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【発明の名称】 真空ノズル装置
【発明者】 【氏名】瀬野 眞透

【氏名】西森 勇蔵

【氏名】石谷 泰行

【氏名】米山 茂和

【要約】 【課題】電子部品の大きさに応じて機構的に自動で真空ノズルが選択され、事前のプログラム等が不要な真空ノズル装置を提供することを目的とする。

【解決手段】真空手段によってワークを吸着移動する真空ノズル装置であって、第一の真空ノズルと前記第一の真空ノズルよりも吸着口の大きな第二の真空ノズルとを同軸上に設け、前記第一の真空ノズルは、その吸着口がワークによって閉塞されたときに前記第二の真空ノズル内に移動するように設けられ、前記第一の真空ノズルが前記第二の真空ノズル内に所定量移動したときに前記第二の真空ノズルは吸引を行うことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 真空手段によってワークを吸着移動する真空ノズル装置であって、第一の真空ノズルと前記第一の真空ノズルよりも吸着口の大きな第二の真空ノズルとを同軸上に設け、前記第一の真空ノズルは、その吸着口がワークによって閉塞されたときに前記第二の真空ノズル内に移動するように設けられ、前記第一の真空ノズルが前記第二の真空ノズル内に所定量移動したときに前記第二の真空ノズルは吸引を行うことを特徴とする真空ノズル装置。
【請求項2】 前記第一の真空ノズルの吸着口が解放されている時には、前記第一の真空ノズルを前記第二の真空ノズルから突出させる付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の真空ノズル装置。
【請求項3】 真空手段によってワークを吸着移動する真空ノズル装置であって、筒状の真空ノズルを同軸上に複数設け、それぞれの真空ノズルはその外側の真空ノズルに対して軸方向に摺動する構成とし、それぞれの真空ノズルはその外側の真空ノズルに対して吸引方向と相対する方向に付勢する付勢手段を設け、外側の真空ノズルの内周部と内側の真空ノズルの外周部にはそれぞれ前記付勢手段を受ける段付き部を設け、内側の真空ノズルはこの段付き部の上方に外側の真空ノズルの真空経路に沿って設けられたガイド部を有し、前記ガイド部には貫通穴を設け、一方外側の真空ノズルには前記真空径路から吸着口に連通する連通穴を設け、前記付勢手段が所定量たわんだ状態で前記貫通穴と前記連通穴が重なることを特徴とする真空ノズル装置。
【請求項4】 外側の真空ノズルの吸着口の内径が拡大していることを特徴とする請求項3記載の真空ノズル装置。
【請求項5】 前記付勢手段の付勢力は、内側の真空ノズルが全閉状態で発生する真空吸着力より小さいことを特徴とする請求項3記載の真空ノズル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品をプリント基板に実装する実装機等にあって、電子部品を部品供給部より吸着し、プリント基板の所定の位置に搭載するための真空ノズル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の実装は、電子機器の小型化やそれに伴う電子部品の小型化が進展し、チップ型電子部品が主流を占めている。そしてこれらチップ型電子部品を実装するための電子部品実装機では、真空ノズルを用いて電子部品供給部から電子部品を吸着し、プリント基板の所定の位置に装着する。このとき電子部品の大きさの違いより、真空ノズルの大きさを選択し吸着力を調節する必要がある。このような装置を図4に示す。同図に示すように、この種の装置は、大きさの異なる真空ノズル101、102、103を有しており、選択機構104によってそれぞれの真空ノズル101、102、103を切り替えることができるように構成されている。同図において、A,B,C,D,Eはそれぞれ大きさの異なる電子部品を示し、例えば電子部品A,B,Cは真空ノズル101を用い、電子部品D,Eは真空ノズル102を用いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の装置では、真空ノズル101と電子部品A,B,Cとが対応し、また真空ノズル102と電子部品D,Eとが対応するというように、あらかじめそれぞれの真空ノズルとそれぞれの電子部品との対応関係を関連づけておかなければならず、プログラムを間違うと吸着できないことになる。また実装機側でも真空ノズルの選択機構4が必要となり、機構的にも複雑なものとなる。本発明はこれらの課題に対し、電子部品の大きさに応じて機構的に自動で真空ノズルが選択され、事前のプログラム等が不要な真空ノズル装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の真空ノズル装置は、真空手段によってワークを吸着移動する真空ノズル装置であって、第一の真空ノズルと前記第一の真空ノズルよりも吸着口の大きな第二の真空ノズルとを同軸上に設け、前記第一の真空ノズルは、その吸着口がワークによって閉塞されたときに前記第二の真空ノズル内に移動するように設けられ、前記第一の真空ノズルが前記第二の真空ノズル内に所定量移動したときに前記第二の真空ノズルは吸引を行うことを特徴とする。本発明の請求項2記載の真空ノズル装置は、請求項1記載の真空ノズル装置において、前記第一の真空ノズルの吸着口が解放されている時には、前記第一の真空ノズルを前記第二の真空ノズルから突出させる付勢手段を設けたことを特徴とする。本発明の請求項3記載の真空ノズル装置は、真空手段によってワークを吸着移動する真空ノズル装置であって、筒状の真空ノズルを同軸上に複数設け、それぞれの真空ノズルはその外側の真空ノズルに対して軸方向に摺動する構成とし、それぞれの真空ノズルはその外側の真空ノズルに対して吸引方向と相対する方向に付勢する付勢手段を設け、外側の真空ノズルの内周部と内側の真空ノズルの外周部にはそれぞれ前記付勢手段を受ける段付き部を設け、内側の真空ノズルはこの段付き部の上方に外側の真空ノズルの真空経路に沿って設けられたガイド部を有し、前記ガイド部には貫通穴を設け、一方外側の真空ノズルには前記真空径路から吸着口に連通する連通穴を設け、前記付勢手段が所定量たわんだ状態で前記貫通穴と前記連通穴が重なることを特徴とする。本発明の請求項4記載の真空ノズル装置は、請求項3記載の真空ノズル装置において、外側の真空ノズルの吸着口の内径が拡大していることを特徴とする。本発明の請求項5記載の真空ノズル装置は、請求項3記載の真空ノズル装置において、前記付勢手段の付勢力は、内側の真空ノズルが全閉状態で発生する真空吸着力より小さいことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態における真空ノズル装置は、まず第一の真空ノズルとこの第一の真空ノズルよりも吸着口の大きな第二の真空ノズルとを同軸上に設けている。そして、第一の真空ノズルは、その吸着口がワークによって閉塞されたときに第二の真空ノズル内に移動するように設けられ、第一の真空ノズルが第二の真空ノズル内に所定量移動したときにこの第二の真空ノズルは吸引を行うことを特徴とする。このように第一の真空ノズルを完全に閉塞するような大きさの電子部品を吸着したときに第二の真空ノズルでの吸引を行うように構成しているので、電子部品の大きさに応じて吸着口の大きさを変更することができる。
【0006】また、本発明の第二の実施の形態における真空ノズル装置は、第一の真空ノズルの吸着口が解放されている時には、第一の真空ノズルを第二の真空ノズルから突出させる付勢手段を設けたことを特徴とする。従って一つの電子部品をプリント基板の所定の位置に搭載した後には、必ず第一の真空ノズルは第二の真空ノズルから突出しているため、次の吸着すべき電子部品が例え小さいときでも確実に吸着させることができる。
【0007】本発明の第三の実施の形態における真空ノズル装置は、筒状の真空ノズルを同軸上に複数設けたものである。そして、それぞれの真空ノズルはその外側の真空ノズルに対して軸方向に摺動する構成としている。また、それぞれの真空ノズルはその外側の真空ノズルに対して吸引方向と相対する方向に付勢する付勢手段を設けている。また、外側の真空ノズルの内周部と内側の真空ノズルの外周部にはそれぞれ前記付勢手段を受ける段付き部を設け、内側の真空ノズルはこの段付き部の上方に外側の真空ノズルの真空経路に沿って設けられたガイド部を有している。そして、このガイド部には貫通穴を設けている。一方、外側の真空ノズルには、吸着口に連通する連通穴を設けている。そして、付勢手段が所定量たわんだ状態で内側の真空ノズルに設けた貫通穴と外側の真空ノズルに設けた連通穴が重なることを特徴とする。すなわち、貫通穴と連通穴とが重なる状態では、内側の真空ノズルの真空経路から外側の真空ノズルの吸着口が連通した状態となる。従って、内側の真空ノズルの吸着口が塞がれると付勢手段がたわむことにより外側の真空ノズルが吸引を行うようになる。このように同軸上に設けた複数の真空ノズルの数を、吸着口の塞がり状態によって順次変化させることができる。従って、電子部品の大きさに応じて吸着口の大きさを変更することができ、確実に吸着させることができる。
【0008】本発明の第四の実施の形態における真空ノズル装置は、外側の真空ノズルの吸着面積を大きくすることによって、吸着力をより大きくすることができる。本発明の第五の実施の形態における真空ノズル装置は、付勢手段の付勢力を内側の真空ノズルが全閉状態で発生する真空吸着力より小さくすることを特徴とするため、真空ノズルが全閉状態になったときにより大きな真空ノズルに接するようになり、それぞれの真空ノズルの変更を確実に行うことができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例の真空ノズル装置について、図面に基づいて説明する。図1は同装置の概念を示す断面図である。同図に示すように、本実施例の真空ノズル装置は、第一の真空ノズル10、第二の真空ノズル20、及び第三の真空ノズル30より構成されている。第一の真空ノズル10の吸着口が最も小さく、第三の真空ノズル30の吸着口が最も大きく、3つの真空ノズル10、20、30は同軸上に設けられている。なお図示はしないがこれら3つの真空ノズル10、20、30は真空手段に連通している。
【0010】また、第一の真空ノズル10と第二の真空ノズル20との間には、第一のばね(第一の付勢手段)40が、第二の真空ノズル20と第三の真空ノズル30との間には、第二のばね(第二の付勢手段)50が設けられている。ここで、第一のばね40は、第一の真空ノズル10を第二の真空ノズル20に対して吸引方向と相対する方向に付勢しており、第二のばね50は、第二の真空ノズル20を第三の真空ノズル30に対して吸引方向と相対する方向に付勢している。なお、第一のばね40は、第一の真空ノズル10が全閉状態で発生する真空吸着力よりも小さい付勢力とし、第二のばね50は、第一の真空ノズル10及び第二の真空ノズル20が全閉状態で発生する真空吸着力よりも小さい付勢力としている。
【0011】第一の真空ノズル10は、内部に真空経路11を有するとともに外周部に第一のばね40を受ける段付き部12を有している。また、第一の真空ノズル10の段付き部12の上方は、ガイド部13を構成している。またこのガイド部13には貫通穴14を設けている。そして第一の真空ノズル10の外周部には、吸着口から所定の長さの溝15を設けている。第二の真空ノズル20についても、第一の真空ノズル10と同様に、内部に真空経路21を有するとともに外周部に第二のばね50を受ける段付き部22を有している。また、第二の真空ノズル20の段付き部22の上方は、ガイド部23を構成している。またこのガイド部23には貫通穴24を設けている。そして第二の真空ノズル20の外周部には、吸着口から所定の長さの溝25を設けている。なお、第二の真空ノズル20の内周部には、第一のばね40を受ける段付き部26を設けている。また、その真空経路21には連通穴27を有しており、この連通穴27は、空気通路28A、空気溝28Bを介して第二の真空ノズル20の吸着口と連通している。また、第二の真空ノズル20の内周部には、吸着口から所定の位置にピン29を有している。このピン29は溝15内を摺動可能に設けており、第一の真空ノズル10と第二の真空ノズル20とのそれぞれの吸着口の最大段差を規制している。第三の真空ノズル30についても、第二の真空ノズル20と同様に、内部に真空経路31を有している。また、第三の真空ノズル30の内周部には、第二のばね50を受ける段付き部36を設けている。また、その真空経路31には連通穴37を有しており、この連通穴37は、空気通路38A、空気溝38Bを介して第三の真空ノズル30の吸着口と連通している。また、第三の真空ノズル30の内周部には、吸着口から所定の位置にピン39を有している。このピン39は溝25内を摺動可能に設けており、第二の真空ノズル20と第三の真空ノズル30とのそれぞれの吸着口の最大段差を規制している。なお、第二の真空ノズル20と第三の真空ノズル30との吸着口の内径は拡大した構成になっている。
【0012】次に、本実施例の真空ノズル装置の吸着動作について図2、図3に基づいて説明する。図2は第一の真空ノズル10にその吸着口より大きい電子部品60を吸着した状態を示すものである。この時、第一の真空ノズル10の吸着口は完全に閉塞され、真空径路11の真空度は非常に高くなり、第一のばね40の付勢力に打ち勝ち、第一の真空ノズル10は吸引方向に引き上げられる。所定の量(H1)引き上げられると、第一の真空ノズル10の貫通穴14と第二の真空ノズル20に設けられた連通穴27とは重なり、真空径路11は、貫通穴14、連通穴27、空気通路28A、空気溝28Bを介して第二の真空ノズル20の下端の吸着口と連通する。その結果、電子部品60は第二の真空ノズル20の吸着口の回りで発生する負圧にも吸着されることになり、極めて安定した吸着保持力を得ることができる。しかしこの場合、第二の真空ノズル20の吸着口を完全に塞いでいないので、第二の真空ノズル20は吸引方向に引き上げられるまでの状態にはならない。
【0013】図3はさらに大きな電子部品70を吸着した状態を示すものである。この時にも、まず第一の真空ノズル10の吸着口は完全に閉塞されるため、真空径路11の真空度は非常に高くなり、第一のばね40の付勢力に打ち勝ち、第一の真空ノズル10は吸引方向に引き上げられる。所定の量(H1)引き上げられると、真空径路11は、貫通穴14、連通穴27、空気通路28A、空気溝28Bを介して第二の真空ノズル20の下端の吸着口と連通する。その結果、電子部品70は第二の真空ノズル20によっても吸着され、第二の真空ノズル20の吸着口も完全に閉塞される。従って、第二の真空ノズル20の真空径路21の真空度は非常に高くなり、第二のばね50の付勢力に打ち勝ち、第二の真空ノズル20は吸引方向に引き上げられる。所定の量(H1)引き上げられると、第二の真空ノズル20の貫通穴24と第三の真空ノズル30に設けられた連通穴37とは重なり、真空径路21は、貫通穴24、連通穴37、空気通路38A、空気溝38Bを介して第三の真空ノズル30の下端の吸着口と連通する。その結果、電子部品70は第三の真空ノズル30によっても吸着され、第三の真空ノズル30の吸着口も完全に閉塞される。従って、この場合には図示のように第一の真空ノズル10、第二の真空ノズル20、及び第三の真空ノズル30全てで吸引されることになる。
【0014】以上のように、本実施例によれば、なんら真空ノズルの切替え手段を用いる事なく、真空ノズルの吸着口の塞がり具合によって機能的に自動で切り替えることが可能であり、大きな部品をより大きな真空ノズルで安定吸着することが可能である。なお、上記実施例は、3つの真空ノズルを用いたもので説明したが、2つの真空ノズルでも、また4つ以上の真空ノズルを用いたものであってもよい。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子部品を真空ノズルに吸着させることによって、同軸上に設けた複数の真空ノズルの数を自動的に変化させることができる。従って、大きな部品をより大きな真空ノズルで安定吸着することが可能である。また、外側の真空ノズルの吸着面積を大きくし、吸着力をより大きくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善▲廣▼ (外1名)
【公開番号】 特開平11−68391
【公開日】 平成11年(1999)3月9日
【出願番号】 特願平9−239011