| 【発明の名称】 |
電子写真感光体 |
| 【発明者】 |
【氏名】徳竹 重明
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| 【要約】 |
【課題】いかなる環境下においても画像上に黒ポチ等の画像ノイズが発生しない電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持体の表面を陽極酸化処理および封孔処理した後、樹脂微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液への浸漬処理を施して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持体の表面を陽極酸化処理および封孔処理した後、樹脂微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液への浸漬処理を施して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。 【請求項2】 樹脂微粒子がアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、スチレン系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選択される1またはそれ以上の樹脂からなる微粒子であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。 【請求項3】 樹脂微粒子の平均粒径が0.01〜1.0μmであることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置において用いられる電子写真感光体に関する。 【0002】 【従来の技術】電子写真の技術は、複写機の分野で発展してきており、最近では従来の装置とは比較にならない程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中でもデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が特に注目されている。これらの電子写真装置で使用される感光体は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合金等の導電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、層構成としては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した機能分離積層型構成が広く用いられている。 【0003】上記の装置に用いられる画像形成方法としては、光源にレーザービームを用い、光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、レーザービームの光を照射した部分にトナーを付着させて画像を形成する反転現像方式を採用することが主流となっている。この現像方式によると、特に、使用環境中の温度および湿度の変化によって現像時に導電性基体上の欠陥部から感光層への電荷の注入が起こってトナー像が形成されるべきでない所に形成される、いわゆる黒ポチと言われる画像ノイズが発生することが問題となっている。 【0004】そこで、特開昭63−296051号公報では潤滑性、耐湿性および耐摩耗性の向上を目的として、陽極酸化層における孔にシランカップリング剤を介して含フッ素有機樹脂を充填した像保持部材が開示されている。また、特開平2−99962号公報では多孔中への水分の侵入を防止する目的で、陽極酸化皮膜を撥水性物質で封孔する技術が報告されている。しかしながら、いずれの技術においても、樹脂皮膜のムラが生じ易くブロッキング性が不均一となり、特に、高温高湿下において上記の黒ポチ等の画像ノイズを完全に防止することはできないのが現状である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、いかなる環境下においても画像上に黒ポチ等の画像ノイズが発生しない電子写真感光体を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持体の表面を陽極酸化処理および封孔処理した後、樹脂微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液へ浸漬処理して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体に関する。 【0007】本発明者等は、このように支持体表面を陽極酸化処理および封孔処理した後、樹脂微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液へ浸漬処理して得られた感光体基体上に、少なくとも感光層を形成して得られる電子写真感光体は、いかなる環境下においても画像上に黒ポチ等の画像ノイズを発生しないことを見いだした。 【0008】一般に、陽極酸化層の電気特性について、陽極酸化処理後ζ電位は正であり、その後封孔処理を行うことによっても表面状態は依然としてマクロ的に正であるが、不安定になるため、後の工程、例えば、感光層の塗布工程に至る輸送工程等においてイオン性異物を抱き込み易くなり、そこから電荷の注入が起こって黒ポチが発生すると考えられる。封孔処理後の表面不安定化は、支持体の切削傷、支持体材料、すなわちアルミニウムまたはアルミニウム合金の純度に依存して感光体基体製造工程、特に陽極酸化処理工程において発生する微小な孔、および封孔剤中に含有される添加剤等に起因するものと考えられるが、本発明における上記樹脂微粒子分散液での処理により感光体基体表面の安定化が達成できるとともに、樹脂微粒子を陽極酸化層に付着させて電荷注入防止層としての陽極酸化層の機能の向上を促進できると思われる。 【0009】本発明の感光体の基体を作製すべく用いられるアルミニウムまたはアルミニウム合金支持体(以下、単にアルミニウム支持体という)としては、従来から電子写真感光体に使用することができるものであれば、特に限定されるものではない。すなわち、アルミニウム組成、それの成形方法および表面加工方法等については従来から公知のいかなる組成および方法も採用することができる。例えば、純度99.9%以上のアルミニウム地金を溶解・鋳造した後、均質処理を施し、押し出して素管を作製する。その後、表面の精密仕上げとして、得られた素管にしごき加工・引き抜き加工、あるいは必要に応じてしごき加工・引き抜き加工を行った後、切削または研削を行うことにより、本発明において使用されるアルミニウム支持体を製造することができる。 【0010】得られたアルミニウム支持体は陽極酸化処理に先立って、脱脂処理およびエッチング処理に供されてもよい。脱脂処理は、感光体基体を所望の形状に加工する際の油や、基体の保存時の防錆等の効果を目的として当該表面に塗布される処理液を洗浄する目的で行われ、その方法としては当該目的が達成されれば特に制限されるものではない。例えば、基体を、界面活性剤を含む45〜65℃の水溶液中に2〜5分間浸漬することにより行われる。 【0011】脱脂されたアルミニウム支持体が供されるエッチング処理は、均一な陽極酸化処理を行うためにアルミニウム支持体表面に形成された自然酸化皮膜を除去する目的で行われ、その方法としては当該目的が達成されれば特に制限されるものではないが、酸エッチング処理に供されることが好ましい。例えば、基体を、濃度50〜160g/lの硝酸水溶液により15〜30℃で1〜5分間浸漬することにより行われる。 【0012】このようにして処理されたアルミニウム支持体は、従来から公知の陽極酸化処理に供される。陽極酸化処理は、一般に、例えばクロム酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中、公知の方法で行われるが、本発明においては硫酸中での陽極酸化処理が最も良好である。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、好ましくは100〜200g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、好ましくは15〜25℃、電解電圧は5〜20V、好ましくは10〜20Vの範囲に設定するのが望ましい。さらに本発明においては、前述した支持体表面を、電流密度0.3〜1.0A/dm2、好ましくは0.6〜1.0A/dm2、より好ましくは0.7〜0.8A/dm2程度の低電流密度にて、25〜60分程度の比較的長い時間にわたって陽極酸化処理することが好ましい。 【0013】なお、陽極酸化層の膜厚は1〜15μm、好ましくは2〜10μm、より好ましくは4〜8μmとするのが望ましい。1μm未満であると、電荷注入防止層としての陽極酸化層の機能が低下し、一方15μmを越えるとコスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要ない。 【0014】本発明においては、このようにして形成された陽極酸化層を有する支持体は封孔処理に供されることが好ましい。陽極酸化層における多孔質部分が不安定であるためであり、一般に封孔処理することにより陽極酸化層の抵抗値が増加し、ブロッキング性がさらに向上する。 【0015】本発明においては、封孔処理として低温封孔処理および高温封孔処理いずれの処理が行われてもよく、好ましくは高温封孔処理が行われる。所望によりそれぞれの処理を行う2段階封孔処理が行われてもよい。 【0016】高温封孔処理とは、比較的高温、一般的には65℃以上の処理液中で陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。純水による熱水封孔処理または蒸気封孔処理、および高温封孔剤、例えば、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩を含有する処理液を用いた封孔処理等、様々な態様が挙げられるが、特に熱水封孔処理を行うことが好ましい。温度が65℃以下では処理後の支持体表面の封孔度が低下して、ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそれがある。 【0017】具体的には、熱水封孔処理を行う場合、温度65〜100℃、好ましくは90〜98℃の熱水に10〜60分間、好ましくは10〜40分間浸漬することにより行われる。蒸気封孔処理を行う場合には、3.0〜6.0kg/cm2の水蒸気圧下、10〜30分間、好ましくは10〜20分間放置することにより行われる。 【0018】高温封孔剤として酢酸ニッケルを用いる場合、酢酸ニッケルを濃度3〜20g/l、好ましくは4〜12g/lで含む水溶液を、pH5.0〜6.0、温度65〜100℃、好ましくは80〜98℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を10〜60分間、浸漬することにより行われる。高温封孔剤として酢酸ニッケル以外の酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩を用いる場合も、酢酸ニッケルを用いる場合に準じて行われる。 【0019】低温封孔処理とは、比較的低温、一般的には40℃以下の処理液中に陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。処理液中には所望により低温封孔剤として、例えば、フッ化ニッケル、赤血塩等が含有されている。 【0020】具体的には、低温封孔剤としてフッ化ニッケルを用いる場合、フッ化ニッケルを濃度2〜7g/l、好ましくは3〜6g/lで含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは30〜35℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1〜10分間、好ましくは2〜5分間浸漬することにより行われる。温度が25℃以下では水溶液の拡散が悪く、処理後の支持体表面の封孔度が低下して、ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそれがある。一方、40℃を越えると得られる感光体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低下したり、封孔度がかえって低下し、ブロッキング性が低下して耐刷時にカブリを生じる。 【0021】低温封孔剤として赤血塩を用いる場合、赤血塩を濃度3〜20g/l、好ましくは5〜15g/lで含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは25〜30℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1〜20分間、好ましくは5〜10分間浸漬することにより行われる。温度が25℃以下では水溶液の拡散が悪く、処理後の支持体表面の封孔度が低下して、ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそれがある。一方、40℃を越えると得られる感光体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低下したり、封孔度がかえって低下し、ブロッキングが低下して耐刷時にカブリを生じる。 【0022】また、低温封孔処理としては上記のように低温封孔剤を用いる場合の他、例えば、加湿封孔処理を行ってもよい。加湿封孔処理を行う場合、相対湿度80%RH以上、温度30〜40℃で1〜10日間放置することにより行われる。 【0023】なお、高温封孔処理および低温封孔処理、いずれの封孔処理工程においても、支持体表面の、処理液との濡れ性向上の目的から処理液中に界面活性剤が含まれていてもよく、または含まれていなくてもよい。後の陰イオンを含有する樹脂微粒子分散液による浸漬処理の効率の観点からは処理液には界面活性剤が含まれていないことが好ましい。界面活性剤を含まない処理液による封孔処理は処理後の支持体表面のζ電位にあまり影響を与えず、当該電位は一様となり易いためである。界面活性剤を含む場合においては、当該界面活性剤は陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン界面活性剤いずれであってもよいが、封孔処理の効率ならびに後の樹脂微粒子分散液による浸漬処理の効率の観点から両性界面活性剤または非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。処理液中に陽イオン界面活性剤が含まれていると封孔処理の効率が低下することがあり、また陰イオン界面活性剤が含まれているとその後の樹脂微粒子分散液による浸漬処理が効率よく行われにくいためである。 【0024】このようにして陽極酸化層を封孔処理された支持体は、樹脂微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液への浸漬処理に供される。これにより、陽極酸化層表面が安定化されると同時に、樹脂微粒子が陽極酸化層に化学的に吸着して電荷注入防止層としての陽極酸化層の機能の向上を促進できると思われる。 【0025】上記の樹脂微粒子分散液は少なくとも樹脂微粒子、陰イオン界面活性剤および分散媒体からなり、当該分散液中、樹脂微粒子は陰イオン界面活性剤により均一に分散されている。均一な分散が達成されないと本発明の効果が得られにくくなる。すなわち基体表面の安定化効果が得られにくくなるだけでなく、得られる感光体基体における陽極酸化層の一様なブロッキング性が得られない。 【0026】樹脂分散液中に分散される樹脂微粒子としては、いかなる樹脂からなる微粒子であってもよく、例えば、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、スチレン系樹脂およびウレタン系樹脂からなる微粒子等が挙げられ、これら樹脂微粒子から選択された2種以上の樹脂微粒子を混合して使用してもよい。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンを使用することが好ましい。 【0027】上記微粒子の平均粒径は0.01〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.3μmであり、平均粒径が0.01μmより小さいと当該微粒子が付着してなる微粒子層のブロッキング性が低下し、黒ポチが発生する原因となる。一方、1.0μmより大きいと得られる感光体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低下したり、特に低温低湿の環境下において感度が低下して耐刷時にカブリを生じる。 【0028】このような樹脂微粒子はいかなる公知の方法においても製造することができ、例えば、乳化重合法、ソープフリー重合法またはシード重合法等によって容易に効率よく製造することができる。 【0029】かかる微粒子は微粒子分散液中、5〜30g/l、好ましくは10〜20g/lの割合で分散されている。5g/lより少ないと本発明の効果が得られず、30g/lより多いと液中での樹脂微粒子の分散が不十分となり、陽極酸化層に付着されてなる樹脂微粒子層の厚みが不均一となる。 【0030】また、分散液中に含有される陰イオン界面活性剤としては、後述される分散媒体中、上記の樹脂微粒子を分散させることができる化合物であれば、特に、限定されるものではなく、いかなるものも使用することができる。例えば、ラウリル硫酸ソーダ、オレイルサルフェート、ノニルフェニル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルナフタレンスルフォネート、アクリル酸ソーダ−メタクリル酸ヒドロキシエチルエステル共重合体等が挙げられる。 【0031】このような陰イオン界面活性剤は微粒子分散液中、1〜6g/lの割合で含有されている。1g/lより少ないか、もしくは6g/lより多いと樹脂微粒子の分散が不十分となり、陽極酸化層に付着されてなる樹脂微粒子層の厚みが不均一となり本発明の効果が得られにくい。また、樹脂微粒子層の特性を改善する為に、必要に応じて有機酸を加えてもよい。 【0032】分散媒体としては、上記の樹脂微粒子を溶解せず、陰イオン界面活性剤の存在により当該分散媒体を介して樹脂微粒子が分散し得るものであれば、いずれの溶媒をも使用することができる。例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、好ましくは水を使用することである。 【0033】上記の各処理工程間においては、次工程の処理を効率よく、確実に行うため、水道水または純水による水洗等の補助的な処理工程を設けることが好ましい。 【0034】上記のようにして得られた感光体基体上には、公知の方法により感光層が形成される。感光層としては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態、電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形態、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態のいずれであってもよいが、以下、感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場合について説明する。 【0035】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着するか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布するか、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送層を形成する。 【0036】本発明の感光体に用いられる電荷発生材料としては、例えばビスアゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質が挙げられる。この他、光を吸収して極めて高い効率で電荷担体を発生する材料であれば、いずれの材料であっても使用することができる。 【0037】また、本発明の感光体に用いられる電荷輸送材料としては、有機物質が好ましく、例えばヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材料を使用することができる。 【0038】上記のような感光体の製造に使用される結着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例えば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することができる。具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリイミド樹脂、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピロール等の光導電性樹脂等が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしくは2種以上組み合わせて使用される。なお、電荷輸送材料がそれ自身バインダーとして使用できる高分子電荷輸送材料である場合は、他の結着樹脂を使用しなくてもよい。 【0039】本発明の感光体は結着樹脂とともにハロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フタル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用してもよい。 【0040】尚、本発明の感光体は、上述の陽極酸化層上に中間層を設けた構成であってもよい。中間層に用いられる材料としてはポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が適当である。膜厚は0.1〜30μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μmとする。 【0041】さらに本発明の感光体は、上記感光層上に表面保護層を設けてもよい。表面保護層に用いられる材料としては、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂などのポリマーをそのまま、または酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化合物を分散させたものなどが適当である。また、表面保護層として有機プラズマ重合膜を使用することができる。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子を含んでいてもよい。 【0042】本発明の感光体は感光層を選択することによって、反転現像方式、正規現像方式いずれの方式でも、本発明の効果を得つつ、有効に使用することができるが、反転現像方式で用いることが特に好ましい。 【0043】このようにして製造された感光体が組み込まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれであってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。 【0044】 【実施例】 実施例1JIS5657円筒状のアルミニウム合金(外径100mm、長さ350mm、厚さ2mm)の表面を切り刃に天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。これを、脱脂剤としての界面活性剤(トップアルクリーン161(奥野製薬工業社製))30g/lを用いて60±5℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。100g/l硝酸溶液中に2分間エッチング処理した後、流水で洗浄した。次に、電解液として150g/lの硫酸を用いて、電流密度1A/dm2、液温20℃で25分間陽極酸化処理を行い、厚さ7μmの陽極酸化層を形成した。その後、この支持体を純水で流水洗浄した後、純水の沸騰水を用いて98℃で15分間封孔処理を行い、純水洗浄した。 【0045】次いで、平均粒径0.1〜0.2μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液(トップルブレンド:奥野製薬工業社製)を、この分散液濃度が100ml/lになるように純水で希釈した処理液を調製し、この処理液に、上記の封孔処理を施した支持体を30℃で5分間浸漬し、純水洗浄して乾燥させ、感光体基体を得た。 【0046】次に、このようにして得られた感光体基体上に、以下のようにして感光層を形成した。τ型無金属フタロシアニン(Liophoton TPA−909:東洋インキ製造社製)1重量部とポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学社製)0.5重量部とをテトラヒドロフラン(THF)50重量部と共にサンドミルにより分散させた。得られたフタロシアニン系の分散液を上記感光体基体に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成した。 【0047】下記式:【化1】
【0048】で表されるベンジルジフェニル化合物10重量部とポリカーボネート樹脂(K−1300、帝人化成社製)10重量部とをジクロロメタン180重量部に溶解させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させて、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。 【0049】比較例1封孔処理した支持体を、樹脂微粒子が分散してなる処理液に浸漬することなく、感光体基体として用いたこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。 【0050】実施例2ポリテトラフルオロエチレン微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液(トップルブレンド:奥野製薬工業社製)に代えて平均粒径0.2〜0.3μmのポリウレタン微粒子を陰イオン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液(アノダールSP−1:クラリアント社製)を用いたこと、処理温度を30℃に代えて25℃にしたことおよび処理時間を5分間に代えて10分間にしたこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。 【0051】(黒ポチ評価)実施例1および比較例1で得られた電子写真感光体をそれぞれフルカラー複写機(CF900;ミノルタ社製)に搭載し、4つの現像器全てに純製黒色トナーを補給し、黒色トナーによる4回重ねにより白ベタ画像を複写し、初期および1000枚複写後における画像25mm2中の黒ポチ(黒斑点)の個数を目視によりカウントし、以下に従って評価した。なお、上記複写は低温低湿(10℃、15%RH)、中温中湿(23℃、45%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)それぞれの環境下において行い、全ての場合について評価した。 ○:14個以下; △:15〜29個; ×:30個以上。 【0052】これらの評価結果を以下の表1に示す。 【表1】
【0053】 【発明の効果】本発明により、画像上に黒ポチ等の画像ノイズが発生しない電子写真感光体を提供することが可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006079 【氏名又は名称】ミノルタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−84705 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−250312 |
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