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【発明の名称】 携帯電話機用電磁波拡散防止具
【発明者】 【氏名】塚本 存

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】携帯電話の電磁波送受信部を被覆する被覆部材より構成され、該電磁波送受信部被覆部材が導電性物質を含有する携帯電話機用電磁波拡散防止具において、前記被覆部材が、導電性繊維を混編してなる布地を、携帯電話機の少なくとも電磁波送受信部を被覆する構成としたことを特徴とする携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【請求項2】アンテナ挿通孔を有するアンテナないしアンテナ根幹部位を被覆する付設被覆部を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【請求項3】被覆部材を伸縮自在の帯型状に構成してなることを特徴とする請求項1または2記載の携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【請求項4】被覆部材を携帯電話機の表示部及び操作部に対応する開口部を備えた袋型状又は筒型状に構成してなることを特徴とする請求項1または2記載の携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【請求項5】導電性繊維が、一価銅イオンを吸着せしめたアクリル系繊維(モダクリルを含む)をハイドロサルファイト又はハイドロサルファイト作用物質を含む還元性水溶液で処理して製造されたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【請求項6】導電性繊維が、銅を10〜30重量%含むことを特徴とする請求項5記載の携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【請求項7】携帯電話機の所有者等機体属性を示す識別手段が備えられたことを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【請求項8】携帯電話機の所有者等機体属性を示す識別手段が被覆部材中に縫編ないしは洗浄耐久性染色してなるものであることを特徴とする請求項7記載の携帯電話機用電磁波拡散防止具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機の送受信時に生じる電磁波の拡散を防止し、携帯電話機自身に生じがちなノイズ、或いはこのような拡散電磁波の影響により他の電子機器に生じがちなノイズや画像の乱れなどの現象を低減することが可能な携帯電話機用電磁波拡散防止具に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機は、無線通信回線を利用して通話するため、使用者が特定の場所に拘束される必要が生じないなどの理由から、近年利用者が急増している。しかし、無線通信回線を利用しているため、携帯電話機は、電磁波等の電話機外部の要因により影響され、使用場所によっては、有線電話と比較して送受信時にノイズを生じ易く、明瞭に通話できないことも多い。
【0003】また、携帯電話機から生じる電磁波により、他の電気機械器具の使用時において、誤作動等の看過できないまでの悪影響が出た例も報告されている。
【0004】本技術分野における従来例としては、実用新案登録第3036553号の技術が挙げられる。本従来例は、送受信時のノイズを低減してより明瞭に通話し、不必要な電磁波の発生を防ぐため、導電体の両面を保護フィルム等樹脂製薄片部材により被覆してこれを携帯電話機送受信部を被覆するに適したシール形状に形成し、両面テープないしは貼着剤を付着させて、アンテナや筐体等、携帯電話機送受信部に貼着して、受信感度を高める効果を奏するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来例は、携帯電話機の送受信部の位置の策定を誤り、送受信部の被覆が少ない部位に貼着してしまうこともあり、このような場合には送受信時のノイズ低減効果が発揮されにくくなることもありうる。
【0006】また上記従来技術は、携帯電話機の機体表面にシール状に貼着するものであり、貼剥自在のものではないため、一旦貼着すると、貼着部位を誤った場合等、貼剥を繰り返す必要が生じた場合、粘着力の急激な低下は避けられない。このため反復使用するには大きな難があり、長期使用或いは粗雑な使用により破損ないし汚れの付着があった場合でも、シールを剥離して修繕、或いは洗浄ができない、という課題があった。
【0007】さらに、上記シール状のものに携帯電話機の所有者等機体の属性を示す方法としては、上記シールの上表面に油性ペン等により文字又は絵柄を書き込むこと等が想起されるが、このような機体属性識別手段は使用者の汗や身体当接面との摩擦などにより消失しやすいため、長期使用に耐えうる携帯電話の属性識別手段とするには適しない、という課題もあった。
【0008】本発明はこのような課題にかんがみ、送受信時のノイズが低減され明瞭に通話することが可能であるとともに、携帯電話機の周囲に存在する電子機器の携帯電話機通話使用時における誤作動、モニター画面のぶれ、音響機器に生じがちなノイズなどの悪影響を軽減し、かつ携帯電話機に着脱自在であり、破損ないし汚れの付着があった場合でも、修繕や洗浄により反復継続使用が可能であって、しかも携帯電話機の所有者等の機体属性を反復継続使用に耐えて表示することが可能な携帯電話機用電磁波拡散防止具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決する手段として、携帯電話の電磁波送受信部を被覆する被覆部材より構成され、該電磁波送受信部被覆部材が導電性物質を含有する携帯電話機用電磁波拡散防止具において、前記被覆部材が、導電性繊維を混編してなる布地を、携帯電話機の少なくとも電磁波送受信部を被覆する構成とし、またアンテナ挿通孔を有するアンテナないしアンテナ根幹部位を被覆する付設被覆部を備えうるものである。
【0010】さらに、素材を布地とし、被覆部材を伸縮自在の帯型状に構成しうるものであり、良好な機体操作を保全し得るために、補助的構成として、機体操作被覆部材を携帯電話機の表示部及び操作部に対応する開口部を備えた袋型状又は筒型状にも構成しうる。
【0011】なお、本発明課題解決の手段の構成要素として用いられる導電性繊維としては、一価銅イオンを吸着せしめたアクリル系繊維(モダクリルを含む)をハイドロサルファイト又はハイドロサルファイト作用物質を含む還元性水溶液で処理して製造されたものであって、通常その導電性繊維は、銅を10〜30重量%含む。
【0012】なお本発明は。課題解決の手段として、さらに携帯電話機の所有者等機体属性を示す識別手段が備え得るものであって、該識別手段は被覆部材中に縫編ないしは洗浄耐久性染色してなるものである。
【0013】
【作用】上述の構成により、携帯電話機の送受信部に、送受信時において生じる電磁波につき、導電性繊維を混編した被覆部材を覆置することにより、導電性繊維を含有する布地のシールド効果により、通話に支障となるノイズを生じさせる不要な電磁波が侵入しにくくなり、明瞭な通話が可能となる。
【0014】また携帯電話機使用時に携帯電話機自身より発信され、携帯電話の周囲に存在する電子機器に生じやすい各種の障害、例えばコンピュータ付設のモニター画面に生じがちな画像のぶれ、音響機器のノイズなどの原因となるような不要な電磁波が、その拡散を防止されるため、これら障害の生じる量が減少する。
【0015】このような効果は、導電性繊維としては、一価銅イオンを吸着せしめたアクリル系繊維(モダクリルを含む)をハイドロサルファイト又はハイドロサルファイト作用物質を含む還元性水溶液で処理して製造されたものであって、通常その導電性繊維は、銅を10〜30重量%のものであれば、相当程度の電磁波の拡散を防止し、また同時にノイズ等の原因となる飛遊電磁波の侵入を遮蔽することが可能となり、しかもコスト的にも廉価に製造しうる。
【0016】さらに、染色糸等を用いた識別標章等を編入したり、対洗浄性ないし対摩耗性の染料ないし塗料を用いて、携帯電話機の所有者等機体属性を示す識別手段とすれば、破損ないし汚れの付着があった場合でも、修繕や洗浄により反復継続使用が可能となる。
【0017】
【実施例】次に、この発明にかかる携帯電話機用電磁波拡散防止具の実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】本実施例の本体となる携帯電話機用電磁波拡散防止具1は、本実施例外観斜視図である図1に示されるように、導電性繊維を含んでなる布地より構成され、その主要構成部位である帯部2とアンテナ基部被覆帯3とは縫結されている。本実施例において帯部2は帯部縫着線6で、またアンテナ基部被覆帯3はアンテナ基部被覆帯縫着線7で縫合糸により縫着されているが、これらは筒状に編成されていてもよい。
【0019】ここで使用される導電性繊維は、次のようにして製作した。まず、染色機によって、カシミロン[5デニール、カット長さ70〜136mm、タイプFWER、登録商標旭化成工業(株)社製]を硫酸銅40%owf、硫酸4%owf、銅網(#31、12メッシュ)65%owf、浴比1:20の浴中で温度95℃にて60分間加熱処理する。その後、水洗し、染色機により、硫酸ドデシルナトリウム40%owf、グルコース10%owf、浴比1:20の浴中で100℃50分間熱処理を施して制作したものである。
【0020】得られた導電性繊維は、14.1重量%の銅を含有し、綿塊状で5cmの電気抵抗値が70オームの良好な伝導性を示し、JIS規格A−2に従って、洗濯テストを10回行い、洗濯による導電性の低下を調べたが、電気抵抗値に有意差は認められなかったものであって、極めて良好な対洗濯耐久性を有する。この導電性繊維を、ゴム糸や、アクリル繊維と織合ないし混編することにより、導電性繊維を含む本実施例に使用の布地を製造した。
【0021】帯部2とアンテナ基部被覆帯3とは、導電繊維を含む短冊状の布地の端部6及び7を、縫合糸により縫結して帯状としたものであって、それぞれ図1に示されるようにアンテナ挿通孔4と装着孔5とを備えている。
【0022】以上のようにして構成された携帯電話機用電磁波拡散防止具1は、携帯電話機への本実施例装着状態を示す図2に示すように、装着孔5に電波送受信部11を挿入し、アンテナ基部被覆帯3のアンテナ挿通孔4にアンテナ12を挿入することにより、携帯電話機10の上部に着脱自在に装着される。
【0023】このように携帯電話機に装着した状態においては、携帯電話機用電磁波拡散防止具1を構成する導電性繊維の導電性効果により、携帯電話機10に侵入するノイズを低減してより明瞭な通話を行うことが可能となり、携帯電話機10自らが発する拡散電磁波を低減して、ペースメーカーなどの医療機器、或いは携帯電話機周辺に置設された音響機器あるいはコンピュータ付設モニター画面への悪影響もなくすこともできる。
【0024】また、携帯電話機用電磁波拡散防止具1は、対洗濯性を有する導電性繊維とアクリル製繊維と混編してなる布地からできているため、破汚損しても容易に修繕・洗浄が可能であり長期間にわたる反復継続使用が可能である。
【0025】上記の実施例では、携帯電話機用電磁波拡散防止具1は、帯部2及びアンテナ基部被覆帯3から構成されていたが、本実施例の第1変化形態を示す図3に示されるように、電磁波発生部位を被覆するサポータ状の帯部2のみから構成されていてもよい。
【0026】また、本実施例第2変化形態である図4に示すように、携帯電話機10の表示部13及び操作部14に対応する開口部8を備える袋型状又は筒型状に構成されたものであってもよい。このようにすれば、携帯電話本体の操作にも全く支障が生じない。
【0027】また、本実施例では、本体部に使用する導電性繊維として含銅導電性繊維を使用したが、その代替物として、他の導電性繊維、例えば金線、銀線等を使用してもよい。
【0028】さらに、携帯電話機用電磁波拡散防止具1は、布地から構成されているので、所有者の嗜好ないしは使用上の必要に応じて、図4に示すように、機体属性表示標章、即ち本実施例では機体属性を示す絵柄9を刺繍、染色等の方法により描画して、携帯電話機の所有者等の機体属性を有効に示すこともできる。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明携帯電話機用電磁波拡散防止具によれば、送受信時のノイズが低減され明瞭に通話することが可能であるとともに、携帯電話機の周囲に存在する電子機器の携帯電話機通話使用時における誤作動、モニター画面のぶれ、音響機器に生じがちなノイズなどの悪影響を軽減し、かつ携帯電話機に着脱自在であり、破損ないし汚れの付着があった場合でも、修繕や洗浄により反復継続使用が可能であって、しかも携帯電話機の所有者等の機体属性を反復継続使用に耐えて表示することが可能な携帯電話機用電磁波拡散防止具が提供される。
【出願人】 【識別番号】597125287
【氏名又は名称】株式会社エーゾン
【出願日】 平成9年(1997)7月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】中島 純一
【公開番号】 特開平11−31892
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平9−236593