| 【発明の名称】 |
被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 滋
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| 【要約】 |
【課題】本発明は被記録材の損傷を抑制しつつ適切に画像形成物質を除去する被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供する。
【解決手段】再生装置1は、画像形成物質16により画像の形成された転写紙15に適量の剥離液を塗布した後、接着用ローラ2、3間に搬送して、画像形成物質16の軟化点直下の温度130℃程度に加熱しつつ所定の圧力を印加し、剥離ベルト4、5により転写紙15を密着狭持する。剥離ベルト4、5で転写紙15を狭持した状態で相互に非接触の剥離促進ローラ6a〜6dによるジグザグ搬送路を搬送して、転写紙15の面方向のズレ応力と垂直方向の剥離応力により画像形成物質16を転写紙15から剥離させ、加熱ローラ8と加熱ローラ7で転写紙15の上下面を別々に加熱して、転写紙15の剛性を向上させつつ、バイメタル的な効果により画像形成物質16を剥離ベルト4、5に転写・除去し、調整加熱ローラ13、14で転写紙15全体の水分量の差を無くした乾燥を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】被記録材上に熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生方法において、前記被記録材に前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を前記接着力を弱めるのに充分な量付与する液付与工程と、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる所定の剥離部材を前記被記録材の前記画像形成物質により前記固着画像の形成された面に密着させた状態で移動させる密着移動工程と、前記密着移動工程により移動される前記被記録材を加熱して前記被記録材の前記剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させる乾燥工程と、前記被記録材と前記剥離部材を分離させて前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する分離工程と、を備えたことを特徴とする被記録材の再生方法。 【請求項2】被記録材上に熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生装置において、前記被記録材に前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を前記接着力を弱めるのに充分な量付与する液付与手段と、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる所定の剥離部材を前記被記録材の前記画像形成物質により前記固着画像の形成された面に密着させた状態で移動させる密着移動手段と、前記密着移動手段により移動される前記被記録材を加熱して前記被記録材の前記剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させる乾燥手段と、前記被記録材と前記剥離部材を分離させて前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する分離手段と、を備えたことを特徴とする被記録材の再生装置。 【請求項3】前記液付与工程または前記液付与手段は、前記被記録材の乾燥時の重量の25%以下の量の前記剥離液を前記被記録材に付与することを特徴とする請求項1記載の被記録材の再生方法または請求項2記載の被記録材の再生装置。 【請求項4】前記乾燥工程または前記乾燥手段は、前記被記録材の水分量を前記被記録材の乾燥時の重量の12.5%以下まで減少させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の被記録材の再生方法または被記録材の再生装置。 【請求項5】前記乾燥工程または前記乾燥手段は、前記被記録材の表面側と裏面側との水分量に差を生じさせて、前記被記録材の表面側と裏面側とに膨潤率の差を生じさせることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の被記録材の再生方法または被記録材の再生装置。 【請求項6】前記乾燥工程または前記乾燥手段は、前記被記録材から前記剥離部材に前記画像形成物質を転写させる側の面の湿潤率が他方の側の面の湿潤率よりも大きくなるように前記被記録材を乾燥させることを特徴とする請求項5記載の被記録材の再生方法または被記録材の再生装置。 【請求項7】前記密着移動工程または前記密着移動手段は、複数のローラが相互に所定間隔空けてジグザグ状に配設され、当該複数のローラの間を前記剥離部材がジグザグ状に配回されて、前記剥離部材を前記被記録材と密着させた状態でジグザグ状に移動させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の被記録材の再生方法または被記録材の再生装置。 【請求項8】前記乾燥工程または前記乾燥手段は、輻射熱により前記被記録材を乾燥させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の被記録材の再生方法または被記録材の再生装置。 【請求項9】前記分離工程または前記分離手段は、前記被記録材と分離される前記剥離部材側の前記被記録材の面のみを加熱することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の被記録材の再生方法または被記録材の再生装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置に関し、詳細には、被記録材から画像形成物質を除去し、再利用可能な状態に被記録材を再生する被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置に関する。 【0002】 【従来の技術】最近のOA(Office Automation )化により、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録されるようになり、オフィスでは、この情報の記録されたプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生するが、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状である。 【0003】これらの情報の記録された用紙は、廃棄処理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化につながる。 【0004】従来、この問題を解消して、紙のリサイクルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用する処置を施していた。 【0005】この古紙を再生する処理では、大規模な古紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるをえなかった。 【0006】そこで、本出願人は、先に、記録済の像保持体に、不安定化液としての水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液から少なくとも一種類の水あるいは水溶液を保持させるとともに、剥離部材を介在させ、像形成物質を該剥離部材に加熱接着あるいは加圧接着して像保持体から剥離する像形成物質除去方法を提案している(特開平7−84396号公報参照)。 【0007】この従来の像形成物質除去方法は、像保持体に剥離液を付与した後、像保持体を剥離部材と密着させて、加熱接着あるいは加圧接着することにより、像形成物質を像保持体から剥離して剥離部材に転写除去している。 【0008】この像形成物質除去方法によれば、像保持体の紙質を比較的損傷することなく、像形成物質のみを像保持体から除去することができる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特開平7−84396号公報記載の像形成物質除去方法にあっては、像保持体に剥離液を付与した後、像保持体を剥離部材と密着させて、加熱接着あるいは加圧接着することにより、像形成物質を像保持体から剥離して剥離部材に転写除去していたため、より一層紙質を良好なものとしつつ、適切に被記録材(像保持体)から画像形成物質を除去する上で、なお、改良の余地があった。 【0010】すなわち、上記従来の方法は、剥離液を被記録材に付与した後、被記録材と剥離部材を密着させた状態で、加圧/加熱して所定搬送路を移動させているため、被記録材に接着していた画像形成物質が被記録材から剥離されて剥離部材に転写されるが、加圧されているため、剥離部材に転写された画像形成物質が再度被記録材に接着するというプロセスが加熱/加圧されて搬送される間に繰り返され、一旦被記録材から剥離されて剥離部材に転写された画像形成物質が再度被記録材に付着したまま処理が終了すると、被記録材に画像形成物質が残存して、再生性能が悪化するおそれがあった。 【0011】そこで、請求項1記載の発明は、熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像形成物質と被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を接着力を弱めるのに充分な量付与した後、所定の接着力を有する剥離部材を被記録材の固着画像の形成面に密着させた状態で移動させつつ、被記録材を加熱して被記録材の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させ、その後、被記録材と剥離部材を分離させて被記録材から画像形成物質を剥離部材に転写させて除去することにより、一旦被記録材から剥離部材に剥離・除去された画像形成物質が再度剥離部材に付着することを防止しつつ、効率的に被記録材から画像形成物質を剥離・除去するとともに、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写・除去しつつ、被記録材の剛性を向上させて、被記録材の損傷を抑制し、画像形成物質や被記録材の種類に関わらず、再生品質を向上させることのできる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。 【0012】請求項2記載の発明は、熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像形成物質と被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を接着力を弱めるのに充分な量付与した後、所定の接着力を有する剥離部材を被記録材の固着画像の形成面に密着させた状態で移動させつつ、被記録材を加熱して被記録材の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させ、その後、被記録材と剥離部材を分離させて被記録材から画像形成物質を剥離部材に転写させて除去することにより、一旦被記録材から剥離部材に剥離・除去された画像形成物質が再度剥離部材に付着することを防止しつつ、効率的に被記録材から画像形成物質を剥離・除去するとともに、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写・除去しつつ、被記録材の剛性を向上させて、被記録材の損傷を抑制し、画像形成物質や被記録材の種類に関わらず、再生品質を向上させることのできる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0013】請求項3記載の発明は、被記録材の乾燥時の重量の25%以下の量の剥離液を被記録材に付与することにより、剥離液の付与量の管理を簡単にするとともに、剥離液による画像形成物質の剥離能力を十分に発揮させ、再生品質をより一層向上させることのできる安価な被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0014】請求項4記載の発明は、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材の水分量を被記録材の乾燥時の重量の12.5%以下まで減少させることにより、画像形成物質を被記録材から剥離部材に剥離・転写させる際及び剥離部材から被記録材を分離させる際の被記録材の剛性を向上させ、紙折れや巻き込み等のトラブルの発生を防止しつつ、被記録材の損傷を抑制して、再生品質をより一層向上させることのできる被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0015】請求項5記載の発明は、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材の表面側と裏面側との水分量に差を生じさせて、被記録材の表面側と裏面側とに膨潤率の差を生じさせることにより、被記録材の表裏面に収縮量の差を発生させて、いわゆるバイメタル的な効果により画像形成物質の被記録材から剥離部材への剥離・除去効率を向上させ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることのできる被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0016】請求項6記載の発明は、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写させる側の面の湿潤率が他方の側の面の湿潤率よりも大きくなるように被記録材を乾燥させることにより、バイメタル的な効果により画像形成物質の被記録材から剥離部材への剥離・除去効率を向上させ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることのできる被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0017】請求項7記載の発明は、複数のローラを相互に所定間隔空けてジグザグ状に配設して、当該複数のローラの間を剥離部材をジグザグ状に配回し、剥離部材を被記録材と密着させた状態でジグザグ状に移動させることにより、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に圧力をかけることなくジグザグ状に移動させて、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・転写させるとともに、画像形成物質が剥離部材から被記録材に再付着するのをより一層抑制し、より一層再生品質を向上させることのできる被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0018】請求項8記載の発明は、乾燥工程または乾燥手段で、輻射熱により被記録材を乾燥させることにより、被記録材に圧力を加えることなく被記録材を乾燥して、画像形成物質が剥離部材から被記録材に再付着するのを抑制し、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることのできる被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0019】請求項9記載の発明は、分離工程または分離手段で、被記録材と分離される剥離部材側の被記録材の面のみを加熱することにより、被記録材に発生するカールを利用して被記録材と剥離部材との分離を補助して、被記録材の両面に画像形成物質で固着画像の形成されている場合にも、被記録材の両面での画像形成状態の相違による分離不良を抑制して、より一層再生品質を向上させることのできる被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することを目的としている。 【0020】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の被記録材の再生方法は、被記録材上に熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生方法において、前記被記録材に前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を前記接着力を弱めるのに充分な量付与する液付与工程と、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる所定の剥離部材を前記被記録材の前記画像形成物質により前記固着画像の形成された面に密着させた状態で移動させる密着移動工程と、前記密着移動工程により移動される前記被記録材を加熱して前記被記録材の前記剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させる乾燥工程と、前記被記録材と前記剥離部材を分離させて前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する分離工程と、を備えることにより、上記目的を達成している。 【0021】上記構成によれば、熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像形成物質と被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を接着力を弱めるのに充分な量付与した後、所定の接着力を有する剥離部材を被記録材の固着画像の形成面に密着させた状態で移動させつつ、被記録材を加熱して被記録材の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させ、その後、被記録材と剥離部材を分離させて被記録材から画像形成物質を剥離部材に転写させて除去するので、一旦被記録材から剥離部材に剥離・除去された画像形成物質が再度剥離部材に付着することを防止しつつ、効率的に被記録材から画像形成物質を剥離・除去することができるとともに、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写・除去しつつ、被記録材の剛性を向上させて、被記録材の損傷を抑制することができ、画像形成物質や被記録材の種類に関わらず、再生品質を向上させることができる。 【0022】請求項2記載の発明の被記録材の再生装置は、被記録材上に熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生装置において、前記被記録材に前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を前記接着力を弱めるのに充分な量付与する液付与手段と、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる所定の剥離部材を前記被記録材の前記画像形成物質により前記固着画像の形成された面に密着させた状態で移動させる密着移動手段と、前記密着移動手段により移動される前記被記録材を加熱して前記被記録材の前記剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させる乾燥手段と、前記被記録材と前記剥離部材を分離させて前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する分離手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。 【0023】上記構成によれば、熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像形成物質と被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を接着力を弱めるのに充分な量付与した後、所定の接着力を有する剥離部材を被記録材の固着画像の形成面に密着させた状態で移動させつつ、被記録材を加熱して被記録材の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させ、その後、被記録材と剥離部材を分離させて被記録材から画像形成物質を剥離部材に転写させて除去するので、一旦被記録材から剥離部材に剥離・除去された画像形成物質が再度剥離部材に付着することを防止しつつ、効率的に被記録材から画像形成物質を剥離・除去することができるとともに、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写・除去しつつ、被記録材の剛性を向上させて、被記録材の損傷を抑制することができ、画像形成物質や被記録材の種類に関わらず、再生品質を向上させることができる。 【0024】上記各場合において、例えば、請求項3に記載するように、前記液付与工程または前記液付与手段は、前記被記録材の乾燥時の重量の25%以下の量の前記剥離液を前記被記録材に付与するものであってもよい。 【0025】上記構成によれば、被記録材の乾燥時の重量の25%以下の量の剥離液を被記録材に付与するので、剥離液の付与量の管理を簡単にすることができるとともに、剥離液による画像形成物質の剥離能力を十分に発揮させることができ、再生品質を安価により一層向上させることができる。 【0026】また、例えば、請求項4に記載するように、前記乾燥工程または前記乾燥手段は、前記被記録材の水分量を前記被記録材の乾燥時の重量の12.5%以下まで減少させるものであってもよい。 【0027】上記構成によれば、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材の水分量を被記録材の乾燥時の重量の12.5%以下まで減少させるので、画像形成物質を被記録材から剥離部材に剥離・転写させる際及び剥離部材カラー被記録材を分離させる際の被記録材の剛性を向上させることができ、紙折れや巻き込み等のトラブルの発生を防止しつつ、被記録材の損傷を抑制して、再生品質をより一層向上させることができる。 【0028】さらに、例えば、請求項5に記載するように、前記乾燥工程または前記乾燥手段は、前記被記録材の表面側と裏面側との水分量に差を生じさせて、前記被記録材の表面側と裏面側とに膨潤率の差を生じさせるものであってもよい。 【0029】上記構成によれば、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材の表面側と裏面側との水分量に差を生じさせて、被記録材の表面側と裏面側とに膨潤率の差を生じさせるので、被記録材の表裏面に収縮量の差を発生させて、いわゆるバイメタル的な効果により画像形成物質の被記録材から剥離部材への剥離・除去効率を向上させることができ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0030】また、例えば、請求項6に記載するように、前記乾燥工程または前記乾燥手段は、前記被記録材から前記剥離部材に前記画像形成物質を転写させる側の面の湿潤率が他方の側の面の湿潤率よりも大きくなるように前記被記録材を乾燥させるものであってもよい。 【0031】上記構成によれば、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写させる側の面の湿潤率が他方の側の面の湿潤率よりも大きくなるように被記録材を乾燥させるので、バイメタル的な効果により画像形成物質の被記録材から剥離部材への剥離・除去効率を向上させことができ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0032】さらに、例えば、請求項7に記載するように、前記密着移動工程または前記密着移動手段は、複数のローラが相互に所定間隔空けてジグザグ状に配設され、当該複数のローラの間を前記剥離部材がジグザグ状に配回されて、前記剥離部材を前記被記録材と密着させた状態でジグザグ状に移動させるものであってもよい。 【0033】上記構成によれば、複数のローラを相互に所定間隔空けてジグザグ状に配設して、当該複数のローラの間を剥離部材をジグザグ状に配回し、剥離部材を被記録材と密着させた状態でジグザグ状に移動させるので、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に圧力をかけることなくジグザグ状に移動させて、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・転写させることができるとともに、画像形成物質が剥離部材から被記録材に再付着するのをより一層抑制することができ、より一層再生品質を向上させることができる。 【0034】また、例えば、請求項8に記載するように、前記乾燥工程または前記乾燥手段は、輻射熱により前記被記録材を乾燥させるものであってもよい。 【0035】上記構成によれば、乾燥工程または乾燥手段で、輻射熱により被記録材を乾燥させるので、被記録材に圧力を加えることなく被記録材を乾燥して、画像形成物質が剥離部材から被記録材に再付着するのを抑制することができ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0036】さらに、例えば、請求項9に記載するように、前記分離工程または前記分離手段は、前記被記録材と分離される前記剥離部材側の前記被記録材の面のみを加熱するものであってもよい。 【0037】上記構成によれば、分離工程または分離手段で、被記録材と分離される剥離部材側の被記録材の面のみを加熱するので、被記録材に発生するカールを利用して被記録材と剥離部材との分離を補助することができ、被記録材の両面に画像形成物質で固着画像の形成されている場合にも、被記録材の両面での画像形成状態の相違による分離不良を抑制して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0038】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。 【0039】図1〜図4は、本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の一実施の形態を適用した再生装置を示す図であり、本実施の形態は、電子写真方式の複写機等で画像形成された被記録材である転写紙等から画像形成物質を剥離・除去して、再生する再生装置に適用したものである。 【0040】図1は、本実施の形態の再生装置1の要部構成図であり、再生装置1は、本体筐体内に、一対の接着用ローラ2、3、上剥離ベルト4、下剥離ベルト5、複数の剥離促進ローラ6a〜6d、加熱ローラ7、8、搬送ローラ9、10、搬送ベルト11、一対の搬送ローラ12a、12b及び一対の調整加熱ローラ13、14等を備えている。 【0041】上剥離ベルト(剥離部材)4は、接着用ローラ2、剥離促進ローラ6b、6d、加熱ローラ7及び搬送ローラ9に配回されており、所定の張力が付与されている。下剥離ベルト(剥離部材)5は、接着用ローラ3、剥離促進ローラ6a、6c、加熱ローラ8及び搬送ローラ10に配回されており、所定の張力が付与されている。上剥離ベルト4及び下剥離ベルト5は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート及びポリエチレンテレフタレート(PET)等により形成されており、所定の接着力を有している。 【0042】接着用ローラ2と接着用ローラ3は、剥離ベルト4、5を挟んだ状態で、0.5Kg/mm2 以上の圧力で相互に当接する状態で配設されており、所定の加熱部材、例えば、加熱ヒーター2a、3aを内蔵している。 【0043】上剥離ベルト4と下剥離ベルト5は、各ローラが反時計方向に回転駆動されることにより、図1中矢印で示す方向に搬送され、接着用ローラ2と接着用ローラ3の当接部で密着されて、剥離促進ローラ6a、6cと剥離促進ローラ6b、6dの間を搬送され、加熱ローラ8部分で下剥離ベルト5が上剥離ベルト4と分離される。 【0044】接着用ローラ2と接着用ローラ3の当接部に、図1中2点鎖線で示す転写紙15が搬送され、転写紙(被記録材)15は、当該当接部で上剥離ベルト4と下剥離ベルト5の間に密着狭持される。接着用ローラ2と接着用ローラ3は、加熱ヒーター2a及び加熱ヒーター3aにより加熱されて、剥離ベルト4、5を介して転写紙15、特に、転写紙15上に付着されて画像を形成している画像形成物質16を画像形成物質16の軟化点直下の温度、例えば、130℃程度まで加熱するとともに、0.5Kg/mm2 以上の圧力で剥離ベルト4、5を加圧する。 【0045】被記録材である転写紙15は、通常の複写用紙あるいはプリンティング用紙である。なお、転写紙15としては、上記のものに限るものではなく、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層を設けた画像形成が可能なものであれば、どのようなものであってもよい。この転写紙15には、一般に、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式により画像が形成されるが、画像形成方法としては、これに限るものではなく、例えば、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法で形成されていてもよく、要は、被記録材(転写紙15)上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質16からなる画像を形成する画像形成方法であればよい。なお、本実施の形態では、転写紙15の両面に画像形成物質16により画像が形成されているが、転写紙15の片面のみに画像形成物質16により画像が形成されていてもよい。 【0046】剥離促進ローラ6a〜6dは、ジグザグ状に相互に当接することなく、所定の間隔を開けてジグザグ搬送路を形成する状態で配設されており、接着用ローラ2と接着用ローラ3により密着された上剥離ベルト4と下剥離ベルト5が密着した状態でジグザグ搬送路を搬送される。各剥離促進ローラ6a〜6dは、図示しないが、所定の加熱部材を内蔵しており、剥離ベルト4、5に挟まれた転写紙15を所定の温度、例えば、70℃以下の温度に加熱する。上記剥離促進ローラ6a〜6dと剥離ベルト4、5は、全体として所定の接着力を有し転写紙15の画像形成物質16に接触して画像形成物質16を転写させる剥離ベルト4、5を転写紙15の画像形成物質16により固着画像の形成された面に密着させた状態で移動させる密着移動手段として機能するとともに、密着移動される転写紙15を加熱して転写紙15の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させる乾燥乾燥手段としても機能する。 【0047】剥離促進ローラ6a〜6dは、相互に当接しない非接触の状態で配設されているため、剥離促進ローラ6a〜6dによるジグザグ搬送路を搬送される剥離ベルト4、5は、剥離促進ローラ6a〜6dにより加圧されることはなく、剥離ベルト4、5の張力のみによって密着された状態でジグザグ状に搬送され、剥離ベルト4と剥離ベルト5に狭持されている転写紙15上の画像形成物質16に転写紙15の面方向のズレ応力が発生するとともに、このジグザグ搬送路を搬送される間に、間欠的に剥離ベルト4、5が伸縮することにより、剥離ベルト4と剥離ベルト5との間に微小な隙間が生じ、剥離ベルト4と剥離ベルト5に狭持された転写紙15上の画像形成物質16に垂直方向の剥離応力が発生する。 【0048】加熱ローラ8は、剥離ベルト4、5の移動方向であって剥離促進ローラ6a〜6dよりも下流側に配設されており、図示しない所定の加熱部材を内蔵して、剥離ベルト5を介して転写紙15を所定の温度、例えば、100℃以上の温度に加熱する。 【0049】加熱ローラ7は、剥離ベルト4、5の移動方向であって加熱ローラ8よりも下流側に配設されており、図示しない所定の加熱部材を内蔵して、剥離ベルト4を介して転写紙15を所定の温度、例えば、100℃以上の温度に加熱する。 【0050】転写紙15は、上記剥離促進ローラ6a〜6d及び加熱ローラ7、8を搬送される間に加熱されて、転写紙15の乾燥時の重量の12.5%以下まで、その水分量が減少される。 【0051】上記加熱ローラ7及び加熱ローラ8は、上記乾燥手段として機能するとともに、転写紙15から剥離ベルト4及び剥離ベルト5を分離させて転写紙15から画像形成物質16を剥離ベルト4及び剥離ベルト5に転写させて除去する分離手段としても機能する。 【0052】搬送ベルト11は、搬送ローラ12a、12bに張り渡されており、加熱ローラ7の下方から転写紙15の搬送方向下流側に配設されている。剥離ベルト11は、搬送ローラ12a、12bにより図1中時計方向に回転移動され、剥離ベルト4から剥離された転写紙15を調整加熱ローラ13、14に搬送する。 【0053】調整加熱ローラ13、14は、図示しない加熱部材により加熱され、搬送ベルト11により搬送されてくる転写紙15を加熱して、転写紙15の表裏の水分量の差がない状態に調整乾燥する。 【0054】再生装置1は、図示しないが接着用ローラ2、3に搬送される転写紙15に所定の剥離液を付与する液付与ユニット、画像形成物質16により画像の形成された複数枚の転写紙15が載置されて当該複数枚の転写紙15を1枚ずつ分離して液付与ユニットに送り出す給紙ユニット及び調整加熱ローラ13、14により調整加熱された転写紙15が載置される紙受けユニット等が配設されている。 【0055】この液付与ユニットは、ローラ方式あるいは噴霧方式等により、所定の剥離液を所定量、例えば、転写紙15の乾燥時の重量の25%以下の量だけ、転写紙15に付与する。剥離液は、画像形成物質16の接着力を低下させるためのものであり、水分を含有している。剥離液の付与された転写紙15は、例えば、表面近傍が膨潤して、画像形成物質16と転写紙15との膨潤量の差により、両者の間にせん断力が発生して、この液付与ユニットから接着用ローラ2、3に搬送される間に、画像形成物質16と転写紙15との接着力が低下する。この剥離液としては、例えば、水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び界面活性剤と水溶性ポリマーを含む水溶液等を用いることができ、また、pH調整剤、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤及び漂白剤等の添加剤を添加することができる。剥離液中に添加できる水溶性ポリマーとしては、例えば、デンプン質、マンナン、海藻類、植物粘質物、微生物による粘質物、タンパク質の天然ポリマー、セルロース系、デンプン系の半合成ポリマー、合成ポリマー等を挙げることができる。また、界面活性剤としては、例えば、陰イオン系、陽イオン系、両性系、非イオン系の通常の界面活性剤やフッ素系界面活性剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。 【0056】また、再生装置1は、図示しないが、給紙ユニットに転写紙15があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットによる転写紙15の重送検出手段、転写紙15の再生装置1内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、接着用ローラ2、3、剥離促進ローラ6a〜6d、加熱ローラ7、8及び調整加熱ローラ13、14の温度制御手段等が設けられている。 【0057】さらに、再生装置1は、図示しないが、剥離ベルト4及び剥離ベルト5に当接するクリーニング部材、例えば、クリーニングブレードが設けられており、クリーニング部材は、剥離ベルト4及び剥離ベルト5に転写された画像形成物質16を剥離ベルト4及び剥離ベルト5から剥離・除去して、剥離ベルト4及び剥離ベルト5をクリーニングする。 【0058】次に、本実施の形態の作用を説明する。再生装置1は、転写紙15に剥離液を付与して、転写紙15上の画像形成物質16と転写紙15との接着力を弱めた状態で、剥離ベルト4、5で加圧することなく狭持して加熱するとともに、水分量を所定量だけ減少させて、転写紙15から剥離された画像形成物質16が剥離ベルト4、5に再付着するのを防止しつつ、転写紙15から画像形成物質16を剥離ベルト4、5に適切に転写・除去して、転写紙15を再生するところにその特徴がある。 【0059】すなわち、再生装置1は、電源が投入され、図示しない給紙ユニットに画像形成物質16により表裏両面に画像の形成された転写紙15が複数枚載置された後、所定のウォーミングアップが完了すると、給紙ユニットから1枚ずつ転写紙15を、順次液付与ユニットに送り出す。 【0060】液付与ユニットは、剥離液を転写紙15の乾燥時の重量の25%以下の量だけ転写紙15に塗布し、剥離液を塗布した転写紙15を接着用ローラ2と接着用ローラ3の間に搬送する。 【0061】転写紙15は、剥離液が付与されると、転写紙15の表面近傍が膨潤して、画像形成物質16と転写紙15との膨潤量の差により、両者の間にせん断力が発生し、画像形成物質16と転写紙15との接着力が低下する。剥離液の付与された転写紙15は、上記膨潤作用により、画像形成物質16と転写紙15との接着力が低下した状態で、接着用ローラ2と接着用ローラ3の間に搬送される。 【0062】転写紙15は、接着用ローラ2と接着用ローラ3の当接部分で剥離ベルト4と剥離ベルト5の間に挿入され、剥離ベルト4と剥離ベルト5により密着された状態で狭持される。接着用ローラ2と接着用ローラ3は、剥離ベルト4と剥離ベルト5により狭持された転写紙15上の画像形成物質16を画像形成物質16の軟化点直下の温度130℃程度に加熱しつつ、0.5Kg/mm2 以上の圧力を印加する。これにより、剥離ベルト4及び剥離ベルト5と転写紙15上の画像形成物質16とが接着され、この状態で転写紙15は、剥離促進ローラ6a〜6dで形成されたジグザグ搬送路に送られる。 【0063】剥離促進ローラ6a〜6dは、ジグザグ状に配設されているとともに、相互に当接することなく、所定の間隔を開けて配設されており、内蔵する加熱部材により転写紙15を70℃以下の温度に加熱する。 【0064】このとき、剥離促進ローラ6a〜6dは、相互に当接しない非接触の状態でジグザグ状に配設されているため、剥離促進ローラ6a〜6dによるジグザグ搬送路を搬送される剥離ベルト4、5は、剥離促進ローラ6a〜6dにより加圧されることはなく、剥離ベルト4、5の張力のみによって転写紙15を密着・狭持された状態でジグザグ状に搬送され、各剥離促進ローラ6a〜6dの曲率と剥離ベルト4と剥離ベルト5及び転写紙15の厚みから発生する線速度の差で、剥離ベルト4、5と画像形成物質16と転写紙15の界面で、転写紙15の面方向のズレ応力が発生するとともに、このジグザグ搬送路を搬送される間に、間欠的に剥離ベルト4、5が伸縮することにより、剥離ベルト4と剥離ベルト5との間に微小な隙間が生じて、剥離ベルト4と剥離ベルト5に狭持された転写紙15上の画像形成物質16に垂直方向の剥離応力が発生する。 【0065】転写紙15上の画像形成物質16は、上記転写紙15の面方向のズレ応力及び転写紙15に垂直方向の剥離応力により、転写紙15から剥離されて、剥離ベルト4及び剥離ベルト5に転写される。このとき、剥離促進ローラ6a〜6dが相互に当接しない非接触の状態で配設されており、剥離促進ローラ6a〜6dにより、転写紙15を狭持する剥離ベルト4と剥離ベルト5が加圧されず、ジグザグ状に配設された剥離促進ローラ6a〜6dをジグザグ状に搬送される際の剥離ベルト4と剥離ベルト5の張力のみで、転写紙15を狭持することとなり、転写紙15から剥離されて剥離ベルト4と剥離ベルト5に転写・除去された画像形成物質16が再度剥離ベルト4及び剥離ベルト5に再接着することを抑制することができ、転写紙15から画像形成物質16を適切に除去することができる。また、剥離促進ローラ6a〜6dが、70℃以下の温度に加熱されているため、画像形成物質16を適切に納化させた状態で、転写紙15の剛性を向上させることができ、転写紙15から剥離ベルト4及び剥離ベルト5に画像形成物質16を剥離・転写させる際の転写紙15の損傷を抑制することができる。 【0066】ジグザグ搬送路を搬送された転写紙15は、図2に示すように、加熱ローラ8に搬送され、加熱ローラ8で下側からのみ所定温度、例えば、100度以上の温度に加熱される。転写紙15は、加熱ローラ8によりその下側面のみが加熱されて、下側面の水分量が上側面の水分量よりも減少され、バイメタル的な効果と転写紙15の剛性の向上が図られる。したがって、効率的に転写紙15から画像形成物質16を剥離して、転写紙15の損傷を抑制しつつ、画像形成物質16を剥離ベルト5に転写・除去することができる。この加熱ローラ8部分で転写紙15は、下側の剥離ベルト5から分離されて、上側の剥離ベルト4と搬送ベルト11により加熱ローラ7に搬送される。 【0067】加熱ローラ7は、転写紙15の上側面のみ所定温度、例えば、100度以上の温度に加熱し、転写紙15は、加熱ローラ7によりその上側面のみが加熱されて、上側面の水分量が減少され、バイメタル的な効果と転写紙15の剛性の向上が図られる。したがって、効率的に転写紙15から画像形成物質16を剥離して、転写紙15の損傷を抑制しつつ、画像形成物質16を剥離ベルト4に転写・除去することができる。また、転写紙125は、剥離促進ローラ6a〜6d、加熱ローラ7及び加熱ローラ8を搬送される間に、その水分量が転写紙15の乾燥時の重量の12.5%以下にまで減少され、その剛性が向上されている。したがって、転写紙15は、剥離ベルト4、5への画像形成物質16の剥離・除去の際及び剥離ベルト4、5からの分離の際に受ける損傷が低減され、再生品質が向上される。 【0068】この加熱ローラ7部分で転写紙15は、上側の剥離ベルト5から分離されて、搬送ベルト11により調整加熱ローラ13、14に搬送される。 【0069】すなわち、転写紙15は、図3に示すように、表面と裏面を別々に加熱して剥離液の含浸量を異ならせることにより、転写紙15にカールを発生させて転写紙15上の画像形成物質16の転写紙15からの剥離をより一層効率的に行うことができる。例えば、図3(a)に示すように、転写紙15の表面15aと裏面15bに均一に剥離液が含浸されているときは、カールせずに平面性が保たれているが、図3(b)に示すように、裏面15bのみが加熱されて裏面15bの水分量が減少すると、図3(b)に矢印で示すように、転写紙15の縮みによりカールが発生して、転写紙15上の画像形成物質16の剥離が促進、すなわち、バイメタル的な効果により画像形成物質16の剥離が促進される。次に、図3(c)に示すように、転写紙15の表面15aのみが加熱されて表面15aの水分量が減少すると、同様に、図3(c)に矢印で示すように、転写紙15の縮みによりカールが発生して、転写紙15上の画像形成物質16の剥離が促進される。そして、後述するように、転写紙15の表裏両面の水分量が同量となるように、調整乾燥されると、図3(d)に示すように、カールのない良好な転写紙15を得ることができる。 【0070】そして、加熱ローラ7部分で剥離ベルト4から分離された転写紙15は、搬送ベルト11により調整加熱ローラ13、14に搬送され、調整加熱ローラ13、14により加熱されて、転写紙15全体として水分量に差が無く、乾燥状態に乾燥される。すなわち、転写紙15は、加熱ローラ7から分離される状態で、水分量が相当低減されており、調整加熱ローラ13、14で転写紙15の両面の水分量に差が生じないように、乾燥の微調整を行っている。 【0071】このように、転写紙15の剛度と転写紙15上の画像濃度(残像濃度)は、転写紙15の剥離液の含浸量に対して、図4に示すような関係にあり、転写紙15の剛度カーブは、剥離液の含浸量が多くなるほど小さくなり、転写紙15上の画像濃度は、剥離液の含浸量が多くなるほど薄くなる。 【0072】そこで、本実施の形態では、図4に示すように、まず、液付与ユニットで、剥離液を転写紙15上の画像濃度を充分に薄くするのに必要な量W0(転写紙15の乾燥時の重量の25%以下の量)の剥離液を転写紙15に付与して、転写紙15上の画像形成物質16を効率的、かつ、適切に除去しつつ、転写紙15の水分量を剥離促進ローラ6a〜6d及び加熱ローラ7、8で加熱して、転写紙15の水分量を適切な剛度を得られる水分量W1、例えば、転写紙15の乾燥時の重量の12.5%まで、減少させて、転写紙15の剛度を向上させ、転写紙15に与える損傷を極力抑制する。さらに、転写紙15の両面の水分量を均一にして、カール等のない良質な再生紙である転写紙15を再生する。すなわち、本実施の形態の再生装置1は、図4に一点鎖線の矢印で示すように、剥離液をW0の量だけ転写紙15に付与し、図4にAで示す残像濃度の画像形成物質16の剥離性能を確保し、図4にBで示す記録紙15の剛度を確保するように、転写紙15の水分量W1まで、乾燥させる。 【0073】このように、本実施の形態によれば、熱軟化性の画像形成物質16により固着画像の形成された被記録材としての転写紙15に画像形成物質16と転写紙15との接着力を弱める剥離液を接着力を弱めるのに充分な量付与した後、剥離ベルト4と剥離ベルト5で転写紙15を密着・狭持した状態で移動させつつ、転写紙15を加熱して転写紙15の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させ、その後、転写紙15と剥離ベルト4及び剥離ベルト5を分離させて転写紙15から画像形成物質16を剥離ベルト4、5に転写させて除去する。したがって、一旦転写紙15から剥離ベルト4、5に剥離・除去された画像形成物質16が再度転写紙15に付着することを防止しつつ、効率的に転写紙15から画像形成物質16を剥離・除去することができるとともに、転写紙15の剛性を向上させて、転写紙15の損傷を抑制することができ、画像形成物質16や転写紙15の種類に関わらず、再生品質を向上させることができる。 【0074】また、上記実施の形態においては、転写紙15の乾燥時の重量の25%以下の量の剥離液を転写紙15に付与しているので、剥離液の付与量の管理を簡単にすることができるとともに、剥離液による画像形成物質16の剥離能力を十分に発揮させることができ、再生品質を安価により一層向上させることができる。 【0075】さらに、転写紙15の水分量を転写紙15の乾燥時の重量の12.5%以下まで減少させているので、画像形成物質16を転写紙15から剥離ベルト4、5に剥離・転写させる際及び剥離ベルト4、5から転写紙15を分離させる際の転写紙15の剛性を向上させることができ、紙折れや巻き込み等のトラブルの発生を防止しつつ、転写紙15の損傷を抑制して、再生品質をより一層向上させることができる。 【0076】さらに、転写紙15の表面側と裏面側との水分量に差を生じさせて、転写紙15の表面側と裏面側とに膨潤率の差を生じさせているので、転写紙15の表裏面に収縮量の差を発生させて、いわゆるバイメタル的な効果により画像形成物質16の転写紙15から剥離ベルト4、5への剥離・除去効率を向上させることができ、画像形成物質16を転写紙15から剥離ベルト4、5により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0077】また、転写紙15から剥離ベルト4、5に画像形成物質16を転写させる側の面の湿潤率が他方の側の面の湿潤率よりも大きくなるように転写紙15を乾燥させているので、バイメタル的な効果により画像形成物質16の転写紙15から剥離ベルト4、5への剥離・除去効率を向上させことができ、画像形成物質16を転写紙15から剥離ベルト4、5により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0078】さらに、複数の剥離促進ローラ6a〜6dを相互に所定間隔空けてジグザグ状に配設して、当該複数の剥離促進ローラ6a〜6dの間を剥離ベルト4、5をジグザグ状に配回し、剥離ベルト4、5を転写紙15と密着させた状態でジグザグ状に移動させているので、画像形成物質16により固着画像の形成された転写紙15に圧力をかけることなくジグザグ状に移動させて、画像形成物質16を転写紙15から剥離ベルト4、5により一層効率的に剥離・転写させることができるとともに、画像形成物質16が剥離ベルト4、5から転写紙15に再付着するのをより一層抑制することができ、より一層再生品質を向上させることができる。 【0079】以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。 【0080】例えば、剥離促進ローラ6a〜6d及び加熱ローラ7、8を内蔵のヒーター等の加熱部材により加熱して、転写紙15を加熱しているが、転写紙15を加熱するのは、内蔵の加熱部材に限るものではなく、例えば、剥離促進ローラ6a〜6dに加熱部材を内蔵しないで、加熱ローラ7と加熱ローラ8にのみ加熱部材を内蔵し、所定距離だけ離して配設した加熱ランプ等により輻射熱で転写紙15を加熱・乾燥してもよい。この場合、輻射熱による加熱温度と加熱ローラ7と加熱ローラ8による加熱温度が上記条件に適合するように、加熱ローラ7及び加熱ローラ8の内蔵する加熱部材による加熱温度を設定する。 【0081】また、上記実施の形態においては、転写紙15の両面に画像が形成され、当該両面の画像を一回の処理で除去する場合について説明したが、転写紙15の片面にのみ画像が形成されていてもよく、この場合、剥離ベルト4と剥離ベルト5のいずれか一方を接着性を有していないシート状のベルトを使用してもよく、また、画像の形成されていない転写紙15側の面の加熱ローラ7あるいは加熱ローラ8は、設ける必要がない。 【0082】 【発明の効果】請求項1記載の発明の被記録材の再生方法によれば、熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像形成物質と被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を接着力を弱めるのに充分な量付与した後、所定の接着力を有する剥離部材を被記録材の固着画像の形成面に密着させた状態で移動させつつ、被記録材を加熱して被記録材の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させ、その後、被記録材と剥離部材を分離させて被記録材から画像形成物質を剥離部材に転写させて除去するので、一旦被記録材から剥離部材に剥離・除去された画像形成物質が再度剥離部材に付着することを防止しつつ、効率的に被記録材から画像形成物質を剥離・除去することができるとともに、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写・除去しつつ、被記録材の剛性を向上させて、被記録材の損傷を抑制することができ、画像形成物質や被記録材の種類に関わらず、再生品質を向上させることができる。 【0083】請求項2記載の発明の被記録材の再生装置によれば、熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像形成物質と被記録材との接着力を弱める所定の剥離液を接着力を弱めるのに充分な量付与した後、所定の接着力を有する剥離部材を被記録材の固着画像の形成面に密着させた状態で移動させつつ、被記録材を加熱して被記録材の剥離液中の少なくとも水分を所定の水分量まで減少させ、その後、被記録材と剥離部材を分離させて被記録材から画像形成物質を剥離部材に転写させて除去するので、一旦被記録材から剥離部材に剥離・除去された画像形成物質が再度剥離部材に付着することを防止しつつ、効率的に被記録材から画像形成物質を剥離・除去することができるとともに、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写・除去しつつ、被記録材の剛性を向上させて、被記録材の損傷を抑制することができ、画像形成物質や被記録材の種類に関わらず、再生品質を向上させることができる。 【0084】請求項3記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、被記録材の乾燥時の重量の25%以下の量の剥離液を被記録材に付与するので、剥離液の付与量の管理を簡単にすることができるとともに、剥離液による画像形成物質の剥離能力を十分に発揮させることができ、再生品質を安価により一層向上させることができる。 【0085】請求項4記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材の水分量を被記録材の乾燥時の重量の12.5%以下まで減少させるので、画像形成物質を被記録材から剥離部材に剥離・転写させる際及び剥離部材カラー被記録材を分離させる際の被記録材の剛性を向上させることができ、紙折れや巻き込み等のトラブルの発生を防止しつつ、被記録材の損傷を抑制して、再生品質をより一層向上させることができる。 【0086】請求項5記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材の表面側と裏面側との水分量に差を生じさせて、被記録材の表面側と裏面側とに膨潤率の差を生じさせるので、被記録材の表裏面に収縮量の差を発生させて、いわゆるバイメタル的な効果により画像形成物質の被記録材から剥離部材への剥離・除去効率を向上させることができ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0087】請求項6記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、乾燥工程または乾燥手段で、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写させる側の面の湿潤率が他方の側の面の湿潤率よりも大きくなるように被記録材を乾燥させるので、バイメタル的な効果により画像形成物質の被記録材から剥離部材への剥離・除去効率を向上させことができ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0088】請求項7記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、複数のローラを相互に所定間隔空けてジグザグ状に配設して、当該複数のローラの間を剥離部材をジグザグ状に配回し、剥離部材を被記録材と密着させた状態でジグザグ状に移動させるので、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に圧力をかけることなくジグザグ状に移動させて、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・転写させることができるとともに、画像形成物質が剥離部材から被記録材に再付着するのをより一層抑制することができ、より一層再生品質を向上させることができる。 【0089】請求項8記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、乾燥工程または乾燥手段で、輻射熱により被記録材を乾燥させるので、被記録材に圧力を加えることなく被記録材を乾燥して、画像形成物質が剥離部材から被記録材に再付着するのを抑制することができ、画像形成物質を被記録材から剥離部材により一層効率的に剥離・除去して、より一層再生品質を向上させることができる。 【0090】請求項9記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、分離工程または分離手段で、被記録材と分離される剥離部材側の被記録材の面のみを加熱するので、被記録材に発生するカールを利用して被記録材と剥離部材との分離を補助することができ、被記録材の両面に画像形成物質で固着画像の形成されている場合にも、被記録材の両面での画像形成状態の相違による分離不良を抑制して、より一層再生品質を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月12日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−84710 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−267946 |
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