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【発明の名称】 トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤
【発明者】 【氏名】金子 正明

【氏名】浦木 久嗣

【要約】 【課題】フルカラー画像を形成した時に、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー及び現像剤の提供。

【解決手段】有機顔料(A)、下記一般式(1)にて示される顔料誘導体(B)、水溶性の無機塩(C)及び水溶性の溶剤(D)の少なくとも4つの成分から成る混合物を機械的に混練し、その後(C)及び(D)を水洗して除去して成る有機顔料(E)を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機顔料(A)、下記一般式(1)にて示される顔料誘導体(B)、水溶性の無機塩(C)及び水溶性の溶剤(D)の少なくとも4つの成分から成る混合物を機械的に混練し、その後(C)及び(D)を水洗して除去して成る有機顔料(E)を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子。
一般式(1) P−〔X−Y−Z−N(R1 )R 2 〕n (但し、式中のPは有機色素残基又は複素環残基、又は芳香族多環化合物残基、Xは、S、C、N、O、Hから選ばれる2〜15個の原子で構成される化学的に合理的な組合せから成る2価の結合基、Yは直接結合、−NR−(但し,RはH又は炭素数1〜18のアルキル基)、−O−から選ばれる2価の結合基、Zは炭素数1〜6のアルキレン基、R1 、R 2はそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基、又はR1 、R 2とで複素環を形成してもよく、該複素環は置換を有していてもよいものであり、nは,1〜3の整数を示す)
【請求項2】 有機顔料(A)が、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、アゾ系有機顔料から成る群より選ばれる1種であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー母粒子。
【請求項3】 水溶性の溶剤(C)に対して、水溶性の無機塩(B)を重量比で2〜20倍使用することを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー母粒子。
【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の静電荷像現像用トナー母粒子と、外添剤とを混合して成ることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【請求項5】 請求項4記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを混合して成ることを特徴とする現像剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等に於ける静電潜像を現像する時に使用される静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子を使用して形成される現像剤に関する。更に詳しくはマゼンタ、シアン、イエロー、及び黒色トナーを用いて複写等を行った時に、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子を使用して形成されたトナー並びに現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機及びプリンター等に於いてフルカラー画像への展開が急速に進みつつあり、その実用化も大きくなされている。しかし写真や印刷物等と比較すると、現在実用化されているフルカラー電子写真画像は、必ずしも満足し得る画質まで到達しているとは言い難い。また近年、コンピュータやハイビジョン等の進歩発展により、更に高精細なフルカラー画像を形成する方法が強く要望されている。この為に、フルカラー電子写真画像を更に高品質化することが強く求められている。
【0003】電子写真法は、一般に静電潜像をトナーを用いて現像する。その方法には大きく分類して、トナーをキャリアと呼ばれる媒体に少量分散させた二成分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いない一成分系現像剤を用いる方法がある。フルカラーの電子写真の場合、キャリアとトナーを混合攪拌して用いる二成分系現像剤がしばしば使用される。
【0004】フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般に3原色であるマゼンタ、シアン、イエローの3色、好ましくは墨入れ用としてブラックの4色のカラートナーを用いて全ての色の再現を行うものである。その方法は例えば、先ず原稿からの光をアナログ又はデジタル的に色分解し、感光体の光導電層に導き、1色目の静電潜像を形成する。続いて現像、転写工程を経てトナーは紙の様な被記録体上に保持される。更に2色目以降についても前述の工程を順次複数回行い、同一被記録体上に複数色のトナーが重ね合わせられ、一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0005】フルカラー複写機やフルカラープリンター等を使用して、オーバー・ヘッド・プロジェクター(以下、OHPと省略する。)用シートの様な透明基材上にフルカラー画像を形成することも増加してきた今日、フルカラーの画像形成に供されるトナーには、従来の最も一般的な黒色のトナーの場合と同様に、種々の特性、例えば安定した帯電性や良好な流動性が求められる他に、透明性、鮮明性、色再現性等がさらに要求される。即ち、フルカラー画像は、上記したように被記録体上に複数色のトナーが重ね合わせられることによって得られる為に、個々のトナーの光透過性が不足すると、色再現性が悪化し、鮮明な画像を得ることが困難となる。特にOHP用シートの様な透明基材上にフルカラー画像を形成した時にこの現象は著しく、良好な透明画像が得難い。
【0006】その対策として顔料の分散の程度を上げる、即ちトナー中の顔料粒径をより小さくすることが考えられる。一般に顔料の粒子径を小さくして分散度を上げていくと顔料分散体の透明性が向上する。しかし、サンドミル、3本ロールミル、ボールミル、エクストルーダー等の通常の分散機は、主に顔料の二次粒子(一次粒子が弱く凝集している)を壊して一次粒子にするだけであり、これら通常の分散機では顔料をより微細化することは困難である。高速のサンドミル等を用いることによって、顔料の種類によってはさらに顔料を微細化することも可能ではあるが、非常に多大なエネルギーを必要とする。
【0007】一次粒子を細かくする手段として、顔料を濃硫酸、ポリリン酸等の強酸に溶解したものを冷水に投入して、顔料を微細粒子として析出させる方法が知られている。この方法では顔料の強酸に対する溶解性や安定性の点で、用い得る顔料が著しく限定される。又、この方法で微細化した顔料は乾燥すると強い二次凝集を起こす為に、乾燥したものを一次粒子まで再分散することは非常に困難である。
【0008】顔料を微細化する他の方法として、顔料と固形樹脂を加熱しながら2本ロールやバンバリーミキサー等で強力に練り込む方法も知られている。しかし、顔料は一般に高温下では結晶成長するので、かかる方法では機械的な破砕と結晶成長とが平衡状態になった時に終点となり、顔料の微細化には限界がある。
【0009】更に顔料の一次粒子を細かくする方法として、顔料と食塩等の水溶性無機塩の混合物を少量の水溶性の溶剤で湿潤したものを、ニーダー等で強く練り込んだ後、無機塩と溶剤を水洗除去、乾燥して一次粒子の細かい顔料を得る方法があるが、この方法でも乾燥の際に顔料が強い二次凝集を起こし易く、顔料粒径が大きくなってしまう問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従来の方法の問題点を解決し、フルカラーの複写機やプリンター等を使用してフルカラー画像を形成した時に、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子を用いて成る現像剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機顔料(A)、下記一般式(1)にて示される顔料誘導体(B)、水溶性の無機塩(C)及び水溶性の溶剤(D)の少なくとも4つの成分から成る混合物を機械的に混練し、その後(C)及び(D)を水洗して除去して成る有機顔料(E)を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子である。
一般式(1) P−〔X−Y−Z−N(R1 )R 2 〕n (但し、式中のPは有機色素残基又は複素環残基、又は芳香族多環化合物残基、Xは、S、C、N、O、Hから選ばれる2〜15個の原子で構成される化学的に合理的な組合せから成る2価の結合基、Yは直接結合、−NR−(但し,RはH又は炭素数1〜18のアルキル基)、−O−から選ばれる2価の結合基、Zは炭素数1〜6のアルキレン基、R1 、R 2はそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基、又はR1 、R 2とで複素環を形成してもよく、該複素環は置換を有していてもよいものであり、nは,1〜3の整数を示す)
【0012】第2の発明は、有機顔料(A)が、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、アゾ系有機顔料から成る群より選ばれる1種であることを特徴とする第1の発明記載の静電荷像現像用トナー母粒子である。
【0013】第3の発明は、水溶性の溶剤(C)に対して、水溶性の無機塩(B)を重量比で2〜20倍使用することを特徴とする第1又は第2の発明記載の静電荷像現像用トナー母粒子である。
【0014】第4の発明は、第1ないし第3の発明いずれか記載の静電荷像現像用トナー母粒子と、外添剤とを混合して成ることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0015】第5の発明は、第4の発明記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを混合して成ることを特徴とする現像剤である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明では、無機塩を破砕助剤とし、有機顔料の一次粒子を機械的に細かくする、いわゆるソルトミリング時に一般式(1)で示される顔料誘導体(B)を用いることが重要である。本発明は、有機顔料(A)と顔料誘導体(B)及び水溶性の無機塩(C)の混合物に湿潤剤として少量の水溶性の溶剤(D)を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、水中に投入し水溶性の無機塩(C)、水溶性の溶剤(D)を溶解させスラリー状とし、次にこのスラリーの濾過、水洗を繰り返して無機塩(C)と溶剤(D)を除去することによって、微細化された有機顔料を得ることができるようになり、かかる処理顔料(E)をトナー母粒子の着色剤として用いることによって、従来法より透明で且つ鮮明性に優れた画像を得ることができるようになったものである。
【0017】本発明では有機顔料(A)として、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系、ジアンスラキノニルレッド等が用いられる。
【0018】この様な顔料としては,下記の顔料が例示出来る。カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示す。C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166、168、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:4,15:6,22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示出来る。
【0019】本発明のトナー母粒子のうち、黒色のトナー母粒子の場合は、イエロー、シアン、レッドの3色の処理顔料を得、これら3色の処理顔料を着色剤として用いればよい。尚、本発明のトナー母粒子のうち、黒色のトナー母粒子の場合は、着色剤としてカーボンブラックの使用を妨げるものではない。
【0020】本発明にて用いる顔料誘導体(B)は、有機色素の誘導体であり、一般式(1)に於けるP、即ち有機色素残基又は複素環残基に,置換基を付加し、有機顔料(A)の分散に有効な誘導体としたものである。
【0021】一般式(1)に於けるP、即ち有機色素残基又は複素環残基としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾール系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、トリフェニルメタン系、金属錯塩系等が挙げることが出来る。
【0022】なお、有機顔料(A)と顔料誘導体(B)に於けるP、即ち有機色素残基又は複素環残基とは、通常色相の関係から同一の系のものが組み合わされ、特に青色顔料に対してはフタロシアニン系残基、赤色顔料に対してはキナクリドン系残基、黄色顔料に対してはベンズイミダゾール系残基のものを組み合わせることが好ましいが、必ずしも一致している必要はない。
【0023】此れ等の有機色素残基又は複素環残基Pに付加される置換基としては、−〔X−Y−Z−N(R1 )R 2n であり、Xは、S、C、N、O、Hから選ばれる2〜15個の原子で構成される化学的に合理的な組合せからなる2価の結合基であり、例えば、−SO2 −、−CO−、−CH2 −、−CH2 S−、−CH2O−、−O−、−COO−、−NH−、−CH2 NHCOCH−又は,此れ等の組合せであり、好ましくは、−SO2 −、−CO−、−CH2 −等がある。Yは直接結合又は、−N(R)−(但し,RはH又は炭素数1〜18のアルキル基)、又は−O−であり、Zは炭素数1〜6のアルキレン基,又はR1 、R 2とで複素環を形成していても良く、該複素環の炭素以外の構成元素としてはN、O、Sが挙げられ、該複素環は置換基を有していてもよいものである。nは,1〜3の整数を表す。
【0024】此れ等の有機色素残基又は複素環残基Pに付加される置換基の数(n)は1〜3であり、具体的には下記の様な置換基が例示出来る。
【0025】
【化1】

【0026】此れ等の顔料誘導体(B)は、ソルトミリング時の湿潤剤として用いる水溶性溶剤に一部可溶であることが望ましい。又、可溶性でない時には、顔料誘導体に希薄な酸を加え、中和処理等を行い可溶性にしても良い。この様な酸としては、酢酸、塩酸、硫酸等が使用出来る。又、室温で液状の顔料誘導体を用いてソルトミリングを行うことも出来る。又、二種類以上の誘導体を併用してソルトミリングをすることも出来る。又、その際に一部液状の誘導体を用いてもよい。
【0027】好ましい処理顔料(E)の粒子径としては、レーザー散乱法による測定に於いて平均粒径が1.0μ以下、更に好ましくは、0.2μ以下である。この様な粒径であると,鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷現像用トナーが形成出来た。
【0028】本発明で用いられる水溶性の無機塩(C)としては、食塩、塩化カリウム等がが挙げられる。
【0029】本発明に用いられる水溶性の溶剤(D)は、水溶性であれば特に限定されないが、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になる為に、安全性の点から高沸点の溶剤が好ましい。例として、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が用いられる。
【0030】上記化合物の他に,ソルトミリング時に分散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良く,また2種以上の顔料を混合して処理しても良い。
【0031】本発明のトナー母粒子は、常法に従い、得ることができる。即ち、上記処理顔料(E)を濾過して、乾燥粉砕し、かかる乾燥処理顔料(E)にバインダー樹脂、必要に応じてその他荷電制御剤や添加剤等を加えて、ヘンシェルミキサー等で予備混合を行い、その後エクストルーダー等を用いて溶融混練を行う。次いで冷却後ハンマーミル等で粗粉砕し、ジェットミル等で微粉砕すし、風力分級機等で分級し、平均粒径5〜20μm程度の所定の粒度分布を有する分級品を得ればよい。
【0032】本発明のトナー母粒子のバインダー樹脂としては、従来公知のものが広く使用可能であるが、画像の透明性を考慮すると無色透明の樹脂がより好適である。例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン等を挙げる事が出来る。何れの樹脂もその製造方法は特に制約されるものではない。
【0033】本発明のトナー母粒子は、荷電制御剤を配合することも好ましい。荷電制御剤としては、正・負帯電いずれも公知のものが全て使用出来るが、画像の色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましい。例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えばジターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体、アルミニウム錯体、又は亜鉛錯体等)の様な有機金属錯体等が好適に使用できる。
【0034】本発明のトナー母粒子には、流動性向上剤、クリーニング助剤等として、種々の粒子を外添剤として配合することも好ましい。外添剤としては公知のものが全て使用出来る。例えば0.01〜0.5μmのシリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、炭化珪素、炭化タングステン等の研磨剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩等の滑剤、その他1〜50μmのポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメタアクリレート、ポリスチレン、シリコーン等の微粉末を添加することが好適である。此れ等の混合物、更に此れ等微粉末を各種表面処理した外添剤を添加することも好適である。
【0035】本発明の現像剤は、上記トナーとキャリアとを混合してなるものであり、従来公知の方法で得ることができ、特に制約されるものではない。本発明の現像剤に用いられるキャリアとしては、既知のキャリアは全て使用可能である。一般に二成分現像剤を構成するキャリアは導電性キャリアと絶縁性キャリアに大別される。導線性キャリアとしては、通常、酸化又は未酸価の鉄粉等が用いられる。絶縁性キャリアとしては、一般に強磁性体より成るキャリアコア材粒子の表面を絶縁性樹脂により均一に被覆したキャリアが代表的である。キャリアのコア材としては、例えば、酸化鉄(マグネタイト)、還元鉄、銅、フェライト、ニッケル、コバルト等やこれらと亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子を挙げることが可能である。被覆樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂等の公知の材料のいずれのものでもよい。キャリアとしては20〜200μm程度の大きさのものが好ましい。また、一般的に現像剤中にはトナーを1〜30重量%含有することが好ましい。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。但し、これによって本発明の実施の形態が何等限定されるものではない。実施例及び比較例中、部及び%は、重量部及び重量%をそれぞれ表す。
[実施例1]
粗製銅フタロシアニン : 250部 (リオノールブルーSL、東洋インキ製造製)
塩化ナトリウム :2500部 青色顔料分散剤 : 25部 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(CH3 2 3 、Pは銅フタロシアニン残基)
ジエチレングリコール : 160部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、3時間混練した。次にこの混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした。その後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(顔料誘導体処理顔料分散体)を得た。これを乾燥粉砕して、処理顔料(E1)を得た。
【0037】
上記処理顔料(E1) 3.0部 不飽和ポリエステル樹脂 100.0部 負帯電荷電制御剤 3.0部上記各処方量をヘンシェルミキサーで予備混合を行い、二軸エクストルーダーにて溶融混練を行う。冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェットミルにて微粉砕した後、風力分級機で平均粒径10.0μmのトナー母粒子を得る。上記トナー母粒子100.0部に酸化チタン微粉末を0.4部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してシアントナーを得る。
【0038】得られたシアントナーをフェライト100部に対し6部加え、ボールミル混合機で混合して現像剤を得た。この現像剤を用い市販のフルカラー複写機(CLC350、キャノン製)により画像を得たところ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られた。又、得られたトナーを熱プレスにより溶融させ、ガラス板上に均一な薄層を作り、光学顕微鏡により顔料の分散状態を観察したところ、凝集の無い非常に良好な分散状態を呈していた。
【0039】[実施例2]実施例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、黄色顔料(リオノールイエローGR、東洋インキ製造社製)260部を用い,青色顔料分散剤の代わりに黄色顔料分散剤(P−〔CH2 NH(CH2 4 N(CH3 2 3 、Pはベンズイミダゾール残基)15部を用い、実施例1と同様にして処理して、トナー母粒子、トナー、及び現像剤を得、実施例1と同様にしてフルカラー複写機を用いて画像を形成したところ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られた。又、得られたトナーの分散状態も良好であった。
【0040】
[実施例3]
粗製銅フタロシアニン : 250部 (リオノールブルーSL、東洋インキ製造社製)
塩化ナトリウム : 900部 青色顔料分散剤 : 25部 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(CH3 )23 、Pは銅フタロシアニン残基)
ジョンクリル682 : 100部 (ジョンソンワックス製アクリル系オリゴマー)
ジエチレングリコール : 160部を実施例1記載のニーダーに仕込み、2時間混練した。これを実施例1と同様にして処理顔料(E3)を得た。次いで、飽和ポリエステル樹脂の代わりにスチレン−アクリル樹脂を使用して、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び現像剤を得、実施例1と同様にしてフルカラー複写機を用いて画像を形成したところ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られた。又、得られたトナーの分散状態も良好であった。
【0041】
〔実施例4〕
赤顔料 : 250部 (リオノ−ルレッド6B4206−P、東洋インキ製造社製)
塩化ナトリウム :2500部 赤色顔料分散剤 : 10部 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(CH3 2 3 、Pはキナクリドン残基)
ポリエチレングリコール300 : 160部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、3時間混練した。次にこの混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(顔料誘導体処理顔料分散体)を得た。これを乾燥粉砕して処理顔料(E4)を得た。次いで、不飽和ポリエステル樹脂の代わりにスチレン−アクリル樹脂を使用して、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び現像剤を得、実施例1と同様にしてフルカラー複写機を用いて画像を形成したところ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られた。又、得られたトナーの分散状態も良好であった。
【0042】〔比較例1〕実施例1で用いた処理顔料(E1)の代わりにソルベントソルトミリング処理を施さない青顔料を用いて、実施例1と同様にしてトナー母粒子、トナー及び現像剤を得、同様に市販のフルカラー複写機を用いて画像を形成したところ、画質が著しく低下した。
【0043】〔比較例2〕実施例1で用いた処理顔料(E1)の代わりにソルベントソルトミリング処理を施さない青顔料を用い、不飽和ポリエステル樹脂の代わりに(スチレン−アクリル樹脂)を用いた以外は実施例1と同一工程を経て、トナー及び現像剤を形成した。更に実施例1と同様な市販のフルカラー複写機にて画像を形成して評価したところ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られず、実施例1との差は歴然としたいた。
【0044】
【発明の効果】本発明により、トナー中の顔料粒子径が小さく、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー及び現像剤が得られた。顕微鏡によるトナー中の顔料の分散状態を観察したところ、凝集の無い良好な分散状態になっていることが確認出来た。
【出願人】 【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキ製造株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月8日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−84724
【公開日】 平成11年(1999)3月30日
【出願番号】 特願平9−242262