トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 チップフィーダーにおける電子部品チップ送り出し方法及びチップフィーダー
【発明者】 【氏名】利重 勇二

【氏名】越川 良一

【要約】 【課題】チップフィーダーにおいて、チップ吸着位置に押出した電子部品チップに、後方の電子部品チップから係る押し圧を低減又は解除する。

【解決手段】チップフィーダー10において、チップ搬送路14は搬送ベルト16上から、外側に隣接する吸着ステージ18に至るように設けられ、搬送ベルト16はラチェットホイール機構20によって、電子部品チップ12の送り方向の1個分の長さよりも大きく搬送され、次にわずかに逆方向に戻される。吸着ステージ18上のチップ吸着位置に押出された電子部品チップ12は、搬送ベルト16によって逆送されないので、逆送された後続の電子部品チップ12と離間し又は押し圧が低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】列状の複数の電子部品チップを、搬送手段によりチップ搬送路に沿って搬送し、このチップ搬送路の末端からチップ吸着位置に、電子部品チップを1個ずつ送り出すチップフィーダーにおける電子部品チップ送り出し方法において、1個の電子部品チップの送り出し毎に、前記搬送手段を電子部品チップの搬送方向の長さよりも大きく搬送方向に駆動し、次に、前記チップ吸着位置に送り出された1個の電子部品チップを搬送方向に拘束した状態で、前記搬送手段を戻り方向にわずかに駆動して、前記チップ吸着位置の電子部品チップと後続の電子部品チップとの接触圧を低減することを特徴とするチップフィーダーにおける電子部品チップ送り出し方法。
【請求項2】複数の電子部品チップをチップ搬送路に沿って列状に搬送する搬送手段と、前記チップ搬送路の末端に臨設して設けられ、チップ搬送路から送り出される電子部品が移載される吸着ステージと、1個の電子部品チップ送り出し毎に、前記搬送手段を電子部品1個の搬送方向の長さより大きく搬送方向に駆動した後に、戻し方向にわずかに駆動する搬送手段駆動装置と、前記吸着ステージ上に送り出された電子部品チップを、前記搬送方向反対側に戻らないように拘束するチップ拘束手段と、を有してなるチップフィーダー。
【請求項3】請求項2において、前記搬送手段駆動装置は、搬送ベルトが巻き掛けられるプーリと、このプーリと同軸的に設けられた送りラチェットホイール及び戻りラチェットホイールと、前記送りラチェットホイールに噛み合う送りラチェット爪、及び、戻りラチェットホイールに噛み合う戻りラチェット爪を交互に駆動するラチェットレバーと、を有してなり、前記送りラチェット爪は、ラチェットレバーにより駆動されるとき、前記送りラチェットホイールを、電子部品チップの送り方向の1個分の長さよりも大きく送り方向に駆動し、前記戻りラチェット爪は前記ラチェットレバーにより駆動されるとき、前記戻りラチェットホイールを、電子部品チップ送り方向と逆方向にわずかに戻すようにされたことを特徴とするチップフィーダー。
【請求項4】請求項2において、前記搬送手段駆動装置は、搬送ベルトが巻き掛けられるプーリと、このプーリを、電子部品チップ送り方向に正転、且つ、逆転駆動するモータと、を有してなることを特徴とするチップフィーダー。
【請求項5】請求項2、3又は4において、前記チップ搬送路は、前記搬送ベルト上で、この搬送ベルトの進行方向に沿う直線状の平行部と、この平行部の搬送ベルト進行方向先端から、前記吸着ステージに向けて、搬送ベルト進行方向と直角になるまで横方向に湾曲する湾曲部とからなり、前記チップ拘束手段は、前記湾曲部における前記搬送ベルト進行方向と略直角となる部分により構成されたことを特徴とするチップフィーダー。
【請求項6】請求項5において、前記吸着ステージは、前記搬送ベルトの幅方向外側に隣接して配置され、前記チップ搬送路の端末は前記吸着ステージに臨んで配置されたことを特徴とするチップフィーダー。
【請求項7】請求項5において、前記吸着ステージは、前記搬送ベルト上て前記湾曲部の略末端に設けられたことを特徴とするチップフィーダー。
【請求項8】請求項2、3又は4において、前記電子部品チップはその一部に磁性体を備え、前記チップ拘束手段は、前記吸着ステージ上に磁力により電子部品チップを吸引する磁石であることを特徴とするチップフィーダー。
【請求項9】請求項2、3又は4において、前記チップ搬送路は、搬送ベルト進行方向と平行な直線状であり、且つ、前記搬送ベルト上の移動部分と、この移動部分の搬送ベルト進行方向終端から、前記電子部品チップが乗り移るように搬送ベルトに隣接して配置された移載部分と、からなり、この移載部分の末端が吸着ステージとされたことを特徴とするチップフィーダー。
【発明の詳細な説明】〔発明の詳細な説明〕この発明は、チップマウンタに電子部品チップを供給するチップフィーダー、及び、このチップフィーダーによる電子部品チップ送り出し方法に関する。
【0001】
【従来の技術】プリント基板に電子部品チップを実装するチップマウンタに、電子部品チップを収納したバルクケースから抵抗やコンデンサ等の電子部品チップを整列して1個ずつ供給するチップフィーダーがある。
【0002】この場合、例えばラチェット機構を備えたスプロケットホイールによって駆動される搬送ベルトにより、整列された電子部品チップを1回の送りについて、1個ずつ搬送路に沿って、チップマウンタの吸着ノズルによる電子部品チップ吸着位置に向けて送るようにしている。
【0003】このように、1列にされた複数の電子部品チップを搬送ベルトによって1個ずつ間欠送りする場合、最先端の電子部品チップは後側から押されてチップ吸着位置に押し出される。
【0004】このため、チップ吸着位置の電子部品チップには、後方からの圧力(押し圧)が加わっていて、抵抗が大きいため、この状態でチップマウンタ側の吸着ノズルによって吸着して持ち上げることができないおそれがある。
【0005】これに対して、従来はインデックス方式、シャッター方式、スライド方式等の手段によってチップ吸着位置にある電子部品チップにかかる押し圧を解除するようにしていた。
【0006】例えば、図9(A)に示されるように、インデックス方式では、最先端の電子部品チップ1のみが入り込むことができる溝2を備えた回転分離部材3を設け、溝2内に入り込んだ最先端の電子部品チップ1を、回転部材3を回転することによってチップ吸着位置にまで搬送し、後方からの他の電子部品チップから分離して、押し圧がかからないようにしている。
【0007】又、図9(B)に示されるシャッター方式の場合は、揺動自在のシャッター4をチップ吸着位置の前方に設け、搬送ベルトによってチップ吸着位置に押出された先端の電子部品チップ1がシャッター4に当接した後、ノズルによる電子部品チップ1の吸着の際にシャッター4を、図において時計方向にわずかに揺動させて電子部品チップ1が押し圧分だけ突出できるようにし、これによって最先端の電子部品チップ1にかかる押し圧を解除するようにしている。
【0008】更に、図9(C)に示されるように、スライド方式の場合は、チップ吸着位置にまで押出された最先端の電子部品チップ1の先端が当接する位置に、スライダ5を設け、電子部品チップ1の送りが停止したとき、スライダ5を図において上昇させて、その先端側のテーパ面6によって電子部品チップ1の先端側に隙間を形成し、該隙間分だけ最先端の電子部品チップ1が先端方向に移動できるようにして、押し圧を解除するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記インデックス方式の場合、回転分離部材3に要求される寸法精度が非常に厳しく、構造が複雑となるという問題点、及び電子部品チップが溝2内に完全に入り切らない状態で回転分離部材3を回転させた場合、電子部品チップ1が切断されてしまうことがあるという問題点がある。
【0010】又、前記シャッター方式の場合は、シャッター4が開いたときに電子部品チップ1が押し圧によりわずかに動くので、この動きを予測して予め吸着ノズルとの位置合わせをすることになるが、押し圧のばらつき、電子部品チップと搬送路の摩擦係数のばらつき等によって、正確に吸着ノズルに位置合わせすることが困難であるという問題点がある。又、シャッター4の開閉のための機構が必要となる。
【0011】更に、スライド方式の場合も、シャッター方式の場合と同様に、スライダ5が動いたときの電子部品チップ1の移動量、電子部品チップ1と搬送路との摩擦係数等にばらつきがあり、吸着ノズルに正確に位置合わせすることが困難である。又、スライダ5を移動させる機構を設けなければならないという問題点もある。
【0012】この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、精密な寸法精度や複雑な構成が必要とされることなく、チップ吸着位置にある電子部品チップにかかる押し圧を解除することができるようにしたチップフィーダーにおける電子部品チップ送りだし方法及びチップフィーダーを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本方法発明は、請求項1のように、列状の複数の電子部品チップを、搬送手段によりチップ搬送路に沿って搬送し、このチップ搬送路の末端からチップ吸着位置に、電子部品チップを1個ずつ送り出すチップフィーダーにおける電子部品チップ送り出し方法において、1個の電子部品チップの送り出し毎に、前記搬送手段を電子部品チップの搬送方向の長さよりも大きく搬送方向に駆動し、次に、前記チップ吸着位置に送り出された1個の電子部品チップを搬送方向に拘束した状態で、前記搬送手段を戻り方向にわずかに駆動して、前記チップ吸着位置の電子部品チップと後続の電子部品チップとの接触圧を低減するようにして、上記目的を達成したものである。
【0014】又、本装置発明は、請求項2のように、複数の電子部品チップをチップ搬送路に沿って列状に搬送する搬送手段と、前記チップ搬送路の末端に臨設して設けられ、チップ搬送路から送り出される電子部品が移載される吸着ステージと、1個の電子部品チップ送り出し毎に、前記搬送手段を電子部品1個の搬送方向の長さより大きく搬送方向に駆動した後に、戻し方向にわずかに駆動する搬送手段駆動装置と、前記吸着ステージ上に送り出された電子部品チップを、前記搬送方向反対側に戻らないように拘束するチップ拘束手段と、を有してなるチップフィーダーにより、上記目的を達成するものである。
【0015】請求項3のように、前記搬送手段駆動装置は、搬送ベルトが巻き掛けられるプーリと、このプーリと同軸的に設けられた送りラチェットホイール及び戻りラチェットホイールと、前記送りラチェットホイールに噛み合う送りラチェット爪、及び、戻りラチェットホイールに噛み合う戻りラチェット爪を交互に駆動するラチェットレバーと、を有してなり、前記送りラチェット爪は、ラチェットレバーにより駆動されるとき、前記送りラチェットホイールを、電子部品チップの送り方向の1個分の長さよりも大きく送り方向に駆動し、前記戻りラチェット爪は前記ラチェットレバーにより駆動されるとき、前記戻りラチェットホイールを、電子部品チップ送り方向と逆方向にわずかに戻すようにしてもよい。
【0016】請求項4のように、前記搬送手段駆動装置は、搬送ベルトが巻き掛けられるプーリと、このプーリを、電子部品チップ送り方向に正転、且つ、逆転駆動するモータと、を有してなるようにしてもよい。
【0017】請求項5のように、前記チップ搬送路は、前記搬送ベルト上で、この搬送ベルトの進行方向に沿う直線状の平行部と、この平行部の搬送ベルト進行方向先端から、前記吸着ステージに向けて、搬送ベルト進行方向と直角になるまで横方向に湾曲する湾曲部とからなり、前記チップ拘束手段は、前記湾曲部における前記搬送ベルト進行方向と略直角となる部分により構成してもよい。
【0018】請求項6のように、前記吸着ステージは、前記搬送ベルトの幅方向外側に隣接して配置され、前記チップ搬送路の端末は前記吸着ステージに臨んで配置してもよい。
【0019】請求項7のように、前記吸着ステージは、前記搬送ベルト上て前記湾曲部の略末端に設けてもよい。
【0020】請求項8のように、前記電子部品チップはその一部に磁性体を備え、前記チップ拘束手段は、前記吸着ステージ上に磁力により電子部品チップを吸引する磁石としてもよい。
【0021】請求項9のように、前記チップ搬送路は、搬送ベルト進行方向と平行な直線状であり、且つ、前記搬送ベルト上の移動部分と、この移動部分の搬送ベルト進行方向終端から、前記電子部品チップが乗り移るように搬送ベルトに隣接して配置された移載部分と、からなり、この移載部分の末端が吸着ステージとしてもよい。
【0022】この発明においては、搬送ベルトにより列状の複数の電子部品チップを搬送して最先端の電子部品チップがチップ吸着位置に押出されたとき、この電子部品チップを後戻りしないように拘束すると共に、搬送ベルトをわずかに逆転してチップ吸着位置にある電子部品チップにかかる押し圧が解除されるようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
【0024】図1及び図2に示されるように、この発明に係るチップフィーダー10は、複数の電子部品チップ12をチップ搬送路14に沿って列状に搬送する搬送ベルト16と、このチップ搬送路14の末端に隣接して設けられ、チップ搬送路14から送り出される1個の電子部品チップ12が移載される吸着ステージ18と、前記搬送ベルト16を、電子部品チップ12を1個ずつ搬送するように駆動するラチェットホイール機構20と、このラチェットホイール機構20を、1個の電子部品チップ12の送り出し毎に、前記搬送ベルト16を電子部品チップ1個の搬送方向の長さより大きく搬送方向に駆動した後に、戻し方向にわずかに駆動させるようにしたラチェット駆動機構22と、を備えて構成されている。
【0025】前記吸着ステージ18は、前記搬送ベルト16の幅方向外側に隣接して、且つその上面が、搬送ベルト16の上面と面一になるように配置されている。
【0026】前記チップ搬送路14は、前記搬送ベルト16上で、この搬送ベルト16の進行方向と平行な平行部14Aと、この平行部14Aの搬送ベルト進行方向先端から、前記吸着ステージ18に向けて搬送ベルト進行方向と直角になるまで横方向に湾曲する湾曲部14Bとからなり、湾曲部14Bの、前記搬送ベルト進行方向と直交する先端部は、前記吸着ステージ18上において吸着ノズル19によるチップ吸着位置18Aとなるようにされている。
【0027】又、このチップ吸着位置18Aは、図に示されるように、搬送ベルト16が巻回されるプーリ24の頂点付近に配置されている。
【0028】前記ラチェットホイール機構20は、前記プーリ24と同軸的に設けられた送りラチェットホイール26及び戻りラチェットホイール28と、前記送りラチェットホイール26に噛み合う送りラチェット爪26A、及び、戻りラチェットホイール28に噛み合う戻りラチェット爪28Aを支持すると共に、これらを駆動するラチェットレバー30と、を有してなり、前記送りラチェット爪26Aは、ラチェットレバー30により駆動されるとき、前記送りラチェットホイール26を、電子部品チップ12の送り方向の長さよりも大きく送り方向に駆動し、前記戻りラチェット爪28Aは前記ラチェットレバー30に駆動されるとき、前記戻りラチェットホイール28を、電子部品チップ12送り方向と逆方向にわずかに戻すように構成されている。
【0029】ここで、例えば前記送りラチェットホイール26が、その歯2個分のピッチで、搬送ベルト16を電子部品チップ12の1個分駆動するとした場合、送りラチェット爪26Aにより送りラチェットホイール26を2.5ピッチ送り方向に駆動し、又戻りラチェット爪28Aはラチェットホイール28を0.5ピッチ戻り方向に駆動するようにする。
【0030】前記送りラチェット爪26Aは、ラチェットレバー30の先端に一体的に設けられ、又戻りラチェット爪28Aは、ラチェットレバー30の途中位置に長孔29A及びこの長孔29Aを通って戻りラチェット爪28Aをラチェットレバー30に固定するねじ29Bによって、位置調節可能に取り付けられている。
【0031】前記ラチェットレバー30は、その送りラチェット爪26Aと反対側の基端において、支持軸32によりノックレバー34に揺動自在に枢支されている。
【0032】又、ラチェットレバー30の支持軸32から送りラチェット爪26Aと反対方向に突出した端部には、ノックレバー34との間に引張りばね31が装架され、ラチェットレバー30を図1において時計方向に付勢している。
【0033】図1の符号36は、ラチェットレバー30の時計方向への一定以上の揺動を規制するためのストッパを示す。
【0034】前記ノックレバー34は、直角に屈曲された形状であって、その直角の角部において支持軸35により装置の本体フレーム11に揺動自在に支持されている。
【0035】又、ノックレバー34の一端(図1において左端)には、ローラ34Aが取り付けられている。又、ノックレバー34は、前記本体フレーム11との間に装架された引張りばね34Bにより、図1において反時計方向に付勢されると共に、前記ローラ34Aを下側から突き上げるノックシリンダ38によって、前記引張りばね34Bの引張力に抗して時計方向に揺動され得るようになっている。
【0036】図1の符号40Aは、ノックレバー34の、一定角度以上の時計方向の揺動を規制する偏心ストッパ、40Bは、ノックレバー34の一定角度以上の反時計方向の揺動を規制するストッパをそれぞれ示す。前記偏心ストッパ40Aは、その偏心角度位置を調整することによって、ノックレバー34の時計方向への最大揺動角度を調整できるようにされている。
【0037】又、前記ノックシリンダ38は、チップフィーダー10をチップマウンタ(図示省略)に装着したとき、前記ローラ34Aの下方位置になるように設けられている。
【0038】次に上記チップフィーダー10によって電子部品チップ12を吸着ステージ18におけるチップ吸着位置18Aに供給する過程について説明する。
【0039】初期位置では、図3(A)に示されるように、前記戻りラチェット爪28Aが戻りラチェットホイール28に噛合した状態で、プーリ24を介して搬送ベルト16を電子部品チップ搬送方向に回転しないように拘束している。又、このとき、送りラチェット爪26Aは送りラチェットホイール26から離間した状態とされ、ノックレバー34は前記ストッパ40Bに当接した状態となっている。
【0040】次に、ノックシリンダ38を駆動して、ノックレバー34によりローラ34Aを突き上げて、ノックレバー34を図において時計方向に偏心ストッパ40Aに当接するまで揺動させる。
【0041】このとき、図3(B)に示されるように、送りラチェット爪26Aは送りラチェットホイール26に噛合して、これを図において反時計方向にラチェット歯の2.5ピッチだけ駆動する。戻りラチェット爪28Aは戻りラチェットホイール28から離間して、プーリ24が電子部品チップ搬送方向に回動できるようにしている。
【0042】この場合、戻りラチェット爪28Aは戻りラチェットホイール28の歯の斜面を滑り、且つ戻りラチェットホイール28は戻りラチェット爪28Aを追い掛ける方向に回転するので、戻りラチェット爪28Aによってプーリ24の回転が妨害されることがない。
【0043】プーリ24が、送りラチェットホイール26の2.5ピッチ分だけ反時計方向に回動されると、チップ搬送路14上の電子部品チップ12の列は、搬送ベルト16によって1.25個分だけ前方に搬送され、湾曲部14Bの先端位置にある電子部品チップ12が後方から押されることによって、吸着ステージ18上の吸着位置18Aに押し出される。
【0044】次に、ノックシリンダ38が下降することによって、ノックレバー34が引張りばね34Bにより反時計方向に揺動される。
【0045】このとき、図4に示されるように、戻りラチェット爪28Aが戻りラチェットホイール28の歯に噛み合い、これを0.5ピッチ分だけ図において時計方向に回動させてから図3(A)の状態に戻り、戻りラチェットホイール28を拘束する。
【0046】従って、プーリ24を介して搬送ベルト16が戻りラチェットホイール28の0.5ピッチ分、即ち電子部品チップの搬送方向長さの1/4だけ逆方向に戻され、これによって、搬送ベルト16上の電子部品チップ12の列全体がチップ搬送路14に沿って後退する。
【0047】前記吸着ステージ18上のチップ吸着位置にある電子部品チップ12は、搬送ベルト外にあるので、搬送ベルト16が逆転しても戻されることがない。
【0048】従って、搬送ベルト16上の電子部品チップ12が僅かに戻されることによって、チップ吸着位置の電子部品チップ12との間に隙間ができるか、又は接触状態でも押し圧が解除され、吸着ステージ18上のチップ吸着位置にある電子部品チップ12は、当初に押出された位置から移動することなく、吸着ノズル19によって確実に吸着され得ることになる。
【0049】上記実施の形態におけるチップフィーダー10は、ラチェットホイール機構20により搬送ベルト16を電子部品チップ送り方向及び逆方向にそれぞれ駆動するようにされているが、本発明はこれに限定されるものでなく、搬送ベルト16は他の手段によって電子部品チップ搬送方向及び逆方向に駆動されるようにしてもよい。
【0050】例えば、図5に示される本発明の実施の形態の第2例に係るチップフィーダー50のように、搬送ベルト16を駆動するための手段として、搬送ベルト16が巻き掛けられるプーリ24を、電子部品チップ送り方向に正転、且つ逆転駆動するモータ42を設けたものである。
【0051】このモータ42はステップモータであり、制御装置44によって制御されることにより、前記プーリ24を、歯車43A、43Bを介して電子部品チップ送り方向に、前記送りラチェットホイール26の2.5p分だけ駆動し、次に反対方向にラチェットホイールの0.5ピッチ分だけ駆動することができるようにされている。
【0052】又、上記実施の形態の例において、搬送ベルト16外の吸着ステージ18上に先頭の電子部品チップ12が載置されていることによって、搬送ベルト16が逆方向に駆動されるとき、後続の電子部品チップ12が後退しても、チップ吸着位置にある電子部品チップ12が後退しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものでなく、チップ吸着位置に押出された電子部品チップ12が、搬送ベルト16が逆転する際にその位置に拘束されるものであればよい。
【0053】例えば、図6に示されるように、前記のような平行部14A及び湾曲部14Bからなるチップ搬送路14全体を、幅広の搬送ベルト17上に配置してもよい。
【0054】この場合、チップ搬送路14における湾曲部14Bの先端、即ちチップ吸着位置は搬送ベルト17上にあるが、湾曲部14Bの先端は搬送ベルト17の搬送方向に対して直交する位置にあるので、搬送ベルト17が逆転してもチップ吸着位置にある電子部品チップ12は戻り方向に移動することがない。
【0055】又、図7に示されるように、搬送ベルト16の進行方向と平行な直線状のチップ搬送路15を設け、このチップ搬送路15の先端部分をプーリ24の上端から水平な接線に沿って延在する移載部分15Aとし、搬送ベルト16上から移載部分15Aに電子部品チップ12が乗り移るようにしてもよい。
【0056】又、電子部品チップ12がその一部に磁性体を備えていて、磁石により吸着可能な場合、図8に示されるように、搬送ベルト16上における直線状のチップ搬送路45の先端部に磁石46を設け、押し上げてきた最先端位置の電子部品チップ12を吸着するようにしてもよい。
【0057】この場合、磁石46による電子部品チップ12の吸着力は、搬送ベルト16を逆転したとき磁石46から電子部品チップ12が引き離されない程度の弱い磁力とする。
【0058】このように、磁石46の磁力を小さいものとしておれば、吸着ノズル19による電気部品チップ12の吸着時に電子部品チップ12の姿勢が傾いたりすることがない。
【0059】又、前記電子部品チップ12は、搬送ベルトにより正方向、及び逆方向に搬送されるようになっているが、これは他の搬送手段、例えばチェーン、振動板等であってもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、精密加工した治具等を用いたりすることなく、又、電子部品チップの位置が移動したりすることなく、チップ吸着位置にある電子部品チップに係る押し圧を解除又は低減して、吸着ノズルによって確実に吸着させることができるという優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000003399
【氏名又は名称】ジューキ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑 (外2名)
【公開番号】 特開平11−121982
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−278783