| 【発明の名称】 |
多層回路基板 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩城 秀樹
【氏名】白石 司
【氏名】三谷 力
【氏名】天見 和由
【氏名】小野 正浩
【氏名】田口 豊
【氏名】別所 芳宏
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| 【要約】 |
【課題】多層回路基板、特に、基板上の回路配線と信号配線用ビアホールとが接続された高集積多層回路基板に関し、簡単な構造で信号配線用ビアホールと信号配線の特性インピーダンスの整合を図った多層回路基板を提供する。
【解決手段】信号配線用ビアホールから所定の間隔を隔てて所定の幅の板状接地導体を設けることにより、また信号配線用ビアホールと所定の間隔を隔てて円柱状接地導体を設けることにより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを任意に制御して、信号配線用ビアホールと信号配線の特性インピーダンスを整合させることが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の信号配線層を備え、該信号配線層間を信号配線用ビアホールによって接続した多層回路基板において、上記信号配線用ビアホールと略平行に垂直接地導体を設け、上記信号配線用ビアホールと上記垂直接地導体とによって構成される伝送線路の特性インピーダンスを、上記信号配線用ビアホールに接続される信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致させたことを特徴とする多層回路基板。 【請求項2】 上記垂直接地導体が、板状接地導体からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記板状接地導体と上記信号配線用ビアホールとの間隔、および上記板状接地導体の幅、を設定したことを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。 【請求項3】 上記垂直接地導体が、上記信号配線用ビアホールの直径と略等しい直径を有する円柱状接地導体からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記円柱状接地導体と上記信号配線用ビアホールとの間隔を設定したことを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。 【請求項4】 上記信号配線用ビアホールと、上記円柱状接地導体とが、交互かつ一列に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の多層回路基板。 【請求項5】 上記垂直接地導体が、上記円柱状接地導体と、上記板状接地導体と、からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記円柱状接地導体を、上記信号配線用ビアホールと交互かつ一列に設け、かつ、上記板状接地導体を、上記信号配線用ビアホールと上記円柱状接地導体との列と略平行に設けたことを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。 【請求項6】 上記信号配線用ビアホールと上記円柱状接地導体との列が、上記板状接地導体の、両側に配置されたことを特徴とする請求項5に記載の多層回路基板。 【請求項7】 上記板状接地導体が、上記信号配線用ビアホールと上記円柱状接地導体との列の、両側に配置されたことを特徴とする請求項5に記載の多層回路基板。 【請求項8】 上記垂直接地導体が、上記信号配線用ビアホールを中心とする同心円筒状に形成された円筒状接地導体からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記信号配線用ビアホールと上記円筒状接地導体との間隔を設定したことを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。 【請求項9】 上記円筒状接地導体に囲まれた基板の誘電率が、該円筒状接地導体の外部の基板の誘電率より小さいことを特徴とする請求項8に記載の多層回路基板。 【請求項10】 上記多層回路基板が、複数の上記円筒状接地導体を備え、隣接する該円筒状接地導体が互いに電気的に接続されたことを特徴とする請求項8に記載の多層回路基板。 【請求項11】 複数の上記信号配線用ビアホールが、隣接した該信号配線用ビアホール間を一辺とし、三辺の長さが略等しい三角形の頂点の位置に夫々配置され、上記信号配線用ビアホールの周囲に上記円筒状接地導体が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の多層回路基板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多層回路基板に関し、特に、基板上の信号配線と信号配線用ビアホールとの特性インピーダンスの整合を図った高集積多層回路基板に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体素子の高密度実装を可能とするために、信号配線や電極部等を含む信号配線層を基板の両面に形成し、これらの信号配線層中の信号配線(以下、単に「信号配線」という)間を信号配線用ビアホールで接続した多層回路基板が用いられる。多層回路基板の小型化、高集積化に伴い、両面に形成された信号配線間において相互干渉、即ちクロストーク等が発生するが、かかるクロストーク等は、信号配線間に接地層または電源層を設けることにより防止していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、小型化、高集積化した多層回路基板では、特に、高いクロック周波数を用いたデータ転送において、各信号配線を接続する信号配線用ビアホール間におけるクロストーク等の発生、および信号配線と信号配線用ビアホールとの接続部における信号波の反射による伝送損失が問題となる。これに対して、特開平5−206678号公報では、信号配線用ビアホールの周囲に5以上の接地スルーホールまたは電源スルーホールからなる遮蔽スルーホールを形成することにより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスの安定化を図り、接続部における信号波の反射を防止していた。しかしながら、かかる構造では、上記遮蔽スルーホールを5以上形成することが不可欠であるため、信号配線用ビアホールの高密度形成に限界があり、多層回路基板の小型化、高集積化に対する制限となっていた。そこで、本発明は、簡単な構造で信号配線用ビアホールの特性インピーダンスの安定化を図った多層回路基板を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは鋭意研究の結果、信号配線用ビアホールから所定の間隔を隔てて所定の幅の板状接地導体を設けることにより、または信号配線用ビアホールと所定の間隔を隔てて円柱状接地導体を設けることにより、信号配線用ビアホール間のクロストーク等を防止するとともに、板状接地導体または円柱状接地導体と、信号配線用ビアホールとによって構成される伝送線路の特性インピーダンス(以下、単に「信号配線用ビアホールの特性インピーダンス」という)の制御が可能となることを見出し、本発明を完成した。 【0005】即ち、本発明は、複数の信号配線層を備え、該信号配線層間を信号配線用ビアホールによって接続した多層回路基板において、上記信号配線用ビアホールと略平行に垂直接地導体を設け、上記信号配線用ビアホールと上記垂直接地導体とによって構成される伝送線路の特性インピーダンスを、上記信号配線用ビアホールに接続される信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致させたことを特徴とする多層回路基板である。信号配線用ビアホールの特性インピーダンスは、信号配線用ビアホールと対向して、所定の間隔で設けられた垂直接地導体の位置等により変化させることができる。従って、かかる垂直接地導体の形状や位置を変えることより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを所望の値とし、信号配線用ビアホールと信号配線との接続部における特性インピーダンスの整合を図ることが可能となる。 【0006】また、本発明は、上記垂直接地導体が、板状接地導体からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記板状接地導体と上記信号配線用ビアホールとの間隔、および上記板状接地導体の幅、を設定したことを特徴とする多層回路基板でもある。上述のように、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスは、信号配線用ビアホールと対向して設けられた垂直接地導体の位置等により変化させることができるが、かかる垂直接地導体を所定の幅の板状接地導体とすることにより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスの制御が容易となる。即ち、信号配線用ビアホールと板状接地導体との距離、および板状接地導体の幅を適当に定めることにより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを所望の値に制御することができ、信号配線用ビアホールと信号配線の特性インピーダンスの整合を、容易に図ることが可能となる。 【0007】また、本発明は、上記垂直接地導体が、上記信号配線用ビアホールの直径と略等しい直径を有する円柱状接地導体からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記円柱状接地導体と上記信号配線用ビアホールとの間隔を設定したことを特徴とする多層回路基板でもある。信号配線用ビアホールの特性インピーダンスは、多層回路基板の配線が比較的疎であり、信号配線用ビアホールに対して他の信号配線用ビアホールの電磁波の影響が少ない場合には、信号配線用ビアホールの直径と略等しい直径を有する円柱状接地導体を信号配線用ビアホールから所定の間隔で形成することによっても制御することが可能となる。 【0008】上記信号配線用ビアホールと、上記円柱状接地導体とは、交互かつ一列に配置されたことが好ましい。かかる構造を採ることにより、隣接する信号配線用ビアホールの間に必ず円柱状接地導体が形成されるため、信号配線用ビアホール間のクロストークを有効に防止することが可能となる。また、隣接する信号配線用ビアホールの間に形成された円柱状接地導体により、双方の信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを制御するため、円柱状接地導体の数を減少させ、信号配線用ビアホールの高密度形成が可能となる。 【0009】また、本発明は、上記垂直接地導体が、上記円柱状接地導体と、上記板状接地導体と、からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記円柱状接地導体を、上記信号配線用ビアホールと交互かつ一列に設け、かつ、上記板状接地導体を、上記信号配線用ビアホールと上記円柱状接地導体との列と略平行に設けたことを特徴とする多層回路基板でもある。かかる構造では、主に、板状接地導体と信号配線用ビアホールとの距離、板状接地導体の幅により信号配線用ビアホールの特性インピーダンスが制御されるため、信号配線用ビアホールと円柱状接地導体との間隔を小さくでき、信号配線用ビアホールの高密度形成が可能となる。 【0010】上記信号配線用ビアホールと上記円柱状接地導体との列は、上記板状接地導体の、両側に配置されても良い。一の板状接地導体により、その両側に形成された信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを制御することができ、更に、信号配線用ビアホールの高密度形成が可能となる。 【0011】上記板状接地導体は、上記信号配線用ビアホールと上記円柱状接地導体との列の、両側に配置されても良い。かかる構造を採ることにより、信号配線用ビアホールと円柱状接地導体との間隔をより小さくでき、信号配線用ビアホールの高密度形成が可能となる。 【0012】また、本発明は、上記垂直接地導体が、上記信号配線用ビアホールを中心とする同心円筒状に形成された円筒状接地導体からなり、上記伝送線路の特性インピーダンスが、上記信号配線の特性インピーダンスと実質的に一致するように、上記信号配線用ビアホールと上記円筒状接地導体との間隔を設定したことを特徴とする多層回路基板でもある。かかる構造を採ることにより、信号配線用ビアホールを、他の信号配線用ビアホールから完全に遮断することができるとともに、円筒状接地導体と信号配線用ビアホールとの距離を適当に選択することにより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを制御し、信号配線との接続部における特性インピーダンスの整合を図ることが可能となるからである。 【0013】上記円筒状接地導体に囲まれた基板の誘電率は、該円筒状接地導体の外部の基板の誘電率より小さいことが好ましい。かかる構造を採ることにより、円筒状接地導体と信号配線用ビアホールとの距離を小さくすることが可能となり、信号配線用ビアホールの高密度形成が可能となるからである。 【0014】上記多層回路基板は、複数の上記円筒状接地導体を備え、隣接する該円筒状接地導体が互いに電気的に接続されたものであっても良い。接地電位の安定化が可能となるとともに、円筒状接地導体に囲まれた信号配線用ビアホールの高密度配置が可能となるからである。 【0015】複数の上記信号配線用ビアホールが、隣接した該信号配線用ビアホール間を一辺とし、三辺の長さが略等しい三角形の頂点の位置に夫々配置され、上記信号配線用ビアホールの周囲に上記円筒状接地導体が設けられたものであっても良い。かかる配置により、信号配線用ビアホールを最密に配置することが可能となるからである。 【0016】 【発明の実施の形態】実施の形態1.本発明の実施の形態1にかかる多層回路基板について、図1を参照して説明する。図1(a)は、多層回路基板の上面図であり、図1(b)は、I−I’における断面図である。図1において、106はエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグからなる基板であり、その両面に信号配線103が形成されている。信号配線103は、基板106を貫通して設けられた信号配線用ビアホール101により互いに接続されている。102は垂直接地導体であり、本実施の形態では、幅wの板状垂直導体からなる。かかる板状接地導体102は、信号配線用ビアホール101と対向して、間隔dを隔てて平行に設けられている。また、信号配線用ビアホール101に最も近い位置から、幅方向に対称となるように形成されている。本実施の形態1では、信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との間隔d、および板状接地導体102の幅wを調整することにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを、信号配線103の特性インピーダンスに整合されている。 【0017】次に、実施の形態1にかかる多層配線基板の製造工程を説明する。まず、エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ基板106にドリル、レーザまたはパンチング等により穴加工を行い、信号配線用ビアホールと板状接地導体を形成する位置に穴部を形成し、この穴部に導電性ペーストを充填して信号配線用ビアホール101および板状接地導体102を形成する。次に、プレプリグ基板106の両面に、両面を粗化した銅箔を重ね、真空熱プレスにより加熱、加圧する。これにより、プリプレグ中のエポキシ樹脂および穴部に充填した導電性ペースト中のエポキシ樹脂が硬化し、プレプリグと銅箔との接着および銅箔と充填した導電性ペーストとの電気的接続を同時に行う。更に、プレプリグの両面の銅箔を、一般的なエッチング法でパターニングすることにより、信号配線用ビアホール101と電気的に接続された信号配線103が両面に形成された多層回路基板が得られる。尚、上記製造方法により形成した両面配線基板をコアとして、導電性ペーストを所定の穴部に充填したプリプレグをその両面に配置し、更にその外側に銅箔を所定の位置にあわせてスタックして再度熱プレスした後、銅箔をエッチングして信号配線を形成することにより、更に多層化した多層回路基板を得ることができる。 【0018】本実施の形態1では、信号配線用ビアホールの直径は200μm、プレプリグ基板106の比誘電率および比透磁率は、夫々3.5と1.0である。従って、信号配線用ビアホール101と垂直接地導体102との距離を140μmとし、垂直接地導体102の幅wを400μm以上とすることにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスをほぼ50Ωとすることが可能となる。 【0019】図2は、図1に示す実施の形態1にかかるの構造において、信号配線用ビアホール101と垂直接地導体102との距離dが140μmで一定の場合の、垂直接地導体102の幅wと信号配線用ビアホール101の直径rとの比と、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスとの関係を示す。図2から明らかなように、垂直接地導体102の幅wが、信号配線用ビアホール101の直径rの2倍以上であれば、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを、1.2Z01から一定値Z01に近づく値とすることができ、特性インピーダンスを安定化させることができる。従って、信号配線103の特性インピーダンスがZ01の場合には、w/rを2以上とすることにより、信号配線103の特性インピーダンスと信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスとを、接続部において整合させ、接続部における信号波の反射を低減させることが可能となる。 【0020】図2では、信号配線用ビアホール101と垂直接地導体102との距離dが140μmで一定の場合の特性インピーダンスの変化について示したが、距離dを変化させた場合は、図10のようになる。図10は、図1に示す実施の形態1にかかる構造において、垂直接地導体102の幅wが800μmで一定の場合の、垂直接地導体と信号配線用ビアホール101との距離dと信号配線用ビアホール101の直径rとの比d/rと、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスとの関係を示す。図10から明らかなように、信号配線用ビアホール101の直径を一定とした時、垂直接地導体と信号配線用ビアホール101との距離dが大きくなるにつれ、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスは大きくなる。特に、垂直接地導体102の幅wが800μm一定で、信号配線用ビアホールの直径dが200μmの場合、信号配線用ビアホール101と垂直接地導体102との距離は、100μmから160μmの範囲に設定することが好ましい。 【0021】以上の説明から明らかなように、本実施の形態にかかる多層回路基板では、板状接地導体102を信号配線用ビアホール101と平行に、かつ所定の距離を隔てて設けることにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを変化させることが可能となる。従って、上記所定の距離および板状接地導体102の幅を適宜選択することにより、信号配線用ビアホール101と信号配線103の接続部において、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを、信号配線103の特性インピーダンスに整合させることが可能となり、接続部における信号波の反射を低減させることが可能となる。また、w/rを2以上とすることにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを安定化することができるため、接続部において、信号配線103の特性インピーダンスと整合させ、信号波の反射を低減させることが容易となる。特に、通常用いられる信号配線用ビアホール101の直径が200μmの多層回路基板では、板状接地導体102が、信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との距離140μmの3倍以上の幅を有することにより、信号配線103と整合のとれた信号配線用ビアホール101を高密度に配置することが可能となる。また、板状接地導体102は、信号配線用ビアホール101と同様の製造工程で形成することができるため、かかる板状接地導体102を設けることによる製造コストの上昇は発生しない。尚、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスと信号配線103の特性インピーダンスとは、その比が1となるように整合させることが好ましい。図11に、特性インピーダンスの比と、入射波を1とした時の反射波の振幅との関係を示す。図11から明らかなように、かかる比を0.8〜1.2の範囲にすることにより、反射波の振幅を、入射波の振幅の1/10以下とすることが可能となる。 【0022】実施の形態2.本発明の実施の形態2にかかる多層回路基板について、図3を参照しながら説明する。図3(a)は、多層回路基板の上面図であり、図3(b)は、III−III’における断面図である。図中、図1と同一符号は、同一または相当部分を示し、104は、基板106に垂直方向に、信号配線用ビアホール101に平行となるように設けられた円筒状接地導体である。かかる構造においては、信号配線用ビアホール101、円柱状接地導体104の直径、基板106の比誘電率、比透磁率は、通常、固定されており、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との間の距離のみが変更可能である。このため、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との距離を変化させることにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを変化させ、信号配線103の特性インピーダンスとの整合を図ることとなる。 【0023】本実施の形態では、信号配線用ビアホール101の直径および円柱状接地導体104の直径は、いずれも200μmであり、基板106の比誘電率と比透磁率は、夫々3.5と1.0である。この結果、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との距離を65μmとすることにより、信号配線ビアホール101の特性インピーダンスを50Ωとすることができる。また、同じ条件で、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との距離のみを大きくし、150μm、300μmとすることにより、信号配線ビアホール101の特性インピーダンスを75Ω、100Ωと変化させることができる。 【0024】以上の説明から明らかなように、本実施の形態にかかる多層回路基板では、主に、信号配線用ビアホール101の直径、基板106の誘電率および透磁率により決定される信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを、信号配線用ビアホール101と同程度の直径を有する円柱状接地導体104を信号配線用ビアホール101と平行に、かつ所定の距離を隔てて設けることにより変化させることが可能となる。従って、上記所定の距離を適宜選択することにより、信号配線用ビアホール101と信号配線103の接続部において、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを、信号配線103の特性インピーダンスに整合させることが可能となる。この結果、信号配線用ビアホール101と信号配線103の接続部における信号波の反射を低減させることが可能となる。また、円柱状接地導体104は、信号配線用ビアホール101と同様の製造工程で形成することができるため、かかる円柱状接地導体102を設けることによる製造コストの上昇は発生しない。尚、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスは、信号配線用ビアホール101と信号配線103との特性インピーダンスの比が0.8から1.2となるようにすることが好ましい。 【0025】実施の形態3.本発明の実施の形態3にかかる多層回路基板について、図4を参照しながら説明する。図4は、多層回路基板の上面図であり、図中、図1と同一符号は、同一または相当箇所を示し、また、105は接地用配線を示す。本実施の形態では、上記実施の形態2に示した信号配線用ビアホール101および円柱状接地導体104が、所定の間隔を隔てて、交互に、かつ一直線上に設けられている。即ち、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104とを所定の間隔で配置することにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを変化させ、信号配線103の特性インピーダンスと整合されることが可能となる。また、円柱状接地導体102は、隣接する信号配線用ビアホール101同士の間に必ず配置されているため、隣接する信号配線用ビアホール101間のクロストークを防止することが可能となる。 【0026】以上の説明から明らかなように、本実施の形態にかかる多層回路基板では、信号配線103の特性インピーダンスと整合のとれた信号配線用ビアホール101を、高密度に配置することが可能となる。また、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを変化させるための円柱状接地導体104を、隣接する信号配線用ビアホール101が共有することにより、円柱状接地導体104の数を減らすことができ、信号配線用ビアホール101の高密度化が可能となる。 【0027】実施の形態4.本発明の実施の形態4にかかる多層回路基板について、図5を参照しながら説明する。図5は、多層回路基板の上面図であり、図中、図1と同一符号は、同一または相当箇所を示す。本実施の形態にかかる多層回路基板では、上記実施の形態4に示すように、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104が、所定の間隔を隔てて、交互に、一直線上に設けられ、更に、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104の夫々に対向するように、所定の間隔を隔てて板状接地導体102が設けられている。かかる多層回路基板では、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との距離、および信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との距離の双方を変化させることにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを変化させることができるが、かかる配置においては、信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との距離が、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスの変化に大きく影響し、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との距離の影響は小さくなる。従って、信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との距離のみを適当に選択することにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを信号配線の特性インピーダンスと整合させることが可能となる。即ち、本実施の形態においては、信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との距離を適当に選択することにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを所望の値にすることができ、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との距離は、任意に定めることが可能となる。一方、隣接する信号配線用ビアホール101の間に円柱状接地導体104が設けられているため、信号配線用ビアホール101間の距離を短くした場合であっても、信号配線用ビアホール101間のクロストークの発生を防止することができる。従って、かかる構成においては、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスの整合を図りながら、信号配線用ビアホール101間の距離を短くすることが可能となり、信号配線用ビアホール101の高密度形成が可能となる。 【0028】以上の説明から明らかなように、本実施の形態にかかる多層回路基板では、信号配線103の特性インピーダンスと整合のとれた信号配線用ビアホール101を高密度に配置することが可能となる。また、隣接する信号配線用ビアホール101が、円柱状接地導体104を共有することにより、円柱状接地導体104の数を減らすことが可能となる。 【0029】実施の形態5.本発明の実施の形態5にかかる多層回路基板について、図6を参照しながら説明する。図6は、多層回路基板の上面図であり、図中、図1と同一符号は、同一または相当箇所を示す。上記実施の形態4では、板状接地導体102の片側にのみ信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104の列を設けていたが、本実施の形態にかかる多層回路基板では、図6に示すように、板状接地導体102の両側に信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104の列を設けている。本実施の形態では、上記実施の形態4と同様に、信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との距離のみを適当に選択することにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを信号配線の特性インピーダンスと整合させることが可能となるため、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスの整合を図りながら、信号配線用ビアホール101間の距離を短くすることが可能となる。また、板状接地導体102を、その両側に設けた信号配線用ビアホール101が共有するため、信号配線103の特性インピーダンスと整合のとれた信号配線用ビアホール101を、更に高密度に配置することが可能となる。 【0030】実施の形態6.本発明の実施の形態6にかかる多層回路基板について、図6を参照しながら説明する。図6(a)は、多層回路基板の上面図、図6(b)は、VII−VII’における断面図であり、図中、図1と同一符号は、同一または相当箇所を示す。本実施の形態では、図7(a)に示すように、実施の形態3にかかる信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との列の両側に、板状接地導体102が所定の間隔を隔てて、夫々平行に配置されている。かかる構造では、基板106表面で、信号配線103と板状接地導体102が交差する場合が発生するので、図7(b)に示すように、板状接地導体102は基板内部に内蔵される。このような構造は、図7(b)に示すように、基板106を多層化して、まず内部の2層に板状接地導体102および信号配線用ビアホール101を作製した後に、両面に更に基板を積層し、信号配線用ビアホール101および信号配線103を形成して作製する。尚、板状接地導体102は、信号配線103と交差しない範囲で、表面に露出させてもかまわない。また、他の実施の形態に対しても、板状接地導体102を基板106内部に内蔵する構造を適用することが可能である。 【0031】本実施の形態においては、上記実施の形態4と同様に、信号配線用ビアホール101と板状接地導体102との距離のみを適当に選択することにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを信号配線の特性インピーダンスと整合させることができるため、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを所望の値にしつつ、信号配線用ビアホール101と円柱状接地導体104との距離を、任意に定めることが可能となる。一方、隣接する信号配線用ビアホール101の間に円柱状接地導体104が設けられているため、信号配線用ビアホール101間の距離を短くした場合であっても、信号配線用ビアホール101間のクロストークの発生を防止することができる。従って、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスの整合を図りながら、信号配線用ビアホール101間の距離を短くすることが可能となり、信号配線用ビアホール101の高密度形成が可能となる。 【0032】実施の形態7.本発明の実施の形態7にかかる多層回路基板について、図8を参照しながら説明する。図8(a)は、多層回路基板の上面図、図8(b)は、VIII−VIII’における断面図であり、図中、図1と同一符号は、同一または相当箇所を示す。本実施の形態では、図8(a)に示すように、垂直接地導体が、信号配線用ビアホール101を中心として信号配線用ビアホール101の周囲を取り囲むように、円筒状接地導体107として形成されている。かかる円筒状接地導体107は、上記実施の形態1と同様の製造方法を用いて、基板106に円筒状の穴部を形成し、かかる穴部に導電性ペーストを充填することにより形成することができる。また、本実施の形態では、基板106表面において、円筒状接地導体107と信号配線103交差するため、円筒状接地導体107および接地用配線105は、埋め込み構造とすることが好ましい。かかる埋め込み構造は、上記実施の形態6と同様に、基板106を多層構造とすることにより形成することができる。本実施の形態では、垂直接地導体が、信号配線用ビアホール101を中心として円筒状に周囲を囲む円筒状接地導体107を形成しているため、信号配線用ビアホール101は、他の配線等から完全に遮蔽されることとなる。しかも、円筒状接地導体107は、基板106の内部の、比較的任意な位置に形成することができるため、回路設計の自由度も妨げられない。また、円筒状接地導体107の直径を適当に選択することにより、信号配線用ビアホール101の特性インピーダンスを所望の値にすることができ、信号配線用ビアホール101と信号配線103の接続部分における特性インピーダンスの整合を図ることが可能となる。更に、信号配線用ビアホール101を包み、円筒状接地導体107に囲まれた誘電体108は、基板106を構成する誘電体であるが、特に、かかる部分のみ基板106を構成する誘電体の誘電率よりも小さな誘電率をもつ誘電体とすることにより、円筒状接地導体107の直径を小さくすることができ、更に高密度に信号配線用ビアホール101および円筒状接地導体107を配置することが可能となる。また、円筒状接地導体107に囲まれた信号配線用ビアホール101を、基板106に複数形成する場合には、図8(b)に示す接地用配線105により隣接する円筒状接地導体107間を接続することにより、接地電位の安定化が可能となるとともに、円筒状接地導体107に囲まれた信号配線用ビアホール101の高密度形成が可能となる。更に、複数の円筒状接地導体107に囲まれた信号配線用ビアホール101を、基板106に形成する場合は、図9に示すように、各頂点の位置に信号配線用ビアホール101を配置した正三角形を最小単位として、これを複数個連続して配置することにより、最密に信号配線用ビアホール101を配置することが可能となる。 【0033】以上の説明から明らかなように、本実施の形態7にかかる多層回路基板においては、円筒状接地導体107に囲まれた信号配線用ビアホール101を用いることにより、信号配線103の特性インピーダンスと整合のとれた信号配線用ビアホール101を高密度に配置した多層回路基板を得ることが可能となる。また、完全に周囲から遮蔽された信号配線用ビアホール101を多層回路基板内の任意の位置に形成することも可能となる。尚、実施の形態1〜7では、多層回路基板としてプレプリグからなる樹脂基板を用いる場合について説明したが、セラミック基板についても同様の効果を得ることが可能である。また、板状接地導体102、円柱状接地導体104等の垂直接地導体の代わりに、パスコンが接地されている電源用接地導体を用いても同様の効果を得ることが可能となる。 【0034】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明にかかる多層回路基板では、板状接地導体または円柱状接地導体を信号配線用ビアホールと平行に、かつ所定の距離を隔てて設けることにより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを変化させることが可能となる。従って、上記所定の距離および板状接地導体の幅を適宜選択することにより、信号配線用ビアホールと信号配線の接続部において、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを、信号配線の特性インピーダンスに整合させることが可能となり、接続部における信号波の反射を低減させることが可能となる。 【0035】また、信号配線用ビアホールと円柱状接地導体とを所定の間隔で、交互に配置することにより、信号配線用ビアホールの特性インピーダンスを変化させ、信号配線の特性インピーダンスと整合されることが可能となるとともに、円柱状接地導体は、隣接する信号配線用ビアホール同士の間に必ず配置されているため、隣接する信号配線用ビアホール間のクロストークを防止することも可能となる。 【0036】また、板状接地導体の片側、または両側に、信号配線用ビアホールと円柱状接地導体とを所定の間隔で、交互に一列に配置することにより、信号配線用ビアホールと円柱状接地導体との間隔を小さくしても所定の特性インピーダンスを得ることができ、信号配線用ビアホールの高密度化が可能となる。また、所定の間隔で、交互に一列に配置した信号配線用ビアホールと円柱状接地導体との両側に、板状接地導体を設けることによっても、同様の効果を得ることが可能となる。 【0037】また、信号配線用ビアホールを囲む円筒状に接地導体を設けることにより、信号配線用ビアホールを周囲から完全に遮断することができるとともに、特性インピーダンスを変化させることができ、より狭い面積で接地導体の形成が可能となり、特性インピーダンスの整合がとれた信号配線用ビアホールを高密度に設けることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−150371 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−318042 |
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