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【発明の名称】 バス調停方式
【発明者】 【氏名】今井 毅

【要約】 【課題】優先度の高さおよびバス要求の頻繁さに対応した適切なバス使用権を与えることができる。

【解決手段】プロセッサ1がシステムバス10を使用する際にバス調停部11からバス要求を送る送り先の優先順位決定部2には、各プロセッサ毎の優先順位決めのための重み付け順位を設けた優先重み付けテーブル20および待ちが連続する際のシステムバス10の使用度数を計数するカウンタを備え、最初のバス要求の待ち順位および二度目以降のバス要求に対する待ち順位それぞれが、優先重み付けテーブル20の重み付け順位により異なるように設定されることにより、一度設定された待ち順位はバス要求の都度更新される。この結果、プロセッサのバス使用率の均等化を図ることができると共に、効率よくデータ処理を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 システムバスに接続される複数のプロセッサそれぞれがバス調停部を有し、前記プロセッサが前記システムバスの使用権を得る際に、前記バス調停部が優先順位決定部にバス要求を送り、この優先順位決定部が、バス要求を送出したプロセッサの一つを所定の優先順位にしたがって選択し、選択した一つのプロセッサにバス許可を送ることにより前記システムバスの使用権を与えるバス調停方式において、前記優先順位決定部は、前記プロセッサからバス要求を受ける都度、複数の前記プロセッサそれぞれに予め設定された重み付けをもった優先順位に基づいて、待ちプロセッサに対し一旦設定した優先順位(待ち順位と称することとする)を変更することを特徴とするバス調停方式。
【請求項2】 請求項1において、前記優先順位決定部は、複数の前記プロセッサそれぞれに予め設定された重み付けをもった優先順位を登録する優先重み付けテーブルと、プロセッサからバス要求を受けた際、前記優先重み付けテーブルに登録された重み付けをもった優先順位に基づいて前記システムバスの使用権を与えるように一旦設定された前記待ち順位を変更する優先順位変更手段を有することを特徴とするバス調停方式。
【請求項3】 請求項2において、前記優先順位決定部は、前記優先順位変更手段により決定された待ち順位を前記優先重み付けテーブルの各プロセッサに対応して記憶し、更に、使用中のシステムバスが使用から解放された際、前記優先重み付けテーブルにより選択された最優先のプロセッサへバス許可を送る許可送出手段を有することを特徴とするバス調停方式。
【請求項4】 請求項1から請求項3までに記載の一つのバス調停方式において、前記優先順位が有する重み付けは、各プロセッサ毎に複数の優先順位を有し、前記優先順位決定部がバス要求を受けた際には、他のプロセッサがバス許可の待ち合わせ中に発生したバス要求の回数に基づいて複数の前記優先順位から選択して前記待ち順位を変更することを特徴とするバス調停方式。
【請求項5】 請求項1から請求項3までに記載の一つのバス調停方式において、前記優先順位が有する重み付けは、最高値の優先順位と最低値の優先順位との二つであり、前記優先順位決定部がバス要求を受けた際には、前記最高値の優先順位と最低値の優先順位との範囲内で待ち順位を変更することを特徴とするバス調停方式。
【請求項6】 請求項5において、前記優先順位決定部は、バス要求を受けた際、このバス要求を発したプロセッサが、最初の順位決定を受ける場合には優先順位の前記最高値を適用し、一方、他のプロセッサがバス許可の待ち合わせ中に再度のバス要求を発した場合には優先順位の前記最低値を適用して前記待ち順位を変更することを特徴とするバス調停方式。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、システムバスに接続される複数のプロセッサそれぞれがバス調停部を有し、前記プロセッサが前記システムバスの使用権を得る際に、前記バス調停部が優先順位決定部にバス要求を送り、優先順位決定部がバス要求を送出したプロセッサの一つを所定の優先順位にしたがって選択し、選択した一つのプロセッサにバス許可を送ることにより前記システムバスの使用権を与えるバス調停方式に関し、特に、複数のプロセッサそれぞれに対して、優先度の高さおよびバス要求の頻繁さに対応した適切なバス使用権を与えることができるバス調停方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のバス調停方式では、図2に示されるように、システムバス10に接続される複数のプロセッサ1それぞれがシステムバス10を使用する際、プロセッサ1が有するバス調停部11は、優先順位決定部200にバス要求を送り優先順位決定部200からバス許可を受けることにより使用権を得て、システムバス10を使用している。
【0003】優先順位決定部200は、同時に複数のプロセッサ1のバス調停部11からバス要求を受けた場合には予め設定された優先順位によりバス許可を与える順番を決定している。
【0004】この優先順位が固定されている場合、優先順位の高いプロセッサが連続してシステムバス10を使用する状態では、優先順位の低い待ち合わせ中のプロセッサがシステムバス10の使用権を獲得できない状態が発生する。
【0005】この問題点を解決する技術が、例えば、特開平3−108051号公報に記載されている。この方法では、図2に示されるように、優先順位決定部200に優先順位変更手段201を設け、プロセッサ1のバス調停部11からバス要求を受ける都度、優先順位を順次変更している。
【0006】すなわち、優先順位変更手段201は、プロセッサからのバス要求の都度、前回選ばれなかったプロセッサの優先順位を一つずつ繰り上げる、という技術が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した公開公報に記載された従来のバス調停方式では、予め設定された優先順位が最下位のプロセッサを救済するため、バス要求の頻度が高い最優先プロセッサでも、最優先でバス許可を受けた場合、連続する次のバス要求に対するバス許可順位は最下位になるので、最繁時では予め設定された最優先順位の効果が薄いという問題点がある。
【0008】本発明の課題は、上記問題点を解決し、優先度の高さおよびバス要求の頻繁さに対応した適切なバス使用権を与えることができるバス調停方式を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるバス調停方式は、システムバスに接続される複数のプロセッサそれぞれがバス調停部を有し、前記プロセッサが前記システムバスの使用権を得る際に、前記バス調停部が優先順位決定部にバス要求を送り、この優先順位決定部が、バス要求を送出したプロセッサの一つを所定の優先順位にしたがって選択し、選択した一つのプロセッサにバス許可を送ることにより前記システムバスの使用権を与えるバス調停方式において、前記優先順位決定部は、前記プロセッサからバス要求を受ける都度、複数の前記プロセッサそれぞれに予め設定された重み付けをもった優先順位に基づいて、待ちプロセッサに対し一旦設定した優先順位(待ち順位と称することとする)を変更している。
【0010】このような手段が、プロセッサそれぞれの優先度の高さおよびバス要求の頻繁さに対応する優先順位の予め設定する重み付けと、上記優先順位決定部によるこの設定された優先順位の活用とにより、有効かつ適切なバス許可を効率よく発行できる。
【0011】また、本発明によるバス調停方式の具体的な手段において、前記優先順位決定部は、複数の前記プロセッサそれぞれに予め設定された重み付けをもった優先順位を記憶する優先重み付けテーブルと、プロセッサからバス要求を受けた際、前記優先重み付けテーブルに記憶された重み付けをもった優先順位に基づいて前記待ち順位を変更する優先順位変更手段を有している。また、前記優先順位が有する重み付けは、最高値の優先順位と最低値の優先順位との二つであり、前記優先順位決定部がバス要求を受けた際には、前記最高値の優先順位と最低値の優先順位との範囲内で前記待ち順位を変更している。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】図1は本発明の実施の一形態を示す機能ブロック図である。
【0014】図1に示されたバス調停方式では、一つのシステムバス10に複数のプロセッサ1が接続するマルチプロセッサシステムにあって、プロセッサ1のバス調停部11がバス要求を送ってバス許可を受ける優先順位決定部2の構成が、従来と相違している。
【0015】すなわち、優先順位決定部2は、主要構成として、優先重み付けテーブル20、要求受付手段21、優先順位変更手段22および許可送出手段23を備えているものとする。
【0016】優先重み付けテーブル20は、一つのシステムバス10に接続する複数のプロセッサ1それぞれに対して優先順位の最高値および最低値を予め設定し登録してあるものとし、かつ、バス許可の待ち順位およびバス許可のカウンタ値それぞれを記録する領域を有するものとする。
【0017】要求受付手段21は、プロセッサ1のバス調停部11から受けたバス要求を優先順位変更手段22へ送る。同時に受けたバス要求は、予め固定された優先順位に基づいて順位付けされて通知されるものとする。したがって、システムバス10が空いている場合には、ここで優先選択されたプロセッサ1が使用権を得ることになる。
【0018】優先順位変更手段22は、要求受付手段21からバス要求を受けた際、図2を参照して後に説明するように、優先重み付けテーブル20を参照してバス要求を発生したプロセッサに対して与えるバス許可の順位を決定し、決定した順位を優先重み付けテーブル20の待ち順位の対象領域に記録するものとする。
【0019】許可送出手段23は、システムバス10および優先重み付けテーブル20を監視しており、システムバス10が空いている状態で、したがってシステムバス10が使用中の場合では使用が解放された際に、優先重み付けテーブル20の待ち順位の1位のプロセッサ1に対するバス調停部11へバス許可を送出するものとする。
【0020】次に、図2に図1を併せ参照して優先順位変更およびバス許可の送出に関する動作手順の一実施例について説明する。
【0021】要求受付手段21からプロセッサAのバス要求を受けた際(手順S1)、優先順位変更手段22は、まず、優先重み付けテーブル20において対象プロセッサAのカウンタ領域を調査する(手順S2)。この結果、カウンタ値“0”が確認された場合(手順S3のYES)、優先順位変更手段22は、更にプロセッサAの最高値領域から数値“1”を索引する(手順S4)と共にカウンタ値を一つカウントアップして(手順S5)、優先重み付けテーブル20における全てのプロセッサ対象の待ち順位領域を調査する(手順S6)。
【0022】待ち順位がある場合(手順S7のYES)、優先順位変更手段22は、上記手順S4で索引した優先順位“1”に基づいて、待ち順位に“1”を設定すると共に、これまでの1位以下を一つずつ繰り下げ更新し、“2”からの順位に変更する(手順S8)。
【0023】許可送出手段23は、バスの使用中が解除された際(手順S9のNO)、優先重み付けテーブル20を参照し、待ち順位領域に“1”をもつ最優先順位のプロセッサ1を索引し、このバス調停部11へバス許可を送出する(手順S10)と共に、優先重み付けテーブル20の待ち順位を一つずつ繰り上げ更新する(手順S11)。この結果、待ち順位がなくなった場合(手順S12のNO)、許可送出手段23は、カウンタ領域の全てのカウンタ値をクリアして“0”とする(手順S13)。
【0024】一方、上記手順S3が“NO”でカウンタ値が“0”でない場合、優先順位変更手段22は、プロセッサAの最低値領域から数値“5”を索引して(手順S21)、カウンタ値を一つカウントアップする手順S5に進む。この結果、上記手順S8の更新の際には、優先順位変更手段22は、索引した優先順位の最低値5に基づいて、待ち順位が“4”以内の場合には最終順位の次の順位とする一方、待ち順位が“5”以上の場合には待ち順位を“5”に設定してこれまでの待ち順位5以下それぞれを一つずつ繰り下げ更新し、“6”からの順位に変更する。
【0025】また、上記手順S7が“NO”で待ち順位に数値がない場合、待ちプロセッサがないので,待ち順位には、最優先の“1”が優先順位変更手段22により設定される(手順S22)。したがって、手順S9および手順S10において、許可送出手段23により最優先順位としてバス使用権を得ることとなる。
【0026】また、上記手順S11で更新された際に待ち順位“1”があるため上記手順S12が“YES”の場合、上記手順9へ戻り、手順S9および手順S10において、手順S12により更新された最優先の待ち順位“1”のプロセッサへ許可送出手段23からバス許可が送られる。
【0027】上記優先重み付けテーブルでは、重み付けを一つのプロセッサに対して最高優先値と最低優先値との二種類、またカウンタにより最初のバス要求には最高優先値を適用する一方、二回目からのバス要求には最低優先値を適用すると説明したが、更に多数の優先値とカウンタ値とを決め、これらの組み合わせできめ細かく待ち優先を設定することにしてもよい。
【0028】また、例えば、最高値が“1”の最優先であっても、待ち順位が“0”とならず、カウンタがクリアされない場合、複数回に一回は最後位に設定するなど、重み付けは各プロセッサに対して変化を付けることもできる。
【0029】上記説明では、優先重み付けテーブルを一つで図示して説明したが、待ち順位を別の優先順位テーブルとして設けてもよい。また、待ち順位の設定方法、カウンタ機能の配備場所など、上記説明以外の方法、手段でも同一効果を発揮することができる。
【0030】また、手順を図示して説明したが、手順の前後入れ替えなどを行って、上記機能と同一な機能を発揮できる。このように図示して説明した機能ブロックの機能に対する手段の分離併合、または動作手順の入れ替えなどは、上記機能を満たす限り自由であり、上記説明が本発明を限定するものではない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、優先重み付けテーブルを有し、最高優先に対しては常に上位の優先を与え、優先度が高くかつ頻度の多いプロセッサに対しては複数回毎に最後位を設定して最低順位を救済するなどの多種にわたる重み付けができる優先順位決定部が得られる。
【0032】この構成および手段によって、プロセッサのバス使用率を均等にすることが期待され、かつ効率よくデータ処理が行われるという効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
【公開番号】 特開平11−65993
【公開日】 平成11年(1999)3月9日
【出願番号】 特願平9−229064