| 【発明の名称】 |
プリント配線板の製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中西 真一郎
【氏名】赤井 晋一
【氏名】星野 雅史
【氏名】高橋 邦尚
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| 【要約】 |
【課題】プリント配線板の総てのスルーホール内にも液の供給が十分行われるようなプリント配線板の製造装置を提供する。
【解決手段】エアレーション用の管4、5から交互に気泡を吹き出すことにより、プリント配線板が取り付けられている冶具11を懸吊部材14を支点にして液内で揺動させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】液の入った槽と、槽外の槽の上方に配置された懸吊部材と、懸吊部材に吊り下げられ、プリント配線板を縦方向に取り付けるようになし、槽の液内に浸漬せしめられる冶具と、槽内に浸漬せしめられたプリント配線板の両面側にそれぞれ位置するように配置されたエアレーション用の管とを具備し、エアレーション用の管から交互に気泡を吹き出すことにより、プリント配線板が取り付けられている冶具を懸吊部材を支点にして液内で揺動させることを特徴とするプリント配線板の製造装置。 【請求項2】液の入った槽と、槽外の槽の上方に配置された懸吊部材と、懸吊部材に吊り下げられ、プリント配線板を縦方向に取り付けるようになし、槽の液内に浸漬せしめられる冶具と、槽内に浸漬せしめられたプリント配線板の片面側に位置するように配置されたエアレーション用の管とを具備し、エアレーション用の管から間欠的に気泡を吹き出すことにより、プリント配線板が取り付けられている冶具を懸吊部材を支点にして液内で揺動させることを特徴とするプリント配線板の製造装置。 【請求項3】槽に入っている液がメッキ液であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の製造装置。 【請求項4】槽の液内に浸漬せしめられたプリント配線板の下方の両面側に位置するよう補助エアレーション用の管がそれぞれさらに配置され、これら管からプリント配線板の両表面をなぞるように常時気泡が出ている請求項1〜3のいづれか1つに記載のプリント配線板の製造装置。 【請求項5】槽内にプリント配線板の揺動幅を規制する振れ止め部材が配置されている請求項1〜4のいづれか1つに記載のプリント配線板の製造装置。 【請求項6】懸吊部材がプリント配線板の揺動方向と同じ方向に往復運動する請求項1〜5のいづれか1つに記載のプリント配線板の製造装置。 【請求項7】複数の槽と搬送装置を有し、搬送装置により懸吊部材が冶具をある槽から上昇させ、移動して別の槽内に下降させるようになされている請求項1〜6のいづれか1つに記載のプリント配線板の製造装置。 【請求項8】懸吊部材がカソードバーを兼ねている請求項1〜7のいづれか1つに記載のプリント配線板の製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線板の製造装置に関し、さらに詳しくは、プリント配線板の各層間の導通を図るためのメッキ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】プリント配線板には、多数のスルーホールおよび/または非貫通スル−ホ−ル(以下「スル−ホ−ル」と称する。)が全面的または部分的に設けられ、メッキ処理の際にメッキ液が必要に応じてスルーホール内にも十分に供給されて、プリント配線板の表面と裏面だけでなく、スルーホール内壁面にも均一な厚さのメッキが形成されるようにする必要がある。 【0003】そのために、プリント配線板が浸漬されているメッキ槽において、プリント配線板が取り付けられている冶具の上方を揺動させたり、図11のように槽内の下方に配置したノズル20からメッキ液21内に気泡22を発生させて、プリント配線板23の表面に気泡をなぞらせ表面付近のメッキ液を攪拌する方法(バブリング)などが単独または組み合わされて行われている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら冶具の上方を揺動させても、冶具の下方はメッキ液の粘性抵抗により動きが阻害されて十分に揺動しない。従って冶具の下方に配置されたプリント配線板においては、プリント配線板の表面やスルーホール内にメッキ液が滞留してメッキ液の供給が均一に行われず、スルーホール内に均一なメッキ膜厚が形成されなかった。 【0005】そのため冶具の下方も揺動させることも考えられるが、そのためには、槽内の下部にも揺動装置を設ける必要があり、構造が複雑となりコストアップにつながる。 【0006】一方、バブリングによる方法でも、気泡はプリント配線板の表面をなぞるように上昇し攪拌するだけなので、スルーホール内にメッキ液の供給が十分行われるとはいえなかった。 【0007】本発明は、プリント配線板の総てのスルーホール内にも液の供給が十分行われるプリント配線板の製造装置を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明のプリント配線板の製造装置は、液の入った槽、好ましくはメッキ液の入った槽と、槽外の槽の上方に配置された懸吊部材と、懸吊部材に吊り下げられ、かつプリント配線板を縦方向に取り付けるようになし、槽の液内に浸漬せしめられる冶具と、槽内に浸漬せしめられたプリント配線板の両面側にそれぞれ位置するように配置されたエアレーション用の管とを具備し、エアレーション用の管から交互に気泡を吹き出すことにより、プリント配線板が取り付けられている冶具を懸吊部材を支点にして液内で揺動させることを特徴とする。 【0009】また本発明のプリント配線板の製造装置は、液の入った槽、好ましくはメッキ液の入った槽と、槽外の槽の上方に配置された懸吊部材と、懸吊部材に吊り下げられ、かつプリント配線板を縦方向に取り付けるようになし、槽の液内に浸漬せしめられる冶具と、槽内に浸漬せしめられたプリント配線板の片面側に位置するように配置されたエアレーション用の管とを具備し、エアレーション用の管から間欠的に気泡を吹き出すことにより、プリント配線板が取り付けられている冶具を懸吊部材を支点にして液内で揺動させることを特徴とする。 【0010】さらに槽の液内に浸漬せしめられたプリント配線板の下方の両面側に位置するよう補助エアレーション用の管がそれぞれさらに配置され、これら管からプリント配線板の両表面をなぞるように常時気泡が出ていることを特徴とする。 【0011】また槽内にプリント配線板の揺動幅を規制する振れ止め部材が配置されていることを特徴とする。 【0012】さらに懸吊部材がプリント配線板の揺動方向と同じ方向に往復運動することを特徴とする。 【0013】また複数の槽と搬送装置を有し、搬送装置により懸吊部材が冶具を1つの槽から上昇させ、移動して別の槽内に下降させるようになされていることを特徴とする。 【0014】さらに懸吊部材がカソードバーを兼ねていることを特徴とする。 【0015】 【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明によるプリント配線板の製造装置の一例である電気銅メッキ槽を示すもので、槽1内は液(例えば硫酸銅溶液)で液面2まで満たされ、槽1内の対向する壁面に沿って縦方向に銅からなる電極(アノード電極)3が配置されている。3aは電極3に接続されている電気ケ−ブルである。 【0016】槽1内の下方には槽の長手方向に2本のエアレーション用の管4、5が配置され、またその近傍には同じく槽の長手方向に補助エアレーション用の管6、7が配置されている。2本のエアレーション用の管4、5はそれぞれ電磁弁などからなる弁8を介してブロワー(図示せず)に接続されている。一方、補助エアレーション用の管6、7も一本の管9となり別のまたは同じブロワー(図示せず)に接続されている。エアレーション用の管4、5および補助エアレーション用の管6、7にはその長手方向に沿ってそれぞれ多数の孔4a、5a、6a、7aが設けられている。 【0017】銅メッキされるプリント配線板10はそれぞれ冶具11に取り付けられている。冶具11は図2のように離隔して配置された縦方向に伸びる2つの取付部材12を有し、これに縦方向に配置された1乃至複数枚(図2では3枚)のプリント配線板10が、その左右両辺で取付部材12にそれぞれボルトおよびナットで取り付けられている。 【0018】冶具11の取付部材12の上端にはフック部材13が設けられ、これにより冶具11が懸吊部材14に吊り下げられている。なお懸吊部材14はカソードバーを兼ねている。図2では4組の冶具11が懸吊部材14に吊り下げられている。 【0019】懸吊部材14に吊り下げられた冶具11は、槽1内の両電極3間の真ん中に下降して、液に浸漬される。上述したエアレーション用の管4、5および補助エアレーション用の管6、7は、この下降して槽内に配置された冶具11すなわちプリント配線板10の両面にそれぞれ位置するように配置されている。なお槽1内に配置された冶具11の下方付近には冶具11の振れを規制する振れ止め部材15が配置されている。15aは振れ止め部材15を支持する支持部材である。 【0020】アノ−ド電極3とカソードバー14(懸吊部材)間は通電され、冶具11が下降してプリント配線板が液に浸漬されると、図4aのように補助エアレーション用の管6、7からは常時気泡が出て、プリント配線板の両面をなぞるように上昇して、プリント配線板の表面付近の液を攪拌する。ここで図4bのようにエアレーション用の管4から気泡4bが出はじめると、冶具11は気泡の浮力で押されて懸吊部材14を支点にエアレーション用の管5の方に振れる(図4c)。 【0021】次にエアレーション用の管4からの気泡の発生が止まり、エアレーション用の管5から気泡5bが出はじめると冶具11はエアレーション用の管4の方に振れる(図5a〜5c)。このようにして冶具11が揺動せしめられる。エアレーション用の管4、5への交互のエアーの供給および停止は弁8により制御される。なおエアレーション用の管4、5の方が補助エアレーション用の管6、7より大量の気泡が生ずるように、管径や孔径やエアー供給量などが設定されている。 【0022】このように冶具11が揺動すると、冶具11に取り付けられているプリント配線板10に設けられた多数のスルーホール内を液が通過し,またスルーホール内に入り込んだ気泡が外に押し出される。従ってスルーホール内での液の滞留が起こらず、液が均一にスルーホール内に供給されて、冶具11に取り付けられている総てのプリント配線板の総てのスルーホール内壁面においても均一なメッキ膜厚のメッキ膜が形成される。 【0023】本発明ではプリント配線板が液内で揺動するので、板厚が厚くスルーホール径が小さいといったアスペクト比が高い場合でも、液がスルーホール内に十分に行きわたり、メッキ膜厚が均一で信頼性に優れたプリント配線板が作成できる。 【0024】冶具11の揺動運動、ことに冶具の上方での揺動を増長するために、図1の矢印Aのように懸吊部材14を冶具11の揺動運動にあわせて冶具11の揺動方向に往復運動させてもよい。すなわち懸吊部材14の両端を、レール上を移動する車輪を有する移動装置(図示せず)の上に載置し、移動装置を短い距離だけ往復運動させてもよい。 【0025】メッキ槽として1槽に1つの冶具を使用する場合を例示したが、1槽に3つのアノ−ド電極を配置してそれらの間に2つの冶具を平行に同時に浸漬できるようなタイプの槽でもよくその形式は問わない。また懸吊部材14は、搬送装置(図示せず)によりメッキが終われば上昇し移動して次の処理のための槽に移動するようにしてもよい。 【0026】なお図1〜図5ではエアレーション用の管4、5は、冶具11の下方端付近に配置されているが、図6のように冶具11の下方端より下に配置してもよい。また図7のようにエアレーション用の管16を1つだけ設けて、これから間欠的に気泡を発生させて冶具を揺動するようにしてもよい。さらに図8のように補助エアレーション用の管をなくしエアレーション用の管だけとしてもよい。なおエアレーション用の管およびエアレーション用の管はプリント配線板の両側または片側に1本ずつでなく複数本ずつ設けてもよい。 【0027】なお本発明はメッキ処理に限らず、プリント配線板の黒化処理や洗浄といった、湿式の他の表面処理に適用できるのみならず、プリント配線板以外の液が滞留しやすい構造の装置にも適用できる。 【0028】 【実施例】<実施例1>図1〜図3に図示の電気メッキ槽(縦250cm、横60cm、高さ135cm)を用いて、直径0.35mmの多数のスルーホールを有するプリント配線板(縦30cm、横40cm、厚さ1.6mm)を4つの冶具に3枚づつ取付けて60分間、1200Aにて銅メッキを行った。その際エアレーション用の管4、5は弁8により15秒ごとに開閉され毎分1Nm3 の流量にてエアーを吐出させた。一方、補助エアレーション用の管6、7からは、常時毎分0.5Nm3 の流量にてエアーを吐出させた。またカソードバー14を0.25Hzの周期で幅25mm揺動させた。 【0029】その結果、箇所10aのプリント配線板の面上に厚さ25μmの銅メッキが析出した。このプリント配線板のスルーホール内壁に析出したメッキ膜厚を断面観測にて測定したところ、図9のようにスルーホール100カ所におけるスルーホール内壁のメッキ膜厚は100カ所中80%が17.5μm〜20μmとほぼ均一であった。 【0030】<比較例1>比較例としてエアレーション用の管4、5がない点を除いては実施例1と同じ条件で銅メッキを行った。実施例1と同じ箇所のプリント配線板のスルーホール内壁に析出したメッキ厚を断面観測にて測定したところ、図10のようにスルーホール100カ所におけるスルーホール内壁のメッキ膜厚はバラつき均一にならない。 【0031】 【発明の効果】本発明のプリント配線板の製造装置によれば、冶具に取り付けられたプリント配線板はエアレーション用の管から吐出する気泡の浮力により揺動するので、スルーホール内にも液が通過し,またスルーホール内に入り込んだ気泡が外に押し出され、従ってスルーホール内での液の滞留が起こらず、液が均一にスルーホール内に供給されて、プリント配線板の全域のスルーホール内壁においても均一なメッキ膜厚が形成される。 【0032】またプリント配線板の両面側に位置するよう補助エアレーション用の管を設けることにより、これらからプリント配線板の両表面をなぞるように常時気泡が出てプリント配線板の表面の液が攪拌される。 【0033】槽内にプリント配線板の揺動幅を規制する振れ止め部材を設けることにより、プリント配線板が電極や槽の壁面にぶつかりこれらが損傷することが防止される。しかも、プリント配線板が常に適正な電極間距離に保持されるため、プリント配線板のスル−ホ−ルの内壁を含む表面に適正な厚さのメッキ層が形成できる。 【0034】懸吊部材がプリント配線板の揺動方向と同じ方向に往復運動することにより揺動がより効果的に行われる。 【0035】複数の槽と搬送装置を有し、搬送装置により懸吊部材が冶具を1つの槽から上昇させ、移動して別の槽内に下降させるようになされていることにより、自動的にプリント配線板の処理および製造ができる。 【0036】懸吊部材が電気メッキ槽におけるカソードバーを兼ねていることにより、カソード電極を別途設ける必要がなく構造が簡単になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000103220 【氏名又は名称】エルナー株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】外山 三郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−220257 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−34285 |
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