| 【発明の名称】 |
屋外設置型筐体 |
| 【発明者】 |
【氏名】植木 誠
|
| 【要約】 |
【課題】冷却効率を向上すると共に、日射を遮蔽する。
【解決手段】天板16に通風口10を設けることにより、熱11を持った空気の外部への放出が円滑になり、冷却効率が向上する。また、日射12の大半を日射遮蔽板6で吸収し、通風口10からの進入についても傾斜板8の対称配置による半減と傾斜角による高気温時間帯での遮蔽により、IC1の温度上昇への影響を微量に抑える。さらに、筐体5表面の接合部で防水パッキン3の傷等により防水性が完全でない場合でも、降雨時、水滴13の大半が傾斜板8とL字形板9とで囲まれた溝上の空間に溜まり、日射遮蔽板6の側面板経由で筐体より下側にしたたり落ちるので、水滴がほとんど筐体5にあたらず、防水性の品質が向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面にN個(Nは正の整数)孔部が設けられた天板を有し内部に発熱体を収容して屋外に設置される屋外設置型筐体であって、前記孔部に対応して設けられ対応する孔部の一端に一端が接続され前記天板の上面に対して所定角度で自筐体内部方向に傾斜した傾斜板を含み、前記傾斜板の他端と前記孔部の他端との間に形成される開口部を通風口とするようにしたことを特徴とする屋外設置型筐体。 【請求項2】 前記孔部は矩形であり、その矩形の4つの辺のうち対向する2辺の一方に前記傾斜板の一端が接続され他方が前記傾斜板の他端と共に前記開口部を形成することを特徴とする請求項1記載の屋外設置型筐体。 【請求項3】 前記開口部は、前記天板の周囲方向を向いて形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の屋外設置型筐体。 【請求項4】 前記傾斜板の他端に一端が接続され前記天板の上面に対して略平行な第1の部分及びこの部分の他端から前記天板の上面方向に折曲げられた第2の部分からなるL字形板を更に含むことを特徴とする請求項3記載の屋外設置型筐体。 【請求項5】 前記天板は矩形であり、その矩形の4つの辺のうち対向する2辺に前記孔部の2辺が接し、かつ、該対向する2辺に前記L字形板の長手方向の両端部が接していることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の屋外設置型筐体。 【請求項6】 前記所定角度は、40度以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の屋外設置型筐体。 【請求項7】 前記発熱体は、ICが搭載されたプリント基板が収容された密閉筐体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の屋外設置型筐体。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は屋外設置型筐体に関し、特に日射遮蔽形放熱構造を有する屋外設置型筐体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の屋外設置型筐体について図3を参照して説明する。同図を参照すると、従来の屋外設置型筐体は、筐体5で日射遮蔽板6を覆う構造になっている。そして、日射遮蔽板6は支持具7で筐体5に接続されている。すなわち、筐体5の底面を除く全周囲を覆う日射遮蔽板6が、筐体5からある距離を保った状態で取付けられている。 【0003】また、日射遮蔽板6は前後左右の側面板及び天井の上面板(天板16)から構成されている。そして、前後左右の側面板の上部には、通風口10が複数設けられている。 【0004】筐体5の内部には、発熱するIC(Integrated Circuit)1を実装したプリント基板2が設けられている。そして、このプリント基板2から発生する熱が筐体5の表面から放出される。 【0005】なお、筐体5には防水パッキン3を介して蓋4が設けられているので、筐体5は防水構造になっている。 【0006】この筐体は屋外に設置されるため、日射や雨の水滴の対策も施されている。これらの対策について図4を参照して説明する。まず、同図中の日射12への対策について説明する。同図において、内部に設けられている筐体5は、日射遮蔽板6を構成する上面板と側面板とで大半を遮蔽されている。そして、通風口10は前後左右の側面板にのみ配置されており、半分以上日射12があたらない。このため、この従来の筐体においても日射に対する遮蔽効果は充分であると考えられていた。 【0007】次に、同図中の雨の水滴13への対策について説明する。内部に設けられている筐体5は、日射遮蔽板6を構成する上面板と側面板とで大半を遮蔽されている。そして、通風口10は側面板にのみ設けられている。このため、水滴13はほとんど筐体5にあたらず、防水効果は充分であると考えられていた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の屋外設置型筐体では、日射12及び水滴13の遮蔽のために、筐体5の上方が日射遮蔽板6の天板16で塞がれている。このため、IC1から放出される熱11は筐体内部の空気→筐体5→筐体5と日射遮蔽板6との間の空気の順に伝わった後、その熱11によって加熱された空気が比重の低下により上昇しようとする。すると、その空気は日射遮蔽板6に阻まれて停滞し、わずかに日射遮蔽板6側面の通風口10から洩れるのが限度である。このため、IC1の温度上昇により性能保証温度を越えることがしばしばあり、製品の寿命が短くなるという欠点があった。 【0009】なお、実開昭59―4694号公報、実開昭61―127694号公報、実開平4―28495号公報及び実開平5―55593号公報にも屋外設置型筐体が記載されている。しかし、これらは側面板等に通風口が設けられており、図3や図4の場合と同様に温度上昇により性能保証温度を越え、製品の寿命が短くなるという欠点がある。 【0010】本発明は上述した従来技術の欠点を解決するためになされたものであり、その目的は冷却効率を向上させると共に日射を遮蔽して、ICの温度を性能保証温度内に保って製品の寿命をのばすことのできる屋外設置型筐体を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明による屋外設置型筐体は、上面にN個(Nは正の整数)孔部が設けられた天板を有し内部に発熱体を収容して屋外に設置される屋外設置型筐体であって、前記孔部に対応して設けられ対応する孔部の一端に一端が接続され前記天板の上面に対して所定角度で自筐体内部方向に傾斜した傾斜板を含み、前記傾斜板の他端と前記孔部の他端との間に形成される開口部を通風口とするようにしたことを特徴とする。 【0012】また、前記孔部は矩形であり、その矩形の4つの辺のうち対向する2辺の一方に前記傾斜板の一端が接続され他方が前記傾斜板の他端と共に前記開口部を形成する。前記開口部は、前記天板の周囲方向を向いて形成される。前記傾斜板の他端に一端が接続され前記天板の上面に対して略平行な第1の部分及びこの部分の他端から前記天板の上面方向に折曲げられた第2の部分からなるL字形板を更に設ける。 【0013】要するに本筐体では、天板に通風口を設けているので、熱を持った空気の外部への放出が円滑になり、冷却効率が向上するのである。また、日射の大半を日射遮蔽板で吸収し、通風口からの進入についても傾斜板の対称配置による半減と傾斜角による高気温時間帯での遮蔽により、ICの温度上昇への影響を微量に抑えることができるのである。さらに、筐体表面の接合部で防水パッキンの傷等により防水性が完全でない場合でも、降雨時、水滴の大半が傾斜板とL字形板とで囲まれた溝上の空間に溜まり、日射遮蔽板の側面板経由で筐体より下側にしたたり落ちるので、水滴がほとんど筐体にあたらず、防水性の品質を向上できるのである。 【0014】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態について図面を参照して説明する。 【0015】図1は本発明による屋外設置型筐体の実施の一形態を示す部分断面図である。同図において、図3及び図4と同等部分は同一符号により示されており、その部分の詳細な説明は省略する。 【0016】同図において、筐体5は日射遮蔽板6に覆われている。筐体5の内部には発熱するIC1を実装したガラスエポキシ製プリント基板2が、また外部には接合面全周にシリコンゴム製防水パッキン3を実装したステンレス製蓋4が、夫々設けられている。なお筐体5は、ステンレス製等の金属で構成されているものとする。 【0017】また、同図に示されているように、ステンレス製筐体5の底面を除く全周囲を覆うステンレス製日射遮蔽板6は、ステンレス製支持具7により筐体5からある距離を保った状態で取付けられている。その日射遮蔽板6の天板16の一部は、端から端まで直線上に所定の角度で落込み、傾斜板8を形成している。 【0018】この傾斜板8は、日射遮蔽板6の天板16に対して例えば40度以下の角度で傾斜して落込んでいるものとする。そして、その傾斜板8の下側先端には、ステンレス製L字形板9が設けられている。このL字形板9の先端と天板16の端部との間には通風口10が構成される。なお、L字形板9の先端と天板16の端部との間は、例えば5mm程度空いているものとする。 【0019】ステンレス製L字形板9の先端位置は、上方(天板側)から見下ろしたときに筐体5が見えないように、通風口10の他端と重なり合う位置となる構造になっている。なお、傾斜板8は下側先端が天板16の中央方向に向くように複数配置されている。 【0020】要するに本筐体は、上面に孔部15がN個(本例ではN=4)設けられた天板16を有し内部に発熱体を収容して屋外に設置されるものである。そして、孔部15各々に対応して傾斜板8が設けられている。傾斜板8は対応する孔部15の一端に一端が接続され、天板の上面に対して所定角度で筐体内部方向に傾斜している。かかる構成によって、傾斜板8の他端と孔部15の他端との間に開口部が形成され、この開口部が通風口10となるのである。 【0021】また、本例では孔部15は矩形である。そして、その矩形の4つの辺のうち対向する2辺の一方に傾斜板8の一端が接続され、他方が傾斜板8の他端と共に開口部10を形成するのである。この開口部10は、天板16の周囲方向を向いて形成されている。なお、傾斜板8と天板16とを一体に形成しても良いし、別々に形成し両者を接合しても良い。一体に形成すれば接合作業が省け、コストを削減できる。 【0022】さらに、傾斜板8にはL字形板9が接続されている。このL字形板9は、傾斜板8の他端に一端が接続され天板16の上面に対して略平行な第1の部分と、この第1の部分の他端から天板16の上面方向に折曲げられた第2の部分とから構成されている。傾斜板8とL字形板9とを一体に形成しても良いし、別々に形成し両者を接合しても良い。一体に形成すれば接合作業が省け、コストを削減できる。 【0023】なお、天板16は矩形であり、その矩形の4つの辺のうち対向する2辺に孔部15の2辺が接し、かつ、その対向する2辺にL字形板9の長手方向の両端部が接している。 【0024】以下、本筐体の動作について説明する。 【0025】基板2上のIC1から放出された熱11は、空気を媒体に筐体5を暖める。すると、筐体5上部の熱11が周囲の空気を暖める。この熱11を持った空気は比重が軽くなり、通風口10より上方に上昇する。これによって、熱11は外部に発散し、IC1が冷却される。 【0026】日射12は、その大半が日射遮蔽板6の天板16で遮蔽される。ここで、通風口10付近では、L字形板9の先端が通風口10の他端と重なり合い、上方(天板16方向)から見下ろしても筐体5が見えない構造になっている。このため、L字形板9と傾斜板8とで日射12が遮蔽される。 【0027】日射12が垂直に降り注がない時間帯では、日射遮蔽板6の通風口10から日射12が進入してしまう。しかし、天板16の中央をはさんで4枚の傾斜板8の傾斜角度が2枚ずつ対称になっている。このため、全部で4つの通風口10のうち半分の2つの通風口10では、日射12が傾斜板8で遮断される。残り半分の2つの通風口10についても傾斜板8の傾斜によって大半が遮蔽される。このため、筐体5に直接あたる日射量は微量となる。 【0028】ところで、通風口10からの日射進入量が大幅に増加するのは、日射12の角度が傾斜板8の傾斜角度(本例では40度)より浅くなる時間帯(日本では午前5:00〜10:30、午後3:30〜7:00)に限られる。もっとも、この時間帯では日射量が弱くなり、かつ気温も低下する。このため、IC1の温度は比較的に低めに保持できるので、IC1の温度上昇への影響は微量となる。 【0029】また、雨が降った場合、その水滴13は傾斜板8とL字形板9に囲まれた溝上の空間に溜まる。そして、この溜まった水滴は、日射遮蔽板6の天板16の端部まで流れ、更に日射遮蔽板6の側面板14を伝って日射遮蔽板6の下端面まで流れた後、下方に落下する。したがって、水滴は筐体5にほとんどあたらないため、防水性が保たれる。 【0030】なお、傾斜板8の傾斜角度を40度以下としたのは、発明者の計算ではかかる角度において最も良好な冷却特性が得られることが予想できるからである。このとき、図1にしめされているように、開口部10の開口方向が東方向E及び西方向Wを向くように本筐体を設置するの望ましい。開口方向が南方向S及び北方向Nを向くように設置すると、開口方向が南方向S側に向いている開口部10には高い位置から日射する時間帯ができ、かかる時間帯では冷却効率が悪化するからである。 【0031】以上のように、熱を持った空気は比重が軽くなり上方に上昇する傾向が顕著になるため、日射遮蔽板の天板に通風口を設けているのである。こうしておくことで、熱を持った空気の外部への放出が円滑になるため、冷却効率が向上するのである。また、日射の大半が日射遮蔽板で吸収され、通風口からの進入についても傾斜板の対称配置による半減と傾斜角による高気温時間帯での遮蔽により、ICの温度上昇への影響を微量に抑えることができる。 【0032】そして、これら冷却効率の向上及び日射の遮蔽の効果により、ICの温度を性能保証温度内に保つことができ、製品の寿命を延ばすことができるのである。 【0033】さらに、筐体表面の接合部で防水パッキンの傷等により防水性が完全でない場合でも、降雨時、水滴の大半が傾斜板とL字形板とで囲まれた溝上の空間に溜まり、日射遮蔽板の側面板経由で筐体より下側にしたたり落ちるので、水滴がほとんど筐体にあたらず、防水性の品質を向上することもできる。 【0034】なお以上は、日射遮蔽板や筐体がステンレス製である場合について説明したが、これらに限らず、熱伝導性が良好であれば鉄等の他の金属やその他の材料を用いても良いことは明らかである。 【0035】また以上は、防水パッキンがシリコンゴム製である場合について説明したが、これらに限らず、防水効果に十分な機能を有していればフッ素ゴムや他の種類のゴムを用いても良いことは明らかである。 【0036】さらに以上は、プリント基板がガラスエポキシ製である場合について説明したが、これらに限らず、紙エポキシ製等、他の材料を用いても良いことは明らかである。 【0037】請求項の記載に関連して本発明は更に次の態様をとりうる。 【0038】(8)前記傾斜板と前記天板とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の屋外設置型筐体。 【0039】(9)前記傾斜板と前記L字形板とが一体に形成されていることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の屋外設置型筐体。 【0040】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、天板に通風口を設けることにより、熱を持った空気の外部への放出が円滑になるため、冷却効率が向上するという効果がある。また、日射の大半を日射遮蔽板で吸収し、通風口からの進入についても傾斜板の対称配置による半減と傾斜角による高気温時間帯での遮蔽により、ICの温度上昇への影響を微量に抑えることができるという効果がある。さらに、筐体表面の接合部で防水パッキンの傷等により防水性が完全でない場合でも、降雨時、水滴の大半が傾斜板とL字形板とで囲まれた溝上の空間に溜まり、日射遮蔽板の側面板経由で筐体より下側にしたたり落ちるので、水滴がほとんど筐体にあたらず、防水性の品質を向上できるという効果もある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004237 【氏名又は名称】日本電気株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月4日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】▲柳▼川 信
|
| 【公開番号】 |
特開平11−220280 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−22468 |
|