トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数




【発明の名称】 データ転送装置
【発明者】 【氏名】土井 輝久

【要約】 【課題】本発明はデータ転送装置に関し、データ記録媒体が誤って抜かれた場合でもデータを修復することができるデータ転送装置を提供することを目的としている。

【解決手段】挿抜可能な記録媒体を本体装置と接続するシステムにおいて、前記本体装置内に前記記録媒体に記録中の全情報を保持する転送バッファと、前記記録媒体を誤って抜いてしまった場合、再度挿入した際に、前記転送バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送する転送手段とを具備して構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 挿抜可能な記録媒体を本体装置と接続するシステムにおいて、前記本体装置内に前記記録媒体に記録する全情報を保持する転送バッファと、前記記録媒体を誤って抜いてしまった場合、再度挿入した際に、前記転送バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送する転送手段とを具備することを特徴とするデータ転送装置。
【請求項2】 前記記録媒体にデータを転送する際に、予めデータ転送フラグを立てておき、記録媒体が誤って抜かれた後、再度挿入する際に、前記転送フラグをチェックするチェック手段を設けておき、該チェック手段が転送フラグを参照してフラグが立っていた場合、転送バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送手段にて転送することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項3】 本体側にデータ転送フラグと、全情報を保持する修復バッファとを具備し、記録媒体が誤って抜かれた後、再度挿入する時に前記記録媒体と本体側の転送フラグが一致する場合にのみ、前記修復バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送手段にて転送することを特徴とする請求項2記載のデータ転送装置。
【請求項4】 前記修復バッファを記録媒体単位で具備し、記録媒体毎にエラーIDと対応する修復バッファを設け、データ転送異常が発生した記録媒体が複数存在した場合にも、各記録媒体毎にデータの修復を行なうことを特徴とする請求項3記載のデータ転送装置。
【請求項5】 記録媒体が誤って抜かれてデータ転送異常が発生した場合、転送異常発生と共に再度記録媒体の挿入を促す挿入指示手段を本体側に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のデータ転送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデータ転送装置に関し、更に詳しくはデータ記録媒体が誤って抜かれた場合でもデータを修復することができるデータ転送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、本体装置側にフロッピーディスク等の挿抜可能な記録媒体を接続し、本体装置側と記録媒体間でデータの転送を行なうシステムが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の装置で、本体装置側から記録媒体へ向けてデータの転送を行なっていた時に、誤って記録媒体を抜いてしまうことが起きる場合がある。そのような場合、記録媒体には途中までの不完全なデータが記録されてしまう。これを修復するには再度データの転送をやり直す必要があった。また、記録媒体に不完全なデータが記録されていると、そのデータが原因で誤動作を引き起こしたり、場合によっては記録媒体そのものを破壊する可能性もある。
【0004】本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、データ記録媒体が誤って抜かれた場合でもデータを修復することができるデータ転送装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1)図1は本発明の原理ブロック図である。図において、1は情報を記録する少なくとも1つの記録媒体、10は該記録媒体1と接続される本体装置である。記録媒体1としては、例えばフロッピーディスク(FD)、光磁気ディスク(MO)、ハードディスク装置(HD)、フラッシュメモリカード等の不揮発性記録媒体が用いられる。本体装置10において、11は記録媒体に記録する全情報を保持する転送バッファ、12は該転送バッファ11に保持されているデータを記録媒体1に転送する転送手段である。
【0006】この発明の構成によれば、記録媒体1が誤って抜かれた場合でも、転送バッファ11に情報が保持されているので、再度記録媒体1を挿入した時に転送手段12により同じ情報を記録媒体1に記録することができる。
【0007】(2)この場合において、前記記録媒体にデータを転送する際に、予めデータ転送フラグを立てておき、記録媒体が誤って抜かれた後、再度挿入する際に、前記転送フラグをチェックするチェック手段を設けておき、該チェック手段が転送フラグを参照してフラグが立っていた場合、転送バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送手段にて転送することを特徴としている。
【0008】この発明の構成によれば、一旦抜かれた記録媒体1が再度挿入された時、本体装置10は記録媒体内の転送フラグが立っている時に、記録媒体1が抜かれた記録媒体であると判断し、転送バッファ11に保持されている全情報を転送手段12にて当該記録媒体1に転送し、データ転送異常を修復することができる。
【0009】(3)また、本体側にデータ転送フラグと、転送すべき全情報を保持する修復バッファとを具備し、記録媒体が誤って抜かれた後、再度挿入する時に前記記録媒体と本体側の転送フラグが一致する場合にのみ、前記修復バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送手段にて転送することを特徴としている。
【0010】この発明の構成によれば、本体装置10に設けられた転送フラグと、記録媒体1に設けられた転送フラグをチェックして記録媒体が誤って抜かれたことを認識し、修復バッファに保持されているデータを転送手段12にて転送することにより、データ転送異常を修復することができる。
【0011】(4)また、前記修復バッファを記録媒体単位で具備し、記録媒体毎にエラーIDと対応する修復バッファを設け、データ転送異常が発生した記録媒体が複数存在した場合にも、各記録媒体毎にデータの修復を行なうことを特徴としている。
【0012】この発明の構成によれば、修復バッファを記録媒体単位で具備すると共に、記録媒体1のエラーIDと本体装置10側の修復バッファとを対応付けておくことにより、記録媒体単位でデータ転送異常を修復することができる。
【0013】(5)更に、記録媒体が誤って抜かれてデータ転送異常が発生した場合、転送異常発生と共に再度記録媒体の挿入を促す挿入指示手段を本体側に設けたことを特徴としている。
【0014】この発明の構成によれば、記録媒体1が誤って抜かれた場合に、挿入指示手段が記録媒体1の挿入を促すので、システムを元の状態に戻すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。図2は本発明の第1の実施の形態例の動作説明図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。
【0016】(a)本体側から記録媒体1に対してデータ転送を行なう際に、データを構成する任意の記録単位(ブロック)を保持できる転送バッファ11を本体装置10側に内蔵している。そして、データ転送時には一旦転送バッファ11にデータを保持した上で転送手段12から転送するようにする。転送バッファ11に保持されたブロックデータは、転送が終了する度に順次新たに転送されるブロックデータに入れ替わっていく。
【0017】(b)データ転送中に記録媒体を抜きとった場合、転送中のデータは途切れてしまう。このため、記録媒体1には不完全な状態のデータが記録されてしまう。本体装置10側では、転送途中だったブロックデータをそのまま転送バッファ11に保持しておく。
【0018】(c)不完全なデータが記録された記録媒体1を再度本体装置10側に挿入すると、本体側の転送バッファ11に保持していたブロックデータを転送手段12から再転送し、記録媒体1の不完全なデータを正常なデータに修復することができる。
【0019】この実施の形態例によれば、記録媒体1が誤って抜かれた場合でも、転送バッファ11に情報が保持されているので、再度記録媒体1を挿入した時に転送手段12により同じ情報を記録媒体に記録することができ、データの修復ができる。
【0020】図3は本発明の第2の実施の形態例の動作説明図である。図2と同一のものは、同一の符号を付して示す。
(a)記録媒体1に対してデータ転送を行なう際、データの転送中を示すフラグ(データ転送フラグ)1aを記録媒体1内に立てる。データ転送フラグ1aは、データの転送開始と共に立てて、転送の終了と共に下ろすという動作を転送するブロックデータ毎に行なう。データ転送フラグ1aは“1”の時に立った、“0”の時に下ろしたと定義している。
【0021】(b)データ転送中に記録媒体1を抜きとった場合、データ転送は終了していないため、記録媒体1はデータ転送フラグ1aが立ったままとなる。一方、転送バッファ11には転送データを保持しておく。
【0022】(c)本体装置10側は、記録媒体1が挿入された際に、記録媒体1にデータ転送フラグ1aが立っているか否かをチェックすることで、挿入された記録媒体1がデータ転送中に抜かれたものであるかどうかを判断することができる。データ転送フラグ1aが立っていた場合には、本体装置10側の転送バッファ11に保持されているデータを転送手段12により再度転送し、データの修復を行なう。
【0023】この実施の形態例によれば、一旦抜かれた記録媒体1が再度挿入された時、本体装置10は記録媒体内の転送フラグ1aが立っている時に、記録媒体1が抜かれた記録媒体であると判断し、転送バッファ11に保持されている全情報を転送手段12にて当該記録媒体1に転送し、データ転送異常を修復することができる。
【0024】図4は本発明の第3の実施の形態例の動作説明図である。図2と同一のものは、同一の符号を付して示す。この実施の形態例は、記録媒体1側のみならず、本体装置10側にもデータ転送フラグを設けたものである。1bがこのデータ転送フラグである。この実施の形態例では、記録媒体1側と本体装置10側の双方にデータ転送中であるデータ転送フラグを立てるようにし、これらデータ転送フラグは、データ転送中にフラグを“1”に立て、ブロックデータの転送が終了したら“0”に下ろすようにする。転送中に記録媒体1が抜かれた場合には、データ転送フラグが立ったままとなり、データ転送中に記録媒体1が抜かれたことが判断できるようにする。
【0025】(a)本体装置10側には、データ転送フラグ1bの他に、修復用の転送データを保持しておく修復バッファ13を持たせ、常に転送バッファ11と同じ内容が書き込まれる。但し、転送中に記録媒体1が抜かれ本体装置10側の転送フラグ1bが立ったままの状態になった時は、修復バッファ13の内容は抜かれた時に転送中であったデータを保持し続ける。
【0026】(b)転送フラグが立っていない記録媒体が挿入された時には、通常のデータ転送を行なっても、本体装置10側の転送フラグ1bと修復バッファ13はそのまま保持される。記録媒体の挿入時に媒体側と本体側双方で転送フラグが立っている場合には、修復バッファ13のデータを転送手段12から転送してデータの修復を行ない、記録媒体1と本体装置10側の転送フラグ1a、1bを下ろす。
【0027】この実施の構成によれば、本体装置10に設けられた転送フラグと、記録媒体1に設けられた転送フラグをチェックして記録媒体が誤って抜かれたことを認識し、修復バッファ13に保持されているデータを転送手段12にて転送することにより、データ転送異常を修復することができる。
【0028】図5は本発明の第4の実施の形態例の動作説明図である。図4と同一のものは、同一の符号を付して示す。
(a)本体装置10側に、転送異常の回数を管理する異常回数管理部14を持ち、データ転送中の記録媒体1の抜き取り等で転送異常が発生した記録媒体に対して、前記第3の実施の形態例でのデータ転送フラグの代わりに固有のエラーID1cを記録、保持するようにする。また、本体装置10側には異常回数管理部14で管理するエラーIDの数だけの修復用のデータバッファ(修復バッファ)13を用意し、転送異常が起きた時には、記録媒体1に書き込んだエラーIDに対応した修復バッファ13に転送途中であったデータの保持を行なう。
【0029】(b)修復バッファ13とエラーID1cとは1対1の関係になっており、エラーIDの書き込まれた記録媒体1が挿入された場合には、対応する修復バッファ13のデータを転送手段12にて転送して不完全なデータの修復を行なう。また、データ修復に使用したエラーIDと対応する修復バッファ13は、再び異常が起きた時に使用される。
【0030】この実施の形態例によれば、修復バッファを記録媒体単位で具備すると共に、記録媒体1のエラーIDと本体装置10側のエラーIDが一致する場合に修復バッファの情報を転送手段12により当該記録媒体1に転送することにより、記録媒体単位でデータ転送異常を修復することができる。
【0031】図6は本発明の第5の実施の形態例の動作説明図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。データ転送中に記録媒体1を抜きとった直後に、本体装置10側の挿入指示手段15が、記録媒体を再度挿入して不完全なデータの修復を行なうように促すための警告音をスピーカ20から出したり、ディスプレイ画面(表示部)21にメッセージの表示を行なう。メッセージの内容は、例えば「書き込みエラーです。再度挿入して下さい。」が用いられる。
【0032】この実施の形態例によれば、記録媒体1が誤って抜かれた場合に、挿入指示手段が記録媒体の挿入を促すので、システムを元の状態に戻すことができる。
【0033】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、(1)挿抜可能な記録媒体を本体装置と接続するシステムにおいて、前記本体装置内に前記記録媒体に記録中の全情報を保持する転送バッファと、前記記録媒体を誤って抜いてしまった場合、再度挿入した際に、前記転送バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送する転送手段とを具備することにより、記録媒体が誤って抜かれた場合でも、転送バッファに情報が保持されているので、再度記録媒体を挿入した時に転送手段により同じ情報を記録媒体に記録することができる。
【0034】(2)この場合において、前記記録媒体にデータを転送する際に、予めデータ転送フラグを立てておき、記録媒体が誤って抜かれた後、再度挿入する際に、前記転送フラグをチェックするチェック手段を設けておき、該チェック手段が転送フラグを参照してフラグが立っていた場合、転送バッファに保持されている転送を中断された全情報を前記記録媒体に転送手段にて転送することにより、一旦抜かれた記録媒体が再度挿入された時、本体装置は記録媒体内の転送フラグが立っている時に、記録媒体が抜かれた記録媒体であると判断し、転送バッファに保持されている全情報を転送手段にて当該記録媒体に転送し、データ転送異常を修復することができる。
【0035】(3)また、本体側にデータ転送フラグと、転送中の全情報を保持する修復バッファとを具備し、記録媒体が誤って抜かれた後、再度挿入する時に前記記録媒体と本体側の転送フラグが一致する場合にのみ、前記修復バッファに保持されている全情報を前記記録媒体に転送手段にて転送することにより、本体装置に設けられた転送フラグと、記録媒体に設けられた転送フラグをチェックして記録媒体が誤って抜かれたことを認識し、修復バッファに保持されているデータを転送手段にて転送し、データ転送異常を修復することができる。
【0036】(4)また、前記修復バッファを記録媒体単位で具備し、記録媒体毎にエラーIDと対応する修復バッファを設け、データ転送異常が発生した記録媒体が複数存在した場合にも、各記録媒体毎にデータの修復を行なうことにより、修復バッファを記録媒体単位で具備すると共に、記録媒体のエラーIDと本体装置側の修復バッファとを対応付けておき、記録媒体単位でデータ転送異常を修復することができる。
【0037】(5)更に、記録媒体が誤って抜かれてデータ転送異常が発生した場合、転送異常発生と共に再度記録媒体の挿入を促す挿入指示手段を本体側に設けたことにより、記録媒体が誤って抜かれた場合に、挿入指示手段が記録媒体の挿入を促すので、システムを元の状態に戻すことができる。
【0038】このように、本発明によれば、データ記録媒体が誤って抜かれた場合でもデータを修復することができるデータ転送装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治 (外1名)
【公開番号】 特開平11−327810
【公開日】 平成11年(1999)11月30日
【出願番号】 特願平10−126970