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【発明の名称】 セラミック配線板の製造方法
【発明者】 【氏名】川原 智之

【氏名】吉澤 出

【氏名】高橋 広明

【要約】 【課題】セラミック基板10に形成された貫通穴12に導電性ペースト16を充填した後、導電性ペースト16を平坦化し、次いでセラミック基板10の表面に回路20を形成して製造するセラミック配線板の製造方法であって、セラミック基板10と充填した導電性ペースト16の固化物との密着性が優れたセラミック配線板が得られるセラミック配線板の製造方法を提供する。

【解決手段】貫通穴12に導電性ペースト16を充填する方法が、貫通穴12の壁面に金属皮膜14を形成した後、その壁面に金属皮膜14を形成した貫通穴12に導電性ペースト16を充填する方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セラミック基板に形成された貫通穴に熱固化型の導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化し、次いでセラミック基板の表面に回路を形成して製造するセラミック配線板の製造方法において、貫通穴に導電性ペーストを充填する方法が、貫通穴の壁面に金属皮膜を形成した後、その壁面に金属皮膜を形成した貫通穴に導電性ペーストを充填する方法であることを特徴とするセラミック配線板の製造方法。
【請求項2】 金属皮膜が、銅の皮膜であることを特徴とする請求項1記載のセラミック配線板の製造方法。
【請求項3】 導電性ペーストが、銀及びロジウムを含有するペーストであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のセラミック配線板の製造方法。
【請求項4】 貫通穴の壁面に金属皮膜を形成する際に、セラミック基板の表面にも金属皮膜を形成すると共に、導電性ペーストを平坦化した後、セラミック基板の表面の金属皮膜を除去することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法。
【請求項5】 貫通穴に導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化する方法が、貫通穴に導電性ペーストを充填した後、セラミック基板の両面に熱剥離型シートを加圧しながら貼り付けて貫通穴の両方の端面を閉塞した後、加熱して熱剥離型シートを除去する方法であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法。
【請求項6】 貫通穴に導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化する方法が、セラミック基板の一方の面に通気性シートを貼り付けて貫通穴の一方の端面を閉塞した後、貫通穴に導電性ペーストを充填し、次いで貫通穴から突出する部分の導電性ペーストを除去した後、通気性シートを剥がし取る方法であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法。
【請求項7】 貫通穴に導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化する方法が、貫通穴に導電性ペーストを充填した後、その導電性ペーストを固化し、次いで貫通穴から突出する部分の導電性ペーストの固化物を研磨して除去する方法であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属物が充填されたスルホールを有し、表面に回路が形成されたセラミック配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化が加速する中、セラミック配線板は小型化、高集積化、高周波数対応化の方向に進みつつあり、セラミック配線板の特性として、IC等の電子部品から発生する熱の放熱性や、高周波対応のためのグランド回路の強化が問題となっている。そのためこれらの対策として、スルホール内に金属物を充填してスルホールの導電率を上げることによってグランド回路を強化すると共に、その金属物を充填したスルホール上に電子部品を実装することによって、電子部品を実装した面と反対側の面に熱を逃がし、放熱性を向上させることが行われている。
【0003】この金属物を充填したスルホールを形成する方法としては、例えば、特開平3−276790号に記載されたように、セラミック基板に形成された貫通穴に金属粉等を含有する導電性ペーストを充填した後、加熱して導電性ペーストを固化し、次いで研磨等により基板から突出する部分の導電性ペーストの固化物(金属物)を除去することによって導電性ペーストの固化物の端面を平坦化して形成する方法や、特開平5−167246号に記載されたように、セラミック基板に形成された貫通穴に低収縮型の導電性ペーストを充填した後、加熱して導電性ペーストを固化して形成する方法が行われている。
【0004】しかしこれらの方法で導電性ペーストの固化物を充填したスルホールを形成した場合、セラミック基板と導電性ペーストの固化物との密着性が低いという問題があった。そのため、導電性ペーストの固化物を充填したスルホールの部分に厚膜ペーストを塗布してスルホールの端面を覆った後、この厚膜ペーストを焼成することによってスルホールの端面に剥離防止層を形成し、導電性ペーストの固化物の剥離を防止することが検討されている。しかし、この方法の場合、厚膜ペーストとセラミック基板の密着を得るために、スルホールの周囲のセラミック基板の表面にランドを形成する必要があり、回路設計上の制限が生じるという問題や、セラミック配線板の大きさが大きくなるという問題があった。そのため、セラミック基板と充填した導電性ペーストの固化物との密着性が優れたセラミック配線板が得られるセラミック配線板の製造方法が望まれている。
【0005】また、導電性ペーストを固化した後、研磨等により基板から突出する部分の導電性ペーストの固化物を除去して得られた配線板は、表面に形成した回路間の絶縁性が低下する場合があるという問題があった。これは、研磨によって微細化した導電性ペーストの固化物が基板表面に付着し、その後形成しようとする回路間の絶縁部分に付着するため、絶縁部の絶縁性が低下することが原因となっている。そのため、配線板表面に形成する回路間の絶縁部に、余分な導電性ペーストの固化物が残存しにくく、絶縁性が優れたセラミック配線板の製造方法も望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とするところは、セラミック基板に形成された貫通穴に導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化し、次いでセラミック基板の表面に回路を形成して製造するセラミック配線板の製造方法であって、セラミック基板と充填した導電性ペーストの固化物との密着性が優れたセラミック配線板が得られるセラミック配線板の製造方法を提供することにある。
【0007】また、セラミック配線板表面の絶縁部に、余分な導電性ペーストの固化物が残存しにくいセラミック配線板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係るセラミック配線板の製造方法は、セラミック基板に形成された貫通穴に熱固化型の導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化し、次いでセラミック基板の表面に回路を形成して製造するセラミック配線板の製造方法において、貫通穴に導電性ペーストを充填する方法が、貫通穴の壁面に金属皮膜を形成した後、その壁面に金属皮膜を形成した貫通穴に導電性ペーストを充填する方法であることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項2に係るセラミック配線板の製造方法は、請求項1記載のセラミック配線板の製造方法において、金属皮膜が、銅の皮膜であることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3に係るセラミック配線板の製造方法は、請求項1又は請求項2記載のセラミック配線板の製造方法において、導電性ペーストが、銀及びロジウムを含有するペーストであることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項4に係るセラミック配線板の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法において、貫通穴の壁面に金属皮膜を形成する際に、セラミック基板の表面にも金属皮膜を形成すると共に、導電性ペーストを平坦化した後、セラミック基板の表面の金属皮膜を除去することを特徴とする。
【0012】本発明の請求項5に係るセラミック配線板の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法において、貫通穴に導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化する方法が、貫通穴に導電性ペーストを充填した後、セラミック基板の両面に熱剥離型シートを加圧しながら貼り付けて貫通穴の両方の端面を閉塞した後、加熱して熱剥離型シートを除去する方法であることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項6に係るセラミック配線板の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法において、貫通穴に導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化する方法が、セラミック基板の一方の面に通気性シートを貼り付けて貫通穴の一方の端面を閉塞した後、貫通穴に導電性ペーストを充填し、次いで貫通穴から突出する部分の導電性ペーストを除去した後、通気性シートを剥がし取る方法であることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項7に係るセラミック配線板の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック配線板の製造方法において、貫通穴に導電性ペーストを充填した後、導電性ペーストを平坦化する方法が、貫通穴に導電性ペーストを充填した後、その導電性ペーストを固化し、次いで貫通穴から突出する部分の導電性ペーストの固化物を研磨して除去する方法であることを特徴とする。
【0015】本発明によると、貫通穴の壁面に形成した金属皮膜と導電性ペーストの固化物との間に金属結合が生じるため、充填した導電性ペーストが固化するときに若干収縮した場合であっても、セラミック基板と導電性ペーストの固化物との間で剥離が発生しにくくなり、密着性が向上すると考えられる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係るセラミック配線板の製造方法を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るセラミック配線板の製造方法の一実施の形態の工程を説明する断面図であり、図2は本発明に係るセラミック配線板の製造方法の他の実施の形態の工程を説明する断面図であり、図3は本発明に係るセラミック配線板の製造方法の更に他の実施の形態の工程を説明する断面図である。
【0017】本発明に係るセラミック配線板の製造方法の一実施の形態は、図1(a)に示すような、貫通穴12を有する焼成済みのセラミック基板10を用いる。このセラミック基板10としては、アルミナ、ジルコニア、ガラスセラミック等の無機系の板が挙げられる。なお、貫通穴12を形成する方法は特に限定するものではなく、例えば、焼成前にパンチング等により貫通する穴を形成しておき、焼成して形成する方法や、焼成後、レーザー等により開ける方法等が挙げられる。この貫通穴12の大きさや、セラミック基板10の厚み等は特に限定するものではなく、製造しようとするセラミック配線板の特性等に応じて適宜調整すれば良い。
【0018】そして、図1(b)に示すように、貫通穴12の壁面に金属皮膜14を形成する。すると、後工程で貫通穴12に導電性ペースト16を充填した後、その導電性ペースト16を固化して得られるセラミック配線板は、セラミック基板10と導電性ペーストの固化物との密着性が優れたセラミック配線板となる。これは、充填した導電性ペーストが固化するときに若干収縮した場合、セラミック基板10と導電性ペーストの固化物との間で剥離が発生するが、本発明のように貫通穴12の壁面に金属皮膜14を形成した場合、金属皮膜14と導電性ペーストの固化物との間に金属結合が生じ、セラミック基板10と導電性ペーストの固化物との間で剥離が発生しにくくなって、密着性が向上すると考えられる。
【0019】この金属皮膜14を形成する金属としては、銅、ニッケル等が挙げられるが、銅の場合、得られるセラミック配線板のセラミック基板10と導電性ペーストの固化物との密着性が、特に優れ好ましい。なお、この金属皮膜14の厚みは、0.1μm以上であると、特に密着性が優れ好ましい。この金属皮膜14を貫通穴12の壁面に形成する方法としては、特に限定するものではなく、スパッタリング法、CVD法(化学的蒸着法)、メッキ法等が挙げられる。
【0020】なお、金属皮膜14を形成する前に、貫通穴12の壁面を粗面化した後、金属皮膜14を形成すると、セラミック基板10と金属皮膜14との密着性が向上するため、得られるセラミック配線板のセラミック基板10と導電性ペーストの固化物との密着性が向上し好ましい。この貫通穴12の壁面を粗面化する方法としては、例えばフッ酸や、リン酸や、アルカリ等で処理する方法が挙げられる。
【0021】次いで、図1(c)に示すように、貫通穴12に導電性ペースト16を充填する。この導電性ペースト16は、固化したときに金属物となる熱固化型のペーストであれば特に限定するものではなく、例えば、銀の粉を含有するペースト状のものや、銅の粉を含有するペースト状のものや、金の粉を含有するペースト状のものが挙げられる。なお、銀及びロジウムを含有するペーストの場合、固化する前と固化した後の体積の差が小さいため、導電性ペースト16の平坦化が容易となり好ましい。導電性ペースト16を充填する方法としては、特に限定するものではなく、印刷法、圧入法等で行い、少なくとも貫通穴12全体が埋まる量の導電性ペースト16を充填する。
【0022】次いで、図1(d)に示すように、セラミック基板10の両面に熱剥離型シート18を加圧しながら貼り付け、貫通穴12の両方の端面を閉塞すると共に、セラミック基板10の表面に形成した金属皮膜14の表面と、導電性ペースト16の端面とを略面一にし、貫通穴12の端面から突出している部分の導電性ペースト16を貫通穴12の周囲の金属皮膜14の表面に広げて、導電性ペースト16を平坦化する。
【0023】なお、熱剥離型シート18は、熱にて剥離可能な固化物を形成する樹脂の単独、又はこれらの樹脂に絶縁性フィラーを付加したものをシート状に形成したものである。なお、熱剥離型シート18の代わりに、溶剤又はアルカリ剥離型シートを用いて同様に平坦化することも可能であるが、溶剤又はアルカリ剥離型シートの場合、後工程で加熱して導電性ペースト16を固化するときに変質してしまい、剥離が困難となりやすいため、熱剥離型シート18が好ましい。
【0024】次いで、図1(e)に示すように、加熱して導電性ペースト16を固化すると共に、熱剥離型シート18を除去する。この加熱の条件としては、導電性ペースト16が固化すると共に、熱剥離型シート18が除去可能な温度及び時間に適宜調整して加熱する。なお、一旦加熱して熱剥離型シート18を除去した後、更に加熱して導電性ペースト16を固化するようにしても良い。なおこの後半の加熱は、この工程で行わずに、後のいくつかの工程を経た後、行うようにしても良い。
【0025】次いで、図1(f)に示すように、セラミック基板10の表面の金属皮膜14を除去する。すると、貫通穴12の端面から突出していた部分の導電性ペースト16を平坦化したときに、貫通穴12の周囲の金属皮膜14の表面に拡がった導電性ペースト16の固化物も金属皮膜14と一緒に除去され、セラミック基板10の表面の絶縁部に、余分な導電性ペースト16の固化物が残存しにくくなる。これは、熱剥離型シート18を加圧しながら貼り付けたときに導電性ペースト16は伸ばされて非常に薄くなり、この工程で除去する導電性ペースト16の固化物も非常に薄くなっているため、金属皮膜14を除去するときのエッチング液のスプレー圧や浸透圧によって容易に除去されるためである。
【0026】次いで、図1(g)に示すように、セラミック基板10の表面に回路20を形成してセラミック配線板を製造する。すると、セラミック基板10と導電性ペースト16の固化物との密着性が優れると共に、セラミック基板10の表面の絶縁部に、余分な導電性ペースト16の固化物が残存しにくいセラミック配線板が得られる。
【0027】なお、回路20を形成する方法としては、特に限定するものではなく、スパッタリング法、CVD法、メッキ法等が挙げられる。なおこの場合、セラミック基板10表面の回路20を形成しない部分にレジストを形成した後、そのレジストを形成しなかった部分に回路20を形成するための金属を付与して回路20を形成しても良く、セラミック基板10の表面全体に、回路20を形成するための皮膜を形成した後、回路20を形成しようとする部分をエッチングレジストで被覆し、次いで、被覆しなかった部分の皮膜を除去して回路20を形成した後、エッチングレジストを除去する方法で形成しても良い。なお、回路20は、セラミック基板10の表面のみに形成することに限定するものではなく、導電性ペースト16の固化物の表面にも形成しても良い。
【0028】なお、上記の実施の形態は、貫通穴12の壁面及びセラミック基板10の表面全体に金属皮膜14を形成した実施の形態を説明したが、セラミック基板10の表面にも形成することに限定するものではなく、少なくとも貫通穴12の壁面に金属皮膜14を形成していれば、セラミック基板10と導電性ペースト16の固化物との密着性が優れたセラミック配線板が得られる。
【0029】また、上記の実施の形態は、導電性ペースト16を平坦化する方法として、貫通穴12に導電性ペースト16を充填した後、セラミック基板10の両面に熱剥離型シート18を加圧しながら貼り付けて貫通穴12の両方の端面を閉塞した後、加熱して熱剥離型シート18を除去する方法(以下、方法Aと記す)の実施の形態を説明したが、この方法に限定するものではなく、例えば、セラミック基板10の一方の面に通気性シートを貼り付けて貫通穴12の一方の端面を閉塞した後、貫通穴12に導電性ペースト16を充填し、次いで貫通穴12から突出する部分の導電性ペースト16を除去した後、通気性シートを剥がし取る方法(以下、方法Bと記す)や、貫通穴12に導電性ペースト16を充填した後、その導電性ペースト16を固化し、次いで貫通穴12から突出する部分の導電性ペースト16の固化物を研磨して除去する方法(以下、方法Cと記す)や、固化するときの収縮率を見越した量の導電性ペースト16を供給した後、固化することによって平坦化する方法でも良い。これらの場合も同様に、セラミック基板10の表面の絶縁部に、余分な導電性ペースト16の固化物が残存しにくいセラミック配線板が得られる。なお、方法Aの場合、容易に平坦化でき好ましい。
【0030】上記方法Bの具体的方法としては、例えば、図2(c)に示すように、貫通穴12の壁面に金属皮膜14を形成したセラミック基板10の一方の面に通気性シート22を貼り付ける。この通気性シート22としては、導電性ペースト16を充填するとき、通気性シート22を通して貫通穴12内の空気が抜けるシートであり、例えば、和紙等の開口を有する紙や、表面に凹凸を有し凹の部分を通して平面方向に空気が抜けるシートが挙げられる。
【0031】次いで、図2(d)に示すように、通気性シート22を貼り付けていない面の側から貫通穴12に導電性ペースト16を充填した後、通気性シート22を貼り付けていない面の側に突出する部分の導電性ペースト16を除去し、次いで通気性シート22を剥がし取ることによって、図2(e)に示すように、導電性ペースト16を平坦化する。導電性ペースト16を除去する方法としては、例えば、溶剤を染み込ませた布をセラミック基板10の表面に沿って動かすことにより突出する部分の導電性ペースト16を布に移し取る。
【0032】また、方法Cの具体的方法としては、例えば、図3(c)に示すように、貫通穴12の壁面に金属皮膜14を形成したセラミック基板10の、貫通穴12全体が埋まるように導電性ペースト16を供給する。次いで、加熱して導電性ペースト16を固化した後、図3(d)に示すように、セラミック基板10表面に第二の金属皮膜24を形成する。この第二の金属皮膜24の形成方法としては、貫通穴12の壁面に形成した金属皮膜14と同様の方法が挙げられる。
【0033】次いで、図3(e)に示すように、ブラシ型やバフ型やシート型の研磨材26を用いて第二の金属皮膜24の表面及びセラミック基板10の表面から突出する部分の導電性ペースト16を機械的に研磨することにより、導電性ペースト16を平坦化する。この方法の場合、収縮率が大きな導電性ペースト16を用いた場合であっても、導電性ペースト16を多めに供給して導電性ペースト16の固化物をセラミック基板10の表面から突出させると平坦化することが可能であり好ましい。
【0034】また、方法Cの別の具体的方法は、第二の金属皮膜24を形成しない方法であり、壁面に金属皮膜14を形成した貫通穴12に充填した導電性ペースト16を加熱して固化した後、セラミック基板10の表面に形成した金属皮膜14の表面及び突出する部分の導電性ペースト16を、研磨材26を用いて機械的に研磨することにより、導電性ペースト16を平坦化する。
【0035】
【実施例】(実施例1)セラミック基板として、0.5φの貫通穴を形成した厚み0.64mmのアルミナ96%の基板を用いた。そして、金属皮膜を形成する前処理として、330℃のリン酸に90秒浸漬することにより貫通穴の壁面及びセラミック基板の表面全体を粗面化した後、無電解銅メッキを行って、貫通穴の壁面及びセラミック基板の表面全体に銅の皮膜を0.1μm形成した。
【0036】次いで、貫通穴に導電性ペースト(田中貴金属株式会社製、製品名TR6983、銀及びロジウムを含有)を充填した。この方法としては、乳剤厚25μmのスクリーンを用いて印刷を繰り返し、貫通穴に導電性ペーストを充填した。
【0037】次いで、セラミック基板の両面に熱剥離型シート(日東電工株式会社製、製品名リバアルファ3194M)を加圧しながら貼り付けて、貫通穴の両方の端面を閉塞することによって、貫通穴の端面から突出している部分の導電性ペーストを、貫通穴の周囲の銅の皮膜の表面に広げて、導電性ペーストを平坦化した。
【0038】次いで、125℃で10分加熱して導電性ペーストを固化すると共に、熱剥離型シートを除去した後、塩化第二銅水溶液で処理して、セラミック基板の表面の銅の皮膜をエッチング除去した。次いで、大気中で850℃10分加熱することによって導電性ペーストを焼成した後、無電解銅メッキを行ってセラミック基板の表面に回路を形成して、セラミック配線板を得た。
【0039】(実施例2)無電解銅メッキの時間を伸ばして、貫通穴の壁面及びセラミック基板の表面全体に銅の皮膜を0.2μm形成したこと以外は実施例1と同様にして、セラミック配線板を得た。
【0040】(実施例3)導電性ペーストを平坦化する方法として、セラミック基板の一方の面に通気性シート(和紙)を貼り付けて貫通穴の一方の端面を閉塞した後、実施例1と同様にして貫通穴に導電性ペーストを充填し、次いで、印刷した面の貫通穴から突出する部分の導電性ペーストをアセトンを染み込ませた布で拭き取って除去した後、125℃で10分加熱して導電性ペーストを固化させ、次いで、通気性シートを剥がし取る方法(方法B)で行ったこと以外は実施例1と同様にして、セラミック配線板を得た。
【0041】(実施例4)導電性ペーストを平坦化する方法として、貫通穴に充填した導電性ペーストを125℃で10分加熱して固化した後、貫通穴から突出する部分の導電性ペーストの固化物をサンドペーパーを用いて研磨して除去する方法(方法C)で行ったこと以外は実施例1と同様にして、セラミック配線板を得た。
【0042】(比較例1)貫通穴の壁面の粗面化を行わないこと、無電解銅メッキを行わないこと、導電性ペーストの平坦化(熱剥離型シートを加圧しながら貼り付けること)を行わないこと、及び導電性ペーストの焼成の前の銅の皮膜の除去を行わないこと以外は実施例1と同様にして、セラミック配線板を得た。
【0043】(比較例2)貫通穴の壁面の粗面化を行わないこと、無電解銅メッキを行わないこと、及び導電性ペーストの焼成の前の銅の皮膜の除去を行わないこと以外は実施例1と同様にして、セラミック配線板を得た。
【0044】(評価、結果)各実施例及び各比較例で得られたセラミック配線板の、充填した導電性ペーストの固化物の密着性と、充填した導電性ペーストの固化物の平坦性と、導電性ペーストの固化物の残存状態を評価した。充填した導電性ペーストの固化物の密着性は、先端の尖った鉄製のピンを、充填した導電性ペーストの固化物の一方の端面に接触させた状態で加圧し、充填した導電性ペーストの固化物がセラミック基板から抜けたときの力を測定し、密着性とした。
【0045】充填した導電性ペーストの固化物の平坦性は、表面粗さ計(sloan社製dektak3030)を用いて、充填した導電性ペーストの固化物の部分、及びその周囲のセラミック基板の部分を直線的に走査し、周囲のセラミック基板の部分に対する充填した導電性ペーストの固化物の部分の高さの差を10穴測定し、その最大値と最小値を求めた。導電性ペーストの固化物の残存状態は、セラミック配線板の表面に残存している導電性ペーストの固化物の有無を10倍の拡大鏡を用いて目視検査し、残存している場合を×とし、残存していない場合を○とした。
【0046】その結果は表1に示したように、各実施例は各比較例と比べて、セラミック基板と充填した導電性ペーストの固化物の密着性が優れると共に、セラミック配線板の表面に残存している導電性ペーストの固化物が少ないことが確認された。また、各実施例は比較例1と比べて、充填した導電性ペーストの固化物の平坦性が優れることが確認された。
【0047】
【表1】

【0048】
【発明の効果】本発明に係るセラミック配線板の製造方法によると、セラミック基板と充填した導電性ペーストの固化物との密着性が優れたセラミック配線板が得られる。
【0049】本発明の請求項2に係るセラミック配線板の製造方法によると、上記の効果に加え、セラミック配線板表面の絶縁部に、余分な導電性ペーストの固化物が残存しにくいセラミック配線板が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開平11−220256
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−17398