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【発明の名称】 蓋開閉装置
【発明者】 【氏名】江崎 政周

【氏名】林 伸彦

【要約】 【課題】一旦、ロック解除操作をすると、外的負荷を取り除けば開蓋する利便性に優れた蓋開閉装置を提供することを目的とする。

【解決手段】上蓋2と、その下面に突設された上蓋係止部5と、上蓋係止部5を係止する係止部4cを備えたロック解除スライダ4と、ロック状態に付勢するリリーススプリングと、上蓋2の下面に突設されテーパー面を備えた加圧リブ7と、ロック機構を軸支するシャフト20と、シャフト20に設けられたロックピン21と、シャフト20に摺動可能に挿通され上端部をテーパー面と当接するテーパーブロック22と、ロックピン21とテーパーブロック22の間に遊挿されたスプリング23と、ケースの内壁とロックピン21との間に遊挿されたロックピンスプリング24と、ロック解除スライダの側面に切削形成されたロックピン保持部4dとを有する蓋開閉装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】装置全体を収納する筐体と、開閉自在に前記筐体に軸支された上蓋と、前記筐体に収納され前記上蓋を閉位置に保持する施錠手段とを有する蓋開閉装置であって、前記上蓋は、前記施錠手段に係合する係合部と、前記上蓋を閉位置にした時に後述の解錠保持部材に当接する突出部とを有し、前記施錠手段は、前記係合部との係合を開放する解錠操作部と、前記解錠操作部を開放位置に保持する前記解錠保持部材と、前記解錠保持部材を保持位置に押圧付勢する付勢手段とを有し、前記解錠操作部を開放位置に操作すると前記施錠手段と前記係合部との係合が開放される共に、前記上蓋が閉位置に留まっている場合は前記突出部により押圧された前記付勢手段が前記解錠保持部材を保持位置に押圧付勢して前記解錠操作部を開放位置に保持することを特徴とする蓋開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カセットプレーヤやコンパクトディスクプレーヤ(CD)・CD−ROM等の電子機器における蓋開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の蓋開閉装置では、ロック解除操作を行った時点で、蓋を指で押さえる等の外的負荷が加わっていた場合、ロック解除操作を終了した後に外的負荷を取り除いても蓋を開くことは出来ず、その後に再度ロック解除操作を行うことによって始めて蓋が開く構造になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蓋開閉装置の使用状況では、例えば、資料を乗せていたりすると、ロック解除操作時に蓋に外的負荷が加わっているような状況が生じることは頻繁に起こりうることであり、このような状況が起こる度に再度ロック解除操作を行わなければならず煩雑であるという課題を有していた。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもので、外的負荷を取り除くことによって再度ロック解除操作を行うことなしに蓋が開く利便性に優れた蓋開閉装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の蓋開閉装置は、上蓋は施錠手段に係合する係合部と上蓋を閉位置にした時に解錠保持部材に当接する突出部とを有し、施錠手段は係合部との係合を開放する解錠操作部と解錠操作部を開放位置に保持する解錠保持部材と解錠保持部材を保持位置に押圧付勢する付勢手段とを有し、解錠操作部を開放位置に操作すると施錠手段と係合部との係合が解放されると共に、上蓋が閉位置に留まっている場合は突出部により押圧された付勢手段が解錠保持部材を保持位置に押圧付勢して解錠操作部を解放位置に保持するように構成したものである。
【0006】以上の構成により、ロック解除操作時に蓋に外的負荷が加わっているような状況が生じても、外的負荷を取り除くことにより再度ロック解除操作を行うことなしに蓋を開くことが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、装置全体を収納する筐体と、開閉自在に筐体に軸支された上蓋と、筐体に収納され上蓋を閉位置に保持する施錠手段とを有する蓋開閉装置であって、上蓋は、施錠手段に係合する係合部と、上蓋を閉位置にした時に後述の解錠保持部材に当接する突出部とを有し、施錠手段は、係合部との係合を開放する解錠操作部と、解錠操作部を開放位置に保持する解錠保持部材と、解錠保持部材を保持位置に押圧付勢する付勢手段とを有し、解錠操作部を開放位置に操作すると施錠手段と係合部との係合が開放されると共に、上蓋が閉位置に留まっている場合は突出部により押圧された付勢手段が解錠保持部材を保持位置に押圧付勢して解錠操作部を開放位置に保持することを特徴とする蓋開閉装置としたものであり、ロック解除操作時に蓋に外的負荷が加わっているような状況が生じた場合でも、外的負荷を取り除くことによって再度ロック解除操作を行うことなしに蓋が開くようにしたものである。
【0008】(実施の形態1)図1は、実施の形態1の蓋開閉機構を備えた容器の蓋開閉部を示す斜視図である。図1において、1はキャビネット、2はキャビネット1の一側部に一本の軸(図示せず)を支点として取り付けられこの軸を支点として開閉自在に装着された上蓋、3は軸に外嵌された上蓋2をはね上げるトーションスプリング、4はキャビネット1の一側壁の長孔に軸支された解錠操作部としての矩形状のロック解除スライダ、5は上蓋1の下面に突設され下部に釣部を備えた係合部としての上蓋係止部、6は上蓋係止部5が装脱される挿入孔部、7は上蓋2の下面に突設され下端面にテーパー面を備えた突出部としての加圧リブ、8はキャビネット1に開口され加圧リブ7が挿脱される加圧リブ挿脱孔である。
【0009】図2は、図1の蓋開閉機構のA−A線断面図である。図2において、4aはロック解除スライダ4の軸部、4bは軸部4aに連設され上蓋係止部5の釣部を係止する長溝状の施錠手段としての係止部4cを備えたロック部、4dはロック部4bの係止部4cのキャビネット1の内側に連設された孔部状のロックピン保持部、10はロック解除スライダ4とキャビネット1の側壁を介してキャビネット1内に形成された直方体状に形成されロック機構を収納するケースである。20は収納ケース10内に収納されたロック機構を軸支するシャフト、21はシャフト20のロック解除スライダ4側に基部21aの背面から装着され先端部が半球面状に形成されたロックピン、22はシャフト20に摺動自在に嵌装又は挿通され上端部に加圧リブ7のテーパー面と当接してシャフト20を左右に摺動するテーパーブロックである。以上のシャフト20,ロックピン21,テーパーブロック22で解錠保持部材を構成する。23はロックピン21の基部21aとテーパーブロック22の間でシャフト20に遊挿され保持位置に押圧付勢する付勢手段としてのスプリング、24はケース10の内壁とロックピン21の基部21aのロック解除スライダ4側との間でロックピン21に遊挿されたロックピンスプリング、ケース10はロック解除スライダ4側の壁部でロックピン21先端部を遊嵌して保持し、対向する壁部でシャフト20の端部を摺動自在に保持している。また、スプリング23はロックピンスプリング24より強い弾性を有するものが使用されている。
【0010】以上のように構成された実施の形態1の蓋開閉機構について、以下その動作を図面を用いて説明する。図3は、図1の蓋開閉機構の開蓋状態を示すB方向底面図であり、図4は図1の蓋開閉機構の閉蓋状態を示すB方向底面図であり、図5は図1の蓋開閉機構のロック解除状態を示すB方向底面図である。
【0011】30はキャビネット1に一端部が固定され他端部でロック部4bをロック状態に付勢するリリーススプリング、31はロック部4bの所定部の上部に切削され上蓋2側に上蓋係止部5釣部を係止する係止壁を備えた上蓋被係止部、32は上蓋被係止部31とL字状に連設して切削され端面がロック部4bの側壁に開口しロックピン21を出入自在に遊嵌するロックピン出入部である。
【0012】まず上蓋2が開いた状態の時はシャフト20を通したスプリング23とスプリング24とが図3の状態で互いにほとんど無負荷、もしくはごくわずかな荷重で釣り合った状態であって、その中立位置はロックピン21の先端がスプリング24の弾性力によってケース10内に収まっている(図3参照)。
【0013】上蓋2を閉めたときは上蓋2に設けられた上蓋係止部5がロック解除スライダ4に引っかかり、上蓋2は閉じた状態で保持される。通常、外的負荷がなければロック解除スライダ4を操作すればロック状態で保持される。また上蓋2に設けられた上蓋係止部5がキャビネット1の挿入孔部6に挿入され、ケース10内のテーパーブロック22のテーパー面に接合して矢印bの方向にシャフト20に沿ってこのテーパーブロック22をロックピン21の先端方向へスライドさせる。このときロックピン21の先端はロック解除スライダ4の立壁に抑制されてケース10内よりとびださないようになっているためスプリング23のみが押し縮められる(図4参照)。
【0014】次に上蓋2を閉じた状態から上蓋2を開くためにロック解除スライダ4を操作したときの動作を説明する。上蓋2に対して上蓋2を開く動作を妨げるような外的負荷がかかっていなければロック解除スライダ4を操作すればロック解除スライダ4の上蓋被止部31と上蓋係止部5との係止が解除され、トーションスプリング3によって上蓋2ははね上げられる。もし上蓋2が開かれることを妨げるような外的負荷が加わった状態では従来の構造ではロック解除スライダ4を操作してもその負荷を取り除かない限り上蓋2は開かずに操作後もロック解除スライダ4がリリーススプリング30によって元の位置に戻り再び上蓋係止部5とロック解除スライダ4が嵌合してしまうので、まず外的負荷を取り除いてやってもう一度ロック解除操作をしなければならない。
【0015】しかし、本発明の蓋開閉装置では外的負荷がある場合には、ロック解除スライダ4を図5の位置まで矢印cの方向にスライド操作させると、ロック解除スライダ4に設けた溝状のロックピン出入部32に、スプリング23によって弾発されていたロックピン21の先端部が飛び出し嵌合し、リリーススプリング30によって付勢されていたロック解除スライダ4が戻ろうとするところを戻さずにロック解除位置で保持する。つまりロック解除スライダ4がロック解除操作状態で保持されるとロック解除スライダ4の上蓋被係止部31と上蓋係止部5との嵌合が解除された状態で維持される。ここで、ロックピン21を保持して飛び出さないようにしていたロックスプリング24があるが、このロックスプリング24の弾性力はスプリング23の弾性力より数倍弱く設定されている。従って、加圧リブ7によって押し出されたテーパーブロック22によって押し縮められたスプリング23が伸長するときのバネ荷重によってロックスプリング24は押し縮められてしまう。その結果、ロックピン21の先端がケース10の切り欠き部分より飛び出すことになる(図5の状態)。
【0016】この状態のまま、上蓋2に加えられていた外的負荷を取り除いてやれば上蓋2はトーションスプリング3によってはね上げられるため再度ロック解除スライダ4を操作する必要はない。そして上蓋2が開いたときには、上蓋2の加圧リブ7とスライドさせられていたテーパーブロック22との接合も解かれ、ロックスプリング24の弾性力(復元力)によってテーパーブロック22が元の位置に戻される。また、同時にスプリング23も無負荷になることでスプリング23の弾性力で飛び出していたロックピン21が再びケース10内に収められて、上蓋2を開いた時の状態に戻る。さらにロック解除スライダ4も保持していたロックピン21との嵌合が解かれてリリーススプリング30の負勢によって図3の位置に戻る。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、キャビネットに軸支しトーションスプリングによって開成方向に付勢された開閉自在となる上蓋と、上蓋の下面に突設され下部に釣部を備えた上蓋係止部と、キャビネットの一側壁の長孔に軸支され上蓋係止部の釣部を係止する長溝状の係止部を備えたロック解除スライダと、ロック解除スライダをロック状態に付勢するリリーススプリングと、を備える蓋開閉装置において、ロック解除操作時に上蓋に外的負荷が加わり開蓋できない状況が生じた場合においても、外的負荷を取り除くことにより再びロック解除操作を行うことなしに開蓋することができる蓋開閉装置を提供することができるという効果得られる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−220271
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−20571