| 【発明の名称】 |
電子写真感光体 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂本 光俊
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| 【要約】 |
【課題】画像上に干渉縞および黒ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】仕事関数が4.3未満の金属を3〜10重量%、仕事関数が4.3以上の金属を0.1重量%以下含み、残部がアルミニウムからなるアルミニウム合金支持体の表面を陽極酸化処理した後、封孔処理を施して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 仕事関数が4.3未満の金属を3〜10重量%、仕事関数が4.3以上の金属を0.1重量%以下含み、残部がアルミニウムからなるアルミニウム合金支持体の表面を陽極酸化処理した後、封孔処理を施して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置において用いられる電子写真感光体に関する。 【0002】 【従来の技術】電子写真の技術は、複写機の分野で発展してきており、最近では従来の装置とは比較にならない程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中でもデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が特に注目されている。これらの電子写真装置で使用される感光体は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合金等の導電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、層構成としては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した機能分離積層型構成が広く用いられている。 【0003】上記の装置に用いられる画像形成方法としては、光源にレーザービームを用い、光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、レーザービームの光を照射した部分にトナーを付着させて画像を形成する反転現像方式を採用することが主流となっているが、レーザービームを使用することから複写画像上に干渉縞が発生しやすくなることが問題となっている。この問題を回避するためには感光体基体表面の粗面化が有用であることが知られている。 【0004】また、このような感光体においては、反転現像方式が採用されているため、現像時に導電性基体上の欠陥部から感光層への電荷の注入が起こってトナー像が形成されるべきでない所に形成される、いわゆる黒ポチと言われる画像ノイズが発生することも問題となっている。この黒ポチの発生を防止するためには、下引層を設けたり、感光体基体表面の陽極酸化処理により陽極酸化層を設けた後、封孔処理することが有効であると知られている。従って、上記の干渉縞を防止しつつ、かかる黒ポチを防止するには、基体表面を適度に粗面化しつつ、基体表面の欠陥を被覆する必要があるが、基体表面を粗面化し、その上に下引層を設ける方法では、下引層の静電特性への影響が大きく、使用する材料の選択が難しく、また下引層の形成により基体表面の微小粗さを均してしまうため、粗面化効果を損ない易いという問題があった。 【0005】基体表面の粗面化には切削やサンドブラストによる方法があるが、下引層形成後も粗面化効果を維持させるには基体表面を大きく、かつ均一に粗面化することが必要であったり、手間が繁雑になってコストがかかり過ぎたりし、また上記の問題を完全に解決することはできない。 【0006】または、基体表面を粗面化した上に陽極酸化層を設ける方法では、所望の粗さを得る前に、基体として使用するアルミニウム合金材質及び陽極酸化の処理条件を細かく規定する必要があり、制約が大きい。 【0007】一方、アルミニウム合金基体の組成を選択し、その成分含量を規定した感光体基体は多数提案されている。例えば、特公平4−28773号公報では感光体基体の精密加工性の向上の目的からマグネシウムを0.5〜10重量%、ケイ素を0.5重量%以下含み、残部がアルミニウムおよび不純物からなり、不純物としての鉄および水素の含量および介在物粒子の大きさを規定した電子写真光導電部材用精密加工支持体が、特公平4−28774号公報では介在物による悪影響を回避することによる精密加工性の向上を目的としてケイ素を2重量%以上7重量%以下含み、残部がアルミニウムおよび不純物からなり、該不純物としての水素および鉄の含量およびビッカース硬度を規定した電子写真光導電部材用精密加工支持体が開示されている。また、特公平4−40706号公報では感光体基体の加工性および表面平滑性の向上を目的として、Bを0.001〜0.5重量%含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金から形成される電子複写機の感光ドラム等に適したシリンダが開示されている。このように種々のアルミニウム基体が提案されているが、上記の干渉縞および黒ポチ等の問題を解決するものではない。 【0008】さらには、特開昭63−70259号公報では感光体基体の精密切削性の向上を目的として、Mg0.5〜5.5重量%および/またはMn0.05〜1.5重量%を含み、晶出物の最大径、晶出物の数および不可避的不純物を規定したアルミニウム合金製感光体ドラム用素材が、特開平1−285953号公報ではポートホール溶着部における画像性の向上を目的として、Mgを0.2〜6.0重量%、Cuを0.02〜0.15重量%含み、残部がアルミニウムおよび不純物からなり、不純物としての鉄およびケイ素の含量を規定した有機感光体用アルミニウム基体が開示されているが、これらの技術も上記の干渉縞および黒ポチ等の問題を解決するものではない。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像上に干渉縞および黒ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、仕事関数が4.3未満の金属を3〜10重量%、仕事関数が4.3以上の金属を0.1重量%以下含み、残部がアルミニウムからなるアルミニウム合金支持体の表面を陽極酸化処理した後、封孔処理を施して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体に関する。 【0011】本明細書中、「仕事関数」とは結晶から電子1個を無限遠に取り出すのに要する最小のエネルギーを意味し、ここでは接触電位差法により測定した値(eV)を採用している。なお、本明細書中、アルミニウムの仕事関数は4.3としている。 【0012】本発明においては、このように特定の組成からなるアルミニウム合金支持体表面を陽極酸化処理することにより、基体表面を適度に粗面化しつつ、基体表面に電荷注入防止層を形成し、その後封孔処理を施す。そうすることにより、基体表面の欠陥が被覆されるため、干渉縞および黒ポチ等の画像ノイズが共に発生しない電子写真感光体を提供することが可能となる。 【0013】本発明の感光体の基体として用いられるアルミニウム合金支持体は、基体全重量に対して仕事関数が4.3未満の金属(以下、「金属成分1」という)を3〜10重量%、好ましくは4〜8重量%、仕事関数が4.3以上の金属(以下、「金属成分2」という)を0.1重量%以下、残部がアルミニウムからなっている。金属成分1の含量が3重量%未満では本発明の効果が得られない。すなわち、本発明においては当該金属を含むアルミニウム合金の陽極酸化処理によって、陽極酸化処理本来の電荷注入防止効果とともに、当該金属が溶出して基体表面を粗面化する干渉縞防止効果が得られると考えられるが、当該金属が3重量%未満では上記の干渉縞防止効果が得られないため干渉縞が発生する原因となる。一方、当該金属の含量が10重量%を越えると、感光体基体の加工性が低下したり、陽極酸化の処理液が顕著に汚染されやすくなる等の弊害が発生する。このように仕事関数が4.3未満の金属としてはマグネシウム、マンガン、ケイ素、チタン等が挙げられる。好ましくはマンガン、マグネシウム、ケイ素である。 【0014】金属成分1として上記金属のうち複数の金属を用いる場合、それらの金属はそれらの含量の合計が上記範囲内になるよう用いられる。 【0015】金属成分2はアルミニウム地金由来の金属であり、アルミニウムに不純物として含有されている金属である。この含量が0.1重量%を越えると、得られるアルミニウム合金支持体から感光層への電荷注入が起こり易くなり、これを用いた感光体による形成画像には黒ポチが発生し易くなる。このように仕事関数が4.3以上の金属としてはクロム、銅、鉄、亜鉛等が挙げられる。 【0016】本発明において使用されるアルミニウム合金中の混在異種金属の晶出物粒径が大きいと酸化層の薄い部分ができて抵抗値が低くなり、支持体から感光層側への電荷の注入が生じやすくなる傾向があるため、混在異種金属の晶出物粒径が小さい材質のアルミニウム合金を用いることが好ましく、さらに好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下である。 【0017】このようなアルミニウム合金支持体の製造方法としてはアルミニウム合金中に占める金属成分1および金属成分2の含有割合が上記範囲内になれば、従来から公知のいかなる感光体基体の製造方法をも採用することができる。例えば、金属成分1を、金属成分1および金属成分2の含有割合が上記範囲内になるように、純度99.9%以上のアルミニウム地金に添加混合し、溶解・鋳造した後、400〜600℃にて均質処理を施し、押し出して素管を作製する。その後、表面の精密仕上げとして、得られた素管にしごき加工・引き抜き加工、あるいは必要に応じてしごき加工・引き抜き加工を行った後、切削または研削を行うことにより、本発明において使用されるアルミニウム合金支持体を製造することができる。 【0018】得られたアルミニウム合金支持体は陽極酸化処理に先立って、脱脂処理およびエッチング処理に供されることが好ましい。脱脂処理は、感光体基体の保存時の防錆等の効果を目的として当該表面に塗布される処理液を洗浄する目的で行われ、その方法としては当該目的が達成されれば特に制限されるものではない。例えば、基体を界面活性剤を含む30〜60℃の水溶液中に1〜5分間浸漬することにより行われる。 【0019】脱脂されたアルミニウム合金支持体が供されるエッチング処理は、均一に陽極酸化処理を行うために支持体表面に形成された自然酸化皮膜を除去する目的で行われ、その方法としては当該目的が達成されれば特に制限されるものではないが、アルカリエッチング処理に供されることが好ましい。例えば、基体を、濃度20〜70g/lの水酸化ナトリウム水溶液により35〜60℃で10〜60秒間浸漬することにより行われる。なお、エッチング処理された支持体は濃度100g/l程度の硝酸水溶液により15〜30℃で5分間程度中和処理に供されることがさらに好ましい。 【0020】このようにして処理されたアルミニウム合金支持体は、従来から公知の陽極酸化処理に供される。陽極酸化処理は、一般に、例えばクロム酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中、公知の方法で行われるが、本発明においては硫酸中での陽極酸化処理が最も良好である。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、好ましくは100〜200g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜35℃、好ましくは25〜35℃、電解電圧は5〜20V、好ましくは10〜20Vの範囲に設定するのが望ましい。本発明においては、基体表面の粗面化を促進すべく、液温については上記範囲内で高めに設定することがさらに好ましい。 【0021】なお、陽極酸化層の膜厚は1〜15μm、好ましくは4〜12μm、より好ましくは4〜10μmとするのが望ましい。1μm未満であると、電荷注入防止層としての陽極酸化層の機能が低下し、一方15μmを越えるとコスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要ない。 【0022】得られた陽極酸化層は封孔処理に供される。陽極酸化層における多孔質部分が不安定であるためであり、一般に封孔処理することにより陽極酸化層の抵抗値が増加し、陽極酸化層の電荷注入防止層としての機能(ブロッキング性)がさらに向上する。 【0023】本発明においては、封孔処理として低温封孔処理および高温封孔処理いずれの処理が行われてもよく、好ましくは高温封孔処理が行われる。所望によりそれぞれの処理を行う2段階封孔処理が行われてもよい。2段階封孔処理を行う場合、これら2種類の封孔処理の処理順序は、特に限定されないが、低温封孔処理を行った後、高温封孔処理を行うことが好ましい。 【0024】低温封孔処理とは、40℃以下の処理液中に陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。処理液中には所望により低温封孔剤として、例えば、フッ化ニッケル、赤血塩等が含有されている。 【0025】具体的には、低温封孔剤としてフッ化ニッケルを用いる場合、フッ化ニッケルを濃度2〜7g/l、好ましくは3〜6g/lで含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは25〜35℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1〜10分間、好ましくは2〜5分間浸漬することにより行われる。 【0026】低温封孔剤として赤血塩を用いる場合、赤血塩を濃度3〜20g/l、好ましくは5〜15g/lで含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは25〜30℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1〜20分間、好ましくは5〜10分間浸漬することにより行われる。 【0027】また、低温封孔処理としては上記のように低温封孔剤を用いる場合の他、例えば、加湿封孔処理を行ってもよい。加湿封孔処理を行う場合、相対湿度80%RH以上、温度30〜40℃で1〜10日間放置することにより行われる。 【0028】高温封孔処理とは、65℃以上の処理液中で陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。処理液中には所望により高温封孔剤、例えば、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩が含有されるが、特に酢酸ニッケルを用いることが最も好ましい。 【0029】具体的には、高温封孔剤として酢酸ニッケルを用いる場合、酢酸ニッケルを濃度3〜20g/l、好ましくは4〜12g/lで含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度65〜100℃、好ましくは70〜90℃に調整し、これに上記低温封孔処理済み陽極酸化層を有する支持体を5〜40分間、好ましくは5〜30分間浸漬することにより行われる。高温封孔剤として酢酸ニッケル以外の酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩を用いる場合も、酢酸ニッケルを用いる場合に準じて行われる。 【0030】高温封孔処理としては上記のように高温封孔剤を用いる場合の他、例えば、純水による熱水封孔処理または蒸気封孔処理等を行ってもよい。熱水封孔処理を行う場合、温度65〜100℃、好ましくは90〜98℃の熱水に10〜60分間、好ましくは20〜40分間浸漬することにより行われる。蒸気封孔処理を行う場合には、3.0〜6.0kg/cm2の水蒸気圧下、10〜30分間、好ましくは10〜20分間放置することにより行われる。 【0031】このような封孔処理のうち、封孔の効率性の観点から酢酸ニッケルまたはフッ化ニッケルによる封孔処理が好ましい。 【0032】なお、上記の各処理工程間においては、次工程の処理を効率よく、確実に行うため、水道水または純粋による水洗等の補助的処理工程を設けることが好ましい。 【0033】上記のようにして得られた感光体基体上には、公知の方法により感光層が形成される。感光層としては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態、電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形態、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態のいずれであってもよいが、以下、感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場合について説明する。 【0034】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着するか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布するか、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送層を形成する。 【0035】本発明の感光体に用いられる電荷発生材料としては、例えばフタロシアニン系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、スクアリリウム系色素、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジゴ系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、等の有機物質が挙げられる。この他、光を吸収して極めて高い効率で電荷担体を発生する材料であれば、いずれの材料であっても使用することができる。 【0036】また、本発明の感光体に用いられる電荷輸送材料としては、有機物質が好ましく、例えばヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材料を使用することができる。 【0037】上記のような感光体の製造に使用される結着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例えば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することができる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリイミド樹脂、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピロール等の光導電性樹脂等が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしくは2種以上組み合わせて使用される。なお、電荷輸送材料がそれ自身バインダーとして使用できる高分子電荷輸送材料である場合は、他の結着樹脂を使用しなくてもよい。 【0038】本発明の感光体は結着樹脂とともにハロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フタル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用してもよい。 【0039】さらに本発明の感光体は、上記感光層上に表面保護層を設けてもよい。表面保護層に用いられる材料としては、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂などのポリマーをそのまま、または酸化チタンや酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化合物を分散させたものなどが適当である。また、表面保護層として有機プラズマ重合膜を使用することができる。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子を含んでいてもよい。 【0040】本発明の感光体は感光層を選択することによって、反転現像方式、正規現像方式いずれの方式でも、本発明の効果を得つつ、有効に使用することができるが、反転現像方式で用いることが特に好ましい。 【0041】このようにして製造された感光体が組み込まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれであってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。 【0042】 【実施例】 実施例1純度99.9%以上のアルミニウム地金と表1に示す合金成分を溶解・鋳造した後、均質化処理を施してから、外径80.5mm、内径78mm、長さ350mmに押し出し成形した。その後、外径が80mmになるよう、その表面を、切り刃に天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工して、表面粗さ0.5S以下の円筒状アルミニウム合金支持体を得た。これを、界面活性剤(トップアルクリーン161(奥野製薬工業社製))を用いて60℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。次いで、濃度55g/lの水酸化ナトリウム水溶液により40℃で20秒間エッチング処理し、純水で流水洗浄した後、濃度100g/lの硝酸水溶液により20℃で5分間中和処理し、純水で流水洗浄した。次に、電解液として200g/lの硫酸を用いて、電解電圧14V、液温30℃で8分間陽極酸化処理を行い、厚さ6μmの陽極酸化層を形成した。 【0043】これを純水で流水洗浄した後、濃度7g/l、pH5.7の酢酸ニッケル水溶液に、温度80℃で10分間浸漬することにより封孔処理を行い、純水洗浄後、乾燥させ、感光体基体を得た。 【0044】一方、τ型無金属フタロシアニン(Liophoton TPA−909:東洋インキ製造社製)1重量部とポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学社製)1重量部とをテトラヒドロフラン(THF)48重量部と共にサンドミルにより分散させた。得られたフタロシアニン系の分散液を上記感光体基体に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成した。 【0045】下記式:【化1】
で表されるスチリル化合物4重量部とポリカーボネート樹脂(PC−Z、帝人化成社製)6重量部とを塩化メチレン44重量部に溶解させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させて、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。 【0046】実施例2〜3および比較例1〜4アルミニウム以外の合金成分を表1に示す割合で用いたこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。 【0047】(評価)実施例1〜3および比較例1〜4で得られた電子写真感光体をそれぞれデジタル複写機(Di33;ミノルタ社製)に搭載して画出しを行い、干渉縞および黒ポチについて評価した。 【0048】干渉縞ハーフトーン画像(ID:0.5)を複写し、10枚複写後における複写画像の干渉縞の発生を目視により、以下のランク付けに従って評価した。 ○:干渉縞の発生は全くなかった; △:干渉縞が部分的に発生したが、実用上問題なかった; ×:干渉縞が全面的に発生し、実用に適さなかった。 【0049】黒ポチ白ベタ画像を複写し、10枚複写後における複写画像の黒ポチの発生を目視により、以下のランク付けに従って評価した。 ○:良好; △:若干発生しているが、実用上問題なかった; ×:多数発生しており、実用に適さなかった。 【0050】これらの評価結果を、使用されたアルミニウム合金の成分組成とともに以下の表1に示す。なお、仕事関数が4.3未満の金属の含量はアルミニウム合金支持体作成時に添加された量を、仕事関数が4.3以上の金属の含量はプラズマ発光分光分析(ICP)により測定された値を示すものである。 【0051】 【表1】
【0052】 【発明の効果】本発明により、干渉縞および黒ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供することが可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006079 【氏名又は名称】ミノルタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−84702 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−250308 |
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