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【発明の名称】 電磁波シールド板及びその製造方法
【発明者】 【氏名】島村 正義

【氏名】岡本 良平

【要約】 【課題】透過率が高く、モアレが発生しにくく、金属側面反射による視認性の低下を防止することができる電磁波シールド板を提供する。

【解決手段】透明基板1上に金属層と、金属層の有する色に対して補色関係にある色を有する着色樹脂層3を順次形成し、エッチングにより金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積が、透明基板と平行する着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積とほぼ等しくなった後さらにエッチングを行い、透明基板と平行する切断面の面積が、着色樹脂層よりも小さい金属パターン2を形成し、エッチング終了後も着色樹脂層を金属パターン上から剥離せずに残しておくことにより、金属表面、とくに側面での金属反射を着色樹脂層で吸収して、視認性の低下を防止することができる電磁波シールド板とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明基板と、該透明基板上に形成された金属パターン層と、該金属パターン層上に設けられた黒色あるいは前記金属パターン層の有する色に対して補色である色を有し、前記透明基板と平行する切断面の面積が金属パターンの切断面の面積より大きい着色樹脂層とからなることを特徴とする電磁波シールド板。
【請求項2】 前記着色樹脂層の光の透過率を70%〜20%としたことを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド板。
【請求項3】 前記着色樹脂層に用いられる樹脂に近赤外線吸収剤を添加したことを特徴とする請求項1または2記載の電磁波シールド板。
【請求項4】 前記着色樹脂層に用いられる樹脂に電磁波シールド剤を添加したことを特徴とする請求項1から3記載の電磁波シールド板。
【請求項5】 透明基板上に金属層及び黒色あるいは前記金属層の有する色に対して補色である色を有する着色樹脂のレジストパターン層を順次形成し、金属パターンの前記透明基板と平行する切断面の面積がレジストパターンの面積よりも小さくなるまでエッチングを行い、エッチング終了後も前記着色樹脂のレジストパターン層を剥離しないことを特徴とする電磁波シールド板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造が容易で、且つ金属側面反射による視認性の低下を防止することができる電磁波シールド板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりPDP(プラズマディスプレイパネル)などの表示画面により発生する電磁波の外部への漏洩を防止する方法として、透明基板上に金属パターン層を形成して、これをPDPの前面に設ける方法が提案されている。
【0003】しかしながら、上記の金属パターン層を透明基板上に生成し、PDPの前面に設ける方法では、金属表面において光の反射が起き、画面自体を見にくくするという不具合を生じていた。この不具合を防止するために金属の表面に黒化処理を行う、金属の表面に黒い樹脂等を塗布するなどの対策が取られていた。
【0004】また、本発明と技術分野が類似する従来例1として、特開平9−293989号公報の“透光性電磁波シールド材料とその製造方法”がある。図7は特開平9−293989号公報に開示された開示内容に基づき作成した電磁波シールド板である。図7を用いて従来の電磁波シールド板について説明する。図7に示された従来の電磁波シールド板は、透明基体10、金属層20、黒色レジスト層30により構成され、エッチングにより透明基体面と平行する金属層の切断面の面積が、透明基体面と平行する黒色レジスト層の切断面の面積と同じとなるように形成している。よって、図7のAに示された矢印gの黒色レジスト層30に入射する外光は、レジスト層の濃度が濃いため、一回の透過で吸収してしまう。また図7のBに示された矢印jのPDPから放出された光は、殆ど影響を受けることがない。よって画面の明るさを維持することができるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、黒色樹脂の塗布には高精度な技術が必要であり、また黒化処理では、金属層の厚み減少による電磁波シールド効果の低下といった新たな問題が発生することとなる。また、上記従来例1の透光性電磁波シールド材料とその製造方法では、金属側面での金属光沢による視認性低下の問題については言及していない。また、金属層上に設けたレジスト層の濃度についても言及していない。
【0006】例えば、図7に示された電磁波シールド板の場合、図7のAに矢印fで示された外光は、金属側面で反射し(金属色となる)、PDPの画面が見にくくなる。また図7のBに矢印iで示されたPDPから放出された光(一般的に外光よりもかなり強い)も、金属側面で反射するので画面の視認性を低下させる原因となる。さらに図7のAに矢印hで示されたPDPから放出され、黒色レジスト層に直接入射する光は、レジストの濃度が濃すぎると殆どの光が吸収されてしまう。よってPDP全体の輝度が低下することとなる。
【0007】本発明は、透過率が高く、モアレが発生しにくく、金属側面反射による視認性の低下を防止することができる電磁波シールド板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために本発明の電磁波シールド板は、透明基板と、透明基板上に形成された金属パターン層と、金属パターン層上に設けられた黒色あるいは金属パターン層の有する色に対して補色である色を有し、透明基板と平行する切断面の面積が金属パターンの切断面の面積より大きい着色樹脂層とからなることを特徴としている。
【0009】上記の着色樹脂層の光の透過率を70%〜20%とするとよい。
【0010】上記の着色樹脂層に用いられる樹脂に近赤外線吸収剤を添加するとよい。
【0011】また上記の着色樹脂層に用いられる樹脂に電磁波シールド剤を添加してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明の電磁波シールド板及びその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図6を参照すると本発明の電磁波シールド板およびその製造方法の一実施形態が示されている。
【0013】図1のAには、本発明の電磁波シールド板の実施形態の断面構成が示されていいる。図1のAに示された本実施形態は、透明基板1、金属パターン2、着色樹脂層3とにより構成される。
【0014】透明基板1は、例えば本実施形態をPDP等の表示画面の前面に設けた場合、画面を保護する役割を果たしている。透明基板の材質としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、のように透明なものであればよい。
【0015】透明基板1の上部には金属パターン2を設けている。金属パターン2は、電磁波の外部への漏洩を防止するために設けられた金属メッシュのパターン層である。また、図1のBに示されるように、透明基板1上にITO層〔酸化インジウム(In2O3)と二酸化錫(SnO2)の固溶体〕4を設けてから、金属パターンを設けてもよい。ITO層4を設けることにより、基板にさらに強力な電磁波シールド性を持たせることができる。金属パターンに用いられる金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなど充分に電磁波をシールドできる程度の導電性を持つ金属を使用する。
【0016】金属パターンの上面には着色樹脂層3を設けている。着色樹脂層は、電磁波シールド板の製造工程において、上記金属パターンを形成するために使用するレジスト層である。この着色樹脂層は、着色剤により着色されている。着色剤は、金属パターンに用いた金属の色に対して補色となる色の着色剤である。補色とは、2色を混ぜ合わせると、光が色面を透過したり反射したりしてエネルギーが減少し、灰色または黒色になるような色の対をいう。例えば、金属パターンに銅を用いた場合、銅が赤系統の色であるため、この赤系統の色に対して補色の関係にある青系統に着色した樹脂を用いることにより、2色が混ざり合い、光を吸収することができる。また、金属パターンに用いた金属にかかわらず黒色としてもよい。これにより金属パターン表面での反射率を低く抑えられ、画面の視認性の低下を防止することができる。さらに、この着色樹脂には、近赤外線吸収剤や電磁波シールド剤を添加している。これにより基板に近赤外線吸収機能や、より強力な電磁波シールド機能を付加することができる。例えば、着色樹脂層をカーボンブラック等の黒色材により黒く着色した場合、黒色材が導電性材料としても機能するので、より高い電磁波シールド効果を得ることができる。また、着色樹脂のレジストパターン層は、エッチング終了後も剥離せずに残しておくので、例えば、電磁波シールド板を表示画面の前面に設ける場合に、光をまったく透過しないと、画面が暗くなってしまう。このため着色樹脂層の透過率を70%〜20%としている。
【0017】次に本実施形態を製造手順を追いながら説明する。まず、透明基板1上に金属層を形成する。金属層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの気相から析出させる方法、透明基板の表面を無電解メッキする方法など、どのような方法を用いてもよい。金属層の膜厚は、適用する金属によって適宜変更する。例えば、銅の場合、0.2μm、ニッケルの場合、10μmとするのがよい。
【0018】次に金属層の上面に、金属層に用いた金属の色に対して補色となる色に着色した樹脂を塗布する。樹脂の塗布方法には、スピンコーティングなどにより金属層の上面にベタ形成する方法などがある。そして、ベタ形成した着色樹脂層を露光、現像してレジストパターン層を形成する。次に上面に着色樹脂のレジストパターン層を形成した金属層をエッチングし、金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積が、透明基板と平行する着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積とほぼ等しくなった後さらにエッチングを行い、金属パターンの切断面の面積がレジストパターンの切断面の面積より小さくなるように金属パターンを形成する。またエッチング終了後、金属パターンの形成のために用いた着色樹脂層は、剥離せずに残し、金属表面での光の反射防止材、近赤外線吸収材、電磁波シールド材として用いる。
【0019】次に、図2及び図7を用いて本実施形態と従来の電磁波シールド板の反射防止効果について説明する。尚、図2は、本実施形態の着色樹脂層での光の反射防止効果を説明するための図である。まず図7に示された従来の電磁波シールド板の反射防止効果について説明する。図7に示された従来の電磁波シールド板は、エッチングにより透明基板面と平行する金属パターンの切断面の面積が、透明基板面と平行するレジストパターンの切断面の面積と同じとなるように形成している。よって、図7のAに矢印fで示された外光は、金属側面で反射(金属色となる)するので、PDPの画面が見にくくなる。また図7のBに矢印iで示されたPDPから放出された光も、金属側面で反射するので画面の視認性を低下させることになる。さらに図7のAに矢印hで示されたPDPから放出され、レジスト層に直接入射する光は、レジストの濃度が濃すぎると、殆どの光が吸収されてしまう。よってPDP全体の輝度が低下することとなる。次に、図2を用いて本実施形態による反射防止効果について説明する。図2に示された本実施形態は、上述したように、エッチングにより金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積が、透明基板と平行する着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積とほぼ等しくなった後さらにエッチングを行い、金属パターンの切断面の面積が着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積よりも小さくなるように金属パターンを形成している。また着色樹脂層は、金属パターンに用いた金属の色に対して補色となる着色剤により着色され、光の透過率が70%〜20%となるようにしている。よって、図2のAに矢印aで示された外光は、透明基板上で若干反射するが、ある程度、着色樹脂層に吸収される。また図2のAに矢印bで示された外光は、着色樹脂層を透過し金属パターンで反射するが、着色樹脂層を二度通過するため、殆ど吸収されることとなる。また図2のAに矢印cで示されたPDPから放出される光(一般的に外光よりかなり強い)は、金属パターンの近くでは着色樹脂層の影響を受けて吸収されることとなるが、着色樹脂層を一度しか通過しないため、ある程度観察者側に送られることとなる。また図2のBに矢印eで示された外光は、上述のように着色樹脂層の切断面の面積を金属パターンの切断面の面積よりも大きくとっているので、ある程度、着色樹脂層に吸収されることとなる。また図2のBに矢印dで示されたPDPから放出される光は、着色樹脂層に入射するが、着色樹脂層の光の透過率を70%〜20%としているため、ある程度の光は透過されることとなる。このように金属パターンの表面、特に側面で反射した光を、着色樹脂層の透明基板と平行する切断面の面積が、金属パターンのそれよりも大きくなるように設けることにより吸収し、さらに着色樹脂層に入射する光の透過率を70%〜20%として、ある程度の光を透過させることにより、画面の明るさを維持したままで、視認性の低下を防止することができる。
【0020】上述のように本実施形態は、エッチングにより金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積が着色樹脂層の透明基板と平行する切断面の面積とほぼ等しくなった後さらにエッチングを行い、金属パターンの切断面の面積が着色樹脂層の面積よりも小さくなるように金属パターンを形成したことを特徴としている。さらに着色樹脂層に用いられる樹脂を金属パターンで用いた金属の色に対して補色の色の着色剤により着色する、または金属パターンに用いられる金属に関わらず、黒色材により黒く着色している。これにより特に金属パターン側面で反射する光を着色樹脂層により吸収し、金属側面での金属光沢による視認性の低下を防ぐことができる。また着色樹脂層の光の透過率が70%〜20%となるようにして、ある程度の光を透過させることにより、画面の明るさを維持しながら金属パターンでの反射による視認性の低下を防止することができる。また着色樹脂層に近赤外線吸収剤を添加したことにより、近赤外線吸収性を基板に持たせることができる。またこの着色樹脂層に電磁波シールド剤を添加することにより、より強い電磁波シールド性を基板に持たせることができる。
【0021】次に、図3〜図6を用いて実施例及びその製造工程について説明する。尚、図3は第1の実施例の製造工程を表すフローチャート、図4は第2の実施例の製造工程を表すフローチャート、図5は第3の実施例の製造工程を表すフローチャート、図6は第3の実施例の製造過程での構成を表す断面構成図である。
【0022】まず、図3に示された第1の実施例の製造工程について説明する。ステップS1にて、ニッケルメッキ付きガラス基板上に着色樹脂を塗布する。本工程に用いられる着色樹脂は、ポリイミド〔(株)東レ製、商品名SP−970〕と、希釈剤メチルセロソルブと、(株)オリエント化学製、商品名Balifast black3820とを5:10:0.5の割合で混合したものである。
【0023】次にステップS2にて、ホットプレート上、150℃の条件下で5分間、プレベークする。次にステップS3にて、ベークした基板にレジストを塗布する。本工程ではレジスト剤として(株)東京応化工業製、商品名TLCR−P8008を適用している。スピンナー上に固定された基板にレジスト剤を滴下し、1500rpmで1分間、回転させる。これによりガラス基板上にμmオーダの薄いレジスト膜ができる。
【0024】次にステップS4にて、レジストを塗布したガラス基板をもう一度プレベークする。このプレベークは110℃で2分間行う。次にベークしたガラス基板にマスクを重ねて露光し(ステップS5)、さらに現像して(ステップS6)、感光しない部分の着色樹脂を剥離する。本工程では露光は100mj/cm2 で、また現像は0.8%濃度のKOHに25℃で1分間、浸漬して行う。
【0025】次にステップS7で余分な着色樹脂を剥離したガラス基板を水洗いし、ステップS8でエッチングを行う。本工程ではエッチング液として(株)メルテックス製、商品名メルストリップMN−957を用いている。40℃のエッチング液にガラス基板を150秒間浸漬する。そして金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積が、透明基板と平行する着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積とほぼ等しくなった後さらにエッチングを行い、金属パターンの切断面の面積が着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積よりも小さくなる金属パターンを形成する。
【0026】次にステップS9でエッチングを施した基板を水洗いし、さらにステップS10で乾燥させる。以上の工程により第1の実施例の電磁波シールド板が完成する。
【0027】次に図4を用いて本発明の電磁波シールド板の第2の実施例の製造工程について説明する。本実施例は、レジストパターンを形成するために用いられるレジスト剤に近赤外線吸収剤を添加した電磁波シールド板である。まずステップS11にて、ニケッルメッキ付きガラス基板上に着色樹脂を塗布する。本工程に用いられる着色樹脂は、ポリイミド〔(株)東レ製、商品名SP−970〕と、希釈剤メチルセロソルブと、オリエント化学(株)製、商品名Balifast black3820と、日本化薬(株)製、商品名IRG−002とを5:10:0.4:0.2の割合で混合している。IRG−002は近赤外線吸収剤である。スピンナー上に固定されたガラス基板に着色樹脂を滴下し、800rpmで20秒間回転させる。
【0028】次にステップS12にて、ホットプレート上、150℃の条件下で5分間、プレベークする。そして、ステップS13でベークしたガラス基板にレジストを塗布する。本工程では、レジスト剤として(株)東京応化工業製、商品名TLCR−P8008を適用している。スピンナー上に固定されたガラス基板にレジスト剤を滴下し、1500rpmで1分間、回転させる。これによりガラス基板上にμmオーダの薄いレジスト膜ができる。
【0029】次にステップS14にて、レジストを塗布した基板をもう一度プレベークする。このプレベークは110℃で2分間行う。次にベークしたガラス基板にマスクを重ねて露光し(ステップS15)、さらに現像して(ステップS16)、感光しない部分の着色樹脂を剥離する。本工程では露光は100mj/cm2 で、また現像は0.8%濃度のKOHに25℃で1分間、浸漬して行う。
【0030】次にステップ17で余分な着色樹脂を剥離したガラス基板を水洗いし、ステップS18でエッチングを行う。本工程ではエッチング液として(株)メルテックス製、商品名メルストリップMN−957を用いている。40℃のエッチング液に基板を150秒間浸漬する。そして金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積が、透明基板と平行する着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積とほぼ等しくなった後さらにエッチングを行い、金属パターンの切断面の面積が着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積よりも小さくなる金属パターンを形成する。
【0031】次にステップS19でエッチングを施した基板を水洗いし、さらにステップS20で乾燥させる。以上の工程により第2の実施例の電磁波シールド板が完成する。
【0032】次に図5を用いて本発明の電磁波シールド板の第3の実施例の製造工程について説明する。本実施例は、着色樹脂のレジストパターン層に導電性材料を含有させた電磁波シールド板である。まずステップS21にて、ニッケルメッキ付きガラス基板にポジレジストを塗布する。本工程ではポジレジスト剤として(株)東京応化工業製、商品名PMER−6005を適用している。スピンナー上に固定されたニッケルメッキ付きガラス基板上にPMER−6005を滴下し、1000rpmで10秒間、回転させる。これにより図6のAに示されたガラス基板上にニッケルのメッキが設けられ、さらにその上にポジレジストを設けた構成となる。
【0033】次にステップS22にて、ポジレジストを塗布したガラス基板をプレベークする。本工程では120℃で10秒間行う。プレベークしたガラス基板にマスクを重ねて露光し(ステップS23)、さらに現像して(ステップS24)、感光しない部分のレジストを剥離する。本工程では露光は30mj/cm2 で、また現像は0.5%濃度のNaOHに80秒間、浸漬して行う。これにより図6のBに示されたレジストの一部分を剥離した基板構成となる。
【0034】次にステップS27にて、レジスト及びニッケルメッキの上面を覆うように着色樹脂を塗布する。尚、本工程に適用される着色樹脂は、(株)日立粉末冶金製、商品名ヒダゾールを用いている。スピンナー上に固定されたガラス基板上にヒダゾールを滴下し、600rpmで5秒間、回転させる。図6のCはレジスト及びニッケルメッキの上面にヒダゾールを塗布した状態を表している。
【0035】次にステップS28にて、図6のCの状態の基板をプレベークする。本工程では100℃で15分間ベークする。そしてステップS29でプレベークしたガラス基板からレジストを除去する。図6のCに示されたレジストをその上面に塗布した着色樹脂と共に除去する。本工程では2.0%濃度のNaOH溶液に20秒間浸漬する。これにより図6のDに示されるようにニッケルメッキの上面に着色樹脂だけが残った状態となる。
【0036】次にステップS30でレジストを除去した基板を水洗いして乾燥させる(ステップS31)。尚、本工程では水洗いを4.0kg/cm2 の水で行う。
【0037】次にステップS32でエッチングを行う。本工程ではエッチング液に(株)メルテックス製、商品名メルストリップMN−957を適用している。40℃のメルストリップMN−957に150秒間浸漬する。そして金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積が、透明基板と平行する着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積とほぼ等しくなった後さらにエッチングを行い、金属パターンの切断面の面積が着色樹脂のレジストパターンの切断面の面積よりも小さくなる金属パターンを形成する。
【0038】次にエッチングを施した基板をステップS33で水洗いし(ステップS33)、さらに乾燥させる(ステップS34)ことにより第3の実施例の電磁波シールド板が完成する。
【0039】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように請求項1記載の本発明の電磁波シールド板は、透明基板と、透明基板上に形成された金属パターン層と、金属パターン上に設けられた黒色あるいは金属層の有する色に対して補色である色を有し、透明基板と平行する切断面の面積が金属パターンの切断面の面積より大きい着色樹脂層とからなることにより、特に金属パターン側面で反射する光を着色樹脂層により吸収し、金属側面での金属光沢による視認性の低下を防ぐことができる。またPDPなどの表示画面の前面に設けたときに、PDPにより発生する電磁波の外部への漏洩を高導電率の金属パターンにより防止することができる。
【0040】請求項2記載の電磁波シールド板は、着色樹脂層の光の透過率を70%〜20%としたことにより、金属パターン層での光の反射防止効果を挙げながら画面の明るさを維持することができる。
【0041】請求項3記載の電磁波シールド板は、着色樹脂層に用いられる樹脂に近赤外線吸収剤を添加することにより、着色樹脂層の近赤外線吸収性を与えることができる。
【0042】請求項4記載の電磁波シールド板は、着色樹脂層に用いられる樹脂に電磁波シールド剤を添加することにより、着色樹脂層に電磁波シールド性を持たせることができ、より強力な電磁波シールド性を基板に与えることができる。
【0043】請求項5記載の電磁波シールド板の製造方法は、透明基板上に金属層及び黒色あるいは金属層の有する色に対して補色である色を有する着色樹脂のレジストパターン層を順次形成し、金属パターンの透明基板と平行する切断面の面積がレジストパターンの面積よりも小さくなるまでエッチングを行い、エッチング終了後も着色樹脂のレジストパターン層を剥離しないことにより、簡単に精度良く金属パターン上に黒い膜または金属層の有する色に対して補色である色に着色された着色樹脂のレジストパターン層を有する電磁波シールド板を製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
【公開番号】 特開平11−220287
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−19030