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【発明の名称】 電子部品装着方法及び装置
【発明者】 【氏名】中根 正雄

【氏名】長江 和男

【氏名】山本 裕樹

【要約】 【課題】部品供給部を停止させることなく、装着動作前に部品供給カセット毎の吸着位置補正値と吸着高さ補正値を取得し、吸着率を向上する。

【解決手段】部品供給部2(2a、2b)が部品交換待機位置から部品吸着位置ヘ移動する際に、部品供給部2の移動に同期して連続測定するセンサ6(6a、6b)を用いて、部品供給部2に搭載された部品供給カセット3の部品供給口高さを連続測定し、測定データをデータ処理部8で演算処理して、部品供給カセット3毎の吸着位置補正値と吸着高さ補正値を求め、部品供給部制御部9とノズル高さ制御部10により吸着時の位置補正を行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の部品供給カセットが搭載された部品供給部を移動させて選択した部品供給カセットからノズルにて電子部品を吸着して所要位置に装着する電子部品装着方法において、部品供給部を移動させてノズルと独立して設けられたセンサにて部品供給カセットの部品供給口高さを連続測定し、測定結果を演算処理して吸着動作時の部品供給部の移動量及びノズル高さ移動量を補正することを特徴とする電子部品装着方法。
【請求項2】 部品供給部を部品交換待機位置から部品供給位置に移動させる際に部品供給口高さを連続測定することを特徴とする請求項1記載の電子部品装着方法。
【請求項3】 複数の部品供給カセットが搭載された移動可能な部品供給部と、所定位置で部品供給カセットから電子部品を吸着して所要位置に装着するノズルとを備えた電子部品装着装置において、ノズルと独立して設けられて部品供給カセットの部品供給口高さを測定するセンサと、部品供給部の移動に同期して部品供給カセットの部品供給口高さを連続測定するようにセンサの測定状態を制御する制御部と、測定結果を演算処理するデータ処理部とを設け、データ処理結果に基づいて吸着動作時の部品供給部の移動量及びノズル高さ移動量を補正するように構成したことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項4】 部品供給部を部品供給位置とその側方に配設した部品交換待機位置との間で移動可能に構成し、部品供給位置と部品交換待機位置の間にセンサを配置したことを特徴とする請求項3記載の電子部品装着装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部品供給部に搭載された部品供給カセットの部品供給口中心とノズル中心を一致させ、電子部品上面に対するノズル吸着面高さを適切に設定することにより、電子部品の吸着ミスの低減を図った電子部品装着方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子部品装着装置において、周囲温度の変化、加工バラツキ等により生じた部品供給部の歪みや部品供給カセットの歪み等のために、部品供給カセットの部品供給口中心とノズル中心との間のずれや、電子部品上面とノズル吸着面との距離の広がりが生じ、吸着率が低下するという問題のあることが知られている。
【0003】これらの問題に対する従来の電子部品装着装置における解決手段を、図3、図4を参照して説明する。図3の電子部品装着装置においては、認識補正装置20が、電子部品を吸着したノズル4が装着位置に移動するまでの間に配設されている。この認識補正装置20は、電子部品を吸着したノズル4を撮像する撮像カメラ21と、この撮像カメラ21の撮像画像を画像処理して電子部品中心とノズル中心との吸着位置ずれ量を算出する画像処理部22と、補正計算式に基づいて次回の吸着時における吸着位置補正値を決定するデータ処理部23により構成されている。
【0004】以上の構成による吸着位置補正動作を説明すると、まず部品供給カセット3を搭載した部品供給部2が実装プログラムに従って移動することにより、吸着する電子部品を搭載した部品供給カセット3がノズル4の下方に移動する。そして、ノズル4が電子部品の吸着を行った後、ロータリーヘッド11の回転により撮像カメラ21の上方に移動する。認識補正装置20は、電子部品を吸着したノズル4を撮像カメラ21により撮像して、その撮像画像を画像処理部22に入力する。画像処理部22は入力された撮像画像を演算して、電子部品中心とノズル中心との吸着位置ずれ量を求め、この吸着位置ずれ量をデータ処理部23に入力する。データ処理部23は、現在の吸着位置ずれ量を補正値計算式に入力し、次回吸着時の吸着位置補正量を算出する。この補正値計算式は過去の吸着位置ずれ量と吸着位置補正値の平均値を考慮した計算式になっており、吸着動作の繰り返しによるデータ取得の多さ、即ち吸着位置ずれ量の多量サンプルを取得することで、精度の良い吸着位置補正量値の算出を可能にしている。また、データ処理部23では、部品供給部2の部品供給カセット搭載位置と吸着位置補正値を関連付けて管理することにより、部品供給部2に搭載された部品供給カセット3毎に吸着位置補正値を決定している。
【0005】このように認識補正装置20で算出された吸着位置補正値を部品供給部制御部9に入力することにより、次回吸着動作時に部品供給カセット3毎の吸着位置補正を行い、電子部品中心とノズル中心の吸着位置ずれ量を少なくしている。即ち、実装基板の生産における吸着動作を行いながら、補正値の計算と吸着位置補正を繰り返し行い、吸着ミスの少ない吸着動作により生産性の高い電子部品実装装置を実現している。
【0006】また、上記電子部品装着装置においては、そのノズル4に、図4に示すように、吸着高さ補正装置30が設けられている。この吸着高さ補正装置30は、電流検知式センサ、圧力検知センサ等の電子部品との接触を検知するセンサ31、及びこのセンサ31を制御するセンサ制御部32と、ノズル下降距離を計算・記憶するデータ処理部33により構成されている。
【0007】この吸着高さ補正装置30による補正動作を説明すると、まず実装基板の生産を開始する前に、部品供給部2を移動させて部品供給カセット3の部品供給口をノズル4の下方に移動させて停止する。次に、電子部品との接触をセンサ31が感知するまでノズル4を下降させる。ノズル高さ制御部10は、ノズル4の下降距離をデータ処理部33に入力する。データ処理部33は、ノズル下降距離をこの部品供給カセット3の吸着高さ補正値として記憶する。上記測定動作を全ての部品供給カセット3に対して行い、各部品供給カセット3の吸着高さ補正値を取得する。
【0008】こうして吸着高さ補正装置30により算出された吸着高さ補正値を、実装基板生産時にノズル高さ制御部10に入力することにより、部品供給カセット3毎の吸着高さ補正を行う。これにより、部品供給カセット3毎の吸着高さバラツキを補正することが可能となり、電子部品上面に対するノズル吸着面の高さを適正かつ一定にし、吸着ミスの少ない吸着動作により生産性の高い電子部品実装装置を実現している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の認識補正装置20では、吸着位置ずれ量の多量サンプルを取得することにより精度の良い吸着位置補正を求めているため、実装基板の生産開始直後、または部品切れに伴う部品供給カセット3の交換直後には、精度の良い吸着位置補正値が得られず、吸着率が低くなるという問題があった。また、認識補正装置20では部品供給カセット3の部品供給口を直接見るのではなく、吸着後の電子部品を介在し、その認識結果から吸着位置補正値を求めているため、リールテープ内の電子部品の位置ずれ量や吸着後のノズル4移動時に生じる電子部品の位置ずれ量も補正値に含んでしまい、部品供給カセット3の部品供給口中心とノズル中心との位置を厳密に補正したことにはならず、精度的に劣るという問題がある。
【0010】また、吸着高さ補正装置30はセンサ31が接触式であるため、部品供給カセット3毎に停止時間を要し、生産時間の損失及び生産性の低下を来すという問題がある。
【0011】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、生産開始前に部品供給部の各部品供給カセットの吸着位置補正値を取得して部品供給部に搭載された部品供給カセットの部品供給口中心とノズル中心を一致させ、また部品供給部を停止することなく吸着高さ補正値を取得して電子部品上面に対するノズル吸着面高さを適切に設定することができ、電子部品の吸着ミスの低減を図れる電子部品装着方法及び装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品装着方法は、複数の部品供給カセットが搭載された部品供給部を移動させて選択した部品供給カセットからノズルにて電子部品を吸着して所要位置に装着する電子部品装着方法において、部品供給部を、好適には部品交換待機位置から部品供給位置に移動させてノズルと独立して設けられたセンサにて部品供給カセットの部品供給口高さを連続測定し、測定結果を演算処理して吸着動作時の部品供給部の移動量及びノズル高さ移動量を補正するものであり、部品供給部が部品交換待機位置から吸着位置までの移動する間、即ち装着動作開始前に、部品供給部を停止させることなく吸着位置補正値及び吸着高さ補正値を取得することができ、部品供給口中心とノズル中心を一致させ、電子部品上面に対するノズル吸着面高さを一定にして電子部品の吸着ミスの低減を図り、生産性を向上することができる。
【0013】なお、部品供給カセットには、リールテープやバルクカセット等で梱包された電子部品を供給するものを含む。
【0014】また、本発明の電子部品装着装置は、複数の部品供給カセットが搭載された移動可能な部品供給部と、所定位置で部品供給カセットから電子部品を吸着して所要位置に装着するノズルとを備えた電子部品装着装置において、ノズルと独立して設けられて部品供給カセットの部品供給口高さを測定するセンサと、部品供給部の移動に同期して部品供給カセットの部品供給口高さを連続測定するようにセンサの測定状態を制御する制御部と、測定結果を演算処理するデータ処理部とを設け、データ処理結果に基づいて吸着動作時の部品供給部の移動量及びノズル高さ移動量を補正するように構成し、さらに好適には部品供給部を部品供給位置とその側方に配設した部品交換待機位置との間で移動可能に構成し、部品供給位置と部品交換待機位置の間にセンサを配置したものであり、上記作用・効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子部品装着装置の一実施形態について、図1、図2を参照して説明する。
【0016】図1(a)は、電子部品装着装置1の全体構成を示し、複数の部品供給カセット3が搭載された一対の部品供給部2(2a、2b)と、所定位置で部品供給部2a又は2b上の部品供給カセット3から電子部品を吸着して所要位置に装着するノズル4とを備えている。部品供給部2a、2bはそれぞれ左右に移動可能であり、図1(a)には部品供給部2aが部品供給位置にあり、部品供給部2bが部品交換待機位置にある状態を示している。部品供給部2a、2bは、部品供給カセット3の載せ換え時に部品交換待機位置へ移動し、電子部品の吸着動作時に部品吸着位置ヘ移動する。
【0017】図1(b)は、この電子部品装着装置1に配設された吸着補正装置5の構成を示している。この吸着補正装置5は、部品供給部2に搭載された部品供給カセット3の部品供給口高さを連続測定するセンサ6と、このセンサ6の測定状態を部品供給部2の移動に同期して制御するセンサ制御部7と、センサ6から入力された測定結果を演算処理するデータ処理部8にて構成されている。センサ6としては、測長センサが用いられている。
【0018】上記センサ6(6a、6b)は、図1(a)に示すように、一対の部品供給部2a、2bに対応して一対設けられている。各センサ6a、6bは部品供給位置とその左右の部品交換待機位置との間の位置に配設されている。こうして、生産開始前及び部品交換後に、部品供給部2a又は2bが部品交換待機位置から部品供給位置に移動する際に必ずセンサ6a又は6bの下方を通過して部品供給部2(2a、2b)に搭載された部品供給カセット3の部品供給口高さを連続測定するように構成されている。
【0019】以上の構成により、部品供給部2の部品交換待機位置から部品供給位置への移動時に、部品供給部2に搭載された部品供給カセット3の部品供給口高さがセンサ6にて連続測定される。したがって、従来のように測定のために生産を停止しなくても、部品供給カセット3の部品供給口高さが連続測定され、その測定結果をデータ処理部8で演算処理することにより、部品供給カセット3毎の吸着位置補正値と吸着高さ補正値が求められる。この吸着位置補正値と吸着高さ補正値をそれぞれ部品供給部制御部9とノズル高さ制御部10に入力し、実装基板生産時の吸着動作を行う。それによって、部品供給カセット3の部品供給口の中心とノズル4中心が一致し、さらに電子部品上面に対するノズル吸着面高さが適正に設定されるので、電子部品の吸着ミスの少ない吸着動作により生産性の高い電子部品装着装置が実現される。
【0020】図2に、センサ6a又は6bで取得する部品供給口高さの測定結果の例を示す。図2の部品供給口高さの測定結果は、部品供給カセット3が複数搭載された部品供給部2の移動に同期してセンサ6a又は6bからのセンサ入力を連続的にデータ処理部8に取り込むことによって得られる。そして、部品供給部2の移動に同期して得られた部品供給口高さ測定値の変化は、部品供給部2の移動方向における部品供給カセット3の形状及び位置を表していることになる。従って、部品供給口高さ測定値の変化点から部品供給カセット3の搭載位置が分かる。
【0021】次に、データ処理部8において、部品供給口高さ測定値から吸着位置補正値及び吸着高さ補正値を求めるための算出方法について説明する。図中、部品供給カセットNo.2の部品供給口中心は、測定結果において、部品供給口高さ測定値が0である部品供給部移動量Aと部品供給部移動量Bを用いて算出可能である。
【0022】例えば、部品供給口中心が部品供給カセットの中心と一致する場合には、部品供給口中心位置は(B−A)/2となる。測定結果から得られた部品供給カセットの部品供給口中心位置(B−A)/2と、部品供給部及び部品供給カセットの設計値から得られる部品供給口中心位置Cとを照合することにより、設計値に対する位置ずれ量、すなわち部品供給カセットの吸着位置補正値Xを求めることができる。
【0023】X=(B−A)/2−Cまた、部品供給カセットの吸着高さ補正値Yは、部品供給口高さ測定値Dと部品供給口高さの設計値Eとを照合することにより算出可能である。
【0024】Y=D−E吸着補正装置5では上記計算をデータ処理部で行い、得られた吸着位置補正値と吸着高さ補正値を部品供給部制御部9とノズル高さ制御部10に入力することによって、部品吸着動作時の部品供給カセット毎の吸着位置補正及び吸着高さ補正を自動的に行い、部品供給口中心とノズル中心を一致させ、電子部品上面に対するノズル吸着面高さを一定にして電子部品の吸着ミスの低減を図り、生産性を向上することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の電子部品装着方法及び装置によれば、以上の説明から明らかなように、部品供給部の移動時に、好適には基板に対する電子部品の装着動作前の移動時に、吸着位置補正値を取得することができるとともに、部品供給部を測定のために停止させることなく吸着高さ補正値を取得することができ、これら吸着位置補正値と吸着高さ補正値を用いて部品供給部の位置とノズルの高さを補正することにより、電子部品の吸着動作時に、部品供給カセットの部品供給口中心とノズル中心を一致させることができるとともに、電子部品上面に対するノズル吸着面の高さを適正に設定することができ、従って吸着ミスを少なくすることができて吸着率を向上し、電子部品装着の生産性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝
【公開番号】 特開平11−204992
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−4367