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【発明の名称】 屈曲配線板
【発明者】 【氏名】古田 一臣

【氏名】樋口 裕一郎

【要約】 【課題】電線等の可撓性の回路を弛みなくスムーズに屈曲させ得る屈曲配線板を提供する。

【解決手段】絶縁基板3,4がヒンジ2で屈曲可能に連結され、可撓性の回路5がヒンジの上を経て絶縁基板に配設され、絶縁基板に、ヒンジの近傍から電線長手方向に、回路の屈曲部5aを進入させる凹部6,7が形成されている。絶縁基板3,4のヒンジ側の端部に当接用のテーパ面8,9が所要角度に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁基板がヒンジで屈曲可能に連結され、可撓性の回路が該ヒンジの上を経て該絶縁基板に配設され、該絶縁基板に、該ヒンジの近傍から電線長手方向に、該回路の屈曲部を進入させる凹部が形成されたことを特徴とする屈曲配線板。
【請求項2】 前記絶縁基板のヒンジ側の端部に当接用のテーパ面が所要角度に形成されたことを特徴とする請求項1記載の屈曲配線板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線等の可撓性の回路を弛みなくスムーズに屈曲させ得る屈曲配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5(a)(b)は、特開平3−155316号公報に記載された従来の屈曲配線板を示すものである。この屈曲配線板15は、図5(a) の如く上層及び下層の各バスバー16,17と、両バスバー16,17の間に配置される絶縁基板18と、各部材16〜18を載置する絶縁樹脂製の下ケース19とで構成される。
【0003】下ケース19には所要位置にヒンジ20とロック手段21とが設けられ、ヒンジ20に対応して絶縁基板18にヒンジ22が形成され、各バスバー16,17に折曲げ可能な切込み23がそれぞれ形成されている。各バスバー16,17には雄端子24が突設され、絶縁基板18には雄端子挿通孔25が形成され、下ケース19には、雄端子24を収容するコネクタハウジング26が形成されている。
【0004】各部材16〜19はヒンジ20,22や切込み23から屈曲可能であり、図5(b) の如く各部材16〜19が組み付けられた状態で、ヒンジ20,22や切込み23から所要角度に折り曲げられて、屈曲配線板15が構成される。
【0005】しかしながら、上記従来の構造にあっては、バスバー16,17を使用するために回路変更が難しいと共に、屈曲作業性が悪く、多くの作業工数がかかり、屈曲角度も限定され、例えば直角になるように大きく曲げることは非常に困難であった。
【0006】一方、図6(a)(b)は、特開平7−221418号公報に記載された従来の屈曲配線板を示すものである。この屈曲配線板28は、二枚の硬質の絶縁基板29,30と、絶縁基板29,30の上に懸け渡されたフレキシブル回路体31と、絶縁基板29,30上でフレキシブル回路体31の上に配設された大電流用の厚肉回路導体32,33と、フレキシブル回路体31を屈曲した状態で二枚の絶縁基板29,30の間に配設され、二枚の絶縁基板29,30を連結するL字状の接続端子板34とで構成される。
【0007】接続端子板34はねじ部材35で各厚肉回路導体32,33に固定接続され、二枚の絶縁基板29,30を直角に曲がった状態に保持する。屈曲配線板28は、図示しない機器や電気接続箱等の内部に組み込まれる。
【0008】上記構造によれば、フレキシブル回路体31により配線板28を大きな角度に容易に曲げることができる。しかしながら、別部品の接続端子板34をねじ部材33で締付接続するために、緩み等により電気的接続の信頼性が低下したり、組付作業性すなわち屈曲作業性が悪く、組付工数が増加するといった懸念があった。
【0009】また、上記接続端子板34に代えて二枚の絶縁基板29,30をヒンジ(図示せず)で連結し、フレキシブル回路体31や複数本の電線(図示せず)をヒンジ近傍の絶縁基板29,30上に配線した場合には、配線板の屈曲と共にフレキシブル回路体31や電線が歪んだり弛んだりして、配線板の屈曲をうまく行えなかったり、あるいは弛んだフレキシブル回路体31や電線が絶縁基板や他の部品等と干渉して傷付いたり断線したりし、あるいは電線の配列が乱れたりするといった懸念があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した点に鑑み、回路変更を容易に行えると共に、作業性良く、大きく例えば直角に簡単且つ確実に屈曲させることができ、しかもフレキシブル回路体や電線の弛みに伴う傷付きや配線の乱れを確実に防止することのできる屈曲配線板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、絶縁基板がヒンジで屈曲可能に連結され、可撓性の回路が該ヒンジの上を経て該絶縁基板の上に配設され、該絶縁基板に、該ヒンジの近傍から電線長手方向に、該回路の屈曲部を進入させる凹部が形成されたことを特徴とする。前記絶縁基板のヒンジ側の端部に当接用のテーパ面が所要角度に形成されていることも可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1〜図4は、本発明に係る屈曲配線板の一実施例を示すものである。
【0013】この屈曲配線板1は、ヒンジ2で連結された合成樹脂製の二枚の硬質の絶縁基板3,4と、ヒンジ2を跨いで二枚の絶縁基板3,4に並列に配線された複数本の被覆電線(可撓性の回路)5とで構成され、ヒンジ2を境にして二枚の絶縁基板3,4に、ヒンジ2の近傍から電線長手方向にそれぞれ電線屈曲用の凹溝(凹部)6,7を形成したことを特徴とするものである。
【0014】各絶縁基板3,4のヒンジ2側の端部は45°の角度でテーパ状に面取りされており(図3)、絶縁基板3,4の屈曲時にこのテーパ面8,9同士が接合して、直角に屈曲した屈曲配線板1が構成される(図4)。テーパ面8,9の角度は配線板1の屈曲角度、すなわち図示しない電気接続箱や機器に対する取付角度に応じて適宜設定される。
【0015】ヒンジ2は例えば各絶縁基板3,4と一体に合成樹脂で薄板状に形成されている。電線5は凹溝6,7の部分を除いて絶縁基板3,4の表面に圧接や接着等の手段で固定されている。なお、複数本の電線5に代えてフレキシブル回路体(可撓性の回路)を設けることも可能である。
【0016】絶縁基板3,4のテーパ面8,9から電線長手方向に若干距離をおいて凹溝6,7の始端6a,7a(図3)が形成され、配線板屈曲時(図4)の電線5の屈曲部よりも電線長手方向に長く距離をおいて凹溝6,7の終端6b,7b(図3)が形成されている。配線板屈曲時に電線5は凹溝6,7内に円弧状に湾曲して収容される。
【0017】配線板屈曲時に、本例において電線5は凹溝6,7の始端6a,7aに軽く触れるか非接触で、凹溝6,7の終端6b,7bに非接触である。凹溝6,7の終端6b,7bは、電線5が接した場合でもスムーズに導出されるようにテーパ状に形成されている。始端6a,7a及び終端6b,7bと絶縁基板3,4の表面3a,4aとの各交差部は滑らかなアール形状とすることが好ましい。凹溝6,7は複数の電線5の長手直交方向(横断方向)に連続したものであり、あるいは電線一本ずつに対応して細長く切欠形成されたものであってもよい。
【0018】絶縁基板3,4には圧接端子10が植設され、圧接端子10の圧接部10a(図3)が絶縁基板3の表面側で電線5に圧接接続し、圧接端子10の雄タブ部10bが絶縁基板3の裏面側で雌コネクタハウジング11内に突出している。雌コネクタハウジング11は絶縁基板3と一体に形成されている。雌コネクタハウジング11と雄タブ部10bとで雌コネクタ12が構成され、雌コネクタ12は例えば外部ワイヤハーネス(図示せず)の雄コネクタに接続される。屈曲した二枚の絶縁基板3,4は例えば図示しない係止部材で固定される。
【0019】電線5の太さや圧接端子10の板厚を変えることで、弱電用にも強電用にも容易に対応することができる。また、切断や屈曲配索の容易な電線5を用いることで、回路変更にも容易に対応することができる。配線板3,4の屈曲と同時に凹溝6,7内に電線5が屈曲して進入することで、電線5の弛みや歪みが吸収され、絶縁基板3,4上で電線5が真直に位置し、電線5の配列の乱れが防止される。
【0020】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれば、絶縁基板を屈曲させた際に、可撓性の回路が湾曲して凹部内に進入することで、回路の歪みや弛みが凹部で吸収され、回路が浮き上がったり弛んだりすることなくスムーズに屈曲する。それにより、屈曲作業性や組付作業性が向上し、回路を大きく簡単且つ確実に屈曲させることができると共に、回路配線の乱れや、他部品等との干渉による回路の傷付きが防止される。可撓性の回路として電線を用いれば、回路変更をも容易に行うことができるのは勿論である。また、請求項2記載の発明によれば、絶縁基板のテーパ面同士が当接することで、配線板の屈曲角が正確に規定される。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
【公開番号】 特開平11−204964
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−4935