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【発明の名称】 電極ランドへの半田のプリコート方法及びこれに用いて好適なスクリーン
【発明者】 【氏名】吉野 謙一

【氏名】鶴川 公治

【要約】 【課題】比較的簡便で、しかも正確に全ての電極ランドの表面に適量の半田をプリコートできる電極ランドへの半田のプリコート方法及びこれに用いて好適なスクリーンを得ること。

【解決手段】本発明の電極ランドへの半田のプリコート方法は、電子回路基板1に形成されている電極ランドの高さ及び幅、前記電極ランド2間の間隔幅、プリコートしようとする半田Sの表面張力、ぬれ拡がり性を考慮して、クリーム半田Saを前記各電極ランド間に、そして前記各電極ランドの内方部2B寄りに、前記各電極ランドの長さよりも短く埋設されるように供給し、その後、斜め上方から前記各電極ランドの長手方向に対して垂直な方向からエアーブローワ30で熱風を吹き掛け、前記各電極ランド間に埋設されているクリーム半田を溶融して前記各電極ランドの表面に半田Sをプリコートすることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 狭ピッチ・多ピンの表面実装型半導体集積回路装置を表面実装できるように、前記狭ピッチ・多ピンに対応して複数の電極ランドが形成された電子回路基板の前記複数の電極ランドに半田をプリコートする半田のプリコート方法において、前記電極ランドの高さ及び幅、前記電極ランド間の間隔幅、プリコートしようとする半田の表面張力、ぬれ拡がり性を考慮して、クリーム半田を前記各電極ランド間に、そして前記各電極ランドの内方側寄りに、前記各電極ランドの長さよりも短く埋設されるように供給し、その後、前記埋設されたクリーム半田の表面に対して斜め上方から、そしてクリーム半田及び各電極ランドの長手方向に対して垂直な方向から熱風を吹き掛け、前記埋設されている各クリーム半田を溶融して前記各電極ランドの表面に半田を盛り上がらせ、プリコートすることを特徴とする電極ランドへの半田のプリコート方法。
【請求項2】 狭ピッチ・多ピンの表面実装型半導体集積回路装置を表面実装できるように、前記狭ピッチ・多ピンに対応して複数の電極ランドが形成された電子回路基板の前記表面実装型半導体集積回路装置の各辺に存在する狭ピッチ・多ピン電極群に対応する複数の電極ランドに半田をプリコートするための複数個の開口部が形成されているスクリーンであって、前記各開口部が前記複数の電極ランド群の内方側寄りに対面し、前記各電極ランドの長さより短い開口幅で、かつ前記表面実装型半導体集積回路装置の一辺に存在する前記狭ピッチ・多ピン電極に対応する前記複数の電極ランド群に跨がって一文字状の開口で形成されていることを特徴とする電極ランドへの半田のプリコート用スクリーン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)に用いられるTCP(Tape Carrier Package)型のような狭ピッチ・多ピンの表面実装型半導体集積回路装置を表面実装するための前記狭ピッチ・多ピンに対応して複数の電極ランドが形成された電子回路基板の前記複数の電極ランドに半田をプリコートする半田のプリコート方法及びそのために用いて好適なスクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】先ず、狭ピッチ・多ピン電極の表面実装型半導体集積回路装置(以下、単に「半導体装置」と略記する)を現用の電子回路基板に表面実装する方法を説明する。図8は現用の電子回路基板の一部分を示していて、同図Aはその平面図、同図Bは同図AのA−A線上における拡大断面図である。
【0003】従来、コンピュータのCPUに用いられるTCP(Tape Carrier Package)型の、例えば、Pentium のように、0.25mmピッチ、320本というような狭ピッチ・多ピン電極が形成されている半導体装置を表面実装するための電子回路基板1には、他の電子部品用の電極ランドの他に、前記半導体装置の狭ピッチ・多ピン電極の数、位置に対応して、図8に示したように、例えば、幅Wが0.127mm、長さLが2mm、高さH(電極ランド2間の溝の深さ)が10μm、ピッチPが0.25mmで複数の電極ランド2が合成樹脂製の基板3の表面に形成されており、そして各電極ランド1の表面には半田Sが予めコート(以下、「プリコート」と記す)されている。なお、図8Aには半導体装置の隣接する2辺に形成されている多ピン電極に対応する複数の電極ランド群のみが図示されていて、他の2辺に相当する複数の電極ランド群は省略されていることを断っておく。
【0004】このようにプリコートされた電子回路基板1は、通常、基板メーカからアッセンブルメーカに供給されてきて、アッセンブルメーカにおいて、部品実装装置で各種の電子部品と共に半導体装置も所定の場所の前記電極ランド2に表面実装され、一括でリフロー・半田付けされる。ところが、前記半導体装置の狭ピッチ・多ピン電極の各電極を電子回路基板1の所定の位置の電極ランド2に正しく半田付けすることは難しく、時には所定の電極ランド2から外れ、隣接する電極ランド2に跨がって半田付けされているなど半田付け不良が発生することがある。半導体装置の半田付け不良が発生した場合には、その半導体装置を取り外し、再度、正確に半田付けを行わなければならない。この場合、電子回路基板1上の半導体装置が半田付けされていた元の全ての電極ランド2表面に付着している半田Sは全て除去し、改めて適当な量の半田Sを全ての電極ランド2に適切にプリコートする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この半田のプリコートの方法としては、CSP(Chip Size Package )の専用スクリーンを流用してバンプを形成するように半田をプリコートする方法があるが、前記CSPのバンプのピッチは比較的広い0.5〜0.8mmピッチであり、TCPのような0.25mmピッチ或いはこれ以下の狭ピッチ・多ピン電極を備えた半導体装置への適用は難しい。また、単なる一文字開口が開けられたスクリーンを用いて半田をプリコートする方法もあるが、一文字開口であるために半田の抜け性は解決するが、0.25mmピッチ或いはこれ以下の狭ピッチ・多ピン電極を備えた半導体装置においては隣接する電極ランド間にまたがって半田が付着し、所謂ブリッジが発生し易いという問題点がある。更にまた、半田を直接電極ランド間に埋め込む方法もあるが、適量の半田を供給し、そして電極ランド間の外へ半田がはみ出さないように埋め込むことは非常に難しい。また、このように埋め込んだ半田量のまま通常のリフロー炉の雰囲気中でプリコートすると、ブリッジが往々にして発生し易い。現用の技術では、以上記したような諸々の問題点がある。
【0006】本発明はこれらの課題を解決しようとするものであって、比較的簡便で、しかも正確に全ての電極ランドの表面に適量の半田をプリコートできる電極ランドへの半田のプリコート方法及びこれに用いて好適なスクリーンを得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、狭ピッチ・多ピンの半導体装置を表面実装できるように、前記狭ピッチ・多ピンに対応して複数の電極ランドが形成された電子回路基板の前記複数の電極ランドに半田をプリコートする半田のプリコート方法において、 前記電極ランドの高さ及び幅、前記電極ランド間の間隔幅、プリコートしようとする半田の表面張力、ぬれ拡がり性を考慮して、クリーム半田を前記各電極ランド間に、そして前記各電極ランドの内方側寄りに、前記各電極ランドの長さよりも短く埋設されるように供給し、その後、前記埋設されたクリーム半田の表面に対して斜め上方から、そしてクリーム半田及び各電極ランドの長手方向に対して垂直な方向から熱風を吹き掛け、前記埋設されている各クリーム半田を溶融して前記各電極ランドの表面に半田を盛り上がらせ、プリコートすることを特徴とする電極ランドへの半田のプリコート方法を採って、前記課題を解決している。
【0008】また、前記電極ランドへの半田のプリコート方法に用いて好適なスクリーンは、狭ピッチ・多ピンの半導体装置を表面実装できるように、前記狭ピッチ・多ピンに対応して複数の電極ランドが形成された電子回路基板の前記半導体装置の各辺に存在する狭ピッチ・多ピン電極に対応する複数の電極ランドに半田をプリコートするための複数個の開口部が形成されているスクリーンであって、前記各開口部が前記複数の電極ランド群の内方側に対面し、前記各電極ランドの長さより短い開口幅で、かつ前記半導体装置の一辺に存在する前記狭ピッチ・多ピン電極に対応する前記複数の電極ランド群に跨がって一文字状の開口で形成されている構造で構成して、前記課題を解決している。
【0009】従って、本発明の電極ランドへの半田のプリコート方法及びこれに用いて好適なスクリーンは、クリーム半田の抜け性が良く、しかも最適な分量の半田を各電極ランドへ正確にプリコートすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電極ランドへの半田のプリコート方法及びこれに用いて好適なスクリーンの一実施形態を図を用いて説明する。図1は本発明の電極ランドへの半田のプリコート方法に用いて好適な本発明の一実施形態のプリコート用スクリーンの正面斜視図、図2は図1に示したプリコート用スクリーンと共に用いるスキージの斜視図、図3は半導体装置が取り外された状態の一部電極ランドを示した電子回路基板の一部平面図、図4は図3に示した電子回路基板に図1に示したプリコート用スクリーンの一部分を配設した状態を示していて、同図Aはその平面図、同図Bは同図AのA−A線上における拡大断面図、図5は本発明の電極ランドへの半田のプリコート方法を説明するための、狭ピッチで形成された一部の電極ランドと電極ランド間にクリーム半田が埋め込まれた状態を示した一部分の電子回路基板の平面図、図6はプリコート用スクリーンを装着した状態の図5に示した電子回路基板のA−A線上における断面図、そして図7は本発明の電極ランドへの半田のプリコート方法における熱風を吹き掛ける段階を示すエアーブローワと電子回路基板との関係を示す断面側面図である。
【0011】先ず、図1に示した一実施形態の本発明のプリコート用スクリーン(以下、単に「スクリーン」と略記する)を説明する。このスクリーン10は再実装しようとする半導体装置の寸法よりやや広く、周辺に実装されている他の電子部品(不図示)に悪影響を与えない広さの面積であって、水平状態に設けられた四辺形の平らなスクリーン本体11と、このスクリーン本体11の両側面からスクリーン本体11に垂直に、互いに平行に形成された同一形状、同一高さの側板12、13と、スクリーン本体11の他の一辺全幅からスクリーン本体11に垂直に形成された、前記側板12、13の高さと同一高さの背板14と、これら側板12、13、14の上端面に掛け渡され、これら側板12、13及び背板14を固定し、そしてハンドル16が固定されている支持板15とから構成されている。前記側板12、13と背板14とは、半導体装置を再実装する際に、その再実装しようとする半導体装置の周辺部に存在する電子部品に悪影響を与えないための保護カバーの役割を果たすものである。
【0012】前記スクリーン本体11には、半導体装置の形式に応じて複数の一文字状の開口部17が形成されている。例えば、DTCP型の半導体装置であれば、半導体装置のパッケージの2辺から導出されている狭ピッチ・多ピン電極群に相対向する2つの開口部17が、QTCP型の半導体装置であれば、図示のように半導体装置のパッケージの4辺から導出されている狭ピッチ・多ピン電極群に相対向する4つの開口部17が形成されている。そして前記各開口部17が形成されている位置は、図3に示したように、電子回路基板1に形成された複数の電極ランド群の各電極ランド2の内方部2B側(図3Aに示した電極ランド2の斜線を施した部分)の偏った位置に設けられている。そして各開口部17の開口幅Waは前記各電極ランドの長さLより短い幅であって、本実施形態では1/2の長さに相当する開口幅Waに選定している。また、各開口部17の開口長さLaは実装しようとする半導体装置の一辺に存在する前記複数の電極ランド群に跨がる長さとする。
【0013】これらの開口部17の開口幅Waは電極ランド2の高さH及び幅W、電極ランド2間の間隔幅、プリコートしようとする半田の表面張力、ぬれ拡がり性などを考慮して選定される。
【0014】図2には、電極ランド2間に前記スクリーン10を用いてクリーム半田を埋め込むためのスキージ20を示した。このスキージ20は、例えば、硬度60度のウレタンゴム製で角形のスキージ本体21とこの背部に固定されたハンドル22とから構成されている。スキージ本体21の幅Wbはスクリーン10の開口長さLaよりやや長い寸法の幅とする。
【0015】次に、図5乃至図7を参照しながら、前記スクリーン10とスキージ20を用いて全ての電極ランド2へクリーム半田をプリコートする本発明の電極ランドへの半田のプリコート方法を説明する。先ず、半導体装置を取り外した電子回路基板1の各電極ランド2の表面及び電極ランド2間に残存している半田をソルダーウィクなどで除去し、全ての電極ランド2の表面を滑らかにする。次に、図4に示したように、前記スクリーン10の各開口部17が各電極ランド群の電極ランド2の内方部2Bに開口するようにスクリーン10を全ての電極ランド2上に密着させ、位置決めする。次に、図2に示したスキージ20を用いてクリーム半田を適量すくい取り、前記のように電子回路基板1上にセットしたスクリーン10の上から、すくい取ったクリーム半田Saを刷り込み、図5及び図6に示したように、各電極ランド2の内方部の各電極ランド2間にクリーム半田Saを埋め込む。この場合、余分なクリーム半田Sa、特に各電極ランド2の表面に付着したクリーム半田Saはスキージ20で掻き取り、各電極ランド2の表面にクリーム半田Saが存在しないようにする(図6)。前記のようにクリーム半田Saの埋め込みが完了すると、次に、スクリーン10を横方向にずらさないように上方向に引き上げ、電子回路基板1から取り外す。
【0016】そして、図7に示したように、電極ランド2間にクリーム半田Saが埋め込まれた電子回路基板1の表面に対して鋭角α°の、例えば、40度〜70度の角度の斜め方向から、そして各電極ランド2の長手方向に対して垂直な方向からエアーブローワ30を用いて熱風を吹き掛ける。斜め方向から熱風を吹き掛けることにより、前記各電極ランド2間に埋設されているクリーム半田Saは溶融し、熱風の勢いと溶融半田Saの表面張力及びぬれ拡がり性により各電極ランド2の表面に溶融半田Sが乗り上がり、全ての電極ランド2の表面が半田Sでコートされる。
【0017】次に、このようにして半田Sがプリコートされた半導体装置用の全電極ランド2に半導体装置の全多ピン電極を合わせ、熱圧着によりプリコートされた半田Sを溶融しながら半導体装置を半田付けする。前記各電極ランド2にプリコートされた半田量は、既に記したように、スクリーン10の開口部17の開口幅Waを電極ランド2の高さH及び幅W、電極ランド2間の間隔幅、プリコートしようとする半田の表面張力、ぬれ拡がり性などを考慮して選定したことによって適量であり、従って、半田Sを溶融して半導体装置を再実装した時に、半田が隣接する電極ランド2へはみ出してブリッジなどの悪現象が生じるようなことがない。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の半田のプリコート方法によれば、スクリーンに形成された開口部の幅の設定により、適量のクリーム半田を電極ランド間に埋め込むことができ、従って、熱風を吹き掛けた場合に、各電極ランド間に半田が残ることなく、しかも適量の半田を各電極ランドの表面に最適にプリコートできるので、半導体装置を良好に、そして極めて簡単に再実装することができる。また、スクリーンの開口部が一文字に開口しているため、電極ランド間へのクリーム半田の抜けが良く、容易に埋め込むことができる。以上説明したように、本発明は数々の優れた効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 光男
【公開番号】 特開平11−150359
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平9−316794