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【発明の名称】 多層プリント配線板の製造方法
【発明者】 【氏名】濱津 力

【氏名】名木 章

【要約】 【課題】多層プリント配線板の製造方法において、複数の内層板を面付けして加熱加圧成形をしてもスリッピングが発生せず、内層板の位置合わせ精度が良好で容易な多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。

【解決手段】本発明の多層プリント配線板の製造方法は、内層板の複数枚を、内層板間にプリプレグを介して配置して面付けを行い、さらにその両側にプリプレグと外層銅箔を重ねた後、加熱加圧成形を行う多層プリント配線板の製造方法において、固定用ピンが立設された固定用治具に、固定用ピン孔が穿設された内層板と、面付けに応じた固定用ピン孔が穿設された成形サイズのプリプレグを配した後、プリプレグと内層板にハトメ用の基準孔を穿設し、上記プリプレグの基準孔と内層板に穿設された基準孔にハトメを打ち込み内層板とプリプレグをかしめることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内層板の複数枚を、内層板間にプリプレグを介して配置して面付けを行い、さらにその両側にプリプレグと外層銅箔を重ねた後、加熱加圧成形を行う多層プリント配線板の製造方法において、固定用ピンが立設された固定用治具に、固定用ピン孔が穿設された内層板と、面付けに応じた固定用ピン孔が穿設された成形サイズのプリプレグを配した後、プリプレグと内層板にハトメ用の基準孔を穿設し、上記プリプレグの基準孔と内層板に穿設された基準孔にハトメを打ち込み内層板とプリプレグをかしめることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項2】 上記請求項1記載の多層プリント配線板の製造方法において、ハトメ用の基準孔を1穴プリプレグと内層板に穿設し、該基準孔にハトメを打ち込んで内層板とプリプレグとをかしめを行い、順次基準孔の穿設とかしめの工程を繰り返し全数のかしめを実施することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項3】 上記請求項1及び請求項2に記載の多層プリント配線板の製造方法において、プリプレグと内層板にハトメ用の基準孔を穿設する方法として、金型により基準孔を打ち抜くことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項4】 上記請求項1及び請求項2記載の多層プリント配線板の製造方法において、プリプレグと内層板にハトメ用の基準孔を穿設する方法として、ドリル加工により基準孔を穿設することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線板の製造方法に関するもので、特に位置精度の高い多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器等に使用される多層プリント配線板は、回路が形成された複数枚の内層板にプリプレグを介して重ねあわせ、さらにその外側にプリプレグと外層銅箔を配して積層した後、この積層体を金属プレートに挟み加熱加圧成形して製造することができる。
【0003】複数枚の内層板を積層する場合には複数枚の内層板に形成された回路を位置あわせする必要があり、従来よりこの複数枚の内層板に形成された回路を位置あわせする方法としてピンラミネーション法が用いられてきたが、この方法では、量産性が劣るためにハトメを使用したマスラミネーション法が実用化されている。
【0004】図3に示すごとく、このハトメを使用したマスラミネーション法は、複数枚の位置合わせ用の基準孔3を穿設した内層板2を、位置合わせ用の基準孔3を有するプリプレグ1aの上面、下面に配し、前記内層板とプリプレグ1aの基準孔3にハトメ6を打ち込み内層板2とプリプレグ1aをかしめて内層板サイズのセットを形成し、さらに、成形サイズのプリプレグ4の間に上記複数枚のセットを配し、さらに外層銅箔5を重ね、加熱加圧成形を行うことにより多層プリント配線板を得ることができる。
【0005】しかしながら、予め、ハトメを挿入する基準孔が穿設された内層板とプリプレグとを1つのセットとして形成するので、セットとそのセットの上下に配したプリプレグとの樹脂の挙動の差が発生し、その差によってスリッピングが発生し、層間ずれが生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、多層プリント配線板の製造方法において、複数の内層板を面付けして加熱加圧成形をしてもスリッピングが発生せず、内層板の位置合わせ精度が良好で容易な多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法は、内層板2の複数枚を、内層板2間にプリプレグ1を介して配置して面付けを行い、さらにその両側にプリプレグ1と外層銅箔5を重ねた後、加熱加圧成形を行う多層プリント配線板の製造方法において、固定用ピン8が立設された固定用治具に、固定用ピン孔9が穿設された内層板2と、面付けに応じた固定用ピン孔9が穿設された成形サイズのプリプレグ1を配した後、プリプレグ1と内層板2にハトメ用の基準孔3を穿設し、上記プリプレグ1の基準孔3と内層板に穿設された基準孔3にハトメ6を打ち込み内層板2とプリプレグ1をかしめることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項2に記載の多層プリント配線板の製造方法は、上記請求項1記載の多層プリント配線板の製造方法において、ハトメ用の基準孔3を1穴プリプレグ1と内層板2に穿設し、該基準孔3にハトメ6を打ち込んで内層板2とプリプレグ1とをかしめを行い、順次、基準孔3の穿設とかしめの工程を繰り返し全数のかしめを実施することを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3に記載の多層プリント配線板の製造方法は、上記請求項1及び請求項2記載の多層プリント配線板の製造方法において、プリプレグ1と内層板2にハトメ用の基準孔3を穿設する方法として、金型により基準孔3を打ち抜くことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項4に記載の多層プリント配線板の製造方法は、上記請求項1及び請求項2記載の多層プリント配線板の製造方法において、プリプレグ1と内層板2にハトメ用の基準孔3を穿設する方法として、ドリル加工により基準孔3を穿設することを特徴とする【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層プリント配線板の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1は本発明の一実施例に係る多層プリント配線板の製造方法を示すための要部断面図である。図2は、本発明の一実施例に係る多層プリント配線板の製造方法で得られた多層プリント配線板を示すための要部断面図である。
【0013】本発明の多層プリント配線板の製造方法は、図1に示すように、複数の内層板2が面付けできるようにそれぞれの内層板2を固定、位置決めする固定用ピン8が複数立設された固定用治具7を準備する。この固定用治具7は、成形サイズの大きさに形成され、その成形サイズに対応した内層板2を複数枚面付けすることができる。この固定用ピン8は、配置、固定された内層板2が移動しないよう少なくとも一面につき2つ以上の固定用ピン8が立設されている。この固定用ピン8に配置する内層板2には、固定用ピン8に対向して固定用ピン孔9がそれぞれ穿設され、固定用ピン8を挿入することにより位置決めすることができる。また、プリプレグ1も同様に固定用ピン孔9が穿設されたものを準備し、面付けされた内層板2を覆うように成形サイズのプリプレグ1を使用する。上記固定用治具7に複数の内層板2を配し、さらにその上にプリプレグ1、さらに内層板2を配することにより積層体を容易に形成することができる。
【0014】そして、固定用ピン8が挿入された状態で、プリプレグ1と内層板2にハトメ用の基準孔3を穿設する。これにより内層板2の位置ずれが発生することなくプリプレグ1と内層板2とに同時にハトメ6の基準孔3を穿設することができる。この基準孔3の形成方法としては、金型やドリル加工を使用することができる。
【0015】さらに、得られた上記プリプレグ1の基準孔3と内層板2に穿設された基準孔3にハトメ6を打ち込み内層板2とプリプレグ1をかしめて一体化することができる。
【0016】また、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、、図2に示すように、上述のように、固定用治具7に複数の内層板2を配し、さらにその上にプリプレグ1、さらに内層板2を配して、固定用ピン孔9が穿設された成形サイズのプリプレグ1を挟持するように、固定用ピン孔9が穿設された内層板2の複数組を配置して面付けを行って積層体を形成する。そして、ハトメ用の基準孔3をプリプレグ1と内層板2に穿設し、穿設された基準孔3にハトメ6を打ち込んで、まず1箇所にかしめを行い内層板2とプリプレグ1とを固定する。さらに、順次、この基準孔3を穿設した後かしめを行う工程を繰り返し、必要数となる全数のかしめを実施することにより内層板2とプリプレグ1とを一体化することができる。
【0017】本発明の多層プリント配線板の製造方法は、図1、図2に示すように、固定用治具7に固定用ピン孔9が穿設されたプリプレグ1と内層板2の複数組を配置して面付けを行って積層体に、固定された状態で基準孔3を穿設し、該基準孔3にハトメ6を打ち込んでかしめることによりプリプレグ1と内層板2とを一体化させるので、プリプレグの挙動の差による内層板セットのスリッピングが発生せず、任意の成形サイズに配置、固定することができる。
【0018】上記一体化された内層板とプリプレグは、その両側に外層プリプレグ4と外層銅箔5を上下に重ね合わせ、加熱加圧成形を行うことにより多層プリント配線板を得ることができる。また、一体化する際に、上記外層プリプレグ4を重ねあわせ、基準孔3を同様に穿設した後、ハトメ6を打ち込んでかしめて一体化したものを使用して外層銅箔5を上下に重ねあわせ、加熱加圧成形を行って多層プリント配線板を得ることができる。この場合、さらに、外層プリプレグの挙動を抑制することができるので、内層板の配置、固定を正確にすることができるとともに、外層銅箔とのスリッピングも抑制することができる。、本発明で使用されるハトメは、本出願人が出願している特許出願番号、平成7年第62972号、平成7年第243328号で示されるハトメ6を使用することができる。
【0019】
【実施例】(実施例1)図1に示すように厚さ0.2mmの両面銅張りガラス基材エポキシ樹脂積層板に直径5mmの位置合わせ用の固定用孔及び両面に回路を形成して500×340mmサイズの内層板2を6枚準備し、さらに、直径5mmの位置合わせ用の固定用孔をあけた厚さ0.1mm、成形サイズ500×1050mmのプリプレグ1を準備した。上記プリプレグ1を2枚配し、さらに、このプリプレグ1を挟持するように、上下に3枚ずつ内層板2を固定用治具7に配置し積層体とした。この積層体に位置合わせ用の基準孔3を金型により穿設した。更にこの基準孔3にフランジ部よりなる上下に開口した貫通穴を有するハトメ6を打ち込んだ後、かしめを行ってハトメ6の先端を折り曲げることによりかしめて内層板2間の固定を行った。
【0020】次いで、固定を行った上記積層体の最外層にそれぞれ厚み0.1mmの外層プリプレグ4を2枚、さらに厚さ18μmの銅箔を配して積層した後、金属プレートに挟み170℃、3.9MPa、90分の条件下で加熱加圧成形を行って成形サイズ500×1050mmの多層プリント配線板を得た。
(実施例2)図2に示すように厚さ0.2mmの両面銅張りガラス基材エポキシ樹脂積層板に直径5mmの位置合わせ用の固定用孔及び両面に回路を形成して500×340mmサイズの内層板2を6枚準備し、さらに、直径5mmの位置合わせ用の固定用孔をあけた厚さ0.1mm、成形サイズ500×1050mmのプリプレグ1を準備した。上記プリプレグ1を2枚配し、さらに、このプリプレグ1を挟持するように、上下に3枚ずつ内層板2を固定用治具7に配置し積層体とした。この積層体に位置合わせ用の基準孔3をドリル加工により1穴穿設した。更にこの基準孔3にフランジ部よりなる上下に開口した貫通穴を有するハトメ6を打ち込んだ後、かしめを行ってハトメ6の先端を折り曲げることによりかしめて内層板2間の固定を行った。さらに、順次、上記ドリル加工により基準孔3を穿設し、ハトメ6を打ち込んでかしめる工程を繰り返し、すべての内層板2とプリプレグ1とを固定して積層体を形成した。
【0021】次いで、固定を行った上記積層体の最外層にそれぞれ厚み0.1mmの外層プリプレグ4を2枚、さらに厚さ18μmの銅箔を配して積層した後、金属プレートに挟み170℃、3.9MPa、90分の条件下で加熱加圧成形を行って成形サイズ500×1050mmの多層プリント配線板を得た。
(比較例)図3に示すように厚さ0.2mmの両面銅張りガラス基材エポキシ樹脂積層板に直径5mmの位置合わせ用の固定用孔、基準孔3及び両面に回路を形成して500×340mmサイズの内層板2を6枚準備し、さらに、直径5mmの位置合わせ用の固定用孔と基準孔3をあけた厚さ0.1mm、成形サイズ500×1050mmのプリプレグ1を準備した。上記プリプレグ1を2枚配し、さらに、このプリプレグ1を挟持するように、上下に3枚ずつ内層板2を固定用治具7に配置し積層体とした。この積層体の基準孔3にフランジ部よりなる上下に開口した貫通穴を有するハトメ6を打ち込んだ後、かしめを行ってハトメ6の先端を折り曲げることによりかしめて内層板2間の固定を行った。
【0022】次いで、固定を行った上記積層体の最外層にそれぞれ厚み0.1mmの外層プリプレグ4を2枚、さらに厚さ18μmの銅箔を配して積層した後、金属プレートに挟み170℃、3.9MPa、90分の条件下で加熱加圧成形を行って成形サイズ500×1050mmの多層プリント配線板を得た。
(評価)上記で得られた多層プリント配線板をそれぞれの500×340mmに切断し、4隅の地点での成形後の層ずれ量を測定した。
【0023】
【表1】

【0024】上記表1に示すごとく本発明の多層プリント配線板の製造方法で得られた多層プリント配線板は、層ずれ量が小さいことが確認された。
【0025】
【発明の効果】上述したように、本発明に係る接着剤付き銅箔を使用すると、多層プリント配線板の製造方法において、複数の内層板2を面付けして加熱加圧成形をしてもスリッピングが発生せず、内層板の位置合わせ精度が良好な多層プリント配線板を容易に製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開平11−220259
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−10871