| 【発明の名称】 |
電子写真用感光体 |
| 【発明者】 |
【氏名】平本 廣幸
【氏名】野村 晋一
【氏名】高野 貞一郎
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| 【要約】 |
【課題】従来の背面露光方式による電子写真装置は、感光体ドラムの内部に露光装置及び除電ランプが配置されるため、これら各光源で発生した熱が感光体ドラムの内部にこもってしまい、さらに感光体ドラムの透明基体はガラス等の放熱性の悪い物質で構成されているため熱が逃げにくく、感光体ドラム内部にこもった熱によって感光体層の温度上昇を招き、帯電量の低下など感光体の諸特性劣化の問題を生じていた。
【解決手段】本発明により、円筒状の透明基体2の裏面側に熱伝導性の良好な透明熱伝導層5が形成されているので、感光体ドラム内部に配置された露光用の光源15及び除電用の光源19によって発生した熱は内部にこもらずにこの透明熱伝導層5を伝って感光体ドラムの内面側全面に分散されて広がっていき、感光体ドラムの両端の開放部分から放熱され、熱による感光体層4の温度上昇を防ぎ、帯電量の低下など感光体の特性劣化を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円筒状の透明基体の表面に透明導電層と光導電層を順次積層し、透明基体の裏面側より透明基体及び透明導電層を通して光導電層を露光する電子写真用感光体において、前記透明基体の裏面に透明熱伝導層を形成したことを特徴とする電子写真用感光体。 【請求項2】 前記透明導電層と透明熱伝導層とは同じ物質によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。 【請求項3】 前記透明導電層と透明熱伝導層とはSnO2またはITOによって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子写真用感光体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式によるプリンタ、ファクシミリ、複写機等に使用される電子写真用感光体に関し、特に透明な基体上に感光体層を形成し基体側(背面側)から露光を行う所謂背面露光方式の電子写真装置に用いられる電子写真用感光体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電子写真装置としては、カールソン方式と呼ばれるコロナ放電を利用した電子写真装置が広く知られている。図2はカールソン方式の電子写真装置11を示す模式図であり、感光体ドラム13の表面にコロナ帯電器14により一様な電荷を与え、露光装置15により静電荷の潜像を形成した後、現像器16によって潜像に応じたトナー像を作り、転写装置17を用いて感光体ドラム13の表面のトナー像を紙12に転写してから、定着器20によってトナー像を熱ないし圧力により紙12の面上に定着することによりプリントを行う。また、感光体ドラム13の表面上の残留トナーはクリーニング装置18により取り除かれ残留電荷を除電ランプ19により消滅させると、帯電―露光―現像―転写―定着―クリーニング―除電の一連のプロセスが完了する。 【0003】図3はこの方式の電子写真装置に用いられる感光体ドラム13を示す斜視図である。感光体ドラム13は図示のように筒状のアルミニウム素管13aの表面に感光体層13bが形成され構成されている。感光体層13bとしては、酸化亜鉛、非晶質セレニウム、a−Si(アモルファスシリコン)またはOPC(有機感光体)などが一般的である。 【0004】しかしながら、この方式の場合、前述の通り感光体ドラムの外側で非常に多くのプロセスを必要とすることから、装置が複雑で小型化が困難であるといった問題があった。そこで、同じカールソン方式で装置の小型化を図ったものとして背面露光方式と呼ばれる方式が提案されている。 【0005】この背面露光方式の電子写真装置21は、図4に示すように露光装置15及び除電ランプ19を感光体ドラム23の内側に配置することにより小型化をねらったものである。 【0006】この方式で使用する感光体ドラム23は図5に示すように構成されており、ガラス等の透明な円筒状の基体23aの外側表面にSnO2、ITO、酸化インジウム、ヨウ化銅などの透明導電層23bを形成し、さらにその上に感光体層としてのa−Si、OPC等の光導電層23cが順次積層されて形成されている。この方式では、まず感光体ドラム23表面にコロナ帯電器14により一様な電荷を与え、その後感光体ドラム23の内側に配置された露光装置15によって露光を行い、静電潜像を形成する。次に現像器16によって潜像に応じたトナー像を形成し、最後に転写装置17によってトナー像が紙12の上に転写され、定着器20によって定着が行われてプリントが終了する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうした従来の背面露光方式による電子写真装置の場合、感光体ドラム23の内部に露光装置15及び除電ランプ19が配置されるため、これら各光源で発生した熱が感光体ドラム23の内部にこもってしまい、さらに感光体ドラム23の透明基体23aはガラス等の放熱性の悪い物質で構成されているため熱が逃げにくく、感光体ドラム23内部にこもった熱によって感光体層23cの温度上昇を招き、初期帯電量の低下や暗時の電荷減衰率の増加など感光体の諸特性劣化の問題を生じてくる。 【0008】また、こうした背面露光方式の電子写真装置の場合、露光用の光源としてLEDプリンタヘッドがドラムの小径化、装置全体の小型化という点で最適であるが、LEDの場合、熱による温度上昇に伴って発光効率が低下してしまうため、上記したような感光体の特性劣化だけでなく、LEDプリンタヘッドの発光効率の低下を招き、これにより同一発光量を確保するためにLEDにさらに大きな電流を流す必要が生じてくるといった問題があった。また、前記したような感光体の特性劣化と相まって画像ムラを生じる等画像品質が低下するといった問題もあった。 【0009】本発明はこうした従来の技術の問題点に鑑み、背面露光方式の電子写真装置に用いられる電子写真用感光体において、感光体ドラム内部の温度上昇を抑制し、長時間の連続使用によっても感光体及びプリンタヘッドの特性劣化による画像ムラ等の画像品質の低下を防止した電子写真用感光体の提供を目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明における電子写真用感光体は、円筒状の透明基体の表面に透明導電層と光導電層を順次積層し、透明基体の裏面側より透明基体及び透明導電層を通して光導電層を露光する電子写真用感光体において、前記透明基体の裏面に透明熱伝導層を形成したことを特徴としている。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は本発明の実施例における電子写真用感光体1の構成を示す断面図であり、ガラス等の透明な円筒状の基体2の外側表面にSnO2、ITO、酸化インジウム、ヨウ化銅などの透明導電性材料より成る透明導電層3が電極層として形成され、さらにその上に感光体層としてのa−Si、OPC等の光導電層4が順次積層されて形成されている点は従来例のものと同様である。 【0012】ここで本発明においては、透明基体2の裏面側の全面に透明熱伝導層5が一様に形成されている。この透明熱伝導層5は、SnO2、ITO、酸化インジウム、ヨウ化銅などの透明導電性材料や、Au、Cu等の金属を半透明になる程度に薄く形成したものでも良い。 【0013】次に本発明の実施例における電子写真用感光体1の各層の形成方法について説明する。 【0014】まず、従来と同様にガラス等の透明な円筒状の基体2を用意する。そして、この透明基体2の表面側に透明導電層3を形成するわけであるが、本発明では透明基体2の裏面側にも透明熱伝導層5が形成されるため、透明な導電性材料であり、なお、且つ熱伝導性でもあるSnO2、ITO等の材料を用いて、これら透明導電層3及び透明熱伝導層5をディップ法(浸漬法)と呼ばれる方法によって同時に形成できる。 【0015】ディップ法とは、金属化合物溶液中に基体を浸漬した後、一定速度で引き上げ、十分乾燥させた後に焼成することによって基体に成膜する方法であり、溶液中からの引き上げ速度及び浸漬と焼成を繰り返した回数によって膜厚の調整を行うものである。 【0016】金属化合物溶液としては、金属石鹸:(RCOO)n Me、金属アルコキシド:(RO)nMeやキレート化合物のように金属と有機基が酸素を介して結合した化合物例えば、2エチルヘキサン酸第一錫、ナフテン酸第一錫、アセチルアセテートなどを用いて、これらの化合物の混合体をブタノールで薄めて浸漬液とする。 【0017】そして、透明基体2を上記の浸漬液に浸漬した後、一定速度で引き上げ、例えば、大気中で30分〜1時間続いて110℃で30分間乾燥後、電気炉で400℃以上で10〜20分焼成すると、透明で導電性及び熱伝導性が良好なSnO2膜が透明基体2の表面及び裏面に夫々形成される。 【0018】ITO膜を形成する場合は、インジウム・錫有機化合物を主成分とする溶液中に同様にして透明基体2を浸漬し、この溶液中から一定速度で引き上げて、同じように十分乾燥させた後、焼成することで、透明で導電性及び熱伝導性が良好なITO膜が透明基体2の表面及び裏面に夫々形成される。 【0019】以上のようにディップ法によって透明基体2の表面に電極層としての透明導電層3が、裏面には透明熱伝導層5が同じ材料で同時に形成されるため、別々に形成する必要も無く、工程数や工程時間が特別増えることなく実現可能である。 【0020】最後に、こうして表面に透明導電層3、裏面に透明熱伝導層5が各々形成された透明基体2に周知のグロー放電分解法等によって感光体層としてのa−Si光導電層4を形成し、本発明実施例における電子写真用感光体1が完成する。 【0021】以上のように構成された電子写真用感光体1を図4に示したような背面露光方式の電子写真装置21に用いると、円筒状の透明基体2の内部には露光装置15及び除電ランプ19が配置され、これらの光源が熱を発生するが、前記したように透明基体2の裏面(光源側の面)にはSnO2、ITOなどの熱伝導性の良い透明熱伝導層5が全面にわたって形成されているため、光源から発生した熱は内部にこもらずに透明熱伝導層5を伝って透明基体2の裏面側(感光体ドラムの内面側)全面に分散されて広がっていき、感光体ドラム両端の開放部分から放熱される。 【0022】なお、上記実施例においては、透明基体の裏面全面に一様に透明熱伝導層を設けたが、必ずしも裏面全面でなくとも、また、一様でなくとも熱伝導の効果は得られる。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、背面露光方式の電子写真装置に用いられる電子写真用感光体において、円筒状の透明基体の裏面側に熱伝導性の良好な透明熱伝導層が形成されているので、感光体ドラム内部に配置された露光用の光源及び除電用の光源によって発生した熱は内部にこもらずにこの透明熱伝導層を伝って感光体ドラムの内面側全面に分散されて広がっていき、感光体ドラムの両端の開放部分から放熱され、熱による感光体層の温度上昇を防ぎ、帯電量の低下など感光体の特性劣化を防止する。 【0024】また、露光用の光源として感光体ドラムの小径化、装置全体の小型化に有効なLEDプリンタヘッドを用いた場合でも、感光体ドラム内部に熱がこもらないので温度上昇に伴うLEDの発光効率の低下も抑えることができ、従来のようにLEDに印加する電流を大きくする必要もなく、経済的である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月4日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−84703 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−254126 |
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