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【発明の名称】 周波数選択性電磁波シールド材
【発明者】 【氏名】高祖 利記

【氏名】松尾 誠一

【氏名】小田 光之

【要約】 【課題】接地の必要なく電磁波シールド工事を行うことができ、周波数が異なる複数の電磁波を同時に遮断することができる共振型電磁波シールド材を提供すること。

【解決手段】複数の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体がスペーサ材を介して重ねられた電磁波シールド材において、該スペーサ材の厚さがシールドしようとする周波数の電磁波の電気長の1/160以上である電磁波シールド材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体がスペーサ材を介して重ねられた電磁波シールド材において、該スペーサ材の厚さがシールドしようとする周波数の電磁波の電気長の1/160以上である電磁波シールド材。
【請求項2】 前記複数の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体のうち、共振周波数が近い2つの共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を比較した場合に高い方の共振周波数と低い方の共振周波数との差が高い方の共振周波数の1/5以上である請求項1記載の電磁波シールド材。
【請求項3】 複数の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体がスペーサ材を介して重ねられた電磁波シールド材において、該スペーサ材の厚さがシールドしようとする最低周波数の電磁波の電気長の1/160以上である電磁波シールド材。
【請求項4】 前記共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体が規則的に配置された複数の容量とインダクタとを有する請求項1又は3記載の電磁波シールド材。
【請求項5】 前記共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体が、絶縁性基材とその一表面上に規則的に配置された複数の導電性薄膜でなる模様とを有するものであって、該模様一単位の線長が共振周波数の電磁波の波長より短く、かつ相互に絶縁しているものである、請求項4記載の電磁波シールド材。
【請求項6】 前記共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体が、絶縁性基材とその表裏両面上に規則的に配置された複数の導電性薄膜でなる模様とを有するものであって、該模様一単位の線長が共振周波数の電磁波の波長より短く、かつ相互に絶縁しているものである、請求項4記載の電磁波シールド材。
【請求項7】 前記絶縁性基材が有機樹脂フィルムである請求項5又は6記載の電磁波シールド材。
【請求項8】 前記有機樹脂フィルムの厚さが25〜100μmである請求項7記載の電磁波シールド材。
【請求項9】 形成された電磁波シールド材をその平面と垂直な方向からみた場合、導電性薄膜で成る模様が等間隔の格子を形成するものである請求項5又は6記載の電磁波シールド材。
【請求項10】 請求項1又は3記載の電磁波シールド材を建築物の壁面もしくは窓面に設ける工程を包含する電磁波を遮断する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定範囲の周波数の電磁波を反射する電磁波シールド材に関し、特に、周波数が異なる複数の電磁波を反射することが可能な電磁波シールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、無線LAN等の通信システムの発達により、オフィス情報保護、及び通信混線を防止する必要が生じている。不必要な電磁波の進入及び漏洩を抑制し通信を快適に行う環境を整備する為、建物等を接地された導電性材料で囲み、内外の電磁波を遮断する事が通常行われている。
【0003】一般に使用されている金属製ネット、金属箔、金属蒸着製品、さらに窓等の透明部に使用されるITOなどの透明導電膜を用いた接地を要する電磁波シールド材では、壁面等にシールド材を施工する場合、シールド材間の継ぎ目の隙間は電磁波の波長以下に制御する必要がある。この隙間が電磁波の波長を上回ると遮蔽力が極端に低下するからである。さらに、電磁波シールド材同士を電気的に導通させる必要がある。
【0004】例えば、壁面に電磁波シールド材を設ける場合、ネット状電磁波シールド材の端部を重ね合わせた状態で継ぎ合わせ、その上から表皮材を被覆する作業が行われる。また窓部に電磁波シールド材を設ける場合は、ITOなどで導電化したシールドガラスをあらかじめ接続端子を出した特殊な窓枠に挿入したものを隣接シールド材と電気的に導通させる作業が行われる。その様なシールド工事は手間と膨大な経費がかかる。
【0005】他方、共振型周波数選択性電磁波シールド材は、絶縁性基材の表面上に複数の導電性模様が規則性をもって集合して成る材料である。そして各々の導電性部分は互い電気的に導通していない。このような材料は、その導電性部分の形状、導電性部分間の相対位置、導電性部分を構成する材料及び導電性部分が存在する空間の電気的性質により決定される特定範囲の周波数の電磁波に対しLC共振する。その結果特定電磁波のみを選択的に反射し、その他の電磁波を透過する。
【0006】例えば、特開平8−330783号には、PHS周波数の約半波長の長さの導電性線を組み合わせた十字、X字、Y字金属形状を、PHS周波数の約半波長の間隔で透明なシートに配置した、PHSの電波をシールドする電磁波シールド材が記載されている。1997年9月度(関東)日本建築学会大会学術梗概集には、ガラス表面に受信端短絡ダイポールアンテナを焼成印刷したPHS周波数用の電磁波シールド材が記載されている。また、特願平9−22675号には、絶縁性基材上に規則的に配置された複数の導電性模様から成る導電性ループパターンを有する電磁波シールド材が記載されている。
【0007】このような共振型電磁波シールド材は電磁波シールド材同士を電気的に導通させる必要がなく、建築物の壁面等に設ける際にシールド材間に小さな隙間が生じても電磁波を遮断する性能は低下しない。
【0008】しかしながら、共振型電磁波シールド材には周波数選択性があるため、遮断できる周波数帯域は狭く、周波数が異なる複数の電磁波を同時に遮断することは困難である。例えば、共に今日幅広く用いられているPHS(1.9GHz)電磁波と中速無線LAN(2.45GHz)電磁波とを同時に遮断することは、従来の共振型電磁波シールド材では困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、接地の必要なく電磁波シールド工事を行うことができ、周波数が異なる複数の電磁波を同時に遮断することができる共振型電磁波シールド材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体がスペーサ材を介して重ねられた電磁波シールド材において、該スペーサ材の厚さがシールドしようとする周波数の電磁波の電気長の1/160以上である電磁波シールド材を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0011】共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体とは、導電性薄膜でなる模様が容量とインダクタを形成しており、電磁波に共振して共振領域の電磁波のみを反射し、非共振領域の電磁波を透過せしめる性質をもつ面状体をいう。一般には、共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体は絶縁性基材の表面上に複数の導電性模様が規則性をもって集合して成る電磁波シールド材である。
【0012】本発明で用いる共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体において、容量とインダクタは直列に繋がっている。一般には、互いに電気的絶縁性を保ちつつ規則的に一定の間隔で配列されている導電性模様の一単位は、インダクタとして機能する可能性を有する。そして、これらの内で、近接したもの同士は、その間に容量単位を形成する可能性を有する。
【0013】図1A及びBは、容量とインダクタが形成されている共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体の一例を示す模式断面図である。図1A及びBの断面は電磁波の電界方向Eと平行である。このように、電磁波の進行方向に対して共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を垂直に向けた場合は、絶縁性基材101、111の表面上に設けられた導電性模様の一単位102、102’、112、112’はインダクタとなり、導電性が途切れた部分103、113が容量となる。
【0014】導電性模様の一単位102、102’、112、112’のインダクタとしての性質は、電界方向Eと平行な方向におけるその寸法が大きいほど、また細いほど(電界方向と垂直な面で切った断面積が小さいほど)強くなる。また、導電性が途切れた部分103、113の容量としての性質は電界方向Eと平行な方向におけるその寸法が小さいほど、また、導電性模様の一単位102、102’、112、112’を電界方向と垂直な面で切った断面積が大きいほど強くなる。
【0015】容量とインダクタの直列素子の共振周波数frsは、容量の大きさCとインダクタの大きさLとを用いて以下の式で示される。
【0016】frs=1/{2π(LC)1/2
【0017】周波数fの電磁波が進行している空間に周波数fで共振する容量とインダクタの直列回路を形成した共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を電界方向Eと平行に(電磁波の進行方向に対して垂直に)置くと、この面状体が置かれた場所のインピーダンスがほぼ0Ωとなり、その場所を進行する電磁波は反射される。
【0018】つまり、共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体の表面上に形成する導電性模様の形状及び配置を適当に選択して容量及びインダクタとしての強度を調節すれば、上記面状体の共振周波数を任意に調節することができる。
【0019】共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体の共振周波数はシールドしようとする電磁波の周波数と接近させることが好ましく、一致させることがより好ましい。得られる周波数選択性電磁波シールド材のシールド能が増大するからである。
【0020】具体的には、共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体は、絶縁性基材と、その一平面又は表裏両面上に規則的に配置された複数の導電性模様とから構成することができる。絶縁性基材としてはPETフィルム、ポリプロピレンフィルム、アクリル板、塩化ビニル板、尿素樹脂板、ガラス板、石膏ボード、ケイカル板、紙及び木製板等を用いうる。PETフィルムのような有機樹脂フィルムを用いることが好ましい。絶縁性及び強度に優れ、柔軟性があるからである。
【0021】導電性模様は、導電性材料、一般には通電能力がある金属を用いて形成される。遮断性能に優れた電磁波シールド材を提供するためには体積固有抵抗が小さい導電性材料を用いることが好ましい。導電性材料の体積固有抵抗が、例えば、10Ωcmを越えると20dBを越えるシールド性能を発揮させることが困難となる。
【0022】例えば、鉄、アルミニウム、銅、金、銀、タンタル、クロム及びニッケルのような導電性金属、ITO、酸化錫等の導電性金属化物等を用いうる。銀ペースト、銅ペースト、ニッケルペースト及び銅銀メッキペーストのような導電性インキを用いてもよい。
【0023】導電性模様は種々の方法により樹脂フィルム上に形成できる。例えば、導電性インキを用いて印刷する方法、樹脂フィルム上に積層された金属膜を選択的に除去して導電性模様を残す方法等が挙げられる。
【0024】好ましい方法は、まず、樹脂フィルム上に導電性金属薄膜層を全面に形成し、この金属薄膜を適当な方法(例えば、リソグラフィ法等)で部分的に除去してパターンを形成する方法である。
【0025】導電性金属薄膜層を樹脂フィルム上に形成する方法は従来公知の方法でよい。例えば導電性金属箔のラミネート方法や、金属薄膜の蒸着やスパッタリングまたは無電界メッキ方法等が一般的である。好ましくは金属薄膜の蒸着(具体的には、真空蒸着)方法である。
【0026】導電性模様の形状、寸法及び線幅等はシールドしようとする周波数及び望まれる遮断力等に依存して適宜決定される。一般には、絶縁された一つの導電性模様を一単位としたとき、シールドしようとする周波数が高いほど導電性模様一単位の寸法は小さくなり、シールドしようとする周波数が低いほど導電性模様一単位の寸法は大きくなる。
【0027】導電性模様一単位は通常複数の有限直線を組み合わせて構成される。その場合、導電性模様一単位構成する線の長さはシールドしようとする電磁波の波長より小さいことが好ましい。共振周波数の制御が容易であり、シールドしようとする周波数と共振周波数を一致させることができるからである。
【0028】導電性模様の厚さは厚いほど電気抵抗が小さくなり遮断性能を確保し易い。しかしながら、厚くしすぎると得られた電磁波シールド材の表面が凸凹になるため取扱いが不便となる。一般には用いる導電性材料の体積固有抵抗が小さいほど薄い厚さで良好な遮断性能を提供できる。例えば、アルミニウムを蒸着して形成した導電性模様のように体積固有抵抗が小さい場合は30nm以上の厚さがあれば足りるが、金属酸化物や導電性インキで形成した導電性模様のように体積固有抵抗が大きい場合は数μm以上の厚さが必要である。
【0029】導電性模様の配置の態様はシールドしようとする周波数及び望まれる遮断力等に依存して適宜決定される。例えば、等間隔格子状や雁行状の配置を用いうる。
【0030】導電性模様同士は図2A、距離d、に示すように2次元的に接近させてもよく、図2B、距離d、に示すように3次元的に接近させてもよい。例えば、図2Bに示すような導電性模様が、樹脂フィルムの両面に規則的に形成されているような場合は、相互に絶縁された導電性模様が規則的に配置された面が2面あるようにもみえる。しかしながら、両面の導電性模様が共振して特定周波数の電磁波をシールドするものであるため、本発明では、共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体としてこれらを一体として考える。
【0031】具体的には、特願平9−22675号に例示された導電性模様の配置を用いてよい。また、形成された電磁波シールド材をその平面と垂直な方向からみた場合、導電性薄膜で成る模様が等間隔の格子を形成するものとすることが好ましい。絶縁性基材やスペーサーに透光性の材料を用いて、透視性のシールド材を作る時、透視性に優れたシールド材が得られるからである。
【0032】本発明で用いるスペーサー材は、所定の厚さを実質的に保つことができる絶縁体であれば特に限定されない。本発明でスペーサー材として用いる材料の例には、アクリル板及び塩化ビニルのようなプラスチック板、尿素樹脂板のような熱硬化性樹脂板、ガラス、石膏ボード、スレート板、石綿パーライト板及び炭酸カルシウム板のような無機建築材料等がある。透視性のアクリル板やガラスを用いれば、透視性のシールド材が得られる。
【0033】所定の厚さとは、シールドしようとする周波数の電磁波、好ましくはシールドしようとする最低周波数の電磁波の電気長の1/160以上である。その厚さを精度±10%で保つことができるスペーサー材が特に好ましい。
【0034】ここで、シールドしようとする周波数の電磁波は単一でも複数でもよい。
【0035】シールドしようとする周波数の電磁波が複数の場合は、共振周波数が近い2つの共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を比較した場合に高い方の共振周波数と低い方の共振周波数との差が高い方の共振周波数の1/5以上である複数の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を用いる。
【0036】そのことにより、複数の周波数を選択的にシールドする複数周波数選択性電磁波シールド材が得られる。
【0037】シールドしようとする周波数の電磁波が単一の場合は、シールドしようとする周波数と同じか、できるだけ近い共振周波数を有する共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を用いる。
【0038】そのことにより、シールドしようとする周波数の電磁波のシールド能が向上した単一周波数選択性電磁波シールド材が得られる。
【0039】電磁波の電気長とはスペーサー材の内部を進行する電磁波の波長をいう。
【0040】用いるスペーサー材の比誘電率ε[−]、厚さL[m]及びシールドしようとする電磁波の周波数fs[GHz]は以下の式で示す関係を満たさなければならない。
【0041】
【数1】

【0042】例えば、シールドしようとする電磁波の最低周波数が2GHzであり、スペーサー材としてPETフィルム(ε=4)を用いる場合、上記式により、その厚さは500μm以上とする必要がある。また、スペーサー材として厚さ5mmのガラス(ε=7)を用いる場合はシールドしようとする電磁波の最低周波数は152MHzとなる。
【0043】特に、PHSと中速無線LANの通信セル確保の用途に好ましい本発明の周波数選択性電磁波シールド材の一態様として、複数の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体が窓用ガラスを介して重ねられた電磁波シールド材において、窓用ガラス屋内面の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体の共振周波数が窓用ガラス屋外面の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体の共振周波数よりも1.29倍以上高いものが挙げられる。
【0044】本発明の電磁波シールド材では、2以上の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体がスペーサ材を介して重ねられるが、通常これらは積層した状態で固定される。
【0045】固定の方法は当業者に周知である。例えば、絶縁性樹脂でなる接着剤を用いても良く、絶縁性基材やスペーサー材を溶融して接合してもよい。
【0046】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0047】調製例1導電性模様の形成尾池工業製アルミニウム蒸着PETフィルム(蒸着膜厚500Å、PET厚38μm又は100μm)上に日本ペイント製ポジ型液状レジスト「オプトER P−600」を乾燥膜厚0.5μになるように塗布し、熱風オーブンで乾燥せしめた。
【0048】レジスト膜の上にマスクを重ね、30mJ/cm2の光強度で露光した。露光したレジストを1%苛性ソーダ水で現像し、アルミニウム蒸着膜の露出された部分をエッチングした。表1に示す寸法を有する、図3〜6に示す形状および配置の導電性模様No.1〜9をそれぞれ得た。
【0049】
【表1】
模様 形状 寸法(mm) PET厚No. 配置 a b c e f g w (μm)1 図3 37 0.3 2.5 1002 図3 26 0.3 2.5 1003 図4 8.5 0.5 0.3 384 図4 7.3 0.5 0.3 385 図4 10.1 0.5 0.3 386 図5 42 0.2 3.0 387 図5 20 1.1 3.0 388 図6 18 15 15 0.5 389 図6 12 9 9 0.5 38 【0050】調製例2表2に示す共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体No.1〜9を調製した。上記面状体No.1、2、6及び7については調製例1表1の導電性模様No.1、2、6及び7をそのまま用いた。
【0051】面状体No.3は、調製例1表1の導電性模様No.3の2枚を、図7に示すように、平面と垂直な方向からみて導電性模様が一部重複するように表裏交互に格子状に配置されるように積層して得た。面状体No.4及び5も同様にして調製した。図7において、実線は上側の導電性模様を示し、破線はPETフィルムを挟んだ下側の導電性模様を示す。
【0052】面状体No.8は、調製例1表1の導電性模様No.8の2枚を、図8に示すように、平面と垂直な方向からみて導電性模様が一部重複するように表裏交互に格子状に配置されるように積層して得た。面状体No.9も同様にして調製した。図8において、実線は上側の導電性模様を示し、破線はPETフィルムを挟んだ下側の導電性模様を示す。
【0053】
【表2】
面状体 形状 模様 積層No. 配置 No. 構造1 図3 1 Al/PET2 図3 2 Al/PET3 図7 3 Al/PET/Al/PET4 図7 4 Al/PET/Al/PET5 図7 5 Al/PET/Al/PET6 図5 6 Al/PET7 図5 7 Al/PET8 図8 8 Al/PET/Al/PET9 図8 9 Al/PET/Al/PET【0054】EMCO社製のダブルリッジドガイドアンテナ「HP−11966E」を1.5mの距離で対向させ、受信側アンテナの開口面に得られた共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を密着させた。この状態で、ヒューレットパッカード社製のネットワークアナライザー「HP−8510B」を用いてS21を測定した。
【0055】このS21のdB値から、受信側アンテナの開口面に共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体を置かずに測定したS21のdB値を差し引いた。得られたdB値を共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体のシールド能とした。測定結果を表3に示す。通信波として用いられる代表的な周波数におけるシールド能も同時に表3に示す。
【0056】尚、このシールド能は、電磁波シールド材を壁材に用い、MIL STD−285に準拠した方法により得られるシールド能とほぼ一致する。
【0057】
【表3】
面状体 共振点 シールド能 通信周波数(GHz)におけるシールド能No. 周波数(Hz) (dB) 1.5 1.9 2.45 5.7 1 1.4 28 (23) (9)2 2.3 28 (8) (21)3 1.9 23 (23)4 2.45 24 (24)5 1.5 22 (22)6 3.0 25 (10)7 7.0 22 (6)8 1.9 21 (21)9 2.45 21 (21) 【0058】実施例1スペーサー材として厚さ5mmの窓用ガラスを準備した。3M社製のスプレーのりを用いてこの窓用ガラスの片面に調製例2表3の共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体No.1を貼り付けた。次いで、窓用ガラスの他方の面に調製例2表3の面状体No.2を貼り付けて周波数選択性電磁波シールド材を得た。
【0059】調製例2と同様にして、得られた周波数選択性電磁波シールド材のシールド能を測定した。測定結果を表5に示す。通信波として用いられる代表的な周波数におけるシールド能も同時に表5に示す。
【0060】実施例2〜8及び比較例1〜4表4に示す共振型周波数選択性電磁波遮断性面状体及びスペーサー材を用いること以外は実施例1と同様にして周波数選択性電磁波シールド材を得、シールド能を測定した。結果を表5に示す。通信波として用いられる代表的な周波数におけるシールド能も同時に表5に示す。
【0061】
【表4】
実施例 積層構造No. 面状体No./スヘ゜―材[厚さ]/面状体No. スヘ゜―材厚/電気長1 1/ガラス[5mm]/2 1/232 3/ガラス[5mm]/4 1/123 2/ガラス[5mm]/2 1/124 3/石膏ボード[9.5mm]/4 1/205 3/PET[0.5mm]/4 1/1586 3/ガラス[5mm]/5 1/157 6/PET[0.4mm]/7 1/1538 8/ガラス[5mm]/9 1/15比較1 3/PET[0.4mm]/4 1/197比較2 2/ガラス[5mm] −比較3 3/ガラス[5mm] −比較4 5/ガラス[5mm] − 【0062】
【表5】
実施例 共振点 シールド能 通信周波数(GHz)におけるシールド能No. 周波数(Hz) (dB) 1.5 1.9 2.45 5.7 1 1.4 28 (23) (10) (21) (3) 2.3 28 2 1.9 23 (2) (24) (24) (2) 2.45 24 3 2.3 (1) (25) (1) (1) 4 1.9 23 (2) (24) (24) (2) 2.45 24 5 1.9 23 (2) (23) (23) (2) 2.45 24 6 1.5 22 (27) (27) (2) (2) 1.9 23 7 3.0 25 (1) (1) (25) (24) 7.0 22 8 1.9 21 (21) (21) (1) (1) 2.45 21 比較1 (2) (19) (12) (2) 比較2 (1) (21) (1) (1) 比較3 (2) (23) (2) (2) 比較4 (22) (2) (2) (2) 【0063】
【発明の効果】接地の必要なく電磁波シールド工事を行うことができ、周波数が異なる複数の電磁波を同時に遮断することができる共振型電磁波シールド材が提供された。特に、構内無線データ通信システムとして現在運用されているPHS(1.9GHz)と中速無線LAN(2.45GHz)を周波数選択的にシールドすることが可能となる。また、そのことにより、外部からの不要な電磁波による通信障害を排除しつつ、同一場所で携帯無線電話(0.8GHzおよび1.5GHz)による公衆回線の通話が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000230054
【氏名又は名称】日本ペイント株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開平11−204984
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−5579