| 【発明の名称】 |
電子装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】梶川 真秀
【氏名】松村 健一
【氏名】前田 真一
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| 【要約】 |
【課題】電力トランジスタの配置を利用し、プリント基板上にヒ−トシンクから加工残査を落下させない電子装置を提供すること【解決手段】電力トランジスタ2、ヒ−トシンク7、プリント基板6からなる電子装置において、ヒ−トシンク7に形成された有底の加工残査除去穴1の開口部を電力トランジスタで閉じるように配置する。ヒ−トシンク7をプリント基板6に取り付ける際、その取り付け用雌ネジ穴51より、残査10が分離されるが、分離された残査10は、その閉空間に封じ込まれた状態になり、外部に落下することはない。従って、短絡故障の原因をつくることのない、信頼性の高い電子装置を提供することができる。
【解決手段】電力トランジスタ2、ヒ−トシンク7、プリント基板6からなる電子装置において、ヒ−トシンク7に形成された有底の加工残査除去穴1の開口部を電力トランジスタで閉じるように配置する。ヒ−トシンク7をプリント基板6に取り付ける際、その取り付け用雌ネジ穴51より、残査10が分離されるが、分離された残査10は、その閉空間に封じ込まれた状態になり、外部に落下することはない。従って、短絡故障の原因をつくることのない、信頼性の高い電子装置を提供することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】電子機器が搭載され回路配線の設けられた回路基板と、該回路基板上に配置され、電力トランジスタを取り付けたヒ−トシンクとを有する電子装置において、前記ヒ−トシンクは、該ヒートシンクを前記回路基板上に配設して固定するため、該ヒートシンクの前記回路基板に対する接触面に略垂直に設けられた雌ネジ部と、該雌ネジ部の製造過程で発生する加工残査を取り除くため、前記電力トランジスタの取付け面側から該雌ネジ部先端部まであけられた有底の加工残査除去穴とを有し、前記電力トランジスタが前記加工残査除去穴を塞ぐように前記ヒ−トシンクに固定されていることを特徴とする電子装置。 【請求項2】電子機器が搭載され回路配線の設けられた回路基板と、該回路基板上に配置され、電力トランジスタを取り付けたヒ−トシンクとを有する電子装置において、前記ヒ−トシンクは、該ヒートシンクを前記回路基板上に配設して固定するため、該ヒートシンクの前記回路基板に対する接触面に略垂直に設けられた雌ネジ部と、該雌ネジ部の製造過程で発生する加工残査を取り除くため、前記電力トランジスタの取付け面側から該雌ネジ部先端部を通ってその取付け面と反対側の面まで貫通した加工残査除去穴とを有し、前記雌ネジ部に螺合し、前記ヒートシンクを前記回路基板に固定するための固定ネジを、前記雌ネジ部の長さよりも短い長さとしたことを特徴とする電子装置。 【請求項3】前記雌ネジ部先端部は、ネジの形成されていない不完全ネジ部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多数の回路配線が設けられた回路基板に電力トランジスタとその熱を拡散させるヒ−トシンクとを搭載した電子装置に関する。特に電力トランジスタの組み付け時あるいは組み付け後に、ネジ切り加工等において形成される加工残査を回路基板上に落下させず、短絡故障を発生させないようにした電子装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電子制御機器あるいは電力制御機器には、多くの電子機器、電子部品およびヒ−トシンクを必要とする電力トランジスタが搭載されており、その電極間のピッチは益々小さくなる傾向にある。その中で、機械加工された前述のヒ−トシンクには、僅かな金属粉やネジ加工等において形成される加工残査が付着している場合があり、その残査が落下すると、電極間で短絡等を引き起こし、故障につながる可能性があった。 【0003】ヒ−トシンクは熱伝導率のよいアルミ材等を加工して形成され、従来より、様々な工夫がなされている。その構成を図6に示し、加工及び取付け方法を説明する。まず、所定形状に加工されたヒートシンク7にネジ穴41、51が形成され、固定ネジ4がネジ穴41に螺合されることによって、発熱を伴う電子機器である電力トランジスタ2がヒ−トシンク7にネジ締め固定される。次に、固定ネジ5がネジ穴51に螺合されることにより、ヒ−トシンク7がプリント基板6にネジ締め固定される。その後電力トランジスタ2の足21、22がプリント基板6のプリント配線に半田付けされる。 【0004】ヒートシンク7の加工工程において、ネジ穴41の加工においては、貫通孔にネジ切り加工が施されるため、加工屑を圧縮空気の吹き付けや真空吸引等により容易に除去するすることができる。又、通しネジ穴のため、端面の面取りも容易である。しかし、ヒートシンク7をプリント基板6に固定するためのネジ穴51は、ヒートシンク7のプリント基板6との接触面に垂直に形成されるため、ヒートシンク7の高さが長く貫通孔とすることができない。このため、ネジ径が小さいこともあって加工屑の除去が容易でない。そこで、このネジ穴51の穴開け加工及びネジ切り加工における加工屑を容易に除去可能とするために、このネジ穴51に垂直に加工残査除去穴1を形成して、圧縮空気の吹き付けや真空吸引等により加工屑を除去している。 【0005】 【発明が解決しようする課題】しかしながら、上記のように加工残査除去穴1を設けても、加工残査除去穴1とネジ穴51との交差部の境界には、依然としてバリ10など加工残査が残存しており、この角部の面取りができない。そのため、ヒートシンク7をプリント基板6に取り付ける際の衝撃、固定ネジ5との接触、あるいは取付け後の振動等によって分離し、分離した残査がその加工残査除去穴1からプリント基板6上に落下するという問題があった。特に、常に振動を伴うことが条件である車輌用制御装置では、その可能性が大きく、加工残査が落下することのない電子装置が要求されている。 【0006】本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電子部品の組み付け後あるいは組み付け過程で、ヒ−トシンク内の加工残査が落下するメカニズムに着目し、固定ネジが加工残査に接触しない構造、あるいはその電力トランジスタによって、その加工残査除去穴を封じる構造をとることによって、電子機器組み付け後も、振動等によって加工残査が落下しない電子装置を提供することを目的とする。これにより、電子装置の信頼性の向上を図るものである。 【0007】 【課題を解決するための手段および作用および効果】この目的を達成するために、請求項1に記載の電子装置に搭載されているヒ−トシンクにおいて、ヒートシンクの回路基板に対する接触面に略垂直に固定のための雌ネジ部を形成し、この雌ネジ部の製造過程で発生する加工残査を取り除くため、電力トランジスタの取付け面側から雌ネジ部先端部まであけられた有底の加工残査除去穴を形成し、電力トランジスタで加工残査除去穴を塞ぐようにしている。よって、ヒ−トシンクが回路基板に固定ネジで固定されると、加工残査除去穴は完全に閉じており、外部と連通していない。したがって、固定ネジでネジ締めする際、雌ネジ部と加工残査除去穴との境界にあるバリ等の加工残査が、固定ネジに接触し分離されても、分離された加工残査は、加工残査除去穴に留まり、外部の回路基板上に落下することはない。このように、本発明によれば、より故障の少ない電子装置となり、装置の信頼性を向上させることができる。特に、車輌などの振動の激しい環境下で使用されても、加工残査が回路基板に落下することがないため、信頼性の高い制御装置とすることができる。 【0008】また、請求項2に記載の電子装置では、上記のような構造の雌ネジ部に対して、電力トランジスタの取付け面側から雌ネジ部先端部を通ってその取付け面と反対側の面まで貫通した加工残査除去穴を形成し、雌ネジ部に螺合しヒートシンクを回路基板に固定するための固定ネジを、雌ネジ部の長さよりも短い長さとしたことを特徴としている。よって、雌ネジ部と加工残査除去穴との境界に形成されるバリ等の加工残査が、ネジ締め時に固定ネジに接触して分離されることがない。このため、加工残査除去穴が開口してしていても、加工残査の回路基板への落下が防止され、電子装置の信頼性を向上させることができる。 【0009】また、請求項3の発明では、雌ネジ部の先端部分をネジの形成されていない不完全ネジ部としているので、雌ネジ部と加工残査除去穴との境界にネジ切り加工によるバリ等の加工残査が形成されず、且つ、固定ネジが加工残査除去穴内に突出することがない。したがって、請求項2の発明と同様に、固定ネジでネジ締めする際に、雌ネジ部と加工残査除去穴との境界におけるバリ等の加工残査が分離されることがなく、加工残査の回路基板への落下が防止され、電子装置の信頼性を向上させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また、図1乃至図5の同一部分には、同一の番号が付されている。 (第1実施例)図1、図5は第1実施例の装置を示す構成図である。本発明による電子装置は、回路基板であるプリント基板6に電子回路を搭載した電子装置である。図5に示すように、電子装置はプリント基板6上のプリント配線上にMPU61、IC62、外部機器と信号を交換するためのコネクタ63、電力トランジスタ2とそのヒートシンク7等が配設されている。本発明は、この電子装置のうちで、電力トランジスタ2の熱を拡散するためのヒートシンク7の構造に関するものである。図1に示すように、プリント基板6には、発熱を伴う電子機器である電力トランジスタ2を固定し、熱を拡散させるためのヒートシンク7が配設されている。ヒートシンク7には、電力トランジスタ2を固定するためのネジ穴41がプリント基板6に平行に形成されている。このネジ穴41は通しネジ穴にして、ネジ切り加工時の加工屑の除去を容易にしている。そのネジ穴41に固定ネジ4を螺合することで、電力トランジスタ2がヒートシンク7に面接触して固定される。 【0011】一方、ヒートシンク7のプリント基板6に対する接触面71には、その面71に垂直にヒートシンク7をプリント基板6に固定するためのネジ穴51(雌ネジ部)が形成されている。このネジ穴51に固定ネジ5を螺合することで、ヒートシンク7がプリント基板6に固定される。さらに、このネジ穴51が開口する加工残査除去穴1がプリント基板6に平行に形成されている。この加工残査除去穴1は貫通しておらず、底11を有している。この加工残査除去穴1はネジ穴51のネジ切り加工時の屑を排出させるための穴である。そして、この加工残査除去穴1の開口12は電力トランジスタ2で完全に封止されている。 【0012】このヒ−トシンク7は、熱伝導性、コスト、加工性の面から一般にアルミダイキャストで製造されるが、アルミ材は、加工性が良い反面、鉄材等と比較して塑性が高いため、切削加工、ネジ切り加工では、一部バリ等の加工残査が残り易い。上記のヒートシンク7の製造においては、上記のように所定形状に成形及び穴開け加工をした後、ネジ切り加工が施されて、真空吸引等により加工屑が除去される。尚、ネジ穴41と加工残査除去穴1に関しては開口部の面取り加工が行なわれる。 【0013】ネジ切り加工により、加工残査除去穴1とネジ穴51との交差部にバリ10が発生する。プリント基板6へのヒ−トシンク7の取付け時に、固定ネジ5が、バリ10等の加工残査を押し出し、プリント基板6上に落下させる危険性がある。本実施では、図1に示すように、発熱を伴う電力用トランジスタ2とヒ−シンク7で加工残査除去穴1を閉空間とし、加工残査を封じ込める構成としているので、固定ネジ5が交差部のバリ10を押し出し分離させても、バリ10はプリント基板6上へ落下しない。従って、本実施例によれば、プリント基板6における短絡故障を防止して信頼性をより向上させることができ、車輌などの振動の激しい環境で使用される制御機器に最適な装置とすることができる。 【0014】(第2実施例)図2に第2実施例の構成を示す。第1実施例と異なるところは、加工残査除去穴1が貫通されていること、および固定ネジ5が加工残査除去穴1内に突出できない構造としていることである。すなわち、上述の様に加工残査除去穴1は、新たにネジ穴51との交差部にバリ10を発生させている可能性があるが、ネジ穴51の先端部52はネジ切り加工が施されていないため(不完全ネジ部)、固定ネジ5は加工残査除去穴1内には突出することはない。よって、バリ10を押し上げ、分離させることはない。従って、たとえバリ10が残存していても、組み付け作業等によって、バリ10をプリント基板6上に落下させることはなく、第1実施例と同等の効果がある。 【0015】尚、この実施例の変形例として、ネジ穴51には先端部までネジ切り加工を施すが、固定ネジ5の長さをネジ穴51の長さよりも短くするようにしても良い。これにより、固定ネジ5の頭部が加工残査除去穴1に突出しないようにして、角部のバリがネジ締めで剥離しないようにしても良い。 【0016】(第3実施例)図3に第3実施例の構成を示す。第1実施例と異なるところは、第2実施例同様、固定ネジ5が加工残査除去穴1内に突出できない構造としていることである。すなわち、第1実施例では、固定ネジ5がバリ10を押し出し、分離されたバリ10などの加工残査をその加工残査除去穴1内に封じ込めていた。従って、電力トランジスタ2とヒ−トシンク7の間に僅かに間隙がある場合は、その個所から分離されたバリ10が落下する可能性がある。本実施例では、ネジ穴51の先端の不完全ネジ部52によって固定ネジ5は、加工残査除去穴1内に突出することはない。よって、バリ10を押し上げ、分離させることはない。従って、電力トランジスタ2とヒ−トシンク7との間に僅かに間隙があっても、バリ10等の加工残査を落下させることはなく、より信頼性の高い電子装置を提供することができる。尚、本実施例においても、第2実施例の変形例と同様に、固定ネジ5の長さをネジ穴51の長さよりも短くするようにすることで、固定ネジ5の頭部が加工残査除去穴1に突出しないようにして、角部のバリ10がネジ締めで剥離しないようにしても良い。 【0017】以上、本発明を表わす実施例を示したが、他にさまざまな変形例が考えられる。例えば、第1実施例では、加工残査除去穴1は、途中のネジ穴51の先端部まで穴あけ加工されて貫通させていないが、第2実施例と同様、一旦、ヒートシンク7の裏面まで貫通加工をし、その後裏面を板で閉じる構成としても良い。第2実施例では、加工残査除去穴1を貫通穴として設けたが、図4の組み付け側面図に示すように、ネジ穴51の先端部を削り取るように溝8を形成しても良い。また、その溝8の方向は、電力トランジスタ2の取付け面に平行であってもよいし、垂直であってもよい。この構造であれば、ネジ穴51の角部の面取り加工も可能となる。 【0018】また、第2実施例では、固定ネジ5による加工残査の落下はないが、加工残査が残留していた場合、激しい振動などで、落下する可能性がある。従って、熱伝導性のゴム等で加工残査除去穴1を充填し、加工残査の落下を完全に防止する事もできる。また、同じく第2実施例では、加工残査除去穴1の一方の開口を電力トランジスタ2で閉じる構成としたが、その両側に電力トランジスタ2を配設して、それより、両側の開口を封止しても良い。その他、様々な変形例が考えられるが、本発明の主旨である、残されたバリ等の加工残査を固定ネジの接触によって分離させない構造、あるいは分離された加工残査を封じ込める構造であれば、任意の構造を用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月15日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤谷 修
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| 【公開番号】 |
特開平11−204969 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−20492 |
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