| 【発明の名称】 |
双極子微粒子を分散させた材料を用いた表示素子 |
| 【発明者】 |
【氏名】中西 八郎
【氏名】笠井 均
【氏名】藤田 賢志
【氏名】岡田 修司
【氏名】及川 英俊
【氏名】林 豊治
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】液体、ポリマー中、又は透明電極上の少なくとも一種の媒体に双極子微粒子を分散させ、一対の電極間に配置させ、電圧印加により制御する表示素子。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体、ポリマー中、又は透明電極上の少なくとも一種の媒体に双極子微粒子を分散させ、一対の電極間に配置させ、電圧印加により制御する表示素子。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子に係わる。 【0002】 【従来の技術】近年、表示、画像処理、ホログラム、光計測、スイッチなどにおいて、透過型あるいは反射型液晶素子などが広く開発されてきており、パーソナル・コンピューターやその他電化製品の表示部分に幅広く利用されている。これに用いられる素子は、液晶分子の配向変化による複屈折率の変化や、あるいは組み込まれた色素の光吸収変化により光変調を行なっている。代表的な液晶表示方式であるTNモード液晶では二枚の偏光子が組み合わされて用いられるために視野角が狭くなるという問題点のほか、特別仕様の円偏光・反射回路を組み込むのでなければ、少なくとも入射光は50%以下に減少するという欠点も指摘されている。また素子製作上においても、膜厚むらを光波長以下に抑えるための高度制御が不可欠になるなどの素子製造工程の複雑化が避けられない。これに対して、偏光板を用いない方法としては、電圧印加による光散乱変化を利用する方式がある。例えば、電圧印加による相転移を利用したものや、液晶液滴分散ポリマーのように電圧無印加の時は分散液滴液晶が乱雑配向しているために光透過しないものが電圧印加により液晶分子軸に沿った方向に入射する光に対して透明になるというものである。これらについてはいくつかの問題点が指摘されている。前者については高い駆動電圧が要求されることや、応答速度も遅くなる。また、後者では応答速度が遅いというほかに印加電圧に対する光透過応答特性にヒステリシスが現れ、マルチプレクス駆動を行うのに実用的に問題があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従来の原理に基づく液晶表示素子は光透過率が低い、視野角依存性が大きい、高い駆動電圧が必要である、といった問題点が指摘されてきた。本発明は、以上の問題点を解決する。すなわち偏光板使用による光透過の減衰を防止し、かつ視野角依存性の少ない、低電圧駆動の表示素子を提供する。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、液体、ポリマー中、又は透明電極上の少なくとも一種の媒体に双極子微粒子を分散させ、一対の電極間に配置させ、電圧印加により制御する表示素子を提供するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】液体、ポリマー中、又は透明電極上に双極子微粒子を分散させ、外部電圧印加時に電圧による外力により該微粒子が一定方向に配列した状態と、外部電圧無印加時の状態の間での光学的性質の変化を利用することを特徴としている。 【0006】すなわち、原理的に偏光板を不可欠の技術構成要素とするものではなく、また分散液滴液晶ポリマーのように微小空間内での液晶配列変化のために高駆動電圧が要請されたり、応答にヒステリシスが付随するということもない表示素子を提供する。 【0007】本発明でいう双極子微粒子とは双極子すなわち電気双極子をもつ微粒子ないしは微結晶のことであり、微粒子ないしは微結晶を構成する分子の双極子が配列した結果、構成分子の双極子の総和が微粒子ないしは微結晶全体の双極子となるので、印加電圧に対する応答単位である双極子微粒子の双極子は著しく大きくなり、低駆動電圧で動作することが可能になる。 【0008】双極子微粒子を構成する分子としては集合し、微粒子を形成すると双極子を発現するものであれば、本発明に供することが可能であるが、特に二次非線形光学効果を発現する分子ならびに結晶が好ましい。 【0009】具体的には、 DAST(ジメチルアミノスチルバゾリウム p−トルエンスルホナ−ト)、 bisA(ビスフェノ−ル−A−ジグリシジルエ−テル)、COANP(2−シクロオクチルアミノ−5−ニトロピリジン)、NPDA(4−ニトロ−1、2−フェニレンジアミン)、BMC(4−ブロモ−4’−メトキシカルコン)、MMONS(3−メチル−4−メトキシ−4’−ニトロスチルベン)、PNP(2−(N−(S)−プロリノ−ル)−5−ニトロピリジン)、MNA(メチルニトロアニリン)などが挙げられる。 【0010】分子の集合による微粒子の形成はあらかじめ可溶溶媒に溶解させた分子の溶液を該分子にたいしては難溶な溶媒に滴下するとによっても得られるし、分子を蒸発させ、凝集させる方法によっても得ることが可能である。双極子微粒子の径は0.01ミクロン乃至1ミリメートルが好ましく、正の誘電異方性であっても負の誘電異方性であっても支障はない。双極子微粒子を分散させる媒体としては、双極子微粒子が安定して分散し、その印加電圧応答が不可能でないかぎり用いることができる。それゆえ、もし双極子分子が水やアルコールのような極性溶媒に可溶であれば、無極性溶媒中に分散する。安定な分散を可能にするのは通例の物質の溶解についての法則ならびにコロイド化学の知見による。 【0011】本発明におけるような双極子微粒子の径ではその微小性の故にゼータ電位が高められ高度な分散性を可能にしている。また、ポリマー中に分散させることも可能であり、ポリメチルメタクリルアミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ−トなどポリマーの極性に応じて種々選択することができる。直接透明電極上に分散させることも可能である。さらにはこれらの組み合わせの媒体を選択することも個々の所望の目的を実現するためには選ばれる。本発明による素子は電圧を印加して双極子微粒子の配向を制御することが要請される。 【0012】素子の構造の一例とその動作原理を明らかにするために図を用いて説明する。一例として素子の構造は、図1、図2において、1:双極子微粒子、2:溶媒、3:表示素子、4:透明電極、5:ガラス基板、6:スペーサー・封止剤、7:直流電源、8:スイッチ、から成る。分散している双極子微粒子の配向状態は、電圧無印可の時と電圧印可の時とでは、それぞれ図1、図2のようになる。本実施例の場合、光の吸収に関与する微粒子の遷移モーメントは、おおむね微粒子の双極子方向(図1、図2中で分散微粒子に縞線で示した方向)に優勢である。従って、本実施例のように入射光線が紙面内上方から入射する時、図1の場合に較べて、図2の場合吸収が減少する。電極の組み合わせとして透明電極を用いるときには例えば、インジウム・スズ酸化物電極などを用いることができる。これは、光進行方向に電極が横切る形に装備された素子にとっては有効である。櫛形電極の如き形態で素子を構成する場合には特に透明電極は必要ではなく、金やアルミニウムなど通例、電極として用いられるものであればよい。 【0013】また、カラーフィルター、入射光源波長などを選択することによりカラー化することが可能である。通常、液晶表示素子の駆動に用いられるスタティック駆動、単純マルチプレックス駆動、アクティブ・マルティプレックス駆動と組み合わせることが可能であるし、入射光源の設定としては背面配置透過型、反射板配置反射型、投射型も容易に用いることができ、広い範囲の応用がある。 【0014】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1図1に示すように、インジウム錫酸化物透明電極4を装填したガラス基板5で一定の間隔を置いて挟まれた表示素子3にスイッチと直流電源を装備した装置を用意する。大きな双極子を持つ有機分子で無極性有機溶媒に不溶である化合物DAST(ジメチルアミノスチルバゾリウム p−トルエンスルホナート)をエタノールなどの有機溶媒に溶解させた溶液を、シクロヘキサンなどの無極性有機溶媒に一気に注入すると、再沈澱効果により、微粒子・微結晶が析出する。この時、双極子が同じ方向に並ぶ分子によって微結晶、すなわち双極子微粒子が構成される。この様に作成したDAST微結晶のシクロヘキサン中分散液を前記透明電極付き基板5の間に封入した。テフロン樹脂を接着剤にして、基板の周囲を接着した。ガラス間距離は3mmとした。 【0015】印加電圧をかけた際の吸光度変化を求めるために、紫外・可視吸収光度計を用いた。試作した素子は極大吸収波長が550nmで、電源7から電圧を印加しない状態では吸光度が0.500であった。図3に印加電圧(直流)を20Vとした場合の550nmにおける吸光度と、印加電圧なしの時の吸光度のよるスイッチング現象を示す。20Vの電圧を印加した状態では吸光度が約0.425を示し、約15%減少した。これは微結晶の配向状態が限定されたこと、すなわち電極に対して垂直方向(光の進行方向に平行)に双極子分子の双極子方向が優勢に配向したためである。また、光進行方向は同一にして、上記の場合とは直交する方向から20Vの印加電圧をかけた際の紫外・可視吸収光度計における吸光度変化を測定した場合、吸光度は増加した。これは、光進行方向に対して垂直方向に分子の双極子方向が優勢になったためである。 【0016】 【発明の効果】以上記載のように本発明は従来ない、双極子微粒子を用いるという原理にもとづく素子の実現であって、透過率が高く、視野角依存性の小さい、駆動電圧の低い、応答速度が速い表示素子が提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005887 【氏名又は名称】三井化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月24日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−271815 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−75853 |
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