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【発明の名称】 電磁雑音防止装置及びその固定方法
【発明者】 【氏名】千葉 行雄

【要約】 【課題】部品点数を増加させることなくフェライトコアの装着性及び装着安定性の向上を図り、同時にコネクタなどの電気部品とケーブルとの接合部分にかかるストレスも効果的に軽減できる技術を提供する。

【解決手段】ケーブルに装着するノイズ抑制用のフェライトコア2とそのカバー1を装備した電磁雑音防止装置において、カバー1は、フェライトコア2を覆う樹脂製のカバー本体1hと、取付対象(固定板)10に設けた穴11に挿入してカバー本体1hを固定するためのやじり状固定部1aとを有する構成とした。カバー1は、やじり状の固定部を利用してカバー本体を取付対象に固定した状態で、カバー本体を取付対象から離間させる方向に付勢する弾性板1bを備えることもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーブルに装着するノイズ抑制用のフェライトコアとそのカバーを装備した電磁雑音防止装置であって、前記カバーは、フェライトコアを覆う樹脂製のカバー本体と、取付対象に設けた穴に挿入してカバー本体を固定するためのやじり状の固定部とを有することを特徴とする、電磁雑音防止装置。
【請求項2】 前記カバーは、前記やじり状の固定部を利用してカバー本体を取付対象に固定した状態で、カバー本体を取付対象から離間させる方向に付勢する弾性板を備えることを特徴とする、請求項1記載の電磁雑音防止装置。
【請求項3】 前記弾性板は、両端部を有する断面円弧状であり、その両端部が前記取付対象に接する形態となるようにカバー本体から突出させてあることを特徴とする、請求項2記載の電磁雑音防止装置。
【請求項4】 前記やじり状の固定部が複数あることを特徴とする、請求項1〜3記載の電磁雑音防止装置。
【請求項5】 前記カバー本体は円筒形状であって周壁部分をヒンジとして左右に開閉可能に構成してあることを特徴とする、請求項1〜4記載の電磁雑音防止装置。
【請求項6】 前記カバー本体の開閉部分にロック機構を設けたことを特徴とする、請求項5記載の電磁雑音防止装置。
【請求項7】 前記カバー本体は、前記ケーブルを通す挿通孔を有することを特徴とする、請求項1〜6記載の電磁雑音防止装置。
【請求項8】 前記取付対象が、前記ケーブルを接続する電気機器、電子機器等の壁面部分を構成する板部分であることを特徴とする、請求項1〜7記載の電磁雑音防止装置。
【請求項9】 ケーブルに装着するノイズ抑制用のフェライトコアとそのカバーを装備した電磁雑音防止装置を板部分等の取付対象に装着するための方法であって、取付対象側に穴を設け、前記カバーに、取付対象に設けた穴に挿入してカバーを固定するためのやじり状の固定部とを設け、そのやじり状固定部の変形を利用して抜け止め状態に固定することを特徴とする、電磁雑音防止装置。
【請求項10】 前記カバーは、前記やじり状の固定部を利用してカバー本体を取付対象に固定した状態で、カバー本体を取付対象から離間させる方向に付勢する弾性板を備えることを特徴とする、請求項9記載の電磁雑音防止装置。
【請求項11】 前記弾性板は、両端部を有する断面円弧状であり、その両端部が前記取付対象に接する形態となるようにカバー本体から突出させてあることを特徴とする、請求項2記載の電磁雑音防止装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーブルに装着するフェライトコアを用いた電磁雑音防止装置及びその固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライトコアは、ケーブルから放射されるノイズの抑制を目的として使用され、ケーブル周囲の任意の位置に装着される。従来のフェライトコアの使用においては、ケーブルへ装着後には特に固定手段を持たない場合や、特開平04−053194号公報に記載 されている様な、ケーブルホルダにて固定する方法がとられてきた。
【0003】しかし、固定手段を持たない場合、フェライトコア及びケーブルの自重によってケーブル及びケーブルと電気部品(例えば、コネクタ)との接合部分にストレスがかかり、極端な場合には、ケーブルとコネクタの間での接触不良を引き起こす原因となっていた。
【0004】また、フェライトコアを使用することにより、初期状態では、雑音の抑制効果が得られていたにもかかわらず、時間の経過とともにフェライトコアの装着状態が変化し、雑音の抑制効果が弱まってしまうことがあった。
【0005】前記問題を解決する目的として、たとえば、前述した特開平04−053194号公報には、ケーブルの布線ルートに、予めホルダ部材を所定位置に固定しておき、フェライト コアはこのホルダを使用して固定する技術が記載されている。また、この技術では、フェライトコアの交換・追加が容易に行え、かつフェライトコアの整列を実現するというものであった。
【0006】
【発明が解決使用とする課題】しかし、この従来技術には、次のような問題点があった。第1の問題点は、部品点数が増加することである。その理由は、フェライトコア以外に固定用のホルダを別部品として設けたことによる。第2の理由は、コストが増加することである。その理由は、第1の問題点の理由と同じである。
【0007】本発明は、以上の問題点を解決するもので、部品点数を増加させることなくフェライトコアの装着性及び装着安定性の向上を図り、同時にコネクタなどの電気部品とケーブルとの接合部分にかかるストレスも効果的に軽減できる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するため、本発明では、ケーブルに装着するノイズ抑制用のフェライトコアとそのカバーを装備した電磁雑音防止装置において、カバーは、フェライトコアを覆う樹脂製のカバー本体と、取付対象に設けた穴に挿入してカバー本体を固定するためのやじり状の固定部とを有する構成とした。ここで、カバーは、やじり状の固定部を利用してカバー本体を取付対象に固定した状態で、カバー本体を取付対象から離間させる方向に付勢する弾性板を備えることもできる。また、弾性板は、両端部を有する断面円弧状であり、その両端部が取付対象に接する形態となるようにカバー本体から突出させるのが好適である。また、やじり状の固定部を複数設けることもできる。また、カバー本体は円筒形状であって周壁部分をヒンジとして左右に開閉可能に構成することもできる。また、カバー本体の開閉部分にロック機構を設けることもできる。また、カバー本体は、ケーブルを通すための挿通孔を有する構成とすることもできる。取付対象としては、ケーブルを接続する電気機器、電子機器等の壁面部分を構成する板部分であるのが好適である。一方、本発明では、ケーブルに装着するノイズ抑制用のフェライトコアとそのカバーを装備した電磁雑音防止装置を板部分等の取付対象に装着するための方法であって、取付対象側に穴を設け、フェライトコアを覆うカバー本体に、取付対象に設けた穴に挿入してカバー本体を固定するためのやじり状の固定部とを設け、そのやじり状固定部の変形を利用して抜け止め状態に固定する方法とした。その場合、カバーは、やじり状の固定部を利用してカバー本体を取付対象に固定した状態で、カバー本体を取付対象から離間させる方向に付勢する弾性板を備えることもできる。また、弾性板は、両端部を有する断面円弧状であり、その両端部が取付対象に接する形態となるようにカバー本体から突出させることもできる。
【0009】本発明によるフェライトコアカバーは、樹脂材料により構成され、分割可能な円筒形状をとり、カバーの任意の位置に、少なくとも1ヶのやじり状固定部を有することにより、取付対象(固定板)への容易な固定、かつ、固定後の容易な取り外しを実現するものである。また、やじり状固定部の近傍には、円弧状弾性板としての固定保持部を有することにより、固定板への装着状態を良好に保持するものである。
【0010】フェライトコアは、表面に設けられた開閉可能な円筒形状のフェライトコアカバーによりケーブルに装着され、その後任意の位置に移動し、フェライトコアカバー表面の任意の位置に設けられたやじり状固定部を固定板に形成された穴へ通し、ロックすることにより固定板へ固定される。固定後には、やじり状固定部と円弧状弾性板により、固定板への装着を保持する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。図1を参照すると、円筒形フェライトコアカバー1は、全体が樹脂材料により形成され、周壁部分をヒンジ(図示せず)として左右に開閉可能な円筒形状をとり、内部にフェライトコア2をもつカバー本体1hを有する。フェライトコアカバー1は、そのカバー本体1hの任意の位置にやじり状固定部1aを有し、やじり状固定部1aの近傍には円弧状固定保持部となる弾性板1bを有している。
【0012】やじり状固定部1aは、図示例ではカバー本体1hの外周面から直径方向外方へ真っ直ぐに突出している。そして、その先端分に、樹脂の弾性及び自身の形状により、後述の取付対象(固定板)10の穴11対して抜け止めとして機能する、いわゆるやじり状部分が形成されている。
【0013】弾性板1bは、やじり状の固定部1aを利用してカバー本体1hを固定板10に固定した状態で、カバー本体1hを固定板10から離間させる方向に付勢するように設定している。したがって、弾性板1bについては、その両端部が固定板10の表面に接する形態となるようにカバー本体1hから突出させている。
【0014】また、カバー本体1hの開閉部分には、ロック機構1cを設けている。このロック機構には、凹凸結合やフック式などの既存の技術を利用することができる。なお、固定板10で示してある取付対象としては、ここではケーブル3が接続されるパソコン等の電気・電子機器である。
【0015】フェライトコアカバー1をケーブル3の任意の位置に装着後、ケーブル3の端部に接続されたコネクタ4を接続先のコネクタ5に装着する。コネクタ4をコネクタ5に装着後、フェライトコアカバー1表面に設けられたやじり状固定部1aを、固定板10に形成された穴11へ差し込み、固定する。
【0016】固定後には、やじり状固定部1aの近傍に形成された円弧状固定保持部である弾性板1bにより、固定板10を内側と外側で挟むことにより、フェライトコアカバー1を安定して固定することが可能になる。また、フェライトコアカバー1を固定板10に固定後に、ケーブル3のみを交換する場合には、フェライトコアカバー1表面のロック機構1cを解除することにより、フェライトコアカバー1を分割し、フェライトコアカバー1を固定板10から取り外すことなく、ケーブル3だけを交換することが可能である。
【0017】(動作の説明)図1、2を参照すると、内部にフェライトコア2をもつ円筒形フェライトコアカバー1は、ケーブル3の任意の位置に装着後、フェライトコアカバー1表面の任意の位置に形成されたやじり状固定部1aを、固定板10に形成された穴11を通して固定板10内部へ差し込み、ロックされる位置まで押し込むことにより、固定される。
【0018】フェライトコアカバー1は、固定板10へ固定後には、弾性板1bが固定板10を押し付けることにより、引き抜かれる方向への力が働く。しかし、やじり状固定部1aが固定板10にぶつかりロック機能が働くため、固定板10からフェライトコアカバー1が脱落することはない。
【0019】フェライトコアカバー1を固定板10から取り外す際には、作業者のフェライトコアカバーを引き抜く力が、弾性板1bの保持力よりも大きな力になるため、特に工具等を使用することなく、フェライトコアカバー1を取り付けの場合と反対方向に引き抜くことにより、取り外しが可能である。
【0020】(発明の他の実施の形態)次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図3、4を参照すると、円筒形フェライトコアカバー1は、樹脂材料により形成され、分割可能な円筒形状をとり、内部にフェライトコア2を有している。フェライトコアカバー1表面のケーブル3に対して直角となる面には、互いに平行に突出する2つのやじり状固定部1a、1aを有している。
【0021】ケーブル3は、端部に接続されたコネクタ4を固定板10の内部にある接続先のコネクタ5に接続後、固定板10に形成されたケーブル導入口12を通して、固定板10外部の接続先に接続される。その後、フェライトコアカバー1をケーブル3の任意の位置に装着し、フェライトコアカバー1表面に設けられたやじり状固定部1aを、固定板10に形成された穴11へ差し込み、固定する。
【0022】固定後には、やじり状固定部1aの近傍に形成された弾性板1bにより、固定板10の板部分を内側と外側で挟むことにより、フェライトコアカバー1を安定して固定することが可能になる。フェライトコアカバー1を固定板10から取り外す際には、特に工具等を使用することなく、フェライトコアカバー1を取り付けの場合と反対方向に引き抜くことにより、取り外しが可能である。
【0023】本実施例では、ノイズ除去対象となるケーブルが、固定板10の内側と外側を接続されるとき、固定板表面に形成したケーブル導入口12の近傍にフェライトコアカバーの固定用の穴11を形成しておき、ケーブル3に対して直角な面に、やじり状固定部1aを有したフェライトコアカバーを使用することで、容易にフェライトコア2の固定板10への固定を実現することが出来る。
【0024】また、本実施の形態では、やじり状固定部1aを2箇所に形成したことにより、フェライトコアカバー1自身がケーブル3のふらつき等により回転することを防止し、フェライトコアカバー1内部を通るケーブル3が、固定板10の製造時に出来たケーブル導入口12付近のバリ等へ接触することを防止し、ケーブル3を保護するという新たな効果を有する。
【0025】
【発明の効果】本発明のフェライトコアカバーを使用することの効果は、部品点数かつコストを増加させることなく、容易にフェライトコアカバーを固定板に固定できることである。この結果、フェライトコア、フェライトコアカバー及びケーブルの自重によってケーブル及びケーブルと電気部品(例えば、コネクタ)との接合部分にかかるストレスを軽減し、安定的な雑音の抑制効果を得ることが可能である。
【0026】さらに、固定用の穴を整列させることにより、フェライトコアカバー及びケーブルを整列させることが可能である。その理由は、ケーブルに装着されたフェライトコアカバーを、やじり状固定部を使用して固定板に固定するためである。
【0027】また、固定後には、円弧状の弾性板により、ケーブルのふらつき程度の力でフェライトコアカバーが固定板から脱落することを防止する。
【出願人】 【識別番号】000222060
【氏名又は名称】東北日本電気株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
【公開番号】 特開平11−204980
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−13476