トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 バルクフィーダを用いた電子部品実装装置
【発明者】 【氏名】坂口 博幸

【要約】 【課題】一軸駆動部を駆動してバルクフィーダを往復動させながらチップの実装を行うと、バルクフィーダのチップは振動を受け、チップ同士はこすり合ってチップの電極部は摩耗劣化する。そこでチップの電極部の摩耗劣化による実装不良を解消できるバルクフィーダを用いた電子部品実装装置を提供することを目的とする。

【解決手段】バルクフィーダ20は、送りねじ13に沿って基台11上を横方向へ往復動し、所定のピックアップ位置で停止して移載ヘッド2にチップ6を供給する。一軸駆動部によるバルクフィーダ20の駆動履歴は記憶装置に記憶される。駆動履歴が加振限界に達したならば報知手段によりその旨オペレータに報知する。そこでオペレータはバルクフィーダ20のチップ6を交換する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】基台上に複数個並設されたバルクフィーダを一軸駆動部により横方向へ往復動させることにより所定のバルクフィーダを電子部品のピックアップ位置で停止させる電子部品供給部と、ピックアップ位置で停止したバルクフィーダの電子部品をピックアップして位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載する移載ヘッドと、バルクフィーダの駆動履歴を記憶する記憶装置と、駆動履歴が加振限界に達したならばその旨オペレータに報知する報知手段とを備えたことを特徴とするバルクフィーダを用いた電子部品実装装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルクフィーダを用いた電子部品実装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品を基板に実装する電子部品実装装置において、電子部品を供給するパーツフィーダとしては、テープフィーダ、チューブフィーダ、トレイフィーダ、バルクフィーダなどが用いられている。このうちバルクフィーダは大量の電子部品をストックでき、また電子部品の取り扱いなども簡単なことから、殊にチップコンデンサや抵抗チップなどの小形電子部品(以下、「チップ」という)の供給形態として近年次第に多用されるようになってきている。
【0003】バルクフィーダは、収納室にチップをランダムに投入し、吸引手段、圧送手段、振動手段などにより収納室内のチップを1個づつトンネルへ導出し、トンネル内をピックアップ位置へ向って搬送するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】バルクフィーダは基台上に複数個並設されるものであり、基台に備えられた一軸駆動部により高速度で横方向へ往復動してピックアップ位置で停止し、そこでマシーン側の移載ヘッドがパーツフィーダのチップをピックアップして位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載する。
【0005】パーツフィーダは高速度で繰り返し横方向へ往復動するため、加減速時には激しく振動する。このため収納室にランダムに収納されたチップ同士は互いにこすり合い、機械的摩擦により角部の電極部は摩耗劣化する。そして摩耗劣化の程度が甚しくなると半田のぬれ性が悪化し、後工程で行われる半田付けに不具合が生じやすく、ひいては実装不良となる。
【0006】したがって本発明は、チップの電極部の摩耗劣化による実装不良を解消できるバルクフィーダを用いた電子部品実装装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のバルクフィーダを用いた電子部品実装装置は、基台上に複数個並設されたバルクフィーダを一軸駆動部により横方向へ往復動させることにより所定のバルクフィーダを電子部品のピックアップ位置で停止させる電子部品供給部と、ピックアップ位置で停止したバルクフィーダの電子部品をピックアップして位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載する移載ヘッドと、バルクフィーダの駆動履歴を記憶する記憶装置と、駆動履歴が加振限界に達したならばその旨オペレータに報知する報知手段とを備えた。
【0008】上記構成の発明は、装置を運転しながらバルクフィーダの駆動履歴を記憶装置に記憶していき、駆動履歴が加振限界に達すると、オペレータにその旨報知する。そこでオペレータはバルクフィーダに収納されたチップを新たなチップと交換する。これにより摩耗劣化の甚しいチップを基板に実装しないようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2は同電子部品実装装置の電子部品供給部の断面図、図3は同電子部品実装装置の制御系のブロック図、図4は同電子部品実装装置のバルクフィーダの速度パターン図、図5は同電子部品実装装置の動作のフローチャート、図6は同電子部品実装装置のバルクフィーダが受ける駆動履歴のグラフである。
【0010】まず、図1および図2を参照して、電子部品実装装置の構造を説明する。図1において、ロータリーヘッド1はその円周方向に多数個の移載ヘッド2を備えており、移載ヘッド2はロータリーヘッド1の円周方向にインデックス回転する(矢印N1)。ロータリーヘッド1の背面側下方には基板3の位置決め部4が設けられている。位置決め部4は可動テーブルであって、基板3をX方向やY方向へ水平移動させて基板3を所定の位置に位置決めする。
【0011】ロータリーヘッド1の前面側下方には電子部品供給部10が設けられている。電子部品供給部10はX方向に横長の基台11を主体にしている。図2において、基台11上にはテーブル12が載せられており、テーブル12上にはバルクフィーダ20が多数個横並びに載せられている。基台11の内部にはX方向に長尺の送りねじ13が設けられている。またテーブル12の下面にはモータ14が装着されている。モータ14は送りねじ13に装着されたナット15をベルト16で回転させる。モータ14が駆動するとナット15は回転し、テーブル12は横方向(X方向)へ移動する。すなわち、送りねじ13、モータ14、ナット15、ベルト16などは、テーブル12上のバルクフィーダ20をX方向へ往復動させる一軸駆動部となっている。なおテーブル12上には、バルクフィーダ20以外にも、テープフィーダなどの他のパーツフィーダも載せられる。
【0012】図1において、テーブル12は基台11に左右2個載せられており、各テーブル12上に多数個のバルクフィーダ20が並設されている。多数個のバルクフィーダ20を区別するために、左側のテーブル12上のバルクフィーダ20は符号a1〜anで示し、また右側のテーブル12上のバルクフィーダ20は符号b1〜bnで示している。図1において、左側のテーブル12上のバルクフィーダ20は基台11中央の供給エリアにあり、右側のテーブル12上のバルクフィーダ20は基台11側方の退避エリアにある。
【0013】テーブル12は供給エリアにおいて横方向へ往復動し(矢印N2)、バルクフィーダ20のチップを移載ヘッド2に供給する。そして何れかのバルクフィーダ20のチップが品切れになったならば左方の退避エリアに退避してチップの補充を行い、またこのときそれまで右方の退避エリアにあったテーブル12を中央の供給エリアへ移動させ、移載ヘッド2に対するチップの供給を行う。
【0014】次に、図2を参照してバルクフィーダ20の構造を説明する。21は棒状の基部であり、その後部にはカセット22が着脱自在に装着されている。カセット22にはチップ6の収納室23が形成されており、大量のチップ6がランダムに収納されている。収納室23内のチップ6は、カセット22に形成された垂直なトンネル24および基部21に形成された水平なトンネル25を通り、基部21先端のピックアップ位置Pへ送られる。そこで移載ヘッド2のノズル5に真空吸着してピックアップされ、位置決め部4に位置決めされた基板3に移送搭載される。なおチップ6は、吸引手段、圧送手段、振動手段などによりトンネル24,25内を搬送される。
【0015】上述したように、テーブル12上のバルクフィーダ20は一軸駆動部が駆動することにより、横方向に高速度で往復動する(図1の矢印N2参照)。したがってバルクフィーダ20は加減速にともなう負荷を受けて振動し、この振動のために収納室23内のチップ6同士は互いにこすり合う。図4は、バルクフィーダ20が受ける加速度の代表的なパターンA,B,C,Dを示している。いずれのパターンA〜Dでも、加速時と減速時、殊に移動開始時と移動停止時にはバルクフィーダ20は振動する。
【0016】図6は、各バルクフィーダa1〜an,b1〜bnが受ける駆動履歴を示している。駆動履歴は、各バルクフィーダa1〜an,b1〜bnが受けた振動(加振)の回数の累積であり、加振限界THに達すると、報知手段38を駆動してオペレータにその旨報知する。この駆動履歴には、単に加振の回数だけでなく、加速度の関数である加振の強さを加味してもよい。
【0017】図3において、全体の制御部であるCPU30には、入力部31、記憶装置32、画像処理装置33、画像取込装置34、表示部35、軸コントローラ36、モータドライバ37、アラームなどの報知手段38が接続されている。
【0018】入力部31はキーボードやバーコードリーダなどであり、(1)どの品種のチップを、(2)どのバルクフィーダに、(3)どのテーブル上のどの位置に、(4)いつセットし、(5)いつ取りはずしたか、などのセット情報を入力する。
【0019】記憶装置32は、(1)チップライブラリ、(2)チップとバルクフィーダのセット情報、(3)バルクフィーダの配膳リスト(テーブル上の位置)、(4)チップの基板への実装座標、などの実装プログラムが登録される。
【0020】画像処理装置33は、表示部35に表示する画像処理を行う。画像取込装置34は、画像取込みを行う。表示部35は、図6に示す駆動履歴などを表示する。
【0021】軸コントローラ36は、CPU30から移動先座標(Xi,Yi,Zi,θi)や加減速パラメータなどの指令を受け、加減速値や加減速回数モニタなどを行う。モータドライバ37は、上記モータ14を制御する。17はモータ14の回転角度を検出するエンコーダである。
【0022】この電子部品実装装置は上記のような構成より成り、次に図5のフローチャートを参照して動作を説明する。CPU30は、記憶装置32に記憶されている複数の実装プログラムの中から、必要な実装プログラムを読取る(ステップ1)。
【0023】次に、チップ6が収納されたカセット22を所定のバルクフィーダ20にセットする。このとき、カセット22とバルクフィーダ20に付帯されたバーコードをバーコードリーダで読取るなどして、カセット22とバルクフィーダ20をリンクさせる(ステップ2)。このリンクデータなどの必要なデータは記憶装置32に登録される。
【0024】次にカセット22がセットされたバルクフィーダ20を配膳リストにしたがって電子部品供給部10のテーブル12上に装着する(ステップ3)。この際、装着された時刻は記憶装置32に登録される。
【0025】以上のようにして、必要なバルクフィーダ20をすべてテーブル12上に装着したならば、装置の運転(基板3へのチップ6の実装)を開始する(ステップ4)。装置の運転中には各々のバルクフィーダ20が受ける加振回数や加振の強さなどの駆動履歴を記憶装置32に記憶していく。加振履歴とは、バルクフィーダ20が受けた加減速値とその回数などであり、実装プログラムの実行にしたがって次第に累積されていく。装置の運転中にカセット22内のチップ6が品切れとなり、カセット22の交換を行うときは、そのテーブル12を退避エリアに退避させ、各々のカセット22についてステップ2およびステップ3の作業を行う(ステップ5)。上記運転中には、図6に示すデータが適宜表示部35に表示される。
【0026】さて、装置の運転中には、各々のバルクフィーダ20について、加振限界THに達していないかどうかがCPU30で監視されており(ステップ6)、Noであれば運転を続行し(ステップ7)、またYesならば報知手段38を駆動してオペレータにその旨報知する(ステップ8)。望ましくは、この場合、そのテーブル12を退避エリアに自動的に退避させ、それまで退避エリアで退避していたテーブル12を供給エリアへ移動させ、装置の運転を続行する。そこでオペレータは該当のバルクフィーダ20をテーブル12から取り外し、あるいはカセット22をそのバルクフィーダ20から取り外し、チップ6の交換を行う。加振限界を超えたチップ6は廃棄される。
【0027】
【発明の効果】本発明は、装置を運転しながらバルクフィーダのチップの駆動履歴を記憶装置に記憶していき、駆動履歴が加振限界に達すると、オペレータにその旨報知し、そこでオペレータはバルクフィーダに収納されたチップを新たなチップと交換することにより、摩耗劣化の甚しいチップを基板に実装しないようにすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−177298
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−344897