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【発明の名称】 電磁波シールド材の製造方法及び電磁波シールド材並びにそのシールド材を用いた電磁波発生源
【発明者】 【氏名】星 敏春

【氏名】土屋 宗次

【氏名】大木 芳正

【要約】 【課題】軽くで柔軟性があり電磁波に対して高いシールド性を持ち、しかも耐環境性に優れた広範な用途に好適に用いることのできる電磁波シールド材を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明は、高分子フィルムを出発原料として用意する行程と、前記高分子フィルムを熱処理してグラファイト化するグラファイト化行程とを有し、前記グラファイト化行程では熱処理条件を制御することによりグラファイト化中のシートに発泡状態2、3等を発生させながらグラファイトシート1を形成し、前記グラファイトシートを電磁波シールド材として適用可能とする電磁波シールド材の製造方法及びこのような製造方法により得られた電磁波シールド材並びにそのようなシールド材を用いた電気機器である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高分子フィルムを出発原料として用意する行程と、前記高分子フィルムを熱処理してグラファイト化するグラファイト化行程とを有し、前記グラファイト化行程では熱処理条件を制御することによりグラファイト化中のシートに発泡状態を発生させながらグラファイトシートを形成し、前記グラファイトシートを電磁波シールド材として適用可能とする電磁波シールド材の製造方法。
【請求項2】 グラファイト化行程後、圧延処理を行う請求項1記載の電磁波シールド材の製造方法。
【請求項3】 更に、グラファイトシートに、フェライトまたは金属を付加する行程を有する請求項1または2記載の電磁波シールド材の製造方法。
【請求項4】 更に、フェライトまたは金属が付加されたグラファイトシートの前記付加された側に、グラファイトシートを設ける行程を有する請求項3記載の電磁波シールド材の製造方法。
【請求項5】 高分子フィルムは、膜厚が5から300μmの芳香環を有する縮合高分子フィルムであり、グラファイト化行程における熱処理は、不活性ガス雰囲気中で昇温速度を5から20℃/mの範囲で制御し、最高温度として2000℃から3000℃の範囲で行う請求項1から4のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法。
【請求項6】 原料となる縮合高分子として、ポリイミド、ポリオキサジアゾール、及びポリアミドから選択されたいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法。
【請求項7】 空孔部または空隙部を含む屈曲部が形成されたグラファイトシートを用いた電磁波シールド材。
【請求項8】 グラファイトシートの厚さは、7から400μmの範囲内であり、密度が0.8から1.5g/cm3の範囲内にある請求項7記載の電磁波シールド材。
【請求項9】 グラファイトシートの表面に、フェライト層または金属層を設けて複合化した請求項7または8記載の電磁波シールド材。
【請求項10】 周波数が1MHz帯から10GHz帯域の電磁波をシールドする請求項7から9のいずれかに記載の電磁波シールド材。
【請求項11】 請求項1から6のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法で得られた電磁波シールド材、または請求項7から10のいずれかに記載の電磁波シールド材を用いて少なくとも一部の表面が覆われた電磁波発生源。
【請求項12】 請求項1から6のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法で得られた電磁波シールド材、または請求項7から10のいずれかに記載の電磁波シールド材を用いて少なくとも一部の表面が覆われた電気機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波シ−ルド材の製造方法及び電磁波シールド材並びにそのシールド材を用いた電磁波発生源に関し、特にシールド性及び柔軟性に優れたグラファイトシートを得て周波数が1MHz帯から10GHz帯域の電磁波を効果的にシールドする電磁波シールド材の製造方法及び電磁波シールド材並びにそのシールド材を用いた電磁波発生源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器等から発生する電磁波は、機器周辺に設置された他の電子機器等に電磁波干渉等を及ぼす可能性があるため、電磁波が外部に漏れないようにするために、または外部からの電磁波によって電気機器の機能が阻害されないようにするために、電磁波シールド材を用いて電磁波の影響を阻止している。
【0003】一般的な電磁波シールド材としては、透磁率特性の良いパーマロイ金属板やフェライト、あるいは樹脂中に銀やニッケル等の高導電性材料を分散させた複合材料や、表面に金属等の導電性膜を等が使用されている。
【0004】これらの材料は、電磁波吸収性や反射性に優れており、電磁波発生部に取り付けて外部への電磁波を遮断したり、また他の部品や他の機器からの電磁波の影響を防いだりするための電磁波シールド材として多く使用されている。
【0005】図4は、従来の電磁波発生源や他の電子部品を含む電気機器の断面図を示し、30は電磁波シールド材、31は電磁波発生源、32は電子部品である。
【0006】図4で示すように、従来の電磁波シールド材30を、電磁波発生源31に適用した例を示し、従来の電磁波シールド材30は柔軟性に欠けるため、電磁波発生源31の一部しか覆い切れずに使用することが一般的態様である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器は、小型化、軽量化、高密度化、更には高周波化等の傾向が高まっており、これらに使用されている電磁波シールド材においては、更に軽くてシールド性の高い電磁波シールド材の要望が高まってきた。
【0008】例えば、現状のシールド材のパーマロイ金属や、フェライト等は、密度が5.0g/cm3以上と大きいため重くなり、装置の軽量化に支障をきたしている。
【0009】また、複合材料等は、軽量化のために薄くするとシールド性が悪くなる等、電子機器の小型化、軽量化の際の大きな課題となってきた。
【0010】更に、最近の電子機器は高密度化、高周波化が進み電磁波発生部は色々な形状の物が出現し、また機構的にも複雑化しており、現在の金属や複合材料のシールド材では柔軟性に欠けるため、電磁波発生部分を一体で覆いきれず、電磁波発生部の横等からの電磁波の漏れ、あるいは、曲面部等に対する隙間からの漏れ等、柔軟性が無いため電磁波を完全にシールドすることができず、そこからの電磁波の漏洩が課題となってきた。
【0011】また、最近の電子機器の使用はあらゆる場所で使用されるようになり、耐腐食性や耐熱性等が課題となってきた。
【0012】即ち、従来の金属や複合材料の電磁波シールド材は、金属製であれば耐食性に弱く、複合材料は耐熱性に弱い等の課題があり、耐腐食性や耐熱性等環境に耐えうる材料が必要とされてきている。
【0013】本発明は、これらの課題を解決するもので、軽くで柔軟性があり電磁波に対して高いシールド性を持ち、しかも耐環境性に優れた広範な用途に好適に用いることのできる電磁波シールド材を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために、本発明は、高分子フィルムを出発原料として用意する行程と、前記高分子フィルムを熱処理してグラファイト化するグラファイト化行程とを有し、前記グラファイト化行程では熱処理条件を制御することによりグラファイト化中のシートに発泡状態を発生させながらグラファイトシートを形成し、前記グラファイトシートを電磁波発生源から発せられた電磁波のシールド材として適用可能とする電磁波シールド材の製造方法及びこのような製造方法により得られた電磁波シールド材並びにそのようなシールド材を用いた電気的に作動する機器である。
【0015】本発明は、これらの課題を解決するもので、軽くで柔軟性があり電磁波に対して高いシールド性を持ち、しかも耐環境性に優れた広範な用途に好適に用いることのできる電磁波シールド材を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、高分子フィルムを出発原料として用意する行程と、前記高分子フィルムを熱処理してグラファイト化するグラファイト化行程とを有し、前記グラファイト化行程では熱処理条件を制御することによりグラファイト化中のシートに発泡状態を発生させながらグラファイトシートを形成し、前記グラファイトシートを電磁波シールド材として適用可能とする電磁波シールド材の製造方法である。
【0017】このような処理によって得られたグラファイトシートは、高純度の炭素のみの配向性の高い高品質のグラファトシートとなり、高導電率特性を有するため、電磁波に対して効率よくシールドするという作用を有し、軽くで柔軟性があり電磁波に対して高いシールド性を持ち、しかも耐環境性に優れた広範な用途に好適に用いることのできる電磁波シールド材を提供する。
【0018】ここで、請求項2記載のように、グラファイト化行程後、圧延処理を行うものがより好ましく、より確実に柔軟性に富んだ電磁波シールド材が実現される。
【0019】更に、請求項3記載のように、グラファイトシートに、フェライトまたは金属を付加する行程を有していてもよく、複合化された電磁波シールド材が実現される。
【0020】このような構成により、グラファイトシートの柔軟性と軽さを損なわずに、グラファイトシートに金属あるいはフェライトの層を設けた複合材料のシートが形成され、金属やフェライトの電磁波吸収性の効率の良さを付加し、電磁波に対して更にシールド性が向上し、なおかつ柔軟性を合わせ持つという作用を有する。
【0021】更に、請求項4記載のように、フェライトまたは金属が付加されたグラファイトシートの前記付加された側に、グラファイトシートを設ける行程を有するものでもよく、複合化された電磁波シールド材が実現される。
【0022】このような構成により、グラファイトシートの柔軟性と軽さを損なわずに、グラファイトシートに金属あるいはフェライトの層を設けた、いわゆるサンドイッチ構造にした複合材料のシートが形成される。
【0023】また、請求項5記載のように、高分子フィルムは、膜厚が5から300μmの芳香環を有する縮合高分子フィルムであり、グラファイト化行程における熱処理は、不活性ガス雰囲気中で昇温速度を5から20℃/mの範囲で制御し、最高温度として2000℃から3000℃の範囲で行うことが好適な条件である。
【0024】また、請求項6記載のように、原料となる縮合高分子として、ポリイミド、ポリオキサジアゾール、及びポリアミドから選択されたいずれかであることが好適である。
【0025】一方、請求項7記載の本発明は、空孔部または空隙部を含む屈曲部が形成されたグラファイトシートを用いた電磁波シールド材である。
【0026】通常、結晶性と配向性の高いグラファイトは、密度が2.20g/cm3 以上あり、そのため硬く柔軟性が殆どないものであるが、フィルムの表面やフィルム中に空孔や空隙を作り、結晶子間に屈曲部を存在させれば、シート自体が柔軟性を持つという作用を有する。
【0027】このような構成により、軽くで柔軟性があり電磁波に対して高いシールド性を持ち、しかも耐環境性に優れた広範な用途に好適に用いることのできる電磁波シールド材となる。
【0028】ここで、請求項8記載のように、グラファイトシートの厚さは、7から400μmの範囲内であり、密度が0.8から1.5g/cm3の範囲内にあることが好適である。
【0029】更に、請求項9記載のように、グラファイトシートの表面に、フェライト層または金属層を設けて複合化した構成をとってもよい。
【0030】また、請求項10記載のように、周波数が1MHz帯から10GHz帯域の電磁波をシールドする電磁波シールド材である。
【0031】そして、請求項11記載のように、請求項1から6のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法で得られた電磁波シールド材、または請求項7から10のいずれかに記載の電磁波シールド材を用いて少なくとも一部の表面が覆われた電磁波を外部に漏らさない電磁波発生源を構成してもよいし、請求項12記載のように、請求項1から6のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法で得られた電磁波シールド材、または請求項7から10のいずれかに記載の電磁波シールド材を用いて少なくとも一部の表面が覆われた電磁波が侵入しない電気機器を構成してもよい。
【0032】即ち、本発明は、例えば芳香族縮合高分子フィルムを2000℃以上で熱処理して得られたグラファイトシートは、窒素やアルゴン等の不活性ガス中で、昇温速度と最高処理温度を制御した熱処理を行うことにより、フィルム内部に発泡状態、つまり細かな空孔や空隙を制御可能に設けることができるため、グラファイト結晶子間に空孔や空隙が連なった屈曲部を存在させることができ、非常に柔軟性のあるシートとなること、基本的に分子配向性の高い高分子フィルムを高温中で熱処理を行えば、結晶性が高く炭素原子の正六角環がその平面上で多数連なって巨大な網平面を作り、その平面が平行に積み重なったいわゆる高配向性のグラファイトとなり、導電率が一般のカーボンシートに比べて一桁以上良くなること、このシートは炭素からでできているため他の金属やフェライト等のシールド材に比べて非常に密度が小さいため軽くなること、グラファイト材であるため耐腐食性や耐熱性に優れていること、グラファイトシートは熱伝導性にも優れていることから、電磁波シールド効果と同時に放熱、あるいは均熱効果ももたらすことができること、及び加工という面でも通常のはさみ等で容易に切断できるため、用いられる箇所に合わせた大きさ、形状に加工できる利便性があることに着目してなされたものである。
【0033】また、電磁波シールド材としての用いられる適用形態としては、電磁波発生源である素子や機器よりの漏洩を防止するという場合と、素子や機器を電磁波のノイズ等より防護するいう場合があり、いずれに対しても効果的に適用が可能である。
【0034】以下、本発明の各実施の形態について、詳細に説明をしていく。
(実施の形態1)図1は、本実施の形態の電磁波シールド材として使用されるグラファイトシートの断面図を示す。
【0035】図1において、1はグラファイトシート、1aはその結晶子、2は空孔部、3は空孔部2よりは小さな空隙部3、4は空孔部2や空隙部3が実質的に連なった屈曲部である。
【0036】最初に、グラファイトシート1の製造方法を説明する。まず、出発原料には、厚さ75μmの高分子フイルム(カプトン:デュポン社製)を用いた。
【0037】この高分子フィルムは、ポリイミドの出発原料であるが、他にポリオキサジアゾールやポリアミドの出発原料も同様に使用可能である。また、膜厚についても、5から300μmの範囲内であれば、高品質のグラファイトシートが作製可能である。もちろん高分子フィルムが薄い場合等には、高分子フィルムを複数枚積層して用いてもよい。
【0038】このフィルムを電気炉に入れ、Arガス中で熱処理を行った。もちろん、Ar以外の不活性ガスを用いてもよく、大気圧と同等または適宜加圧して行ってもよい。
【0039】そして、熱処理中にグラファイト化の過程で発生する高分子フィルム中に含まれる炭素以外の熱分解ガスを制御しながら放出し、つまり発泡状態を制御し、空孔部2等を形成する。この熱処理の最高温度は、2700℃で処理を行いグラファイトシートを作製した。この温度は、グラファイト化するに足る温度であればよく、2000℃以上、好ましくは2500℃以上3000℃以下の最高処理温度で焼成すると高品質の優れたグラファイトができる。また、炭素以外の熱分解ガスを制御しながら放出するために、電気炉の昇温速度を、5から20℃/minの範囲で適宜制御しながら、熱処理を行い、柔軟性があるグラファイトシートを作製した。
【0040】更に、結晶子間に屈曲部4を確実に存在させるべく、熱処理後、圧延処理を施した。これによって結晶子間に屈曲部4を確実に存在させることができ、柔軟性を一層確実に実現するすることが可能となった。
【0041】このようにして作製したグラファイトシートは、空孔部2等により出発時のフィルムの厚さより厚い約100μmのシートとなり、密度は、約1.0g/cm3、導電率は約20000S/cmであった。
【0042】比較のために、このように発泡状態を制御せず作製したグラファイトシートは、空孔部等は形成されないため、図2に示すように、規則正しく結晶子10aが連続したグラファイトシート10となり、シート密度は2.20g/cm3以上で、導電率は約20000S/cmであった。しかし、このグラファイトシート10は、空孔部2等がないため、柔軟性に欠け硬い物になってしまっていた。
【0043】次に、本実施の形態のグラファイトシートの電磁波シールド性を測定した。この測定には、アドバンテスト社製のEMI(電磁波干渉)プローブを使用してスペクトルアナライザで周波数1MHzから1GHzのシールド特性を測定した。
【0044】測定の結果、この範囲内で20dBから25dBのシールド特性が得られた。このシールド特性は、一般に使用されているパーマロイ金属やフェライトのシールド材を同時に測定を行って見たところ、同様な結果であったことから、全く遜色がないことが確認された。
【0045】更に、このグラファイトシートを用いたシールド材の重さについては、従来のパーマロイ等のシールド材に比べて、密度の比較から、約8割も軽いことが確認された。
【0046】また、出発高分子フィルムの種々の厚さについて試したところ、グラファイトシートの厚さは、出発高分子フィルムの厚さにほぼ対応して7から400μmの範囲内であり、その密度も0.8から1.5g/cm3の範囲内にあり、電磁波シールド性は、実用上ほぼ同等と評価できる特性を示した。
【0047】以上より、本実施の形態によれば、柔軟性があり軽量で電磁波シールド性に優れたグラファイトシートを用いた電磁波シールド材が実現されたことが理解できる。
【0048】(実施の形態2)本実施の形態では、実施の形態1で得たグラファイトシートを複合化した電磁波シールド材について説明する。
【0049】複合化するために、まず、図1におけるグラファイトシート1の片面に、フェライト粉末と接着材を10:1で混ぜ合わせた混合材を、約50μmの厚さで塗布した。
【0050】そして、この混合材を塗布した側に、もう1枚のグラファイトシートを配して、混合材を挟み込みこんだ、いわゆるサンドイッチ構造の複合化されたグラファイトシートを作製した。
【0051】そして、この複合化されたグラファイトシートを、実施の形態1と同様に電磁波のシールド特性の測定を行った。
【0052】その結果、シールド性自体は、実施の形態1のグラファイトシート単独での場合とほぼ同様の結果が得られた。しかし、フェライト自体は、電磁波吸収性があるため、このように複合化にすることによって、シールド性と吸収性を兼ね備えたシールド材が得られたことになる。
【0053】また、グラファイトシートの片面にのみにフェライトの粉末を塗布しただけの構造であっても、電磁波シールド性については同様の結果が得られた。但し、グラファイトシートを折り曲げた際にフェライト粉末が剥がれ易い傾向があるので、剥がれがないように注意して使用する必要はある。
【0054】なお、フェライトではなく、パーマロイ金属等の金属を用いてもよいことはもちろんである。
【0055】(実施の形態3)本実施の形態では、実施の形態1や2で作製したグラファイトシートを実際にに電気機器に用いた例について説明する。
【0056】図3は、電磁波発生源や他の電子部品を含む電気機器の断面図を示し、20は電磁波シールド材、21は電磁波発生源、22は電子部品である。
【0057】本実施の形態では、図3で示すように、十分な柔軟性を有する電磁波シールド材20を、電磁波発生源21の周囲に適用した例を示し、その柔軟性故に、電磁波発生源21の取り付け面(図面の下部)を除く全ての面を覆い切ることが可能となった。もちろん要求される特性に応じ他の覆い方も適宜可能である。
【0058】これにより、従来のフェライト等のシールド材は、電磁波発生源の一部に対して貼らざるを得ず、例えば図4の場合には、側面からの電磁波の漏洩が他の部品へ影響するのに対して、本実施の形態では、このような漏洩を実質的に消滅させることができた。
【0059】但し、グラファイトシートの片面にのみにフェライトの粉末を塗布しただけ等のサンドイッチ構造でない場合には、前述したように、グラファイトシートを折り曲げた際にフェライト粉末等が剥がれ易い傾向があるので、剥がれがないように曲げRを若干大きめに取る等の留意は必要である。
【0060】なお、電磁波発生源に適用するのではなく、その影響を受ける他の電子部品等を同様に覆うことも、使用条等の便宜を考えて任意に選択可能である。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、軽くで柔軟性があり電磁波に対して高いシールド性を持ち、しかも耐環境性に優れた広範な用途に好適に用いることのできる電磁波シールド材を実際に提供し、例えば、電磁波発生源に用いた場合には、その任意の形状に対応が可能で、電磁波漏洩の防止に多大な効果をあげる。
【0062】更に、素材自体も密度が非常に小さいため、装置の小型、軽量化に多大な貢献が可能である。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−17387
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−166959