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【発明の名称】 画像形成装置、およびこの画像形成装置に組込まれたベルト搬送装置
【発明者】 【氏名】留目 剛
【課題】この発明は、出力される画像のズレを防止でき、良質な画像を形成できる画像形成装置を提供する。

【解決手段】カラー複写機は、互いに並設された4つの画像形成部10Y、10M、10C、10Bkを有している。各画像形成部の下方には、記録紙Pを搬送するための搬送機構20が設けられている。搬送機構20の下流側には、トナー像を転写した記録紙Pを加熱してトナー像を定着させる定着装置50が設けられている。定着装置50に近接して配置された搬送機構20の駆動ローラ22は、低熱膨張係数を有するノビナイトにより形成されており、定着装置50の熱により熱膨張しても搬送ベルト21の走行速度が変更されることがなく、出力される画像にズレを生じることを防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 像担持体上に熱溶融性の現像剤による可視像を形成する像形成手段と、互いに離間した第1および第2ローラ、および上記第1および第2ローラに巻回されて無端走行可能に張設された搬送ベルトを有し、上記第1および第2ローラの少なくとも一方を回転することにより、上記搬送ベルトを所定方向に走行させ、この走行する搬送ベルト上に保持した被転写媒体を上記像形成手段にて形成された可視像へ搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記像形成手段にて形成された可視像を転写する転写手段と、上記搬送手段による被転写媒体の搬送方向下流側に配置された第1ローラに近接して配置され、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を加熱して溶融し、この可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記第1ローラは、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 上記金属材料は、1×10-6[1/K]乃至3×10-6[1/K]の熱膨張係数を有するノビナイトにより形成され、その露出した表面にメッキが施されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】 互いに離間して並設され略同じ方向に延びた回転軸を有する複数の感光体ドラムと、上記複数の感光体ドラム同士の距離を規定するように上記複数の感光体ドラムの回転軸をその両端でそれぞれ支持した一対の支持部材と、上記各感光体ドラムの表面上に、色分解された画像信号に基づく各色毎の熱溶融性の現像剤による可視像をそれぞれ形成する像形成手段と、上記像形成手段にて形成された各色毎の可視像を通して被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記像形成手段にて形成された可視像を順次重ね合わせて転写する転写手段と、上記搬送手段による被転写媒体の搬送方向下流側に近接して配置され、上記転写手段にて被転写媒体に重ね合せて転写された各色の可視像を加熱して溶融し、溶融した可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記一対の支持部材は、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 上記金属材料は、1×10-6[1/K]乃至3×10-6[1/K]の熱膨張係数を有するノビナイトにより形成され、その露出した表面にメッキが施されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】 第1の方向に走行される像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、高速回転するポリゴンミラーを有し、画像信号に応じた光ビームを上記第1の方向を横切る第2の方向に連続的に偏向させる偏向手段、および上記偏向手段にて偏向された光ビームを像担持体上の所定の露光位置へ導く光学系を有し、上記帯電手段にて帯電された像担持体を露光走査することにより、静電潜像を形成する露光手段と、上記露光手段にて形成された静電潜像に現像剤を供給し、像担持体に現像剤による可視像を形成する現像手段と、上記現像手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記現像手段にて現像された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記ポリゴンミラーは、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】 上記金属材料は、1×10-6[1/K]乃至3×10-6[1/K]の熱膨張係数を有するノビナイトにより形成され、その露出した表面にメッキが施されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】 像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、画像信号に応じた光ビームを連続的に偏向させる偏向手段、および上記偏向手段にて偏向された光ビームを像担持体上の所定の露光位置へ反射させる少なくとも1つの反射ミラーを有し、上記帯電手段にて帯電された像担持体を該光ビームによって露光走査することにより、静電潜像を形成する露光手段と、上記露光手段にて形成された静電潜像に熱溶融性の現像剤を供給し、像担持体に現像剤による可視像を形成する現像手段と、上記現像手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記現像手段にて現像された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を加熱して溶融し、溶融した可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記少なくとも1つの反射ミラーを保持した保持部材は、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】 上記金属材料は、1×10-6[1/K]乃至3×10-6[1/K]の熱膨張係数を有するノビナイトにより形成され、その露出した表面にメッキが施されていることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】 像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、高速回転するポリゴンミラーを有し、画像信号に応じた光ビームを連続的に偏向させる偏向手段、上記ポリゴンミラーに近接して配置され、上記偏向手段にて偏向された光ビームを通過させ、該光ビームに所定のビーム特性を与えるfΘレンズ、およびこのfΘレンズを通過した光ビームを像担持体上の所定の露光位置へ反射させる反射ミラーを有し、上記帯電手段にて帯電された像担持体を該光ビームによって露光走査することにより、静電潜像を形成する露光手段と、上記露光手段にて形成された静電潜像に現像剤を供給し、像担持体に現像剤による可視像を形成する現像手段と、上記現像手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記現像手段にて現像された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記fΘレンズを保持した保持部材は、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】 上記金属材料は、1×10-6[1/K]乃至3×10-6[1/K]の熱膨張係数を有するノビナイトにより形成され、その露出した表面にメッキが施されていることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】 像担持体上に可視像を形成する像形成手段と、第1ローラ、この第1ローラと離間して配置され、その一端に向けて先細のテーパー形状に形成された第2ローラ、上記第1および第2ローラに巻回されて無端走行可能に張設された搬送ベルト、および上記第2ローラの一端に対向した上記第1ローラの一端に近接した位置で、該第1ローラに巻回された搬送ベルトの端辺に摺接して配置された規制部材を有し、上記第1および第2ローラの少なくとも一方を回転することにより、上記搬送ベルトを所定方向に走行させ、この走行する搬送ベルトの搬送面上に保持した被転写媒体を上記像形成手段にて形成された可視像へ搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記像形成手段にて形成された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を該被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記規制部材は、上記搬送ベルトが上記第1ローラに巻回された領域で上記搬送ベルトの端辺に摺接されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】 回転駆動される第1ローラと、この第1ローラと離間して配置され、その一端に向けて先細のテーパー形状に形成された第2ローラと、上記第1および第2ローラに巻回されて無端走行可能に張設された搬送ベルトと、上記第2ローラの先細の一端に対向した上記第1ローラの一端に近接した位置で、該第1ローラに巻回された搬送ベルトの端辺に摺接して配置された規制部材と、を有し、上記規制部材は、上記搬送ベルトが上記第1ローラに巻回された領域で上記搬送ベルトの端辺に摺接されていることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項13】 色分解された画像信号に基づく各色毎の潜像を形成し、これらの潜像に各色の現像剤を供給して現像し、現像した各色の現像剤像を第1の被転写媒体上に重ね合わせて転写してカラー画像を出力する画像形成装置において、上記各色の現像剤像とともに、予め用意された各色のパターンに基づくパターン画像を形成する像形成手段と、上記像形成手段にて形成された各色のパターン画像を通して上記第1の被転写媒体とは別の第2の被転写媒体を供給する媒体供給手段と、上記媒体供給手段にて供給された第2の被転写媒体上に上記各色のパターン画像を転写する転写手段と、上記転写手段にて第2の被転写媒体上に転写されたパターン画像を検出する検出手段と、上記検出手段にてパターン画像の検出された第2の被転写媒体を収容する収容手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】 像担持体上に可視像を形成する像形成手段と、上記像形成手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体上に上記像形成手段にて形成された可視像を転写することにより画像を出力する転写手段と、上記搬送手段の被転写媒体を保持した搬送面に光を照射するとともに搬送面から反射される反射光を受光し、この受光量によって搬送面の状態を検出する検出手段と、上記検出手段によって受光した受光量から上記搬送面の寿命を判断する判断手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、像担持体上にトナー像を形成し、像担持体に転接された搬送ベルトを介して搬送される被転写媒体上にトナー像を転写することにより画像を出力する画像形成装置、およびこの画像形成装置に組込まれたベルト搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フルカラー画像を形成する画像形成装置では、並設した複数の感光体ドラムに各色のトナー像を形成し、搬送ベルトにて搬送される被転写媒体上に各色のトナー像を順次重ね合わせて転写し、転写したトナー像を溶融して定着させることにより、被転写媒体上にカラー画像を出力する。
【0003】例えば、4つの感光体ドラムにそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成し、記録用紙を搬送ベルトに静電的に吸着させて搬送し、転写ローラあるいは転写ブラシにより転写電界を形成し、トナー像を順次重ね合わせて記録用紙上に転写し、カラー画像を出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像を、その転写位置を正確に一致させて転写することは極めて困難であり、色ズレのない良質な画像を出力することは難しかった。
【0005】この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、出力される画像のズレを防止でき、良質な画像を形成できる画像形成装置を提供することにある。
【0006】また、この発明の目的は、無端走行されるベルトを所定位置で正確に走行させることのできるベルト搬送装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の画像形成装置は、像担持体上に熱溶融性の現像剤による可視像を形成する像形成手段と、互いに離間した第1および第2ローラ、および上記第1および第2ローラに巻回されて無端走行可能に張設された搬送ベルトを有し、上記第1および第2ローラの少なくとも一方を回転することにより、上記搬送ベルトを所定方向に走行させ、この走行する搬送ベルト上に保持した被転写媒体を上記像形成手段にて形成された可視像へ搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記像形成手段にて形成された可視像を転写する転写手段と、上記搬送手段による被転写媒体の搬送方向下流側に配置された第1ローラに近接して配置され、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を加熱して溶融し、この可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記第1ローラは、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする。
【0008】また、この発明のうち請求項3記載の画像形成装置は、互いに離間して並設され略同じ方向に延びた回転軸を有する複数の感光体ドラムと、上記複数の感光体ドラム同士の距離を規定するように上記複数の感光体ドラムの回転軸をその両端でそれぞれ支持した一対の支持部材と、上記各感光体ドラムの表面上に、色分解された画像信号に基づく各色毎の熱溶融性の現像剤による可視像をそれぞれ形成する像形成手段と、上記像形成手段にて形成された各色毎の可視像を通して被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記像形成手段にて形成された可視像を順次重ね合わせて転写する転写手段と、上記搬送手段による被転写媒体の搬送方向下流側に近接して配置され、上記転写手段にて被転写媒体に重ね合せて転写された各色の可視像を加熱して溶融し、溶融した可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記一対の支持部材は、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする。
【0009】また、この発明のうち請求項5記載の画像形成装置は、第1の方向に走行される像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、高速回転するポリゴンミラーを有し、画像信号に応じた光ビームを上記第1の方向を横切る第2の方向に連続的に偏向させる偏向手段、および上記偏向手段にて偏向された光ビームを像担持体上の所定の露光位置へ導く光学系を有し、上記帯電手段にて帯電された像担持体を露光走査することにより、静電潜像を形成する露光手段と、上記露光手段にて形成された静電潜像に現像剤を供給し、像担持体に現像剤による可視像を形成する現像手段と、上記現像手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記現像手段にて現像された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記ポリゴンミラーは、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする。
【0010】また、この発明のうち請求項7記載の画像形成装置は、像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、画像信号に応じた光ビームを連続的に偏向させる偏向手段、および上記偏向手段にて偏向された光ビームを像担持体上の所定の露光位置へ反射させる少なくとも1つの反射ミラーを有し、上記帯電手段にて帯電された像担持体を該光ビームによって露光走査することにより、静電潜像を形成する露光手段と、上記露光手段にて形成された静電潜像に熱溶融性の現像剤を供給し、像担持体に現像剤による可視像を形成する現像手段と、上記現像手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記現像手段にて現像された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を加熱して溶融し、溶融した可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記少なくとも1つの反射ミラーを保持した保持部材は、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする。
【0011】また、この発明のうち請求項9記載の画像形成装置は、像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、高速回転するポリゴンミラーを有し、画像信号に応じた光ビームを連続的に偏向させる偏向手段、上記ポリゴンミラーに近接して配置され、上記偏向手段にて偏向された光ビームを通過させ、該光ビームに所定のビーム特性を与えるfΘレンズ、およびこのfΘレンズを通過した光ビームを像担持体上の所定の露光位置へ反射させる反射ミラーを有し、上記帯電手段にて帯電された像担持体を該光ビームによって露光走査することにより、静電潜像を形成する露光手段と、上記露光手段にて形成された静電潜像に現像剤を供給し、像担持体に現像剤による可視像を形成する現像手段と、上記現像手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記現像手段にて現像された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記fΘレンズを保持した保持部材は、Fe、Ni、Co、C、およびSiを主成分とする金属材料により形成されていることを特徴とする。
【0012】また、この発明のうち請求項11記載の画像形成装置は、像担持体上に可視像を形成する像形成手段と、第1ローラ、この第1ローラと離間して配置され、その一端に向けて先細のテーパー形状に形成された第2ローラ、上記第1および第2ローラに巻回されて無端走行可能に張設された搬送ベルト、および上記第2ローラの一端に対向した上記第1ローラの一端に近接した位置で、該第1ローラに巻回された搬送ベルトの端辺に摺接して配置された規制部材を有し、上記第1および第2ローラの少なくとも一方を回転することにより、上記搬送ベルトを所定方向に走行させ、この走行する搬送ベルトの搬送面上に保持した被転写媒体を上記像形成手段にて形成された可視像へ搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体に上記像形成手段にて形成された可視像を転写する転写手段と、上記転写手段にて被転写媒体に転写された可視像を該被転写媒体に定着させる定着手段と、を有し、上記規制部材は、上記搬送ベルトが上記第1ローラに巻回された領域で上記搬送ベルトの端辺に摺接されていることを特徴とする。
【0013】また、この発明のうち請求項12記載のベルト搬送装置は、回転駆動される第1ローラと、この第1ローラと離間して配置され、その一端に向けて先細のテーパー形状に形成された第2ローラと、上記第1および第2ローラに巻回されて無端走行可能に張設された搬送ベルトと、上記第2ローラの先細の一端に対向した上記第1ローラの一端に近接した位置で、該第1ローラに巻回された搬送ベルトの端辺に摺接して配置された規制部材と、を有し、上記規制部材は、上記搬送ベルトが上記第1ローラに巻回された領域で上記搬送ベルトの端辺に摺接されていることを特徴とする。
【0014】また、この発明のうち請求項13記載の画像形成装置は、色分解された画像信号に基づく各色毎の潜像を形成し、これらの潜像に各色の現像剤を供給して現像し、現像した各色の現像剤像を第1の被転写媒体上に重ね合わせて転写してカラー画像を出力する画像形成装置において、上記各色の現像剤像とともに、予め用意された各色のパターンに基づくパターン画像を形成する像形成手段と、上記像形成手段にて形成された各色のパターン画像を通して上記第1の被転写媒体とは別の第2の被転写媒体を供給する媒体供給手段と、上記媒体供給手段にて供給された第2の被転写媒体上に上記各色のパターン画像を転写する転写手段と、上記転写手段にて第2の被転写媒体上に転写されたパターン画像を検出する検出手段と、上記検出手段にてパターン画像の検出された第2の被転写媒体を収容する収容手段と、を備えている。
【0015】更に、この発明のうち請求項14記載の画像形成装置は、像担持体上に可視像を形成する像形成手段と、上記像形成手段にて形成された可視像に被転写媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて搬送された被転写媒体上に上記像形成手段にて形成された可視像を転写することにより画像を出力する転写手段と、上記搬送手段の被転写媒体を保持した搬送面に光を照射するとともに搬送面から反射される反射光を受光し、この受光量によって搬送面の状態を検出する検出手段と、上記検出手段によって受光した受光量から上記搬送面の寿命を判断する判断手段と、を備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】図1には、この発明の実施の形態に係る画像形成装置として、4連タンデム方式のフルカラー複写機(以下、単に複写機と称する)の構成を概略的に示してある。この複写機は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の可視像をそれぞれ対応した感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面上に形成するための電子写真方式の4組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bkを備えている。これらの画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、略水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。
【0018】各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkの下方には、各画像形成部を通して被転写媒体としての記録紙Pを搬送するための搬送機構20が延設されている。搬送機構20は、互いに離間して配置された駆動ローラ22および従動ローラ24、および各ローラ22、24に巻回されて張設され所定方向に無端走行される搬送ベルト21を有している。従動ローラ24は、後述するバネにより駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者の間に巻回された搬送ベルト21には所定のテンションが与えられている。そして、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkが搬送ベルト21の搬送面上にそれぞれ転接されて配置されている。
【0019】尚、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの回転軸、および駆動ローラ22の回転軸は、複写機のフロント側(紙面手前側)からリア側(紙面奥側)に向けて同一方向に互いに略平行に延び、各回転軸のフロント側およびリア側の端部には各回転軸を回動自在に支持した一対の金属製の支持板(図示せず)がそれぞれ設けられている。つまり、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk、および駆動ローラ22は、一対の支持板によって所定位置に位置決めされており、各感光体ドラム間の距離も支持板によって所定の距離に規定されている。
【0020】また、搬送機構20の図中右側端部には、搬送ベルト21を介して従動ローラ24の上方に転接した吸着ローラ25が設けられている。吸着ローラ25には、吸着バイアス電源(図示せず)が接続され、接地された従動ローラ24との間に所定の吸着バイアス電圧が与えられるようになっている。
【0021】更に、搬送機構20の図中左側端部には、搬送ベルト21を介して駆動ローラ22に転接されたベルトクリーナ27が設けられている。ベルトクリーナ27は、搬送ベルト21上に不所望に残留した残留トナーおよび後述するパターン画像を掻き落とすことにより搬送ベルト21の搬送面を清掃する。
【0022】ここで、上述した各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkの構成について説明する。尚、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは略同一の構成を有するため、ここでは記録紙Pの搬送方向最上流側に配設されたイエロー用の画像形成部10Yについて代表して説明する。
【0023】すなわち、イエロー用の画像形成部10Yはその略中央位置に搬送ベルト21に転接された像担持体としての感光体ドラム1Yを備えている。この感光体ドラム1Yの周囲には、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電装置2Y、帯電されたドラム表面を色分解された画像信号に基づいて露光し、ドラム表面上に静電潜像を形成する露光装置3Y(後述する)、ドラム表面上に形成された静電潜像にイエロートナー(現像剤)を供給して現像する現像装置4Y、現像したトナー像(現像剤像)を後述する給紙機構を介して給紙される記録紙P上に転写する転写ローラ5Y、転写されずに感光体ドラム1Yの表面に残留した残留トナーを除去するクリーナ6Y、および感光体ドラム1Yの表面に残留した電荷を除去する除電ランプ7Yが順に配設されている。また、感光体ドラム1Yは、図示しないドラム駆動モータにより所定の周速度で回転駆動されるようになっている。
【0024】図2には、上述したイエロー用の露光装置3Yの概略構成を代表して示してある。露光装置3Yは、図示しない外部機器などから送られてくる画像データに従って、図示しない印字制御部から送られる印字信号に応じたレーザービーム31を射出する半導体レーザー発振器32を有している。レーザー発振器32から射出されたレーザービーム31は、ビーム整形光学系としてのシリンドリカルレンズ33を通過されて整形され、図示しない高速回転モータによって高速回転(約20000〜25000[rpm])されるポリゴンミラー34によって偏向される。
【0025】ポリゴンミラー34によって偏向されたレーザービーム31は、fΘレンズ35を通過して反射ミラー36によって反射され、感光体ドラム1Yの表面上の所定の露光位置に照射される。反射ミラー36は、感光体ドラム1Yに向う光路上に複数設けられているが、ここでは図示簡略化のため、1つの反射ミラー36を代表して示してある。
【0026】このとき、ポリゴンミラー34の回転によってレーザービーム31が感光体ドラム1Yの回転軸に沿った主走査方向に走査され、感光体ドラム1Y自体の回転によりレーザービーム31が主走査方向と直交する副走査方向に走査される。このようなポリゴンミラー34の高速回転および感光体ドラム1Y自体の回転により、ドラム表面全体が印字信号に基づいて露光走査され、ドラム表面上にイエロー用の静電潜像が形成される。
【0027】また、ポリゴンミラー34によって偏向されたレーザービーム31の一部がビーム検出器としてのフォトダイオード37で検出され、この検出結果に基づいて、各画像形成部におけるレーザービームの主走査方向の書出しタイミングの同期がとられるようになっている。
【0028】尚、fΘレンズ35は金属製のレンズ保持部材35aによって所定の角度で所定位置に保持され、fΘレンズ35の下流側に設けられた反射ミラー36は金属製のミラー保持部材36aによって所定の角度で所定位置に保持されている。また、反射ミラー36は、比較的感光体ドラム1Yに近接した位置に配置され、fΘレンズ35は、その位置決め精度を高めるため、ポリゴンミラーとともに1つの密閉されたユニット内に組込まれて配置されている。
【0029】以下、イエロー用の画像形成部10Yにおける動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電装置2Yによって感光体ドラム1Yの表面が所定の電位に帯電される。感光体ドラム1Yの表面は、有機系光導電体によって形成されている。この光導電体は、通常は高抵抗であるが、光が照射されると、光照射部の比抵抗が変化する性質を持っている。
【0030】そして、帯電した感光体ドラム1Yの表面に、図示しない印字制御部から送られてくるイエロー用の印字信号に従って、露光装置3Yを介してレーザービームを照射する。レーザービームは、感光体ドラム1Yの表面に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体ドラム1Yの表面上に形成される。
【0031】静電潜像とは、帯電によって感光体ドラム1Yの表面に形成される像であり、露光装置3Yからの光照射によって、光導電体の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体ドラム1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、露光装置3Yからの光照射がなされなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
【0032】このようにして帯電された感光体ドラム1Y上の露光位置に、露光装置3Yを介して出力されるレーザービームが結像されて形成された静電潜像は、感光体ドラム1Yの回転に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体ドラム1Y上の静電潜像は、現像装置4Yによって供給されるイエロートナーによって可視像としてトナー像化される。
【0033】現像装置4Yは、図示しない現像器駆動モータにより所定の周速度で回転駆動される現像スリーブ40Yを有している。現像スリーブ40Yは、感光体ドラム1Yに転接された状態で配置されている。
【0034】現像装置4Y内には、イエロー染料を含み樹脂にて形成されるイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体ドラム1Y上に帯電した帯電荷と同極性の電荷を有している。感光体ドラム1Yの表面が現像装置4Yの現像スリーブ40Yを通過していくことにより、感光体ドラム1Y表面上の除電された潜像部にのみイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体ドラム1Yは、引続き所定の周速度で回転され、ドラム表面上のトナー像が所定の転写位置へ回転される。
【0035】一方、記録紙Pを搬送ベルト21上に給紙するための給紙機構40は、複数枚の記録紙Pを集積した給紙カセット41を搬送機構20の下方に隣接した位置に有している。給紙カセット41内に収容された記録紙Pは、給紙カセット41の一端に隣接して配設されたピックアップローラ42によって取出され、フィードローラ43によって給紙搬送路44へフィードされる。給紙搬送路44を搬送された記録紙Pは、給紙搬送路44の終端、即ち搬送機構20の上流側の搬送路上に設けられたレジストローラ45によって一旦整位された後、搬送機構20の従動ローラ24と吸着ローラ25との間を通して搬送され、搬送ベルト21に沿った上述した転写位置へ給紙される。
【0036】上述した給紙機構40を介して給紙された記録紙Pは、搬送ベルト21の走行とともにイエロー画像形成部10Yの上述した転写位置へ搬送される。このとき、吸着ローラ25に所定の吸着バイアス電圧が印加され、吸着ローラ25と従動ローラ24との間に所定の電界が形成される。この電界により、記録紙Pが搬送ベルト21に吸着され、搬送ベルト21の走行に従って吸着された記録紙Pが各画像形成部に対応した複数の転写位置を通して搬送される。
【0037】このように、感光体ドラム1Y上のイエロートナー像が転写位置へ回転されるとともに記録紙Pが転写位置へ搬送されると、転写ローラ5Yに対してトナーの極性と逆極性の転写バイアス電圧が印加され、イエロートナーに対して転写ローラ5Yに向う電界が作用され、記録紙P上にトナー像が転写される。
【0038】また、マゼンタ画像形成部10M以降の転写ローラ5M、5C、5Bkによる転写バイアスは、後段に行くにつれて高くなるように設定されている。これは、各画像形成部の転写位置を記録紙Pが通過する際に、記録紙P上のトナーが感光体ドラムとの間の放電によりチャージを受け、このチャージが記録紙P上のトナーに蓄積することにより、転写電界を徐々に弱めるためである。
【0039】以上のように、記録紙P上にトナー像が転写された後、感光体ドラム1Yは、そのまま所定の周速度にて回転駆動され、クリーナ6Yによって残留トナーや紙粉が除去される。その後、必要に応じて再び帯電装置2Yからの一連のプロセスに入る。
【0040】転写位置において記録紙Pと接した感光体ドラム1Y上のイエロートナー像は、転写ローラ5Yによって、感光体ドラム1Yから離脱して記録紙P上に転写され、この結果、イエロー印字信号に基づく印字パターンのイエロートナー像が記録紙P上に形成される。
【0041】転写ローラ5Yは、搬送ベルト21の内側に設けられ、搬送ベルト21を介して感光体ドラム1Yに転接しており、感光体ドラム1Yに静電的に付着しているイエロートナーの電位と逆極性を有する電界を搬送ベルト21の裏側から記録紙Pに供給する。この電界は、搬送ベルト21および記録紙Pを通して感光体ドラム1Y上のイエロートナー像に作用し、その結果、感光体ドラム1Yから記録紙Pへトナー像が転写される。
【0042】こうして、イエロー画像形成部10Yにてイエロートナー像の転写された記録紙Pは、搬送ベルト21により、マゼンタ画像形成部10M、シアン画像形成部10C、さらにブラック画像形成部10Bkを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて転写される。
【0043】なお、マゼンタ画像形成部10M、シアン画像形成部10C、ブラック画像形成部10Bkは、上述したイエロー画像形成部10Yと略同様に構成されており、同一の部分にはイエロー(Y)の代りに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)を付した同一参照符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0044】イエロー転写位置、マゼンダ転写位置、シアン転写位置、ブラック転写位置を順次通過して、全ての色のトナー像が転写された記録紙Pは、搬送機構20の駆動ローラ22に近接して搬送機構20より下流側に配設された定着装置50へ送り込まれる。
【0045】定着装置50は、搬送機構20によって搬送される記録紙Pを上下で挟持する位置関係で、互いに所定の圧力で押圧された一対のヒートローラ51、52を有している。各ヒートローラ51、52内部には、各ヒートローラ51、52の表面温度を所定の温度に昇温するための図示しないヒータが配設されている。
【0046】しかして、定着装置50のヒートローラ51、52間に記録紙Pを通紙して、電荷力によって記録紙P上に載っているだけのトナー像を加熱圧縮することにより、色重ねしたトナー像を溶融して、記録紙Pへ永久定着する。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、一対のヒートローラ51、52の下流側に設けられた排出ローラ54を介して排出トレイ56へ向けて搬出され、これにより、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0047】上述したように、記録紙P上に熱溶融性トナーによる各色の像を重ねて転写し、このトナー像を転写した記録紙Pを定着装置へ供給し、定着装置にてトナー像を加熱溶融して記録紙P上に定着させることにより画像を出力するカラー複写機では、特に、モノクロ画像を出力する場合の定着温度より高い定着温度が必要とされる。つまり、モノクロ画像を出力するときには約130℃のヒートローラの表面温度が必要であるのに対し、複数の色のトナーを重ねたトナー像を溶融してカラー画像を出力するときに必要とされるヒートローラの表面温度は160℃程度とされ、モノクロ時より高い表面温度が要求される。
【0048】従って、本実施の形態のようなカラー複写機では、定着装置50の熱の影響によって、定着装置50の周辺に配置された金属製の部材が熱膨張され、画像ズレを生じるといった不具合を生じることが考えられる。
【0049】例えば、定着装置50に近接して配置された搬送機構20の駆動ローラ22と定着装置50との間の距離は、本実施の形態では約50mmに設定されている。また、定着装置50の周りの密閉空間の雰囲気温度は、電源投入からおよそ6時間経過した時点で60℃程度となる。このため、例えば、定着装置50に近接して配置された駆動ローラ22の表面温度は雰囲気温度と同じ60℃程度まで昇温され、特に、定着装置50との間に何の遮蔽物もない場合には72℃程度まで昇温されてしまう。
【0050】ここで、駆動ローラ22の材質を熱膨張係数17.3×10-6[1/K]のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)とし、25℃(常温)でのローラ径をΦ30mmとした場合を考えると、ローラの周速を100mm/secにするためには、ローラの角速度を20/3[rad/sec]に設定すれば良い。ところが、上述したように、駆動ローラ22の表面温度が例えば常温から60℃まで昇温されてしまうと、ローラ径が、Φ30mm×17.3×10-6[1/K]×(60℃−25℃)=0.02mm膨張してしまう。このようにローラ径が膨張した状態で、ローラ径が膨張する前の角速度で駆動ローラ22を回転すると、ローラの周速vが、v=r×ω=15.01×20/3=100.067mm/secとなり、初期値より67μm/secだけ速くなる。この結果、搬送ベルト21の走行速度が速くなり、感光体ドラムの周速との間に速度差を生じ、出力される画像にズレを生じてしまう。
【0051】また、定着装置50の熱による影響は、駆動ローラ22の回転軸とともに4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの回転軸を回動自在に支持した金属製の支持板(図示せず)の熱膨張としても現れる。
【0052】例えば、常温(25℃)で、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの軸間距離が80mmになるように、熱膨張係数が11.6×10-6[1/K]の冷間圧延鋼板(SPCC)からなる支持板によって各感光体ドラムの回転軸を支持した場合を考えると、上述した駆動ローラ22と同じ60℃まで支持板が昇温されてしまうと、各感光体ドラムの軸間距離は、80[mm]×11.6×10-6[1/K]×(60−25)=0.033mmだけ膨張される。このため、4つの感光体ドラムのトータルとして、0.033mm×3=0.099mm、即ち99μmのズレを生じる。これにより、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkにおけるトナー像の転写位置にズレを生じ、画像の色ズレを生じてしまう。
【0053】更に、定着装置50の熱による影響は、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkに近接して配置された反射ミラー36を保持した上述したミラー保持部材36aの熱膨張や角度ズレとして現れる。
【0054】ミラー保持部材36aが熱膨張によって変形したり傾いたりすると、反射ミラー36の取付け角度が変化され、感光体ドラムの表面上に照射されるレーザービームの照射位置、即ち露光位置にズレを生じる。このように、露光位置にズレを生じると、露光位置から転写位置までの距離が変化され、出力される画像に色ズレを生じてしまう。特に、反射ミラー36に不所望な傾きΘを生じた場合、反射ミラー36で反射されるレーザービームの偏向角度は2Θズレるため、反射ミラーに僅かな傾きを生じてもレーザービームの偏向特性に大きな影響を及ぼしてしまう。
【0055】また、円筒形の感光体ドラムの表面上に露光位置があるため、上述したようにレーザービームによる露光位置にズレを生じると、ビームスポットの形状が不所望に変化されてしまう場合がある。更に、ミラー保持部材36aの熱膨張によって反射ミラー36の取付け位置が変化され、レーザービームの光路長が設計値からズレると、露光位置でのビームスポット径が所定の値に収束しないといった問題が生じる。
【0056】ところで、上述した定着装置50の熱による影響の他に、上述したようなカラー複写機では、高速に回転するポリゴンミラー34と空気との間の摩擦熱による影響が考えられる。
【0057】つまり、ポリゴンミラー34は、上述したように約20000〜25000[RPM]の高速で回転されていることから、空気との摩擦によって100℃近くまで昇温される。このように、ポリゴンミラー34が加熱されると、ポリゴンミラー34とともに1つのユニットに組込まれたfΘレンズ35を保持した金属製のレンズ保持部材35aも同様に加熱される。
【0058】ポリゴンミラー34が加熱されると、ポリゴンミラー34によって走査されるレーザービームの走査角度が不所望に変化され、ドラム表面上の露光位置にズレを生じてしまう。これにより、転写タイミングにズレを生じ、出力される画像に色ズレを生じてしまう。
【0059】また、fΘレンズ35を保持したレンズ保持部材35aが加熱されると、fΘレンズ35の固定位置が変化され、ドラム表面上に収束されるレーザービームのスポット径が設計値にならず、必要な解像度が得られないといった不具合を生じてしまう。
【0060】以上のように、不所望な熱を発生する定着装置50やポリゴンミラー34の周辺に配設された金属製部材は、一般に、熱膨張係数11〜12×10-6[1/K]の冷間圧延鋼板(SPCC)、熱膨張係数17〜18×10-6[1/K]のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)、熱膨張係数19〜23×10-6[1/K]のアルミ合金などによって形成されている。しかしながら、このような金属を、発熱部材に近接した熱膨張を生じ易い位置に配置すると、上述したような種々の不具合を生じてしまう。
【0061】このため、本実施の形態では、以下に説明するような熱膨張係数の比較的小さい低熱膨張合金を、上述した各部材に用いた。
【0062】低熱膨張合金として、著名なものに合金インバーがある。この合金インバーは、1896年フランスのギョームによって発見された合金であり、標準尺・センサー・バイメタル・精密測定等に古くから使用されている。この合金は、34〜36%のNiを含むNi−Feの二元合金であるが、切削性が悪いといった性質を持っている。このインバーの場合、1〜2×10-6[1/K]という比較的低い熱膨張係数を有している。FeにNiを加えていった場合、熱膨張係数が低下していき、34〜36%のNiを加えたときに最低の熱膨張係数を示し、これ以上Niを加えると、熱膨張係数が上昇するといった特徴を持っている。
【0063】また、上記インバーにCoを加えて切削性を改良したスーパーインバーも我が国の増本博士によって発見されたが、コスト的な問題で広く実用には至らなかった。
【0064】更に、インバーの組成を基にして、オーステナイト鋳鉄として、1927年アメリカINCO社からニレジスト鋳鉄(ミノーバー鋳鉄)が開発された。これは、Fe−Ni−C−Si合金であり、耐食性・耐摩耗性・耐低温脆性・耐熱性など種々の優れた性質を有する材料であるため、各国で規格化され化学工業・食品工業などの多方面で広く利用されている。しかし、このニレジストの場合、そのグレードによって熱膨張係数が変わり、5〜19×10-6[1/K]という、インバーと比較して高めの熱膨張計数となっている。
【0065】上記スーパーインバーとニレジスト鋳鉄の優れた点を兼ね備えた鋳鉄として、Fe−Ni−Co−C−Si合金が開発されている。この鋳鉄は、1〜3×10-6[1/K]という熱膨張係数を持ち、切削性にも優れている。尚、この鋳鉄は、ノビナイトという商品名で商品化されており、この組成の鋳鉄は昭和62年、開発者の榎本新一氏が特許を取得している。
【0066】本実施の形態では、このノビナイトを、上述した熱膨張を生じる可能性の高い位置に配置された金属部材に使用した。つまり、搬送機構20の駆動ローラ22、感光体ドラムの回転軸を支持した支持板、レーザービームを偏向させるポリゴンミラー34、反射ミラー36を保持したミラー保持部材36a、およびfΘレンズ35を保持したレンズ保持部材35aに上記ノビナイトを用いた。以下、ノビナイトを各部材に用いたときの特性について考察する。
【0067】搬送機構20の駆動ローラ22を熱膨張係数3×10-6[1/K]のノビナイトで形成すると、例えば、常温(25℃)でΦ30mmであったローラ径が、60℃では、Φ30mm×3×10-6[1/K]×(60℃−25℃)=0.003mmだけ膨張される。このようにローラ径が膨張した状態で常温時と同じ角速度20/3[rad/sec]で駆動ローラ22を回転させると、100mm/secであったローラの周速が、v=r×ω=15.0015×20/3=100.01mm/secとなる。
【0068】つまり、駆動ローラ22にノビナイトを用いると、60℃に加熱されてもローラの周速が10μm/sec速くなる程度の熱膨張が生じるだけであるため、熱膨張による色ズレも10μm程度となり、カラートナーの粒子径が9〜10μmであることを考慮すると、この程度の色ズレは誤差範囲内と判断できる。
【0069】従って、本実施の形態のように、駆動ローラ22をノビナイトで形成することにより、装置構成を変更することなく、ローラの材質を変更するだけで、熱膨張による色ズレを誤差範囲内に抑えることができ、良質な画像を出力できる。
【0070】また、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの回転軸を支持した一対の支持板を熱膨張係数3×10-6[1/K]のノビナイトで形成すると、例えば、常温(25℃)で80mmであった軸間距離が、60℃では、80mm×3×10-6[1/K]×(60℃−25℃)=0.008mmだけ長くなる。よって、4つの感光体ドラムのトータルで、支持板は0.008mm×3=0.024mmだけ長くなる。
【0071】これは、支持板を上述したような冷間圧延鋼板(SPCC)で形成した場合の99μmと比較して、約1/4の24μmであり、支持板の材料をノビナイトに変えただけで熱膨張による色ズレ量も1/4程度に抑えることができる。従って、本実施の形態のように、支持板をノビナイトで形成することにより、支持板の熱膨張による色ズレを大幅に抑制でき、良質な画像を出力できる。
【0072】更に、反射ミラー36を保持したミラー保持部材36aを、比較的熱膨張係数の大きいアルミ合金(熱膨張係数;19〜23×10-6[1/K])による厚さ15mm(常温)のブロックとした場合、定着装置50の熱により、ミラー保持部材36aが常温(25℃)から60℃まで加熱されると、その厚さが最低でも15mm×19×10-6[1/K]×(60℃−25℃)=0.01mm膨張され、反射ミラー36の反射面が0.01mm移動される。このように反射面が移動されると、反射面に入射されるレーザービームの光路長が短く(長く)されるとともに、反射面で反射されるレーザービームの光路長も同じ長さだけ短く(長く)される。つまり、反射面の移動距離の2倍の長さで光路長が変化される。
【0073】本実施の形態では、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkにおいて、それぞれ3つの反射ミラーを有していることから、例えば、各反射ミラーが互いの光路長を短くする方向に移動されたとすると、3つの反射ミラーのトータルで、0.01×2×3=0.06mmだけ光路長が短くされる。このように、レーザービームの光路長が短くなると、レーザービームの焦点位置が0.06mm手前に移動されることになり、所定のスポットを形成できない。
【0074】これに対し、各反射ミラーの保持部材を熱膨張係数3×10-6[1/K]のノビナイトで形成すると、ミラー保持部材36aが60℃に加熱されたときに、その厚さが15mm×3×10-6[1/K]×(60℃−25℃)=0.0016mmだけ膨張される。このため、3つの反射ミラーのトータルで0.0016×2×3=0.0096mmだけ光路長が短くされる。
【0075】つまり、各反射ミラー36の保持部材36aをノビナイトで形成することにより、定着装置50の熱の影響により、レーザービームの光路長が最大で約10μm短くされることが考えられるが、この程度の光路長の変化はビームスポットに影響を及ぼすほどのものではないため、出力される画像に不具合を生じることはない。
【0076】一方、上述した定着装置50の熱による部材の熱膨張の他に、ポリゴンミラー34の熱による部材の熱膨張が考えられる。
【0077】レーザービームを偏向させるポリゴンミラー34を、比較的熱膨張係数の大きいアルミ合金(熱膨張係数;19〜23×10-6[1/K])により形成し、ポリゴンミラー34の内接円の直径をΦ70mmに設定した場合、約20000[rpm]で高速回転されるポリゴンミラー34は空気との摩擦により常温(25℃)から約100℃まで加熱されることから、ポリゴンミラー34の内接円の直径は、最低でも70mm×19×10-6[1/K]×(100℃−25℃)=0.1mm膨張される。従って、ポリゴンミラー34の各反射面は、それぞれその回転軸から遠ざかる方向に0.05mmづつ移動される。
【0078】このように、ポリゴンミラー34の熱膨張により各反射面が移動されると、反射面で反射されるレーザービームの光路長が0.05×2=0.1mm短くなり、ポリゴンミラー34の走査によってドラム表面上に結像されるビームスポットの径が設計値にならなくなるといった不具合を生じる。
【0079】これに対し、ポリゴンミラー34を熱膨張係数3×10-6[1/K]のノビナイトで形成すると、ポリゴンミラー34が100℃まで加熱された場合であっても、ポリゴンミラー34の内接円の直径は70mm×3×10-6[1/K]×(100℃−25℃)=0.016mmだけ膨張される。これにより、ポリゴンミラー34の各反射面が0.008mm移動され、レーザービームの光路長が0.016mm短くされる。しかし、この程度の光路長の変化は、レーザービームのスポット径に影響を及ぼすほどのものではなく、出力される画像に不具合を生じることはない。
【0080】また、fΘレンズ35を保持したレンズ保持部材35aを、比較的熱膨張係数の大きいアルミ合金(熱膨張係数;19〜23×10-6[1/K])による厚さ25mm(常温)のブロックとした場合、ポリゴンミラー34が常温(25℃)から100℃まで加熱されたときの熱により、その厚さが最低でも25mm×19×10-6[1/K]×(100℃−25℃)=0.04mm膨張される。
【0081】fΘレンズ35は、レーザービームの露光位置でのビーム径を均一にするとともに、レーザー走査が直線となるように機能するが、上記のようにレンズ保持部材35aが熱により0.04mm膨張されると、fΘレンズ35の中心にレーザービームが入射しなくなり、fΘレンズ35が正常に機能しなくなる。
【0082】これに対し、fΘレンズ35の保持部材35aを熱膨張係数3×10-6[1/K]のノビナイトで形成すると、レンズ保持部材35aが100℃に加熱されたときに、その厚さが25mm×3×10-6[1/K]×(100℃−25℃)=0.0056mmだけ膨張される。しかし、レンズ保持部材35aのこの程度の膨張では、保持部材35aで保持されたfΘレンズ35の機能を損なうことはない。
【0083】以上のように、複写機内で熱膨張を生じる可能性のある部材、すなわち駆動ローラ22、支持板、ポリゴンミラー34、レンズ保持部材35a、およびミラー保持部材36aを低熱膨張係数を有するノビナイトにより形成することにより、部材の熱膨張を抑制でき、熱膨張による不具合、つまり出力される画像のズレを防止でき、良質な画像を形成できる。
【0084】また、上述した各部材を形成したノビナイトは錆を生じ易いため、ノビナイトの露出した表面には、硬質クロムメッキ等を施すことが望ましい。
【0085】次に、この発明のベルト搬送装置としての上述した搬送機構20について、図3および図4を用いて更に詳細に説明する。
【0086】図3に示すように、搬送機構20は、互いに所定距離離間して略平行に配置された駆動ローラ22、および従動ローラ24を有している。各ローラ間22、24には、無端状の搬送ベルト21が巻回されて張設されている。
【0087】各ローラ22、24の回転軸のフロント側、およびリア側の各端部には、それぞれ略矩形板状の一対のフレーム23f、23rが取付けられている。従動ローラ24の回転軸の端部が取付けられたフレーム23f、23rの部位には、回転軸の両端部に取付けられたコマ部材241f、241rを略水平方向に移動可能に嵌合したスライド孔231f、231rが形成されている。各コマ部材241f、241rには、バネ242f、242rが取付けられており、従動ローラ24が駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、搬送ベルト21が張設されている。
【0088】上記搬送機構20では、搬送ベルト21を所定位置で正確に走行させ、且つ搬送ベルト21が各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkに転接された搬送面を略水平に保つことが、良好な転写性を得る上で重要である。このため、搬送ベルト21を巻回した一方のローラ、例えば従動ローラ24を装置のリア側からフロント側に向うテーパー形状とし、搬送ベルト21のフロント側の端辺を所定位置に規制するブロック状の規制部材26を設けた。
【0089】従動ローラ24は、そのフロント側端部のローラ径をd、リア側端部のローラ径をDとすると、d<Dの関係が成り立つようなテーパー形状に形成されている。また、搬送ベルト21のフロント側の端辺を規制する規制部材26は、駆動ローラ22のフロント側の端部とフロント側のフレーム23fとの間でフレーム23fに固設され、搬送ベルト21の端辺に摺接することにより搬送ベルト21の走行位置を規定している。つまり、従動ローラ24のテーパー形状によって搬送ベルト21をフロント側に滑らせるとともに、搬送ベルト21のフロント側の端辺を規制部材26によって押えることにより、搬送ベルト21を蛇行させることなく所定位置で走行させている。
【0090】このように、従動ローラ24をテーパー形状とすると、駆動ローラ22と従動ローラ24の回転軸を互いに平行に配置した場合、感光体ドラムに対向した搬送面が水平とならない。このため、従動ローラ24のローラ径の小さいフロント側の軸端部を水平状態から僅かに持ち上げるようにした。このとき、回転軸のフロンと側を持ち上げる量を、(D−d)/2とすることにより、搬送ベルト21の搬送面を水平に保つことができる。
【0091】ところで、規制部材26を駆動ローラ22のフロント側の端部に接触した状態で配置すると、搬送ベルト21のフロント側の端辺が規制部材26に押し付けられたときに、搬送ベルト21のリア側の端辺で反力を生じる。そして、この反力によって、搬送ベルト21のリア側の端辺付近で搬送ベルト21に捻れを生じ、搬送ベルト21の端辺が持ち上がる現象が生じる。このように、搬送ベルト21に捻れによる持ち上がりを生じると、感光体ドラムとの間の接触状態が悪化され、転写不良を生じてしまう。
【0092】このため、本実施の形態では、駆動ローラ22のフロント側の端部に接触して配置された規制部材26の形状を工夫した。つまり、搬送ベルト21が駆動ローラ22の表面に接触(巻回)された領域のみで搬送ベルト21の端辺に規制部材26が接触するようにした。言い換えれば、搬送ベルト21が駆動ローラ22から離れた状態で接触していない部位には規制部材26が接触しないようにした。これにより、搬送ベルト21のフロント側の端辺が規制部材26に押し付けられたときに、その反力が図4に矢印で示す方向、すなわち駆動ローラ22の軸に沿った方向にのみ発生することになり、搬送ベルト21のリア側の端辺に反力が発生することなく、搬送ベルト21の捻れによる持ち上がりを防止でき、良好な転写性を得ることができる。
【0093】次に、上述したカラー複写機において、出力される画像の色ズレを補正するとともに、出力される画像の濃度を適切な画像濃度に調整するための構成、およびその動作について、図5乃至図7を用いて説明する。
【0094】一般的には、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkによって、搬送ベルト21の搬送面上に、予めプログラムされた条件に従って各色毎のパターン画像を形成し、これら各色のパターン画像のズレを検出することにより色ズレを検出し、この色ズレが解消されるように、検出結果を各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkにフィードバックする。また、画像濃度を調整する場合にも、各色のパターン画像から画像濃度を検出し、検出結果を各画像形成部にフィードバックする。
【0095】ところで、各色のパターン画像は、搬送ベルト21のリア側の端部に近接した位置で、搬送ベルト21の走行方向(副走査方向)に沿って等間隔で一列に並んで形成され、副走査方向と直交するベルトの幅方向(主走査方向)に沿って延びた第1の線分と、この第1の線分の一端から所定の角度で傾斜して延びた第2の線分と、から成る略V字形に形成されている。そして、各色のパターン画像がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で搬送ベルト21の搬送方向、即ち副走査方向に沿って等間隔で一列に並ぶとともに、このように並んだ各色のパターン画像が所定のタイミングで、給紙される記録紙Pの間の非画像形成領域に形成されるように各画像形成部が制御される(図6参照)。
【0096】また、上記のように搬送ベルト21上に形成された各色のパターン画像は、搬送ベルト21を巻回した駆動ローラ22の上方に所定距離離間して配置されたセンサ29によって検出される。センサ29は、その画像検出位置が、各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkにて正常に形成された各色のパターン画像の中央を通るように位置決めされて配置されている。
【0097】図7に示すように、センサ29は、受光用の光ファイバ29aの周りに複数の光照射用の光ファイバ29bを配設し、受光用の光ファイバ29aが搬送ベルト21に対向した先端部に集光レンズ29cを備えている。複数の光照射用の光ファイバ29bには図示しない光源が接続され、受光用の光ファイバ29aには図示しない光量検出装置が接続されている。しかして、複数の光照射用の光ファイバ29bを介して搬送ベルト21の搬送面上に光が照射され、その反射光が集光レンズ29cを介して受光用の光ファイバ29aを介して受光される。これにより、センサ29は、受光した光の光量の変化からパターン画像を認識する。
【0098】尚、上記のように搬送ベルト21上に形成されたパターン画像は、センサ29によって検出された後、ベルトクリーナ27によってクリーニングされる。
【0099】ここで、色ズレを補正する場合を例にとって説明する。上述したように、各色のパターン画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で搬送ベルト21上に形成されていることから、センサ29によって各パターン画像の色を検出する必要はなく、パターン画像のズレを検出するだけで色ズレを検出できる。従って、センサ29は、印字部分と非印字部分とを二値的に検出できれば良く、反射光量の変化を検出する上述したうような光量センサとすることができる。
【0100】センサ29によって検出される各パターン画像は、主走査方向に延びた第1の線分と傾斜した第2の線分とを有することから、1つのパターン画像に対して反射光量の変化が2回検出される。従って、この2回の反射光量の変化の間隔を既定値と比較することにより、各パターン画像の主走査方向のズレ量を検出できる。例えば、反射光量の変化の間隔が既定値より長い場合には、パターン画像が第1の線分と第2の線分との交点の方向にズレて形成されていることがわかる。
【0101】また、各パターン画像の副走査方向のズレ量は、1色につき2回以上連続して所定の間隔でパターン画像を形成し、例えば各パターン画像の第1の線分の間隔を比較することにより検出できる。
【0102】従って、これら主走査方向および副走査方向のズレ量を各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkにフィードバックすることにより、出力される画像の色ズレを補正できる。例えば、副走査方向の画像ズレを補正する場合には、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの回転速度、或いは搬送ベルト21の走行速度を調整すれば良い。
【0103】しかしながら、上記のように、搬送ベルト21上に直接印字したパターン画像の反射光量をセンサ29で検出する方法では、パターン画像の印字部分と非印字部分との反射光量の差によってパターン画像を認識することから、搬送ベルト21の劣化などの要因によって検出される光量変化のS/Nが低下されてしまうと、反射光量の差を正確に検出できなくなってしまう。このように、パターン画像を正確に検出できなくなると、色ズレの補正が正常になされなくなり、画像不良の原因となる。
【0104】搬送ベルト21の劣化の要因としては、記録紙Pの搬送時に生じる紙粉が搬送ベルト21に付着し、この紙粉をベルトクリーナ27でクリーニングするため、何万回もの記録紙Pの通紙により搬送ベルト21の表面が傷付けられることによるものが考えられる。
【0105】このため、本実施の形態では、パターン画像を印字するためのパターン印字用の紙片pを、記録紙Pが通紙される間の非画像形成領域であってパターン画像が形成されるパターン印字位置およびパターン画像を読取るパターン読取位置を通して通紙し、この紙片p上にパターン画像を印字するようにした。これにより、反射光量のS/Nが低下されることのない紙片p上にパターン画像を形成でき、パターン画像を正確に検出でき、パターン画像の検出不良による画像不良を確実に防止できる。
【0106】図5には、上記紙片pを通紙するための構成を備えたカラー複写機を概略的に示してある。尚、この複写機の基本的な構成は図1に示した複写機と同じであるため、同一の構成には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分だけ詳細に説明する。
【0107】紙片pは、幅15mm、搬送方向に沿った長さ50mmに形成され、ケース61内に複数枚集積されて収容されている。つまり、紙片pは、パターン画像を形成することのできるサイズを有していれば良い。ケース61内に収容された紙片pは、ピックアップローラ62によって最上のものから取出され、一対のフィードローラ63、およびレジストローラ45を介して搬送ベルト21上へ給紙される。尚、これら紙片pを給紙するための部材は、搬送ベルト21上に給紙された紙片pがベルト21のリア側に近接した所定のパターン印字位置およびパターン読取位置(図6参照)を通過されるように位置決めされている。
【0108】パターン読取位置を通過された紙片pは、ここでセンサ29によってパターン画像が読取られ、第2の剥離爪65によって搬送ベルト21から剥離される。つまり、駆動ローラ22に巻回された搬送ベルト21の搬送面上には、通常の画像を印字するための記録紙Pを剥離する第1の剥離爪64が駆動ローラ22の軸方向に沿って約20mmの間隔で配設されており、最もリア側の第1の剥離爪64aと1つ内側の第1の剥離爪64bとの間に一対の第2の剥離爪65が配置されている。
【0109】第1の剥離爪64は搬送ベルト21の搬送面と略同じ高さ位置に配置されており、第2の剥離爪65は第1の剥離爪64より僅かに下流側で第1の剥離爪64より下方に配置されている(図5参照)。従って、パターン読取位置を通過された紙片pは、第1の剥離爪64の間を通過され、第2の剥離爪65によって搬送ベルト21から剥離される。しかし、画像を出力するための記録紙Pは、少なくとも第1の剥離爪64の間隔より長い幅を有することから、第1の剥離爪64によって剥離され、定着装置50へと導かれるようになっている。
【0110】第2の剥離爪65によって搬送ベルト21から剥離された紙片pは、パターン画像が転写されただけの未定着の状態で、第2の剥離爪65の下方であって駆動ローラ22と定着装置50との間に配設された収納ケース66内に収納される。尚、この収納ケース66内に収納された紙片pはサービスマンによって回収される。また、紙片pがサービスマンによってケース61内に補充される。
【0111】以上のように、記録紙Pとは別に給紙される紙片p上にパターン画像を形成することにより、搬送ベルト21の搬送面上にパターン画像を直接印字することなく、常に新しい紙片p上にパターン画像を形成することができ、パターン画像のS/Nが低下されることがなく、パターン画像を正確に検出できる。これにより、画像のズレや画像濃度の調整が確実にでき、良質な画像を形成できる。
【0112】次に、搬送ベルト21の寿命の判断方法について説明する。
【0113】通常、搬送ベルト21の寿命は、記録紙Pの通紙枚数をカウントし、通紙枚数が規定枚数を超えたときに判断される。しかしながら、通紙される記録紙Pのサイズや厚さは一定していないことから、通紙枚数による寿命の判断では正確な判断ができない場合がある。
【0114】搬送ベルト21は、記録紙Pの通紙によって生じる紙粉などにより傷つけられ、記録紙Pを何万枚も通紙することにより劣化される。従って、搬送ベルト21の寿命は、このようにベルト表面に細かい傷が付けられて傷の深さが限度を超えたときに判断されるべきである。
【0115】ベルト表面の傷が深くなると、傷ついた個所のベルトの耐圧が低下され、転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより与えられる転写電圧によってリークが発生する。このリークとは、耐圧の低下したベルトの部位で転写ローラと感光体ドラムとの間で生じる放電である。
【0116】リークが生じると、放電の熱によってベルトの当該部位にピンホールが発生する。一度ピンホールが発生すると、ベルトの搬送時に毎回リークを生じ、ピンホールが徐々に大きくなる。そして、ピンホールの部位に生じるリークによって感光体ドラムの感光面が破壊され、画像抜け等の不具合の要因となる。
【0117】また、このような不所望なリークは、複写機のノイズとしての悪影響を及ぼす。リークによるノイズは、装置の制御信号のオン/オフ動作に影響を与え、装置の誤動作を生じる。このリークによるノイズは不規則であるため、ノイズが生じた場合には装置自体が機能しなくなる。
【0118】従って、本実施の形態では、搬送ベルト21の表面状態をセンサ29によりモニターし、ベルト表面の傷の度合いによりベルトの寿命を判断するようにした。
【0119】つまり、搬送ベルト21の表面に傷を生じていない初期の状態では、センサ29からベルト表面に照射される光は略全反射に近い状態で反射される。これに対して、記録紙Pの通紙によって搬送ベルト21の表面に傷が増えると、傷の部位で光が散乱されて受光量が低下される。従って、この低下した光量をモニターすることにより、搬送ベルト21の寿命を判断することにした。
【0120】図8には、搬送ベルト21の寿命を判断するためのシーケンスの流れを示してある。このシーケンスは、複写機のスタートボタンが押されたタイミングで実行される。搬送ベルト21の交換サイクルは記録紙の通紙枚数が数万枚毎であるので、複写動作中に搬送ベルトの表面状態をモニターする必要はない。
【0121】図8に示すように、スタートボタンが押されると、センサ29が信号の入力を待機する状態にされ、搬送ベルト21が駆動を開始されたか否かが判断される(ステップ1)。この判断の結果、搬送ベルト21の駆動が開始されたことが判断されると、センサ29によって受光された反射光の光量が図示しないメモリに書込まれる(ステップ2)。そして、搬送ベルト21によって搬送された記録紙Pがセンサ29の直前まで到達したか否かが判断され(ステップ3)、記録紙Pがセンサ29の位置に到達するまで反射光の光量がメモリに蓄えられる。尚、記録紙Pがセンサ29の位置に到達したか否かの判断は、搬送ベルト21の駆動ローラ22の回転制御パルスをカウントすることにより成される。
【0122】ステップ3で記録紙Pがセンサ29に到達したことが判断されると、メモリに蓄積した反射光量が平均化処理され(ステップ4)、平均化した値が予めメモリ内に設定した基準値より小さいか否かが判断される(ステップ5)。
【0123】この判断の結果、平均値が基準値より大きい場合、搬送ベルト21の交換の必要がないことが判断され、シーケンスが終了される。
【0124】一方、平均値が基準値より小さい場合、搬送ベルト21の交換の必要があることが判断され、複写機の内部に設けられた図示しない交換ランプが点灯される(ステップ6)。このランプは、サービスマンによってのみ確認され、サービスマンによる確認の後にリセットされる。
【0125】尚、メモリに設定した基準値は、サービスマンのメンテナンスの間隔より広くマージンをとってあるので、サービスマンによるメンテナンスが終了された直後にベルトの交換時期が判断された場合であっても、次回のメンテナンスまで搬送ベルト21にリークを生じることはなく、リークによる不具合を生じることはない。
【0126】従って、搬送ベルト21の表面状態を所定のタイミングでセンサ29によって検出し、搬送ベルト21の寿命を判断することにより、ベルトの寿命を正確に判断でき、ベルトにリークを生じることなくリークによる画像不良を生じることもない。
【0127】尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の画像形成装置は、上記のような構成および作用を有しているので、出力される画像のズレを防止でき、良質な画像を形成できる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成9年(1997)9月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開平11−84776
【公開日】 平成11年(1999)3月30日
【出願番号】 特願平9−249102