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【発明の名称】 プリント配線板の製造方法
【発明者】 【氏名】小林 誠

【要約】 【課題】パッドの密着性の高いパッドオンビアホールを有するプリント配線板の製造方法を提供する。

【解決手段】銅張り積層板10、20にサーフィスビアホール用の穴11a、21aを穴あけ、めっきを施し、回路形成し、ブラウン処理した後、この2枚の内層板15、25をプリプレグを介して回路パターン形成面を対向するようにすると共に表面に平均径7〜10μmで1〜3μmの凹凸部を備える離型紙をこれらの内層板10、20の最外面に配して加熱、加圧して積層一体化して多層板41aを形成する工程と、この多層板41aから前記離型紙を剥離し、ブラウン処理した表面を平滑化する工程と、この平滑化した多層板にめっきを施す工程と、前記積層工程で形成されたサーフィスビアホール上にパッドを形成する工程とを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サーフィスビアホール上にパッドを有するプリント配線板の製造方法において、次の工程を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
a)銅張り積層板に前記サーフィスビアホール用の穴を穴あけする工程b)この穴あけした銅張り積層板にめっきを施しサーフィスビアホールを形成する工程c)このサーフィスビアホールが形成された銅張り積層板に所定の内層パターンを形成し、内層板を形成する工程d)この内層板の表面を粗化する工程e)前記工程で表面を粗化された少なくとも2枚の内層板をプリプレグを介して回路パターン形成面を対向するようにすると共に表面に平均径7〜10μmで1〜3μmの凹凸部を備える離型紙をこれらの内層板の最外面に配して加熱、加圧して積層一体化し、多層板を形成する工程f)この多層板から前記離型紙を剥離した後、その表面を機械研磨し、工程dで形成された粗化面のみを平滑化する工程g)この平滑化した多層板にめっきを施す工程h)工程bで形成されたサーフィスビアホール上にパッドを形成する工程【請求項2】 前記プリント配線板の製造方法において、次の工程を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
a)銅張り積層板に前記サーフィスビアホール用の穴を穴あけする工程b)この穴あけした銅張り積層板にめっきを施しサーフィスビアホールを形成する工程c)このサーフィスビアホールが形成された銅張り積層板に所定の内層パターンを形成し、内層板を形成する工程d)この内層板の表面を粗化する工程e)前記工程で表面を粗化された少なくとも2枚の内層板を過マンガン酸系溶液にて溶解する平均粒径7〜10μmのフィラーを均等に含有したプリプレグを介して回路パターン形成面を対向するようにし、離型紙をこれらの内層板の最外面に配して加熱、加圧して積層一体化し、多層板を形成する工程f)この多層板から前記離型紙を剥離した後、その表面を機械研磨し、工程dで形成された表面層の粗化面を平滑化する工程g)この多層板を過マンガン酸系の溶液にて処理して前記フィラーを溶解除去してプリプレグの表面を粗化する工程h)このプリプレグの表面が粗化された多層板にめっきを施す工程i)工程bで形成されたサーフィスビアホール上にパッドを形成する工程
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の製造方法に係り、特にサーフィスビアホール上にパッドを有するプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のサーフィスビアホール(Surface Via Hole、以下、「SVH」という。)上にパッドを有するプリント配線板の製造方法について、4層の場合を例にとって図3を用いて説明する。以下、このプリント配線板をパッドオンビアホールを有するプリント配線板といい、前記パッドをパッドオンビアホールという。
【0003】(1)両面銅張り積層板(例えば、NEMA規格FR−4)10を準備し、この両面銅張り積層板10の所定位置にドリルでSVH用穴11aをあける(図3(A))。
【0004】(2)SVH用穴11aを介して両面の導通を得るために両面銅張り積層板10に無電解銅めっきと電解銅めっきを施してSVH11を形成する(図3(B))。12はこうして得られた銅めっき層である。この銅めっき厚はSVHの接続信頼性を確保するため20〜25μmに形成する。
【0005】(3)この両面銅張り積層板10の一方の銅箔にケミカルエッチング手段などにより、所望の回路パターン13を形成する。この後ブラウン処理を施し、第1内層板15を得る(図3(C))。このブラウン処理を施すのは、銅めっき層の表面を粗化し(図3(C−1))、後述する積層時のプリプレグとの密着性を良くするためである。
【0006】(4)次に、両面銅張り積層板20を準備し、(1)〜(3)と同じ工程を経て、第2内層板25を製造する。第2内層板25において、21はSVH、22は銅めっき層、23は回路パターンである(図3(D))。
【0007】(5)第1離型紙(ネオフロンタイプ)32、第1内層板15、プリプレグ30、第2内層板25、第2離型紙(ネオフロンタイプ)34の順に重ね、加熱,加圧して積層一体化し、多層板40aを形成する(図3(E))。このとき、第1内層板15の回路パターン形成面と第2内層板25の回路パターン形成面を対向するように重ねる。
【0008】(6)第1、第2離型紙32、34を剥離し、機械研磨し、ブラウン処理により粗化された銅めっき層の表面を平滑化し、多層板50aを形成する(図3(F)、図3(F−1))。
【0009】(7)多層板50aに無電解銅めっきと電解銅めっきを施し、回路パターン53、パッドオンビアホール54を形成してパッドオンビアホールを有するプリント配線板50を製造する(図3(G))。
【0010】このようにして形成されたパッドオンビアホール54には接続信頼性が必要である。そこで、接続信頼性をみるためにはんだ耐熱性の検証として260°Cのはんだ槽に20秒間フロートさせるはんだフロート試験を実施したところパッドの剥離が確認された。これは、積層時の第1、2離型紙がネオフロンタイプでその表面の凹凸が平均1μm以下であり十分なアンカー効果が得られないことに原因があると考えられる。すなわち、サーフィスビアホール21に浸入したプリプレグ30の表面30aは図3(F−1)に図示するように第2離型紙34の表面の平滑度がそのまま転写されるので、アンカー効果を有するには凹凸が不足し、その上に無電解銅めっきが施されるので、パッドオンビアホール52の密着強度は0.8kg以下となり、十分な密着強度が得られないからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のパッドオンビアホールを有するプリント配線板の製造方法では、パッドの密着強度が不足し、パッドの剥離が生じる可能性があり、従って実装時に十分な接続信頼性が得られず、まして部品交換時の十分な接続信頼性が得られないという問題点があった。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、積層時にサーフィスビアホールに浸入したプリプレグ30の表面30aに凹凸を付けることでアンカー効果を生じさせ、パッドオンビアホールとの密着性を向上させ、接続信頼性の高いパッドオンビアホールを有するプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題の解決のために次の製造方法を提供する。
【0013】第1の方法は、次の工程を有するパッドオンビアホールを有するプリント配線板の製造方法である。
a)銅張り積層板に前記サーフィスビアホール用の穴を穴あけする工程b)この穴あけした銅張り積層板にめっきを施しサーフィスビアホールを形成する工程c)このサーフィスビアホールが形成された銅張り積層板に所定の内層パターンを形成し、内層板を形成する工程d)この内層板の表面を粗化する工程e)前記工程で表面を粗化された少なくとも2枚の内層板をプリプレグを介して回路パターン形成面を対向するようにすると共に表面に平均径7〜10μmで1〜3μmの凹凸部を備える離型紙をこれらの内層板の最外面に配して加熱、加圧して積層一体化し、多層板を形成する工程f)この多層板から前記離型紙を剥離した後、その表面を機械研磨し、工程dで形成された粗化面のみを平滑化する工程g)この平滑化した多層板にめっきを施す工程h)工程bで形成されたサーフィスビアホール上にパッドを形成する工程【0014】第2の方法は、次の工程を有するパッドオンビアホールを有するプリント配線板の製造方法である。
a)銅張り積層板に前記サーフィスビアホール用の穴を穴あけする工程b)この穴あけした銅張り積層板にめっきを施しサーフィスビアホールを形成する工程c)このサーフィスビアホールが形成された銅張り積層板に所定の内層パターンを形成し、内層板を形成する工程d)この内層板の表面を粗化する工程e)前記工程で表面を粗化された少なくとも2枚の内層板を過マンガン酸系溶液にて溶解する平均粒径7〜10μmのフィラーを均等に含有したプリプレグを介して回路パターン形成面を対向するようにし、離型紙をこれらの内層板の最外面に配して加熱、加圧して積層一体化し、多層板を形成する工程f)この多層板から前記離型紙を剥離した後、その表面を機械研磨し、工程dで形成された表面層の粗化面を平滑化する工程g)この多層板を過マンガン酸系の溶液にて処理して前記フィラーを溶解除去してプリプレグの表面を粗化する工程h)このプリプレグの表面が粗化された多層板にめっきを施す工程i)工程bで形成されたサーフィスビアホール上にパッドを形成する工程【0015】
【発明の実施の形態】次に、図を用いて本発明のパッドオンビアホールを有するプリント配線板の製造方法について詳しく説明する。図1は本発明によるパッドオンビアホールを有するプリント配線板の製造法の1実施形態を示す図、図2はもう一つの実施形態を示す図である。図1、2においても、4層の場合について説明し、図3と同じものには同じ符号を付与し、その説明を省略する。
【0016】まず、図1に示す実施形態について説明する。
(1)前記図3で用いたのと同様な銅張り積層板10、20を用意し、この銅張り積層板10、20に前記図3(A)〜(D)に示す工程と同じ工程(図1(A)〜(D))を経て、第1内層板15と第2内層板25を得る。
【0017】(2)表面に平均径7〜10μmで1〜3μmの凹凸部を備える第1離型紙(例えば、パコビア)32a、第1内層板15、プリプレグ30、第2内層板25、第1離型紙32aと同じものでなる第2離型紙34aの順に重ね、加熱,加圧して積層一体化し、多層板41aを形成する(図1(E))。こうすることによって、積層時にサーフィスビアホール21に浸入したプリプレグ30の表面30aに前述した第1、第2離型紙の凹凸が転写される。また、このとき第1内層板15の回路パターン形成面と第2内層板25の回路パターン形成面を対向するように重ねるようにする。
【0018】(3)この多層板41aから第1、第2離型紙32a、34aを剥離し、機械研磨して銅めっき層の表面を平滑にし、多層板51aを得る(図1(F))。ここで、化学研磨を用いないで、機械研磨を用いるのはプリプレグ30の表面30aの凹凸を研磨しないようにするためである(図1(F−1))。つまり、プリプレグ30の表面30aは銅めっき層より少しへこんでいるので機械研磨では研磨面から外れるからである。
【0019】(4)粗化面を平滑化した多層板51aに無電解銅めっきと電解銅めっきを施し、回路パターン53、パッドオンビアホール54を形成してパッドオンビアホールを有するプリント配線板50を製造する(図1(G))。
【0020】このようにして製造したパッドオンビアホールを有するプリント配線板はプリプレグ30の表面30aに凹凸が残存するのでアンカー効果が得られ、パッドオンビアホールの密着性が向上する。
【0021】次に、図2を用いて、もう一つの実施形態について説明する。
(1)前記図3で用いたのと同様な銅張り積層板10、20を用意し、この銅張り積層板10、20に前記図3(A)〜(D)に示す工程と同じ工程を経て、第1内層板15と第2内層板25を得る(図省略)。
【0022】(2)従来例で使用したものと同じ材質の第1離型紙(ネオフロンタイプ)32、第1内層板15、過マンガン酸系溶液にて溶解する平均粒径7〜10μmのフィラー36を均等に含有したプリプレグ31、第2内層板25、第1離型紙と同じものでなる第2離型紙34の順に重ね、加熱,加圧して積層一体化し、多層板42aを形成する(図2(A))。このとき第1内層板15の回路パターン形成面と第2内層板25の回路パターン形成面を対向するように重ねるようにする。
【0023】(3)この多層板42aから第1、第2離型紙32、34を剥離し、機械研磨して銅めっき層の表面を平滑にし、多層板42bを得る(図2(B))。ここで、化学研磨を用いないで、機械研磨を用いるのは前述した理由による。
【0024】(4)多層板42bを過マンガン酸系の溶液にて処理して積層時にサーフィスビアホール21に浸入したプリプレグ31の表面31aにあるフィラー36を溶解除去してプリプレグ31の表面31aを粗化し、多層板42cを得る(図2(C)、図2(C−1))。
【0025】(5)多層板42cに無電解銅めっきと電解銅めっきを施し、回路パターン53、パッドオンビアホール54を形成してパッドオンビアホールを有するプリント配線板52を製造する(図省略)。
【0026】このようにして製造したパッドオンビアホールを有するプリント配線板はプリプレグ31の表面31aが粗面化され凹凸が付けられるのでアンカー効果が得られ、パッドオンビアホールの密着性が向上する。
【0027】本実施形態では、4層の場合を例に説明してあるが、4層以上のプリント配線板も前述の内層板を必要に応じて増やすことで製造できる。
【0028】
【発明の効果】本発明により製造したパッドオンビアホールを有するプリント配線板は、以上説明したように、パッドを形成する下のサーフィスビアホールに浸入するプリプレグの表面に凹凸が形成されるのでアンカー効果が得られるからパッドオンビアホールの密着性が向上する。従って、接続信頼性の高いパッドオンビアホールを有するプリント配線板を提供できる。特に、請求項1の発明によれば、新規の工程を必要としないので、製造コストを引き上げることなく、接続信頼性の高いパッドオンビアホールプリント配線板を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000227836
【氏名又は名称】日本アビオニクス株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月23日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−126970
【公開日】 平成11年(1999)5月11日
【出願番号】 特願平9−309251