トップ :: H 電気 :: H02 電力の発電,変換,配電

【発明の名称】 手動式発電機
【発明者】 【氏名】新井 容徳

【要約】 【課題】直流式電気機器の充電および作動を、手動によって安全かつ確実に実施でき、さらに前記複数の接続部を適宜選択することにより、各種の直流式電気機器に対応して充電等を可能とする。

【解決手段】電機子を回転させて起電力を誘起し、さらに交流電流を直流電流に変換して伝達する発電機において、前記電機子に連結した回転軸3′と、この回転軸3′を手動にて回転させる手動回動部4Aと、前記直流電流を外部に伝える内部コネクタ部7と、一端側に形成する一側コネクタ部6aが、内部コネクタ部7と連結し、他端側に形成する他側コネクタ部6bが、直流電流によって作動する電気機器もしくは電子機器に連結する接続部6とを有する事を特徴とする手動式発電機Eとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】電機子を回転させて起電力を誘起し、さらに交流電流を直流電流に変換して伝達する発電機において、前記電機子に連結した回転軸と、この回転軸を手動にて回転させる手動回動部と、前記直流電流を外部に伝える内部コネクタ部と、一端側に形成する一側コネクタ部が、前記内部コネクタ部と連結し、他端側に形成する他側コネクタ部が、直流電流によって作動する電気機器もしくは電子機器に連結する接続部と、を有する事を特徴とする手動式発電機。
【請求項2】複数の前記接続部に、それぞれ種類が異なる他側コネクタ部を設ける事により、前記直流電流によって作動する電気機器もしくは電子機器の種類に対応して選択可能とする事を特徴とする請求項1に記載された手動式発電機。
【請求項3】前記他側コネクタ部に代わって、電池ホルダーを設けた事を特徴とする請求項1に記載された手動式発電機。
【請求項4】前記他側コネクタ部に代わって、電球用ソケットを設けた事を特徴とする請求項1に記載された手動式発電機。
【請求項5】前記手動回動部を、タイヤ状ローラにて形成した事を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載された手動式発電機。
【請求項6】前記手動回動部を、折り畳み可能な手回しハンドルにて形成した事を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載された手動式発電機。
【請求項7】前記手動回動部の回転を、増速して前記電機子に伝えるギヤ部を設けた事を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載された手動式発電機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動にて電機子を回転させ、かかる回転によって起電力を誘起する手動式発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】直流電流によって作動する電気機器もしくは電子機器(以下、総称して直流式電気機器という)である携帯電話や携帯ラジオ等の作動には、市販されている乾電池を使用したり、又は、特別な充電装置を用いて充電された蓄電池を使用していた。そのため、外出先で電池が切れてしまった場合などには、交換用の乾電池を携帯しておいて利用するか、また、その都度、電源(コンセント等)を捜して、蓄電池を所定時間充電して利用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電力会社から送られてくる大電流から蓄電池に充電するためには、その機器にしか使えない特別な充電装置が必要となるため不経済であり、また、充電過多による蓄電池の損傷もしくは燃焼事故も生じていて危険であった。また、携帯用の直流式電気機器(携帯電話等)の中には、その本体内に蓄電池部を備えているものもあるが、かかる直流式電気機器の場合、前記損傷等を生じ易くて不都合が大きかった。また、急きょ充電が必要となった時には、電源(コンセント等)の発見が困難なため、往々にして前記直流式電気機器が使用できないといった不具合を生じていた。
【0004】一方、市販されている乾電池は、通常使い捨てであるため、電池切れによって使用できなくなる等の不都合を防止するためには、複数の乾電池を常時携帯しておかねばならず不便であった。さらに、近年においては特に、乾電池の使い捨ては公害問題につながる為、地球環境の面からも問題が多かった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を解決するため、電機子を回転させて起電力を誘起し、さらに交流電流を直流電流に変換して伝達する発電機において、前記電機子に連結した回転軸と、この回転軸を手動にて回転させる手動回動部と、前記直流電流を外部に伝える内部コネクタ部と、一端側に形成する一側コネクタ部が、前記内部コネクタ部と連結し、他端側に形成する他側コネクタ部が、直流電流によって作動する電気機器もしくは電子機器に連結する接続部とを有する事を特徴とする手動式発電機とし、又、複数の前記接続部に、それぞれ種類が異なる他側コネクタ部を設ける事により、前記直流電流によって作動する電気機器もしくは電子機器の種類に対応して適宜選択可能とする。以上の発明により、直流式電気機器の充電および作動を、手動によって安全かつ確実に実施でき、さらに前記複数の接続部を適宜選択することにより、各種の直流式電気機器に対応して充電等が可能となる。
【0006】また、本発明にて前記他側コネクタ部に代わって、電池ホルダーを設ける事を特徴とすると、使用済みの乾電池を充電して再使用する事を可能にでき、特に、手動にて充電するために、過電流による損傷等を防止できて好適である。
【0007】さらに、前記他側コネクタ部に代わって、電球用ソケットを設けると、携帯用の懐中電灯とすることができ、災害等の際に乾電池を入手できなくても簡易に明かりを得る事ができて好適である。
【0008】またさらに、前記手動回動部を、タイヤ状ローラにて形成すると、このタイヤ状ローラを壁面等に押しつけながら回転させる事によって容易に発電させることができて好適であり、一方で前記手動回動部を、折り畳み可能な手回しハンドルにて形成すると、持ち運びに便利な上、発電も容易に行う事ができる。また、前記手動回動部の回転を、増速して前記電機子に伝えるギヤ部を設ける事もできる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態を図面を基に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す手動式発電機の側面図、図2は手動式発電機の説明図であり、(a)は断面図、(b)は交流/直流変換器の電気回路図、図3は接続部の他端側に電球ソケットを取り付けた状態図、図4は接続部の他端側に電池ホルダーを取り付けた状態図、図5は本発明の第2の実施の形態に係り、手動回動部を折り畳み可能な手回しハンドルとした説明図であり、(a)は使用状態での拡大斜視図、(b)は折り畳んだ状態での拡大斜視図である。
【0010】図2に示す手動式発電機Eの主要部は、タイヤ状ローラ4Aにて形成された手動回動部、この手動回動部の回転を電機子に伝える回転軸3′,2′、電機子の回転によって起電力を誘起して交流電流を発生する発電部2、前記交流電流を直流電流に変換するとともに出力電圧を一定にする交流/直流変換部5、前記直流電流を外部に伝えるための内部コネクタ部7、この内部コネクタ部7に一端側が連結し、他端側に直流式電気機器(例えば、携帯電話等)が連結する接続部6によって構成される。そして、発電部2等を覆うケース体1の一側に前記内部コネクタ部7が備え付けられており、他側にはケース体7を貫通する前記回転軸3′を介してタイヤ状ローラ4Aが取り付けられている。
【0011】したがって、タイヤ状ローラ4Aを手動にて壁面等に押しつけて回転させると、回転軸3′,2′を介して発電部2内の電機子が回転し、その結果、交流電流が出力される。さらに、図2(b)で示す整流用ダイオードD1,D2によって直流電流が出力され、制御部Cによって出力電圧が一定にされている。尚、図2(b)における符号C1および符号C2はコンデンサである。
【0012】また、図2(a)における符号3は、ギヤ部を示し、本実施の形態においては、回転軸3′と回転軸2′との比を1:60と成るよう設定している。その結果、タイヤ状ローラ4Aの回転を1秒間に1回転を目安に行うと、回転軸2′に連結する電機子は60回転に増速され、起電効率を高めることができる。
【0013】この交流電流は、図1の如く接続部6によって直流式電気機器に送られるが、この接続部6には、一端側に内部コネクタ部7と連結する一側コネクタ部6aが形成され、他端側に直流式電気機器と連結する他側コネクタ部6bが形成されている。尚、図1で示す直流式電気機器の例は、携帯電話Tのであり、この場合に前記他側コネクタ部6bは携帯電話Tのコネクタ部Taに対応している。
【0014】しかし、この他側コネクタ部6bの形状は、前記携帯電話Tに対応した形状に限定されるものでは無く、他の種類の携帯電話、もしくはラジオ、電子手帳等の他の直流式電気機器に対応すべく形成する事もでき、さらには、種類の異なる他側コネクタ部6bを持つ複数の接続部6を準備し、直流式電気機器の種類に応じて適宜に選択して連結可能とすることもできる。
【0015】さらにまた、この他側コネクタ部6bに代わって、図3に示す電球ソケット10や図4に示す電池ホルダー20を設ける事もできる。電球ソケット10を設ければ、災害等が発生して電流の供給を受ける事ができない場合にも、手軽に懐中電灯の役割を持たせる事ができ、一方、乾電池Dが装着され、乾電池Dの陽極と陰極に対応した端子を有する電池ホルダー20を設けると、この乾電池の充電が可能になる。
【0016】ちなみに、充電しても不経済となる電池を一般的に一次電池、逆に経済的である電池を蓄電池と呼んでいるが、市販されている使い捨て電池は、前記一次電池である。しかし、この一次電池を図4に示す如く電池ホルダー20に装着して充電すれば、他の充電装置等が不必要であり、かつ、手軽に充電できるので経済的である。また、本発明は、手動にて電機子を回転させる構成であるため、過充電による液漏れ等の不具合を生じ難い。さらに、この充電によって環境問題をも改善することができる。尚、本発明者は、本発明に係る手動式発電機を使用する事により、市販されているアルカリ電池が充電できる事を実験により確認した。
【0017】本発明の第2の実施の形態を、図5に基いて説明する。本実施の形態では、手動回動部を折り畳み可能な手回しハンドル4Bによって形成している。この手回しハンドル4Bは、回転軸3′に連結する基板部41と手回しの際に握る握持部42からなる。基板部41と握持部42とは折り畳み可能に連結され、さらに握持部42を折り畳んだ時に、この握持部42が基板部41に設けたスリット41aに納まるように形成されている。また、基板部41は、途中の部位で折り曲げ可能に形成されているため、手回しの際には、基板部41は回転軸3′に対して垂直となり(図5(a)参照)、持ち歩く等する際には収納可能に折り畳むことができる(図5(b)参照)。
【0018】
【発明の効果】本発明は、以上の構成からなるので、手動にて手軽かつ安全に直流電流を得ることができ、さらに、直流式電気機器に適宜対応してこの直流電流を提供することができるため経済的である。また、接続部における他側コネクタ部に代えて電池ホルダーを設けると、乾電池の自由かつ手軽な充電が可能となり、また、電球ソケットを設けると、手軽に明かりを得ることが出来て便利である。さらに、回動手動部をタイヤ状ローラや折り畳み可能な手回しハンドルにて形成すると、手動による発電が一層容易になる。
【出願人】 【識別番号】591076730
【氏名又は名称】新井 容徳
【出願日】 平成10年(1998)1月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
【公開番号】 特開平11−252884
【公開日】 平成11年(1999)9月17日
【出願番号】 特願平10−19166