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【発明の名称】 電子機器の放熱構造
【発明者】 【氏名】鶴岡 秀次

【氏名】城下 仁茂

【要約】 【課題】ケース内が見える構造を採用するとともに直径2mm以下の孔を設けながらも、ケース内で生じる熱を効率良くケース外に放熱することを課題とする。

【解決手段】ケース1が透明部材によりケース本体2と蓋体21とから構成されるとともに、ケース本体2側に、画像表示装置4が収納され、この画像表示装置4の近傍に第1の放熱孔10が形成される一方、蓋体21側に回路基板5が収納され、この回路基板5の近傍に直径2mm以下の第2の放熱孔20と遮蔽用の金属部材22が設けられている。また、上記固定部材6が画像表示装置4と回路基板5の間隔を画する金属製の放熱板6として構成されるとともに、この金属製の放熱板6に上記第1の放熱孔10を閉塞する閉塞部6aが形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像表示装置と、この画像表示装置を制御する電子素子が配された回路基板と、これらを固定部材に固定して収納するケースとを備えた電子機器において、上記ケースが透明部材により構成されるとともに、このケースに第1の放熱孔が形成され、上記固定部材が画像表示装置と回路基板の間隔を画する金属製の放熱板として構成されるとともに、この金属製の放熱板に上記第1の放熱孔を閉塞する閉塞部が形成されていることを特徴とする電子機器の放熱構造。
【請求項2】 前記ケースがケース本体と蓋体とから構成され、ケース本体側に、画像表示装置が収納されるとともに、この画像表示装置の近傍に前記第1の放熱孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器の放熱構造。
【請求項3】 画像表示装置と、この画像表示装置を制御する電子素子が配された回路基板と、これらを固定部材に固定して収納するケースとを備えた電子機器において、上記ケースが透明部材により構成されるとともに、このケースに直径2mm以下の第2の放熱孔と遮蔽用の金属部材が設けられていることを特徴とする電子機器の放熱構造。
【請求項4】 前記ケースがケース本体と蓋体とから構成され、ケース本体側に画像表示装置が収納される一方、蓋体側に回路基板が収納されるとともに、この回路基板の近傍に前記第2の放熱孔が形成されていることを特徴とする請求項3記載の電子機器の放熱構造。
【請求項5】 画像表示装置と、この画像表示装置を制御する電子素子が配された回路基板と、これらを固定部材に固定して収納するケースとを備えた電子機器において、上記ケースが透明部材によりケース本体と蓋体とから構成されるとともに、ケース本体側に、画像表示装置が収納され、この画像表示装置の近傍に第1の放熱孔が形成される一方、蓋体側に回路基板が収納され、この回路基板の近傍に直径2mm以下の第2の放熱孔と遮蔽用の金属部材が設けられ、上記固定部材が画像表示装置と回路基板の間隔を画する金属製の放熱板として構成されるとともに、この金属製の放熱板に上記第1の放熱孔を閉塞する閉塞部が形成されていることを特徴とする電子機器の放熱構造。
【請求項6】 前記遮蔽用の金属部材が金属線が交叉状に配されたメッシュ構造とされて、蓋体の内側に配されていることを特徴とする請求項3又は請求項5記載の電子機器の放熱構造。
【請求項7】 前記蓋体側の遮蔽用の金属部材が前記ケース本体側の金属製の放熱板に接地されていることを特徴とする請求項5記載の電子機器の放熱構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子機器の箱体やケースの技術分野に属し、詳しくは、画像表示装置と回路基板が収納されたケース内の熱を外部に効率良く放熱する電子機器の放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像表示装置とこの画像表示装置を制御する回路基板とが所定形状のケースに収納される電子機器としては、種々のものが開発されている。例えば、パーソナルコンピュータ装置が代表的なものであるが、その他、液晶表示テレビ、パチンコ遊戯装置、車載用のモニタ表示装置などが知られている。
【0003】このような電子機器は、図8及び図9に示すパチンコ遊戯装置に搭載される電子機器を例に説明すると、液晶ディスプレイである画像表示装置104と、この画像表示装置104を制御する電子素子が配された回路基板105と、これらを収納するケース101とを備える。また、これら画像表示装置104及び回路基板105等をケース101内で固定するために固定部材106が使用されている。
【0004】上記ケース101は、プラスチック製のケース本体102と鉄製の筐体103とから構成され、ケース本体102側の正面部に画像表示装置104の画面104aが内側から位置するように取り付けられ、鉄製の筐体103側に回路基板105が取り付けられている。また、上記固定部材106は、鉄製の枠体であり、画像表示装置104の周辺部を背面側から固定する一方、この固定部材106の連結部106a,106b等を介して回路基板105を所定間隔をおいて固定している。
【0005】そして、上記鉄製の筐体103の外周部には、スリット状の放熱孔107が多数形成されている。したがって、上記ケース101の熱は、上記放熱孔107からケース外へ放熱されるようになっている。さらに、筐体103の背面側は、板状部材108等により閉塞されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ケース内の熱の発生原因としては、画像表示装置104から放熱される熱と回路基板105に配される電子回路から放熱される熱とに大別されるが、通常は、画像表示装置からの熱の温度が非常に高い。上記従来電子機器では、液晶表示ディスプレイのバックライトや回路基板105上の高圧素子(高電流素子)等から発せられる熱が特に高く、これらがケース内で徐々に蓄熱される。そして、ケース内では、これらの熱の他にも、これらの熱が入り交じった熱や原因不明の熱も発生している。
【0007】しかしながら、上記従来の画像表示装置104が取り付けられたケース101は、固定部材106が鉄製の枠体で構成されているにすぎないため、画像表示装置104から放熱される熱が回路基板105に直接伝わって、電子素子に誤動作や故障を生じさせる危険を有していた。そして、画像表示装置104からの熱も回路基板105からの熱等も原因不明の熱も、上記放熱孔107からケース外へ放熱されるにすぎず、十分な放熱とはなっていなかった。このような誤動作や故障の危険は、画像表示装置104が大型化すればする程、画像表示装置104から放熱される熱量が多くなることから大きな問題となる。なお、モーター駆動方式のファンを設けることにより外部に放熱することが考えられるが、構造が複雑となり、電子機器が大型化する問題がある。
【0008】他方、上記従来の画像表示装置104等が取り付けられたケース101は、近年、画像表示装置104の中枢を構成する電子素子の改変等から電子機器を守るために、様々な仕様に関する指導や義務付けがなされる方向にある。例えば、パチンコ機器等の電子機器の開発では、保安電子通信技術協会(略して「保通協」とも呼ばれるため、以下「保通協」と称する。)の型式試験を受ける必要があるが、この際、外からケースの内部構造が見えるようにしなければならないことや、ケースや筐体に直径2mm以上の孔や開口を設けてはならないこと等の機構的に関連する要件が課されている。なお、販売に入る場合には、更に、各都道府県警に検定を申請し、許可を得なければならない。
【0009】したがって、上記のような電子機器は、外からケース内の内部構造が見えるようにしなければならない。また、上記従来の筐体103のスリット状の放熱孔107のような大きな放熱孔を形成することはできない。しかも、外部からの静電気や磁界、ノイズ等からケース内の電子素子を保護する必要もある。
【0010】そこで、本発明は、ケース内の熱の原因と流れに着目して、ケース内で生じる熱を効率良くケース外に放熱する電子機器の放熱構造を提供することを目的とする。また、本発明は、ケース内が見える構造を採用し直径2mm以下の孔を設けながらも、ケース内の熱を外部に放熱することができるとともに、外部からの静電気等からケース内の電子素子を保護する電子機器の放熱構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の電子機器の放熱構造は、上記課題を解決するために、画像表示装置と、この画像表示装置を制御する電子素子が配された回路基板と、これらを固定部材に固定して収納するケースとを備えた電子機器において、上記ケースが透明部材により構成されるとともに、このケースの側面部に第1の放熱孔を形成し、上記固定部材が画像表示装置と回路基板の間隔を画する金属製の放熱板として構成されるとともに、この金属製の放熱板に上記第1の放熱孔を閉塞する閉塞部が形成されていることを特徴とする。
【0012】この請求項1記載の発明によれば、上記ケースが透明部材により構成されるために、ケース内の画像表示装置や回路基板を外部から見ることができる。また、上記画像表示装置と回路基板との間隔を画する放熱板が設けられているために、上記画像表示装置の熱は、熱伝導率の高い金属製の放熱板である固定部材に伝達して、回路基板に到達することはない。そして、上記放熱板の閉塞部は、第1の放熱孔を閉塞して直接外気と接しているので、上記金属製の放熱板に伝達した画像表示装置の熱は、この第1の放熱孔からケース外へ放熱される。
【0013】本発明の請求項2記載の電子機器の放熱構造は、前記請求項1記載の発明を前提として、前記ケースがケース本体と蓋体とから構成され、ケース本体側に、画像表示装置が収納されるとともに、この画像表示装置の近傍に前記第1の放熱孔が形成されていることを特徴とする。
【0014】この請求項2記載の発明によれば、画像表示装置が収納されるケース本体側に前記第1の放熱孔が形成されているために、画像表示装置から発生する熱を効率良くケース外へ放熱することができる。また、ケース本体側に画像表示装置を上記固定部材を介して収納した後、このケース本体に蓋体を取り付ければ、ケースを容易に組み立てることができる。
【0015】本発明の請求項3記載の電子機器の放熱構造は、画像表示装置と、この画像表示装置を制御する電子素子が配された回路基板と、これらを固定部材に固定して収納するケースとを備えた電子機器において、上記ケースが透明部材により構成されるとともに、このケースに直径2mm以下の第2の放熱孔と遮蔽用の金属部材が設けられていることを特徴とする。ここで、高熱を発する電子素子が配される近傍には、絶縁部材を介して遮蔽用の金属部材を取り付けることが好ましい。
【0016】この請求項3記載の発明によれば、ケースが透明部材により構成されるために、ケース内の画像表示装置や回路基板を外部から見ることができる。また、ケースに多数形成される直径2mm以下の第2の放熱孔により、ケース内の熱を外部に放熱することができる。さらに、遮蔽用の金属部材により外部からの静電気や磁界、ノイズの影響を防止することができる。
【0017】本発明の請求項4記載の電子機器の放熱構造は、前記請求項3記載の発明を前提として、前記ケースがケース本体と蓋体とから構成され、ケース本体側に画像表示装置が収納される一方、蓋体側に回路基板が収納されるとともに、蓋体側に前記第2の放熱孔が形成されていることを特徴とする。
【0018】この請求項4記載の発明によれば、回路基板が収納される蓋体側に前記第2の放熱孔が形成されているために、回路基板から発生する熱を効率良くケース外へ放熱することができる。また、ケース本体側に画像表示装置を上記固定部材を介して収納した後、このケース本体に遮蔽用の金属部材を有する蓋体を取り付ければ、電子機器が収納されたケースを容易に組み立てることができる。
【0019】本発明の請求項5記載の電子機器の放熱構造は、画像表示装置と、この画像表示装置を制御する電子素子が配された回路基板と、これらを固定部材に固定して収納するケースとからなる。そして、上記ケースが透明部材によりケース本体と蓋体とに構成されるとともに、ケース本体側に、画像表示装置が収納され、この画像表示装置の近傍に第1の放熱孔が形成される一方、蓋体側に回路基板が収納され、この回路基板の近傍に直径2mm以下の第2の放熱孔と遮蔽用の金属部材が設けられている。さらに、上記固定部材が画像表示装置と回路基板の間隔を画する金属製の放熱板として構成されるとともに、この金属製の放熱板に上記第1の放熱孔を閉塞する閉塞部が形成されていることを特徴とする。ここで、高熱を発する電子素子が配される近傍には、絶縁部材を介して遮蔽用の金属部材を取り付けることが好ましい。
【0020】この請求項5記載の発明によれば、上記画像表示装置と回路基板との間隔を画する放熱板が設けられ、この金属製の放熱板の閉塞部は、第1の放熱孔を閉塞して直接外気と接しているので、上記金属製の放熱板に伝達した画像表示装置の熱は、この第1の放熱孔からケース外へ放熱される。一方、回路基板が収納される蓋体側に第2の放熱孔が形成されているために、回路基板から発生する熱は、この第2の放熱孔からケース外へ放熱される。したがって、各々の熱の発生原因に合わせた流路により、ケース内の熱が効率良くケース外へ放熱される。
【0021】本発明の請求項6記載の電子機器の放熱構造は、前記請求項3又は請求項5記載の発明を前提として、前記遮蔽用の金属部材が金属線が交叉状に配されたメッシュ構造とされて、蓋体の内側に配されていることを特徴とする。
【0022】この請求項6記載の発明によれば、遮蔽用の金属部材が金属線が交叉状に配されたメッシュ構造とされていることから、この遮蔽用の金属部材を蓋体の内側に配しても、ケースの内部構造を見ることができる。
【0023】本発明の請求項7記載の電子機器の放熱構造は、前記蓋体側の遮蔽用の金属部材が前記ケース本体側の金属製の放熱板に接地されていることを特徴とする。
【0024】この請求項7記載の発明によれば、上記蓋体側の遮蔽用の金属部材が金属製の放熱板にシャーシ接地されているために、高圧による危険性が減少され、安全が保証される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。本実施の形態の電子機器は、パチンコ遊戯装置の台の中央に搭載される電子機器であり、画像表示装置等がケースに収納されている。
【0026】(電子機器の構成)まず、ケース1は、図1乃至図4に示すように、ケース本体2と蓋体21とから構成され、これらケース本体2も蓋体21も透明部材であるプラスチック製の部材により構成されている。したがって、外部から内部構造が認識できる、いわゆるシースルー構造とされている。このケース本体2は、正面部と背面部に開口部を有する、ほぼ側面部2aのみから構成される筒状のもので、このケース本体2の側面部2aには、パチンコの台に搭載するための取り付け片3が形成されている。このケース本体2の大きさは、縦が約125mm、横が約180mm、上記側面部2aの高さが約20mm、厚さ約2mmである。また、ケース本体2の内側には、このケース本体2に画像表示装置4や回路基板5をビス7を介して固定するためのビス止め部材7aが立設されている。
【0027】一方、蓋体21は、側面部21aと背面部21bから構成される断面凹状のもので、一方側のみに開口部を有する。この蓋体21の大きさは、縦が約125mm、横が約180mm、上記側面部21aの高さが約20mm、厚さ約2mmである。また、蓋体21の側面部21aには、回路基板5に配される半固定抵抗器(可変抵抗器)9をドライバーで操作するための穴9aが形成され、蓋体21の背面部21bには、コネクタ12等を通す孔12aが形成されている。この半固定抵抗器9を操作するための穴9aは、通常、シール部材13でシールされている。なお、上記画像表示装置4と回路基板5は、固定部材6を介してケース本体2側に固定されるために、回路基板5が配される位置は、実際には、この蓋体21側となる。
【0028】そして、上記ケース本体2と蓋体21は、互いの外周部に配されるネジ8とネジ止め孔8aにより接合されるようになっている。すなわち、透明パネル11を介して、ケース本体2側に画像表示装置4を固定部材6を介して固定した後、固定部材6に対して回路基板5を取り付け、蓋体21を接合することで、電子機器を収納するケース1を構成するようになっている。
【0029】また、本実施の形態の画像表示装置4は、液晶ディスプレイであり、その液晶の画面4aは7インチであり、高熱を発するバックライト(蛍光管)が2本配されている。したがって、この7インチの画面4aが上記大きさのケース本体2の正面部に位置することとなり、この画面4aの背面側にバックライトが位置することとなる。また、画像表示装置4の画面4aの周囲には、防塵テープ15が貼着されている。
【0030】また、回路基板5は、画像表示装置4とほぼ同じ大きさのもので、画像表示装置4を制御する電子素子Sが配されている。この回路基板5には、その他、高圧を発生する電子素子S、半固定抵抗器9、導線19を有するコネクタ12や接続線16等が組み込まれている。
【0031】そして、上記画像表示装置4と回路基板5は、ケース本体2に固定部材6を介して収納固定されている。この固定部材6は、画像表示装置4の画面4aをケース本体2側の正面部に内側から位置するように取り付けた後、この固定部材6の背面側で回路基板5を連結部6bを介して取り付けるものである。また、この固定部材6の端部側には、高圧用の絶縁部材17を係止する係止爪6cと接続線16を通す穴6eが、固定部材6の中央には、位置決め用の穴6dが形成されている。
【0032】(ケース本体の放熱構造)次に、ケース本体2は、図1及び図2に示すように、その側面部2aに第1の放熱孔10が形成されている。この第1の放熱孔10は、主に画像表示装置4から発生する熱を外部に放熱するもので、格子状に形成されている。この格子状の第1の放熱孔10は、縦が約14mm、横が約8mmの大きさのものが上記側面部2aを貫通して複数形成されている。本実施の形態では、上方側と下方側の側面部2aに各々13個ずつ合計26個形成されている。この第1の放熱孔10は、画像表示装置4の近傍であれば、本実施の形態の各第1の放熱孔10よりも大きくして、その数を少なくしたものでも良い。すなわち、直径2mmというような規制に関わらず、これよりも大きな上記第1の放熱孔10が形成されている。このような第1の放熱孔10は、以下に説明する固定部材6により閉塞されるために、直径2mmという規制をクリアできるからである。本実施の形態では、ケース本体2の上方側と下方側に多数設けられているが、更に、左右の側面部2aにも形成されるものでも良い。
【0033】そして、上記固定部材6は、画像表示装置4と回路基板5の間隔を画する金属製の放熱板として構成されている。本実施の形態の放熱板6は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の金属板であり、ほぼ画像表示装置4と同じ大きさである。また、この金属製の放熱板6の端部は、折り曲げ加工されて、上記第1の放熱孔10を閉塞して直接外気と接する閉塞部6aが形成されている。この閉塞部6aは、画像表示装置4を囲むように折り曲げられて、ケース本体2の側面部2aの高さよりも若干低く形成されている。したがって、この閉塞部6aは、画像表示装置4を固定する役割も併せ持つ。また、上記閉塞部6aにより、ケース本体2は密閉構造とされる。
【0034】また、この放熱板としての固定部材6の背面側の四隅には、突出した連結部6bが形成されている。この連結部6bは、回路基板5を固定部材6に対して所定間隔を保って連結するものであり、この連結部6bには、ビス7を挿通するビス用孔が形成されている。この固定部材6の連結部6bは、固定部材6と一体に形成されるものであるが、この固定部材6と別体に設けられるものでも良い。この場合の連結部6bの材質は、ゴム製等の熱伝導率の低い部材とすることも可能である。
【0035】したがって、このような構造のケース本体2の放熱構造によれば、図1に示すように、画像表示装置4のバックライトからの熱は、ケース本体2内を流れて熱伝導率の高い金属製の放熱板である固定部材6に伝達して回路基板5に到達することがない。そして、放熱板の閉塞部6aは、第1の放熱孔10を閉塞して直接外気と接しているので、画像表示装置4の熱は、この画像表示装置4の近傍の第1の放熱孔10からケース外へ放熱される(図1中、符号A参照)。
【0036】ここで、ケース本体2の放熱構造は、上記放熱板6の閉塞部6aが第1の放熱孔10から外部に突出するようなものでも良い。このように突出させることにより、外気と接触する部分が大きくなる利点も有する。さらに、上記金属製の放熱板6は、第1の放熱孔10を完全に閉塞するものではなく、少しの隙間を開けて閉塞するようなものでも良い。この場合は、ケース本体2は、密閉構造とはならず、この2mm以下の隙間からもケース内の熱を外部に放熱することが可能となる。
【0037】ところで、上述した保通協の認定を受けるためには、ケース1に直径2mm以上の孔を設けてはならないことがある。しかし、本実施の形態によれば、2mm以上の大きな第1の放熱孔10が形成されてはいるが、この第1の放熱孔10は、放熱板6の閉塞部6aにより閉塞されるために、直径2mmという規制をクリアできることとなる。しかも、放熱板6の閉塞部6aは、第1の放熱孔10を閉塞して直接外気と接しているので、ケース本体2は密閉構造を保ちながら、画像表示装置4の熱を第1の放熱孔10を介して効率良くケース外へ放熱することとなる。
【0038】また、固定部材6の連結部6bは、回路基板5に対して所定間隔を保って連結することから、金属製の放熱板6に伝達した熱が回路基板5に伝達することを有効に防止する。
【0039】(蓋体の放熱構造)次に、ケース1の蓋体21は、図5乃至図7に示すように、その側面部21aに第2の放熱孔20が形成されている。この第2の放熱孔20は、主に回路基板5から発生する熱を外部に放熱するもので、蓋体21の側面部21aを貫通して形成されている。各第2の放熱孔20は、直径2mm以下のものであり、その厚み約2mmを利用して、内側よりも外側の直径がやや大きなテーパー状を呈している。このテーパー状の第2の放熱孔20は、上記側面部21bの上方側と下方側に多数形成されているが、更に、左右両側部にも多数形成されているものでも良い。また、画像表示装置4の近傍であれば、蓋体21の側面部21aのみならず、背面部21bに設けられるものでも良い。
【0040】そして、上記蓋体21の側面部21aの内側には、遮蔽用の金属部材22が配されている。この遮蔽用の金属部材22は、外部からの静電気や磁界、電界、ノイズ等の影響を防止するものであり、金属線が交叉状に配された網目を有するメッシュ構造のものである。この網の目の大きさは、第2の放熱孔20よりも大きくても小さくても良い。本実施の形態では、第2の放熱孔20内でも網の目が交叉する細かなメッシュ構造とされているが(図6参照)、このような細かな方が、いわゆるシールド(磁気遮蔽等)効果が高い。また、このようなメッシュ構造にすることにより、側面部21aからでもケース1の内部構造が見えるようになっている。ここで、上記蓋体21としては、自動車の窓ガラスの熱線のように、その透明なプラスチック部材の中に上記遮蔽用の金属部材22が埋め込まれたものでも良い。
【0041】また、本実施の形態の遮蔽用の金属部材22は、第2の放熱孔20が形成されない側面部21aにも配されている。具体的には、遮蔽用の金属部材22は、各々コ字状の2つの部材を配することにより、蓋体21の側面部21aの内側に帯状に配されている。そして、2つの遮蔽用の金属部材22は、各々の角部22aに切り欠いた切り込み部が形成されて、この残った角部22aに、ネジ止め用の孔22bが形成されている。
【0042】また、蓋体21には、背面部21bの内側から突出する係止部材23とネジ止め部材24が立設されている。この係止部材23は、上記遮蔽用の金属部材22を蓋体21の側面部21aとの間で挟持するものであり、上記ネジ止め部材24は、ネジをネジ止め用の孔22bに螺合させて遮蔽用の金属部材22の角部22aをネジ止めするものである。したがって、上記遮蔽用の金属部材22は、上記蓋体21の側面部21aと上記係止部材23との間に狭持された後、上記ネジ止め部材24によりネジ止めされて、蓋体21の内側に帯状に配されることとなる。
【0043】さらに、上記コネクタ12を通す穴12aの周縁部には、コ字状の金属部材25が配されている。この金属部材25は導電線26に連結されており、この導電線26の他端は、上記金属製の放熱板6に導かれてアース接地(シャーシ接地)されて、高圧による危険を防止している。
【0044】したがって、このような蓋体21の放熱構造によれば、図1に示すように、回路基板5からの熱は、回路基板5近傍の第2の放熱孔20から放熱される(図1中、符号B参照)。また、遮蔽用の金属部材22により外部ノイズの影響を防止することができる。
【0045】ところで、上述した保通協の認定を受けるためには、外からケース内の内部構造が見えるようにしなければならないことがある。しかし、本実施の形態によれば、ケース1の全体はプラスチック製の透明部材により構成されるとともに、上記メッシュ構造の遮蔽用の金属部材22が設けられていることから、直径2mm以下の孔を多数設けながらも、外部からの静電気や磁界、ノイズ等からケース内の電子素子Sを保護することができる。
【0046】そして特に、従来のものは、画像表示装置からの熱も回路基板からの熱等も原因不明の熱も、蓋体(筐体)側の1種類のスリット状の放熱孔から、ケース外へ放熱されるにすぎず、十分な放熱とはなっていなかった。
【0047】これに対して、本実施の形態によれば、ケース1がプラスチック製部材であるため、ケース内の温度は上昇し易くはなるものの、ケース本体2の放熱構造と蓋体21の放熱構造を採用することにより、画像表示装置4の熱は金属製の放熱板6を介して第1の放熱孔10から放熱され(図1中、符号A)、回路基板5の熱は第2の放熱孔20からケース外に放熱される(符号B)。したがって、各々の熱の流路が形成されることとなり、ケース内の熱の発生原因に応じてケース内の熱が効率良く放熱されることとなる。このことは、上記ケース1の温度検査によっても、実際に確認された。
【0048】次に、本実施の形態のケース1を組み立てる場合について概説する。まず、予め遮蔽用の金属部材22が取り付けられた蓋体21を用意しておく。すなわち、蓋体21には多数の第2の放熱孔20が形成されているために、少なくともこの第2の放熱孔20を覆うように、蓋体21の内側に遮蔽用の金属部材22を取り付ける。
【0049】この取り付けに際しては、図7に示すように、蓋体21の側面部21aと背面部21bから突出する係止部材23との間に遮蔽用の金属部材22を差し込むとともに、遮蔽用の金属部材22の角部22aのネジ止め用の穴22bにネジを挿通させてネジ止め部材24に螺合させる。この場合、高熱を発する電子素子Sが配される近傍には、ハーネス16Aを保護するハーネス保護材18を介して遮蔽用の金属部材22を取り付ける。
【0050】そして、上記遮蔽用の金属部材22が装着された蓋体21を準備しておき、次に、図3に示すように、ケース本体2の正面部の開口に、透明パネル11を取り付け、ケース本体2の背面側の開口に、画像表示装置4を取り付ける。透明パネル11と画像表示装置4の取り付けは、これらに予め貼着されている保護シートを剥がして、静電ブロアーをかけながら行う。
【0051】次に、画像表示装置4の上方から固定部材6を位置決めする。この場合、図3に示すように、ケース本体2の側面部2aの内側に、上記固定部材6の閉塞部6aを差し込みながら、固定部材6の中央の穴6bをこれと対応する画像表示装置4の穴(図示せず)に合わせる。すると、液晶ディスプレイである画像表示装置4が正確な位置に位置決めされるとともに、固定部材6の閉塞部6aがケース本体2の第1の放熱孔10を閉塞することとなる。この場合、画像表示装置4は、ケース内で上記閉塞部6aを有する固定部材6により囲まれるようになるために、この固定部材6により保護されることとなる。
【0052】次に、固定部材6の上方に回路基板5を位置合わせをして取り付ける。すなわち、図4に示すように、固定部材6には連結部6bが突出して設けられているために、この連結部6bに形成される穴と回路基板5の四隅部の穴を対応させてビス7でビス止めする。そして、接続線16やハーネス16Aを取り付ける。上記連結部6bを介することにより、回路基板5は、固定部材6と所定間隔を保って取り付けられるため、固定部材すなわち金属製の放熱板6の熱が回路基板5に伝達することを少なく抑えることができる。
【0053】次いで、このような位置合わせをした状態で、図2及び図5に示すように、上記遮蔽用の金属部材が装着された蓋体21をケース本体2にネジ8を介して接合する。この場合、コネクタ12は、蓋体21のコネクタ12を通す穴12aに通し、ハーネス16A等を挟まないようにして、蓋体21を接合する。そして、ケース本体2の外周部の取り付け片3を使用して、パチンコ遊戯具の台の中央に取り付ける。なお、半固定抵抗器9を操作する場合は、上記シール部材13を外して、蓋体21の穴9aからドライバーで調節する。
【0054】(本実施の形態の応用例)次に、本実施の形態の応用例について説明する。
【0055】まず第1の応用例としては、蓋体21は、ケース本体2の放熱構造のケース本体2に配される金属製の放熱板6と第1の放熱孔10とから構成されるものでも良い。すなわち、蓋体21に、直径2mmよりも大きな格子状の孔を形成するとともに、上記遮蔽用の金属部材22の代わりに薄板状の金属製の放熱板6を配するという構成にしても良い。このように、蓋体21の放熱構造をケース本体2の放熱構造と同じに形成しても、直径2mm以下の規制や外部からの静電気や磁界の影響の問題を解決できる。この場合、薄板状の金属製の放熱板6を配しても、蓋体21の背面部21bも透明であり、外からケース内の内部構造が見えるので、特に問題はない。なお、この場合の金属製の放熱板6は、帯状に蓋体21の内側に配されれば足り、折り曲げられる閉塞部6aを形成する必要はない。
【0056】第2の応用例としては、上記金属製の放熱板である固定部材6の端部と蓋体21に装着される遮蔽用の金属部材22の端部とが重なり合うようにしても良い。例えば、帯状の遮蔽用の金属部材22の幅間隔を大きくとり、ケース本体2に対して蓋体21を接合した際に上記両端部が重なり合うようにすると良い。このように重ね合わせ接合すると、外部からの静電気や磁界、ノイズの影響を防止するシールド効果が高められるとともに、上記導線部材26を使用しなくとも上記遮蔽用の金属部材22のシャーシ接地が可能となる。なお、この場合は、固定部材6と遮蔽用の金属部材22とは、同じ材質を使用することが好ましい。
【0057】第3の応用例としては、蓋体21は、蓋体21の側面部21aがケース本体2の側面部2aを包むような蓋体21であっても良い。また、蓋体21の側面部21aがケース本体2の側面部2aの内側に収まるような蓋体21であっても良い。これらの場合は、上記蓋体21に更にケース本体2の第1の放熱孔10のような放熱孔を形成することで、ケース内の熱を外に効率良く放熱することができることとなる。
【0058】以上、本実施の形態では、パチンコ遊戯具に搭載される電子機器の例で説明したが、本発明は、ケースに画像表示装置4や回路基板5が収納される電子機器に広く適用可能である。また、画像表示装置4は、液晶ディスプレイで説明したが、本発明は、CRTディスプレイのような、液晶ディスプレイ以外の画像表示装置にも広く適用可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の電子機器の放熱構造においては、画像表示装置と回路基板との間隔を画する放熱板が設けられているために、上記画像表示装置の熱は、熱伝導率の高い金属製の放熱板である固定部材に伝達し、回路基板に到達することはない。そして、放熱板の閉塞部は、第1の放熱孔を閉塞して直接外気と接しているので、上記金属製の放熱板に伝達した画像表示装置の熱は、この第1の放熱孔からケース外へ放熱される。したがって、画像表示装置からの特に高い熱を効率良くケース外に放熱することが可能となる。
【0060】本発明の請求項3記載の電子機器の放熱構造においては、ケースが透明部材により構成されるとともに、このケースに直径2mm以下の第2の放熱孔と遮蔽用の金属部材が設けられていることから、ケース内が見える構造を採用し直径2mm以下の孔を設けながらも、ケース内の熱を外部に放熱することが可能となるとともに、外部磁界やノイズの影響を防止することが可能となる。
【0061】本発明の請求項5記載の電子機器の放熱構造においては、上記金属製の放熱板に伝達した画像表示装置の熱は、この画像表示装置の近傍の第1の放熱孔からケース外へ放熱される。一方、回路基板が収納される蓋体側に第2の放熱孔が形成されているために、回路基板から発生する熱は、この回路基板の近傍の第2の放熱孔からケース外へ放熱される。したがって、ケース内の熱をそれぞれの発生原因に合った熱の流路により効率良くケース外へ放熱することが可能となる。
【0062】
【出願人】 【識別番号】391010116
【氏名又は名称】株式会社ナナオ
【出願日】 平成10年(1998)1月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
【公開番号】 特開平11−204973
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−3198