トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 回路基板の固定構造
【発明者】 【氏名】酒井 剛

【要約】 【課題】振動を受けても異音の発生しない回路基板の固定構造を提供することを目的としている。

【解決手段】ピン状の導電端子15を備えた硬質の回路基板12と、導電端子15に接続される計器本体1と、この計器本体1を設けた側に配設されるとともに回路基板12の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部24,25を備えたケース11と、回路基板12を覆うとともに回路基板12の周辺の適宜箇所に当接する押え部28と回路基板12の板面の適宜箇所に当接し押え部28より長めに形成された突出部31とを備えたカバー18とを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 硬質の回路基板と、この回路基板の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部を備えたケースと、前記回路基板の周辺の適宜箇所に当接する押え部と前記回路基板の板面の適宜箇所に当接し前記押え部より長めに形成された突出部とを有するカバーとを備えたことを特徴とする回路基板の固定構造。
【請求項2】 ピン状の導電端子を備えた硬質の回路基板と、前記導電端子に接続される計器本体と、この計器本体を設けた側に配設されるとともに前記回路基板の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部を備えたケースと、前記回路基板を覆うとともに前記回路基板の周辺の適宜箇所に当接する押え部と前記回路基板の板面の適宜箇所に当接し前記押え部より長めに形成された突出部とを有するカバーとを備えたことを特徴とする回路基板の固定構造。
【請求項3】 前記ケースの回路基板の板面を受ける受け部を少なくとも前記回路基板の前記計器本体の近傍を受けるように設け、前記カバーの突出部を少なくとも前記回路基板の前記計器本体を設けた面とは反対の面であって前記計器本体を設けた回路基板に対応する部分あるいはその近傍に当接するように設けたことを特徴とする請求項2記載の回路基板の固定構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板の固定構造に関し、特に回路基板の振動を防止することに特徴を有する回路基板の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の回路基板の固定構造を車両用の計器を例に図7から図9を用いて説明する。1は計器本体であり、上ケース2と下ケース3とからなる合成樹脂製のボビンケース4を設け、このボビンケース4の内側に円盤状の磁石5を収納し、この磁石5の上下に貫挿した指針軸6の上部及び下端部をそれぞれ上ケース2及び下ケース3で軸支し、指針軸6を上ケース2の筒部から挿出することにより、磁石5をボビンケース4内に回動可能に収納支持している。
【0003】ボビンケース4の外周には交互に交差してコイル7が巻回され、このコイル7に流れる電流の量に応じて発生する合成磁界方向に磁石5を追従動作させ、磁石5と一体に動作する指針軸6の先端に設けた指針8により指示表示を行うようにしている。そして、コイル7の巻回されたボビンケース4には下ケース3側から鉄製のシールドケース9が被嵌されており、ボビンケース4の下端側を覆って設けられている。
【0004】また、計器本体1の周縁部には上ケース2から下ケース3に貫通して圧入された雌端子10を設けており、この雌端子10は、図示してはいないが上端部がコイルボビン3から突出して保持されコイル7の端部が接続されている。
【0005】計器本体1は合成樹脂からなる有底のケース11に複数個収納されており、貫通孔11aを介して、ガラスエポキシ樹脂からなる硬質の回路基板12の上面に取付固定されるものであり、この回路基板12には、測定信号を所定の駆動信号に変換などをするための各種電子部品13や電子部品13や計器本体1等を電気的につなぐ配線パターン14が形成されている。また、この回路基板12には、計器本体1と回路基板12とを電気的に接続するために半田付け接続されたピン状の導電端子15が上面側に立設されている。そして、計器本体1側の雌端子10に導電端子15が挿入され、計器本体1と回路基板12との電気的接続が行われるようになっている。なお、Sは導電端子15と配線パターン14と物理的かつ電気的接続する半田である。
【0006】また、従来例にあってはシールドケース9の底面部にシールドケース9から一体に2つの爪部16を設ける一方、回路基板12には爪部16が挿通可能な孔部17を設けている。爪部16は、シールドケース9の回路基板12との対向部にシールドケース9から一体に設けられるものであり、この場合シールドケース9の底面部の一部を回路基板12側に向けて切り起こして折り曲げ形成されている。
【0007】そして、図9で示すように、この爪部16が挿入され、挿入後にあっては爪部16を折り曲げかしめることにより、爪部16で回路基板12をかかえるように固定してある。
【0008】また、従来は回路基板12の電子部品13あるいは配線パターン14等を保護するために、回路基板12の背面に合成樹脂からなるカバー18を備えている。このカバー18は、爪部16の近傍を除いて回路基板12を覆っている。このカバー18の開口部19から露出している部分には、配線パターン14や電子部品13などは露出していない。なお、導電端子15の半田Sの一部分が開口部19に臨んでいるが、導電端子15の全てが開口部19内には臨んでいないので、計器本体1を取り外したり取り付けたりするときに図示しない工具等によって断線する虞はない。また、カバー18の開口部19の開口周囲に立ち上がり壁20を備えている。なお、21は計器本体1に取り付けられる導光体であり、22は文字板である。
【0009】ケース11には計器本体1の周囲を囲む円筒状のガイド壁23の端部の受け部24と、外周に設けた受け部25とを備えている。受け部24は回路基板12の板面の中程に計器本体1が配設される数だけ設けてある。他方の受け部25は回路基板の周辺を適宜箇所を受けるように設けてある。また、ケース11には回路基板12側へ突出したフック26を備えており、回路基板12にはこのフック26に対応した孔部27を備えている。フック26が孔部27の周囲に係止し回路基板12の中央部がケース11に固定される。なお、組み付け易くするためと、回路基板11への電子部品13の実装の関係とで、このフック26と孔部27とは1組か2組しか設けられていない。
【0010】また、カバー18の全周にはケース11の受け部25で回路基板12の外周を挟むように押え部28を備えており、回路基板12の外周はケース11の受け部25とカバー18の押え部28とで周辺を挟まれて固定されている。カバー18はケース11に設けたフック29に係止片30を係合させて固定している。製品コスト削減などの目的で回路基板12をビスなどの固定部品を用いずに固定されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の回路基板の固定構造は、ケース11で回路基板12の板面や周囲の適宜箇所を受け、ビスなどを用いずにケース11とカバー18とで回路基板12の周辺の適宜箇所を挟んで固定しているため、車両の計器などに用いた場合、車両の振動などにより回路基板12が振動して異音を発生する等の問題点があった。また、特に計器本体1などの重量物は車両の振動によって振動し易く特に異音が発生するという問題点があった。そこで、本発明は振動を受けても異音の発生しない回路基板の固定構造を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬質の回路基板と、この回路基板の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部を備えたケースと、前記回路基板の周辺の適宜箇所に当接する押え部と前記回路基板の板面の適宜箇所に当接し前記押え部より長めに形成された突出部とを備えたカバーとを備えたものである。
【0013】また、本発明は、ピン状の導電端子を備えた硬質の回路基板と、前記導電端子に接続される計器本体と、この計器本体を設けた側に配設されるとともに前記回路基板の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部を備えたケースと、前記回路基板を覆うとともに前記回路基板の周辺の適宜箇所に当接する押え部と前記回路基板の板面の適宜箇所に当接し前記押え部より長めに形成された突出部とを備えたカバーとを備えたものである。
【0014】また、本発明は、前記ケースの回路基板の板面を受ける受け部を少なくとも前記回路基板の前記計器本体の近傍を受けるように設け、前記カバーの突出部を少なくとも前記回路基板の前記計器本体を設けた面とは反対の面であって前記計器本体を設けた回路基板に対応する部分あるいはその近傍に当接するように設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の回路基板の固定構造は、硬質の回路基板12と、この回路基板12の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部24,25を備えたケース11と、回路基板12の周辺の適宜箇所に当接する押え部28と回路基板12の板面の適宜箇所に当接し押え部28より長めに形成された突出部であるピン31とを有するカバー18とを備えたものである。
【0016】また、ピン状の導電端子15を備えた硬質の回路基板12と、導電端子15に接続される計器本体1と、この計器本体1を設けた側に配設されるとともに回路基板12の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部24,25を備えたケース11と、回路基板12を覆うとともに回路基板12の周辺の適宜箇所に当接する押え部28と回路基板12の板面の適宜箇所に当接し押え部28より長めに形成された突出部であるピン31とを有するカバー18とを備えたものである。
【0017】また、ケース11の回路基板12の板面を受ける受け部24を少なくとも回路基板12の計器本体1の近傍を受けるように設け、カバー18の突出部であるピン31を少なくとも回路基板12の計器本体1を設けた面とは反対の面であって計器本体1を設けた回路基板12に対応する部分あるいはその近傍に当接するように設けたものである。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例を図1から図6に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一及び相当箇所には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0019】ガラスエポキシ樹脂からなる硬質の回路基板12はピン状の導電端子15を備えている。この導電端子15に電気的に計器本体1が接続される。この計器本体1を設けた側に合成樹脂からなるケース11が配設され、貫通孔11aを介してケース11内に臨んでいる。そして、回路基板12を覆うようにカバー18が設けられている。
【0020】ケース11は回路基板12の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部24,25を備えている。受け部24を設ける板面とは回路基板12の周辺部分を除いた部分であり、この受け部24は回路基板12の板面に設けられる計器本体1の周囲を囲む円筒状のガイド壁23の端部である。また、受け部25はケース11の外周に設けてある。
【0021】受け部24は回路基板12の板面に計器本体1が配設される数だけ設けてある。なお、受け部24は計器本体1を配設した数だけ設ける必要はなく、適宜自由に設定してよい。また、計器本体1の近傍にのみ設ける必要はなく、他の部分に設けてもよい。他方の受け部25は回路基板12の周辺を適宜箇所を受けるように設けてある。また、ケース11には回路基板12側へ突出したフック26を備えており、回路基板12にはこのフック26に対応した孔部27を備えている。フック26が孔部27の周囲に係止し回路基板12の中央部がケース11に固定される。
【0022】また、カバー18は回路基板12の周辺の適宜箇所に当接する押え部28と回路基板12の板面の適宜箇所に当接する突出部であるピン31とを備えている。ピン31の長さHは押え部28の長さhより長めに形成されている。このピン31は図1で示すように、回路基板12の計器本体1を設けた面とは反対の面の計器本体1に対応する部分(図1中点線で示す部分)の回路基板12に当接するように設けてある。なお、ピン31は、回路基板12の計器本体1を設けた面とは反対の面の計器本体1に対応する部分(図1中点線で示す部分)の近傍の回路基板12に当接するように設けてもよい。また、ピン31を設けたカバー18の部分が底上げの場合、ピン31自身の長さHが押え部28の長さhより短くなるが、この場合、底上げされた分を含めたものをピン31の長さとし、押え部28より長めに形成してあればよい。
【0023】前記構成により、回路基板12は周囲の適宜箇所をケース11の受け部25とカバー18の押え部28とで周辺を挟まれ、板面をケース11のフック26で固定されるとともにケース11の受け部24とピン31とで抑えられて固定される。また、ケース11の回路基板12の板面を受ける受け部24を回路基板12の計器本体1の近傍を受けるように設け、カバー18の突出部31を少なくとも回路基板12の計器本体1を設けた面とは反対の面であって計器本体1を設けた回路基板12に対応する部分あるいはその近傍に当接するように設けたことにより、より効果的に回路基板12の振動を防止することができる。
【0024】また、ピン31が押え部28より長めに形成されているため、カバー18を取り付けたことによりカバー18がたわみ、そのたわんで変形したことにより、ピン31が回路基板12を押さえるので、車両の振動などによって回路基板12が振動することを防止することができる。
【0025】特に計器本体1に対応する部分にピン31を設けることにより、車両の振動で影響の受け易い計器本体1の振動を抑える事ができ、振動の影響を受けにくい構造とすることができる。なお、計器本体1は導電端子15を介して回路基板12上に接続されるものであれば、どのような計器本体1でもよい。
【0026】また、本実施例はビスなどの固定用の部品を用いていないので、安価な回路基板の固定構造を提供することもできる。
【0027】なお、前記実施例では本発明を回路基板12に計器本体1を取り付けた車両用の計器に適用したものであるが、計器本体1を設けない回路基板12の固定に用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上本発明は、硬質の回路基板と、この回路基板の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部を備えたケースと、前記回路基板の周辺の適宜箇所に当接する押え部と前記回路基板の板面の適宜箇所に当接し前記押え部より長めに形成された突出部とを有するカバーとを備えたことにより、回路基板の振動を防止することができる回路基板の固定構造を得ることができる。
【0029】また、ピン状の導電端子を備えた硬質の回路基板と、前記導電端子に接続される計器本体と、この計器本体を設けた側に配設されるとともに前記回路基板の板面及び周辺の適宜箇所を受ける受け部を備えたケースと、前記回路基板を覆うとともに前記回路基板の周辺の適宜箇所に当接する押え部と前記回路基板の板面の適宜箇所に当接し前記押え部より長めに形成された突出部とを有する備えたカバーとを備えたことにより、回路基板に計器本体などを配設した場合でも、回路基板の振動を防止することができる回路基板の固定構造を得ることができる。
【0030】また、前記ケースの回路基板の板面を受ける受け部を少なくとも前記回路基板の前記計器本体の近傍を受けるように設け、前記カバーの突出部を少なくとも前記回路基板の前記計器本体を設けた面とは反対の面であって前記計器本体を設けた回路基板に対応する部分あるいはその近傍に当接するように設けたことにより、回路基板に計器本体などを配設した場合でも、計器本体による振動を抑える事ができ、より効果的に回路基板の振動を防止することができる回路基板の固定構造を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−17365
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−170834