トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 複数の操作用電気部品を備えた制御装置
【発明者】 【氏名】山本 英一

【氏名】西村 誠一

【要約】 【課題】プリント基板とハウジングとの熱収縮率の差により、操作用電気部品の端子部のはんだ付け部分に応力がかかり、はんだ割れを起こし、電気回路のチャタリングや断線の不具合を生じていた。

【解決手段】プリント基板10,11,12を分割し複数の操作用電気部品1,2をそれぞれ独立したプリント基板10,11,12にはんだ付けすると共に該電気部品1,2をハウジング4に固定すること、または照明用レンズ(付加部品)20を介して操作用電気部品24をプリント基板30に保持することにより、電気部品1,2の端子部のはんだ付け部分にかかる応力負荷を緩和して不具合を解消し、プリント基板の歩留まりを向上させ、部品点数を削減して原価低減に寄与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリント基板を分割し、複数の操作用電気部品を該分割したプリント基板に分散させてはんだ付けし、かつ、該分割したプリント基板を電線で相互に電気的に接続すると共に、前記複数の操作用電気部品をハウジングに固定してなる、複数の操作用電気部品を備えた制御装置。
【請求項2】 プリント基板を複数の操作用電気部品の数に分割し、該複数の操作用電気部品をそれぞれ独立したプリント基板にはんだ付けし、かつ、前記分割したプリント基板を電線で相互に電気的に接続すると共に、前記複数の操作用電気部品をハウジングに固定してなる、複数の操作用電気部品を備えた制御装置。
【請求項3】 プリント基板をハウジングに対して多少動く程度に取り付けた請求項1または請求項2のいずれかに記載の複数の操作用電気部品を備えた制御装置。
【請求項4】 複数の操作用電気部品はLED等の表示用電気部品を含む請求項1または請求項2のいずれかに記載の複数の操作用電気部品を備えた制御装置。
【請求項5】 複数の操作用電気部品の中の少なくとも一つはハウジングの化粧面を照明する付加機能を有する付加部品を付設してなり、該付加部品は、操作用電気部品との固定手段とプリント基板への位置決め手段とを有し、操作用電気部品に働く力を付加部品で受け止めるようにしてなる請求項1記載の複数の操作用電気部品を備えた制御装置。
【請求項6】 複数の操作用電気部品の中の少なくとも一つはハウジングの化粧面を照明する付加機能を有する付加部品を付設してなり、該付加部品は、操作用電気部品の操作軸部に嵌合させる嵌合部を有すると共に、背面にプリント基板に設けた孔部に嵌合する突起部を有し、前記突起部をプリント基板に設けた孔部に嵌合させて付加部品を位置決めし、かつ、該嵌合部を操作用電気部品の操作軸部に嵌合させて固定してなる請求項1記載の複数の操作用電気部品を備えた制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のスイッチやボリューム等の操作用電気部品を備えた制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の運転席には、室内に還流する空気の温度の設定や外気の導入、吹き出し口、風量の切り換えなどを操作する装置であるヒーターコントロールが設けられている。この装置には、運転者が各種の操作を行うためのロータリスイッチやボリュームなどの複数の操作用電気部品をハウジングの正面に備えている。図7は、2個のスイッチ1と1個のボリューム2が一枚のプリント基板3にはんだ付けされて形成されたプリント基板サブアッシーを示しており、図8に示すように、スイッチ1やボリューム2はハウジング4にナット5で締め付け固定されている。
【0003】スイッチ1やボリューム2の回転軸のA部には図示を省略したノブが取りつけられ、このノブを回動させることにより、スイッチ1やボリューム2の接点を切り替えるようになっている。このようにスイッチ1やボリューム2のノブを回動操作する際に、プリント基板3とスイッチ1やボリューム2との間に無理な力が加わると、各電気部品とプリント基板3とのはんだ付け部分がはがれてしまい、通電しなくなるという不具合が生じる恐れがある。そこで、各回転軸固定部をハウジング4に固定し、操作時などにスイッチ1やボリューム2にかかる外力をハウジング4でしっかりと受け止め、また、ボリュームの先端に取り付けたノブと化粧パネルとの隙間を確保するため、ハウジング4の化粧部分に設けた穴に回転軸のA部を挿入し、ナット5で固定部を固定する構造が採用されている。
【0004】一方、以上のようにボリューム部をメイン基板と独立させた単体の基板上に設け、フラットケーブルによりメイン基板に配線する構造にした場合、配線の取り回しや配線パターンの増加、作業性の悪化を招くなどの問題を生じる。そこで、このような問題を解消するために、図9に示すように、操作用電気部品の一種であるボリュームスイッチ2などであって、化粧面を照明するための照明用レンズ6などの付加部品を備えるものについては、個別の単体基板の使用をやめ、ボリュームスイッチ2をメイン基板3にはんだ付けして固定すると共に、付加部品である照明用レンズ6を2本のビス7を用いてハウジング化粧面4に締め付け固定し、その後ボリュームスイッチ2の操作軸2aを照明用レンズ6の中心孔6aに合わせるようにプリント基板3の位置を調整し、ボリュームスイッチ2をスペーサ8とナット9により照明用レンズ6に締め付け固定する構造が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の構成では、プリント基板のサブアッシーをハウジングに組み込んだ状態で加熱後冷却した場合、紙フェノールなどからなるプリント基板と合成樹脂製のハウジングとの熱収縮率の差により、操作用電気部品の端子部のはんだ付け部分に応力がかかり、はんだ割れを起こし、これに起因する電気回路のチャタリングや断線の不具合を生じるという問題点を有していた。
【0006】また、ヒーターコントロールの操作性を確保するために、複数の操作用電気部品の間隔をある程度広くする必要があるので、本来の機能である電気的配線に必要な大きさ以上に大きなプリント基板を必要とし、その分だけ幅方向の基板材料の使用量が多くなり、歩留まりを悪化させ、コストアップの要因となっていた。
【0007】さらに、照明用レンズをハウジング側にビスで締め付け、ボリュームスイッチをプリント基板に固定する構成では、ボリュームスイッチと照明用レンズとがプリント基板とハウジングというそれぞれ別の構造体に固定した構成になっているので、プリント基板とハウジングとの熱による膨張、収縮率の差によりボリュームスイッチのはんだ付け部分に応力がかかり、はんだ割れ不良を生じる恐れが大きかった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、ハウジングとプリント基板との熱による膨張、収縮率の差から生じる電気部品の端子部のはんだ付け部分への負荷を緩和し、はんだ割れに起因する電気回路のチャタリングや断線の不具合を解消することができ、また、分割した隙間の分だけ幅方向の基板材料の使用量を少なくすることができ、プリント基板の歩留まりを向上させ、原価低減に寄与する、複数の操作用電気部品を備えた制御装置を得ることを目的とする。
【0009】また、ハウジングとプリント基板との熱による膨張、収縮率の差とボリュームスイッチなどの操作用電気部品の操作軸を操作する際操作用電気部品に加わる力により、プリント基板と操作用電気部品とのはんだ付け部分に働く応力をなくし、はんだ割れなどの不良の発生を解消すると共に、付加部品をハウジングに取り付けるためのビスの使用を廃止し、コストダウンに寄与することができる複数の操作用電気部品を備えた制御装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る複数の操作用電気部品を備えた制御装置は、プリント基板を分割し、複数の操作用電気部品を該分割したプリント基板に分散させてはんだ付けし、かつ、該分割したプリント基板を電線で相互に電気的に接続すると共に、前記複数の操作用電気部品をハウジングに固定してなるものである。
【0011】また、プリント基板を複数の操作用電気部品の数に分割し、該複数の操作用電気部品をそれぞれ独立したプリント基板にはんだ付けし、かつ、前記分割したプリント基板を電線で相互に電気的に接続すると共に、前記複数の操作用電気部品をハウジングに固定してなるものである。
【0012】さらに、プリント基板をハウジングに対して多少動く程度に取り付けたものである。
【0013】また、複数の操作用電気部品はLED等の表示用電気部品を含むものである。
【0014】またさらに、複数の操作用電気部品の中の少なくとも一つはハウジングの化粧面を照明する等の付加機能を有する付加部品を付設してなり、該付加部品は、操作用電気部品との固定手段とプリント基板への位置決め手段とを有し、操作用電気部品に働く力を付加部品で受け止めるようにしたものである。
【0015】さらに、複数の操作用電気部品の中の少なくとも一つはハウジングの化粧面を照明する等の付加機能を有する付加部品を付設してなり、該付加部品は、操作用電気部品の操作軸部に嵌合させる嵌合部を有すると共に、背面にプリント基板に設けた孔部に嵌合する突起部を有し、前記突起部をプリント基板に設けた孔部に嵌合させて付加部品を位置決めし、かつ、該嵌合部を操作用電気部品の操作軸部に嵌合させて固定してなるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明に係る複数の操作用電気部品を備えた制御装置の実施の形態1であるヒーターコントロールのプリント基板サブアッシーの正面図である。図において、3分割されそれぞれ独立した3枚のプリント基板10,11,12は複数の電線を平面状に束ねて形成したフラットケーブル13により相互に電気的に接続されている。プリント基板10,11,12上には、従来の制御装置のプリント基板サブアッシーと同様の操作用電気部品である2個のロータリスイッチ1がプリント基板10と11に、また、一個のボリューム2がプリント基板12にはんだ付け固定されている。
【0017】また、図2に示すように、スイッチ1やボリューム2をハウジング4にナット5で締め付け固定することにより、プリント基板サブアッシー14がハウジング4に固定されている。つまり、プリント基板10,11,12はハウジング4に直接には固定されず、操作用電気部品を介して固定されている。従って、この状態でプリント基板サブアッシー14に熱が加わったとしても、プリント基板10,11,12がそれぞれ伸縮するので、合成樹脂製のハウジング4と紙フェノール製のプリント基板10,11,12との熱収縮率の違いによる熱応力を生じることがなく、加熱の影響を受けない。従って、操作用電気部品の端子部はんだ付け部分への応力負荷を緩和し、はんだ割れに起因する電気回路のチャタリングや断線の不具合を解消することができる。
【0018】また、分割した隙間の分だけ幅方向の基板材料の使用量を少なくすることができ、プリント基板の歩留まりを向上させ、原価低減に寄与することができる。
【0019】実施の形態2.上記実施の形態1では、プリント基板を複数の操作用電気部品の数に等しく分割し、該複数の操作用電気部品をそれぞれ独立したプリント基板にはんだ付けしたが、操作用電気部品の取り付け位置が近接している場合には、それらの操作用電気部品を同一のプリント基板に取り付けるようにしてもよい。
【0020】この場合、プリント基板とハウジングとの熱収縮率の差の影響を受けることなく部品点数を少なくすることができ、コスト的に有利である。
【0021】実施の形態3.また、プリント基板をハウジングに対して多少動く程度に取り付けるようにしてもよい。
【0022】この場合、プリント基板とハウジングとの熱収縮率の差の影響を受けることがないと共に、大きな衝撃をハウジングで受け止めることができるので、耐衝撃性が向上する。
【0023】実施の形態4.さらに、上記実施の形態1においては、ハウジングに取り付ける電気部品はスイッチ1やボリューム2等の操作用電気部品であったが、これらに限らず、LED等の表示用電気部品等、ハウジングに対して位置決め固定されるものであればどのような電気部品に対しても適用可能であり、実施の形態1の場合と同様の効果を有する。
【0024】実施の形態5.図3はこの発明の実施の形態5の要部の構成部品を分解して示す斜視図、図4は同じく平面図、図5は同じく図4のA−A断面図である。ハウジングの化粧面を照明する等の機能を有する付加部品の一つである照明用レンズ20はブラケット部21を一体に成形し、その底部に一対のボス(突起部)22を設けると共に、照明用レンズ20の中心部に嵌合孔部23が設けられている。照明用レンズ20の嵌合孔部23には、操作用電気部品であるボリュームスイッチ24のねじ部25が嵌合し、ナット26を用いて照明用レンズ20に締め付け固定可能な構成となっている。
【0025】ボリュームスイッチ24には回転操作可能な操作軸27と、プリント基板30にはんだ付け固定し電気的導通を図るための3本のリード端子28が設けられている。また、プリント基板30には、照明用レンズ20のブラケット21の裏面に設けたボス22と嵌合する孔部31とボリュームスイッチ24のリード端子28を嵌合させはんだ付けする小孔部32とが設けられている。プリント基板30の孔部31に照明用レンズ20のボス22を嵌合させることにより、図6に斜線を施して示したブラケット21の裏面と、ボス22との働きで照明用レンズ20が左右上下および回転方向に位置決めされ、この付加部品である照明用レンズ20を介して、ボリュームスイッチ24がプリント基板30にしっかりと固定される。
【0026】以上に説明したように、本実施の形態の構造によれば、操作用電気部品の操作軸の回転操作に伴い操作用電気部品のはんだ付け部分にかかる力を、回転方向の力は照明用レンズに設けた突起部で、また、上下左右方向の力は照明用レンズのブラケットの部分でそれぞれ受け止めることにより、回転方向および上下左右方向から操作用電気部品に作用する力の影響をほぼ完全に取り除くことができる。従って、ハウジングとプリント基板との熱による膨張、収縮率の差と、ボリュームスイッチの操作軸の回転操作に伴う力が働いても、ボリュームスイッチとプリント基板とのはんだ付け部分に応力が働かないようにし、はんだ割れを防止することができる。
【0027】また、照明用レンズをハウジングに固定するためのビスを使用する必要がなくなるので、コスト削減に寄与することができる。
【0028】
【発明の効果】この発明は、以上述べたように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0029】1)プリント基板を分割し、複数の操作用電気部品を分割したプリント基板に分散させて取り付けることにより、ハウジングとプリント基板との熱収縮率の差から生じる、操作用電気部品の端子部のはんだ付け部分にかかる応力負荷を緩和し、はんだ割れに起因する電気回路のチャタリングや断線の不具合を解消し、品質を安定化することができる。
【0030】2)プリント基板を分割した隙間の分だけ幅方向の基板材料の使用量を少なくすることができ、プリント基板の歩留まりを向上させ、原価低減に寄与することができる。
【0031】3)プリント基板をハウジングに対して多少動く程度に取り付けるようにすることにより、大きな衝撃をハウジングで受け止めることができるので、耐衝撃性を向上することができる。
【0032】4)操作用電気部品のはんだ付け部分にかかる力を操作用電気部品に付設する付加部品の突起部とブラケット部で受け止めることにより、ハウジングと基板との熱による膨張、収縮の差と、ボリュームスイッチなどの操作用電気部品の操作軸の回転操作による力が働いても、操作用電気部品のプリント基板とのはんだ付け部分に応力が働かないようにし、はんだ割れの発生を解消して品質を向上させることができる。
【0033】5)照明用レンズなどの付加部品をハウジングに固定するためのビスの使用を廃止し、コスト削減に寄与することができる。
【出願人】 【識別番号】000185617
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開平11−204959
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−6601