心位置を考慮して部品位置のずれ量を求めるので、組み付け誤差によるノズル21の傾きや曲がりによってノズル回転中心とノズル中心とにずれがある場合や、吸着用ヘッド20とこれを支持するベアリングとの間にガタ等があってノズル回転中心自体が変位するような場合でも、部品吸着位置を正確に求めることができる。そのため、第1の実施の形態の部品装着装置にも増して部品の装着を精度よく行うことができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ノズル部材を回転させつつ、ヘッドユニットに具備されている光学的検知手段により部品の投影を検出して該投影の中心を求め、このようにして求めた複数の部品中心位置からノズル回転角に対する投影中心の軌跡を示す式を求めて該式に基づいて部品吸着位置のずれを求めるようにしたので、単一のデータ、すなわち最小投影幅の中心を部品中心位置としてずれ量を求める従来のこの種の装置と比較すると部品吸着位置のずれを正確に検知することができる。従って、部品装着位置の補正を精度よく行うことができ、これにより部品装着精度が高められる。
【0064】特に、部品を吸装着する本作業の前に、ノズル部材を回転させつつ、上記光学的検知手段によるノズル部材の投影の検出に基づいてノズル中心を検出するとともに、このノズル中心をノズル回転角に対応させて記憶し、本作業中には、部品の投影中心と、記憶されている上記ノズル中心とに基づいて上記式を求めるようにすれば、組立て誤差等により、部品の回転中心とノズル中心とがずれているような場合でも部品吸着位置のずれを正確に検知することができる。従って、より部品の装着精度を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【公開番号】 特開平11−220293
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−19445