| 【発明の名称】 |
液晶表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 威一郎
【氏名】山原 基裕
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| 【要約】 |
【課題】左右方向と共に上下方向の視野角を拡大し、視角を倒したときや中間調表示時に着色のない広視野角で高品位な画像を実現する。
【解決手段】液晶表示素子1と偏光板4、5との間に、主屈折率がna=nc>nbの関係を有し、表面に概ね平行な主屈折率naの方向を軸として時計回り又は反時計回りに、主屈折率nbの方向が表面の法線方向から傾斜し、主屈折率ncの方向が表面に概ね平行な方向から傾斜している位相差板2、3を配置する。液晶層8は液晶材料の平均アルキル鎖長m、正常光屈折率noの波長に対する変化度合及び異常光屈折率neの波長に対する変化度合の組み合わせ条件を視角に依存した画面着色が発生しない範囲に設定する。液晶層8は画素内で異なる配向状態を有する領域8a、8bに分割し、領域8a、8bは異なる比率で設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の基板の間に液晶層が挟持され、少なくとも一方の基板の該液晶層側表面に配向膜が設けられている液晶表示素子と、該液晶表示素子の両側を挟む一対の偏光子と、少なくとも一方の偏光子及び該液晶表示素子の間に設けられた少なくとも1枚の光学位相差素子とを有し、該液晶層が各画素内で液晶の配向状態が異なる複数の領域に分割され、各領域が画素内で占める比率が異なっている液晶表示装置において、該光学位相差素子の屈折率楕円体の3つの主屈折率na、nb及びncがna=nc>nbの関係を有し、該光学位相差素子の表面に概ね平行な主屈折率naを軸として、主屈折率nbの方向が表面の法線方向から時計回り又は反時計回りに傾斜すると共に、主屈折率ncの方向が表面に概ね平行な方向から時計回り又は反時計回りに傾斜しており、かつ、該液晶層中の液晶材料の平均アルキル鎖長と、該液晶材料の正常光屈折率noの波長に対する変化度合と、該液晶材料の異常光屈折率neの波長に対する変化度合との組み合わせ条件が視角に依存した画面着色が発生しない範囲に設定されている液晶表示装置。 【請求項2】 前記液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm>3.90の範囲に設定され、該液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、−0.422m+2.55≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定されている請求項1に記載の液晶表示装置。 【請求項3】 前記液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、−0.343m+2.26≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定されている請求項2に記載の液晶表示装置。 【請求項4】 前記液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm<3.40の範囲に設定され、該液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.422m+2.55の範囲に設定されている請求項1に記載の液晶表示装置。 【請求項5】 前記液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.343m+2.26の範囲に設定されている請求項4に記載の液晶表示装置。 【請求項6】 前記液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmが3.40≦m≦3.90の範囲に設定され、該液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、0.80≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.20の範囲に設定されている請求項1に記載の液晶表示装置。 【請求項7】 前記液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、0.85<((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))<1.15の範囲に設定されている請求項6に記載の液晶表示装置。 【請求項8】 波長550nmの光に対する前記液晶材料の屈折率異方性Δn(550)が、0.060<Δn(550)<0.120の範囲に設定されている請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の液晶表示装置。 【請求項9】 波長550nmの光に対する前記液晶材料の屈折率異方性Δn(550)が、0.070≦Δn(550)≦0.095の範囲に設定されている請求項8に記載の液晶表示装置。 【請求項10】 前記光学位相差素子における屈折率楕円体の傾斜角が15゜以上75゜以下の範囲に設定されている請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の液晶表示装置。 【請求項11】 前記光学位相差素子の主屈折率na及びnbの差と、該光学位相差素子の厚さdとの積(na−nb)×dが80nm以上250nm以下の範囲に設定されている請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の液晶表示装置。 【請求項12】 前記液晶の配向状態が異なる複数の領域の内、画素内で最も大きい領域において、前記配向膜の配向処理方向と前記光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが反対方向になるように前記液晶表示素子と該光学位相差素子とが配置されている請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の液晶表示装置。 【請求項13】 前記液晶の配向状態が異なる複数の領域の内、画素内で最も小さい領域において、該配向膜の配向処理方向と該光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが同一方向になるように前記液晶表示素子と該光学位相差素子とが配置されている請求項12に記載の液晶表示装置。 【請求項14】 前記液晶層が各画素内で2つの領域に分割され、各画素内での第1領域及び第2領域の比が6:4以上19:1以下の範囲に設定されている請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の液晶表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子と光学的異方性を有する位相差素子とを組み合わせることにより表示画面の視野角が改善された液晶表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、ネマティック液晶を用いた液晶表示装置は時計や電卓等の数値セグメント型表示装置として広く用いられている。さらに、近年においては、ワードプロセッサやノートブック型パーソナルコンピュータ等に使用されるディスプレイ装置、或いはナビゲーションシステム等に使用される表示装置としても広く用いられている。 【0003】この液晶表示装置は、一般に、液晶層を間に挟んで対向配置される一対の基板を有しており、この基板上に画素をオン・オフさせるための電極や配線等が形成されている。例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置においては、液晶に電圧を印加するための画素電極がマトリクス状に設けられ、各画素電極に選択的に電位を与えるためのスイッチング手段として電界効果トランジスタ等の能動素子が上記電極や配線と共に基板上に設けられている。さらに、カラー表示を行う液晶表示装置においては、基板上に赤色、緑色、青色等のカラーフィルタ層が設けられている。 【0004】このような液晶表示装置においては、使用されるネマティック液晶のツイスト角に応じて以下のような表示方式が知られている。 【0005】(1)ネマティック液晶分子のツイスト角を一対の基板間で90゜に捩れ配向させたアクティブ駆動型ツイストネマティック液晶表示方式(以下、TN方式と称する)。 【0006】(2)ネマティック液晶分子のツイスト角を一対の基板間で90゜よりも大きく捩れ配向させたマルチプレックス駆動型スーパーツイストネマティック液晶表示方式(以下、STN方式と称する)。 【0007】ところで、上記表示方式の液晶表示装置においては、観察者が表示画面を見る方向や見る角度によって表示画像のコントラストが変化したり反転現象が生じたりするという視角依存性があるため、広視野の視角特性が得られないという問題がある。 【0008】この問題を改善するために、例えば特開昭57−1867835号公報には各画素内で複数の視角特性が生じるように液晶層の配向を分割する配向分割方法が開示されている。或いは、特開平7−234407号公報や特開平7−248497号公報には各画素内で液晶に複数のツイスト配向を生じさせる方法が開示されている。 【0009】しかし、このような画素分割法により画素を2分割して画素内に配向状態が異なる2つの領域を形成した場合、表示画面の上下方向(12時−6時方向)と左右方向(3時−9時方向)とで全く異なる視角特性を示すという問題がある。例えば上下方向では視角を倒すと黒表示時の光透過率が上昇してコントラストが不十分になり、左右方向ではコントラストは良好であるものの反転現象が生じてしまう。 【0010】さらに、各画素内で複数のツイスト配向を生じさせたり複数に配向分割させた場合、偏光板の吸収軸又は透過軸から方位45゜方向において視角特性を向上させることは困難である。 【0011】そこで、特開平6−118406号公報及び特開平6−194645号公報には、上述のような画素分割法と光学位相差板とを組み合わせた技術が開示されている。 【0012】まず、特開平6−118406号公報には、液晶表示素子と偏光板との間に光学的異方性を有するフィルム(光学位相差板)を挿入することによりコントラストを向上させた液晶表示装置が開示されている。 【0013】次に、特開平6−194645号公報には、補償板(光学位相差板)表面に平行な方向の面内で屈折率が殆ど無く、かつ、補償板表面に垂直な方向の屈折率が面内の屈折率よりも小さくなるように設定した補償板が開示されている。このような補償板は負の屈折率異方性を有するので、電圧が印加されたときに液晶表示素子に生じる正の屈折率異方性を補償して視角依存性を低減させることができる。 【0014】しかし、今日のようにさらなる広視野角及び高表示品位の液晶表示装置が望まれている状況下においては、上述のような画素分割法と負の一軸性光学位相差板とを組み合わせただけでは充分とは言えない。その理由は、上述した技術では画素の分割比率が同じであるため、負の一軸性光学位相差板を用いて左右方向を改善することはできるが、上下方向は従来のTN−LCD(ツイステッドネマティック液晶ディスプレイ)における6時方向と12時方向との重ね合わせになるので、負の一軸性光学位相差板を用いただけではあまり改善されないからである。 【0015】そこで、特開平10−3081号公報には、画素内を異なる比率で分割する画素分割法と上述のような屈折率楕円体を傾斜させた光学位相差板とを組み合わせる技術が開示されている。この公報に開示されている液晶表示装置は、各画素内で大きい分割領域において、光学位相差板の屈折率楕円体の傾斜方向と、配向膜近傍の液晶分子のプレティルトの方向とが互いに反対方向になるように、液晶表示素子と光学位相差板とが配置されている。これにより、左右方向の視野角拡大と同時に上下方向の視野角拡大を図ることができる。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日のようにさらなる広視野角、高表示品位及び色再現性に優れた液晶表示装置が要求されている状況下においては、上述したような異なる比率で画素分割する画素分割法と屈折率楕円体を傾斜させた光学位相差板とを組み合わせただけでは必ずしも充分であるとは言えない。 【0017】例えば、偏光板と液晶表示素子との間に上述のような光学位相差板(光学異方性フィルム)を配置した場合、液晶材料の正常光屈折率の波長依存性や異常光屈折率の波長依存性と光学位相差板の屈折率とのマッチングが悪い場合には、視角を倒したときや中間調表示時に着色が顕著になって表示画像の状態が著しく悪化するという問題がある。 【0018】本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、左右方向と同時に上下方向の視野角も拡大することができ、さらに、視角を倒したときや中間調表示時に着色が生じない広視野角で高品位な画像表示を実現することができる液晶表示装置を提供することを目的とする。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層が挟持され、少なくとも一方の基板の該液晶層側表面に配向膜が設けられている液晶表示素子と、該液晶表示素子の両側を挟む一対の偏光子と、少なくとも一方の偏光子及び該液晶表示素子の間に設けられた少なくとも1枚の光学位相差素子とを有し、該液晶層が各画素内で液晶の配向状態が異なる複数の領域に分割され、各領域が画素内で占める比率が異なっている液晶表示装置において、該光学位相差素子の屈折率楕円体の3つの主屈折率na、nb及びncがna=nc>nbの関係を有し、該光学位相差素子の表面に概ね平行な主屈折率naを軸として、主屈折率nbの方向が表面の法線方向から時計回り又は反時計回りに傾斜すると共に、主屈折率ncの方向が表面に概ね平行な方向から時計回り又は反時計回りに傾斜しており、かつ、該液晶層中の液晶材料の平均アルキル鎖長と、該液晶材料の正常光屈折率noの波長に対する変化度合と、該液晶材料の異常光屈折率neの波長に対する変化度合との組み合わせ条件が視角に依存した画面着色が発生しない範囲に設定されており、そのことにより上記目的が達成される。 【0020】前記液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm>3.90の範囲に設定され、該液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、−0.422m+2.55≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定されていてもよい。 【0021】前記液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、−0.343m+2.26≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定されていてもよい。 【0022】前記液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm<3.40の範囲に設定され、該液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.422m+2.55の範囲に設定されていてもよい。 【0023】前記液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.343m+2.26の範囲に設定されていてもよい。 【0024】前記液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmが3.40≦m≦3.90の範囲に設定され、該液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、0.80≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.20の範囲に設定されていてもよい。 【0025】前記液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とが、0.85<((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))<1.15の範囲に設定されていてもよい。 【0026】波長550nmの光に対する前記液晶材料の屈折率異方性Δn(550)が、0.060<Δn(550)<0.120の範囲に設定されているのが好ましい。 【0027】波長550nmの光に対する前記液晶材料の屈折率異方性Δn(550)が、0.070≦Δn(550)≦0.095の範囲に設定されているのが好ましい。 【0028】前記光学位相差素子における屈折率楕円体の傾斜角が15゜以上75゜以下の範囲に設定されているのが好ましい。 【0029】前記光学位相差素子の主屈折率na及びnbの差と、該光学位相差素子の厚さdとの積(na−nb)×dが80nm以上250nm以下の範囲に設定されているのが好ましい。 【0030】前記液晶の配向状態が異なる複数の領域の内、画素内で最も大きい領域において、前記配向膜の配向処理方向と前記光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが反対方向になるように前記液晶表示素子と該光学位相差素子とが配置されているのが好ましい。 【0031】前記液晶の配向状態が異なる複数の領域の内、画素内で最も小さい領域において、該配向膜の配向処理方向と該光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが同一方向になるように前記液晶表示素子と該光学位相差素子とが配置されているのが好ましい。 【0032】前記液晶層が各画素内で2つの領域に分割され、各画素内での第1領域及び第2領域の比が6:4以上19:1以下の範囲に設定されているのが好ましい。 【0033】以下、本発明を完成するに至った経緯及び本発明の作用について説明する。 【0034】上述したように、液晶層が各画素内で比率が異なる複数の領域に異なる比率で分割された液晶表示素子と、屈折率楕円体を傾斜させた負の一軸性を有する光学位相差素子とを組み合わせることで、左右方向(3時−9時方向)における視野角拡大と同時に上下方向(6時−12時方向)における視野角拡大を図ることができる。 【0035】この液晶表示装置において、画素内で最も大きい領域で電圧印加時に液晶分子が立ち上がる方向が光学位相差素子の屈折率楕円体の傾斜方向と互いに反対方向になるように液晶表示素子と光学位相差素子とを配置すると、画素内で最も大きい領域において電圧印加と共に立ち上がる液晶分子の屈折率異方性が負の一軸性を有する光学位相差素子で補償される。この場合、コントラストの向上及び階調反転の低減を図ることができるが、その反面、黒階調がつぶれてしまうという問題がある。そこで、画素内で最も小さい領域では電圧印加時に液晶分子が立ち上がる方向が光学位相差素子の屈折率楕円体の傾斜方向と同じ方向になるように配置する。この場合、最小領域では最大領域と正反対の視角特性を有するので、この成分が加わることにより最大領域における黒階調のつぶれを軽減して上下方向の視野角拡大を図ることができる。 【0036】しかしながら、このような液晶表示装置においても液晶材料の正常光屈折率noの波長依存性や液晶材料の異常光屈折率neの波長依存性と、光学位相差板の屈折率の波長依存性とのマッチングが悪いと、視角を倒したときや中間調表示時に表示画面の着色が顕著になって表示画像の状態が著しく悪化してしまう。 【0037】そこで、本発明においては、左右方向と同時に上下方向の視野角を拡大しつつ、視角を倒したときや中間調表示時に着色が生じない高視野角で高品位の液晶表示装置を実現すべく、液晶層の材料についての設計指針を設定した。 【0038】本発明の液晶表示装置にあっては、液晶材料の平均アルキル鎖長と、液晶材料の正常光屈折率noの波長に対する変化度合と、異常光屈折率neとの組み合わせ条件を視角に依存した画面着色が発生しない範囲に設定している。これにより画面の着色をより一層防止することが可能となり、さらに、後述する実施形態に示すように、コントラスト変化や反転現象についても、位相差板の補償機能のみの場合よりもさらに改善することができる。 【0039】具体的には、液晶材料の平均アルキル鎖長と、液晶材料の正常光屈折率noの波長に対する変化度合と、液晶材料の異常光屈折率neの波長に対する変化度合との組み合わせ条件は、以下のように設定する。 【0040】(1)液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm>3.90である場合、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とを、−0.422m+2.55≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定する。 【0041】この範囲とすることで、後述する実施形態1に示すように、視角を倒したときや中間調表示時に着色の無い広視野角で高品位な表示画像が得られる。 【0042】さらに好ましくは、−0.343m+2.26≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定する。 【0043】この範囲とすることで、後述する実施形態1に示すように、さらに着色を無くして広視野角、高品位で色再現性に優れた表示画像が得られる。 【0044】(2)液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm<3.40である場合、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とを、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.422m+2.55の範囲に設定する。 【0045】この範囲とすることで、後述する実施形態2に示すように、視角を倒したときや中間調表示時に着色の無い広視野角で高品位な表示画像が得られる。 【0046】さらに好ましくは、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.343m+2.26の範囲に設定する。 【0047】この範囲とすることで、後述する実施形態2に示すように、さらに着色を無くして広視野角、高品位で色再現性に優れた表示画像が得られる。 【0048】(3)液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmが3.40≦m≦3.90である場合、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とを、0.80≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.20の範囲に設定する。 【0049】この範囲とすることで、後述する実施形態3に示すように、視角を倒したときや中間調表示時に着色の無い広視野角で高品位な表示画像が得られる。 【0050】さらに好ましくは、0.85<((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))<1.15の範囲に設定する。 【0051】この範囲とすることで、後述する実施形態3に示すように、さらに着色を無くして広視野角、高品位で色再現性に優れた表示画像が得られる。 【0052】本発明の液晶表示装置にあっては、波長550nmの光に対する液晶材料の屈折率異方性Δn(550)を0.060<Δn(550)<0.120の範囲に設定するのが好ましい。可視光領域である波長550nmの光に対する液晶材料の屈折率異方性Δn(550)が0.060以下又は0.120以上である場合、後述する実施形態4に示すように、視角方向によって反転現象やコントラスト比の低下が発生することが確認されているからである。そこで、波長550nmの光に対する液晶材料の屈折率異方性Δn(550)を0.060より大きく0.120より小さい範囲に設定することにより視角に応じた位相差を解消することができるので、液晶表示画面においてコントラスト変化や左右方向の反転現象等もさらに改善することができる。 【0053】さらに、波長550nmの光に対する液晶材料の屈折率異方性Δn(550)を0.070≦Δn(550)≦0.095の範囲に設定することにより、後述する実施形態4に示すように、液晶表示素子に視角に応じて生じる位相差をより効果的かつ確実に解消することができる。従って、液晶表示画面におけるコントラスト変化や左右方向の反転現象等を確実に改善することができる。 【0054】本発明の液晶表示装置にあっては、光学位相差素子における屈折率楕円体の傾斜角を15゜以上75゜以下の範囲に設定するのが好ましい。このように屈折率楕円体の傾斜角を設定することにより、後述する実施形態4に示すように、光学位相差素子による補償機能を確実に得ることができる。 【0055】本発明の液晶表示装置にあっては、光学位相差素子の主屈折率na及びnbの差と、厚さdとの積(na−nb)×dを80nm以上250nm以下の範囲に設定するのが好ましい。このように光学位相差素子の主屈折率na及びnbの差と厚さdとの積を設定することにより、後述する実施形態4に示すように、光学位相差素子による補償機能を確実に得ることができる。 【0056】本発明の液晶表示装置にあっては、液晶の配向状態が異なる複数の領域の内、画素内で最も大きい領域で配向膜の配向処理方向(ラビング方向)と光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが反対方向になるように配置するのが好ましい。このように配置することにより、電圧を印加したときに液晶分子が立ち上がる方向と光学位相差板の屈折率楕円体の傾斜方向が互いに反対になるので、液晶分子の立ち上がりに伴う光学異方性を光学位相差板で確実に補償することができる。 【0057】さらに、画素内で最も小さい領域で配向膜の配向処理方向と光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが同一方向になるように液晶表示素子と光学位相差素子とを配置するのが好ましい。この場合、画素内で最も小さい領域は画素内で最も大きい領域と正反対の視角特性を有するので、この成分が加わることにより最も大きい領域における黒階調のつぶれを軽減して上下方向の視野角拡大を図ることができる。 【0058】上記液晶層を各画素内で2つの領域に分割する場合には、各画素内での第1領域及び第2領域の比を6:4以上19:1以下の範囲に設定するのが好ましい。この範囲に設定することにより、後述する実施形態5に示すように、上下方向のコントラスト向上及び黒反転の低減を図ると共に、黒階調のつぶれを軽減して上下方向の視野角拡大を図ることができる。 【0059】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。 【0060】図1は、本発明の一実施形態である液晶表示装置の構造を示す断面図である。この液晶表示装置は、液晶表示素子1と一対の光学位相差板2、3と一対の偏光板(偏光子)4、5とからなるユニット(液晶セル16)と駆動回路17とを備えている。 【0061】液晶表示素子1は、対向して配置される一対の電極基板6、7の間に液晶層8が挟持された構造を有する。一方の電極基板6は、ベースとなるガラス基板(透光性基板)9の液晶層8側の表面にITO(インジウム錫酸化物)からなる透明電極10が形成され、その上に配向膜11が形成されている。他方の電極基板7は、ベースとなるガラス基板(透光性基板)12の液晶層8側の表面にITOからなる透明電極13が形成され、その上に配向膜14が形成されている。両透明電極10、11は駆動回路17に接続されている。 【0062】尚、この図1においては簡略化のために1画素分の構成を示しているが、液晶表示素子1の表示部のほぼ全体において所定幅の帯状の透明電極10、13がガラス基板9、12上に所定間隔をあけて設けられ、一方のガラス基板9上の透明電極10と他方のガラス基板10上の透明電極13とは基板面に垂直な方向から見て相互に交差(ここでは直交)するように形成されている。 【0063】両透明電極10、13の交差部が表示を行う画素に相当し、これらの画素は液晶表示装置の全面にマトリクス状に配置されている。 【0064】両電極基板6、7はシール樹脂15により貼り合わせられており、電極基板6、7とシール樹脂15とで囲まれる空間内に液晶層8が封入されている。液晶層8には透明電極10、13を介して駆動回路17から表示データに基づいた電圧が印加される。 【0065】両電極基板6、7の液晶層8側表面に設けられている配向膜11、14は互いに状態の異なる2つの領域を有しており、2つの領域間で液晶分子に付与するプレティルト角を異ならせたり、液晶分子のプレティルト方向を基板面に垂直な方向に対して互いに反対方向に向かせたりする。これにより、液晶層8において配向膜の一方の領域に面する第1領域8aと他方の領域に面する第2領域8bとで液晶分子の配向状態が異なるように制御される。 【0066】さらに、本実施形態においては視角を上下方向及び左右方向に傾けたときの視角特性を向上させるために、図2に示すように、1つの画素内が液晶層8の配向状態が異なる領域8a、8bに異なる比率で分割されている。 【0067】図2は液晶パネルを法線方向から見たときの模式図であり、矢印P1は領域8aにおける配向膜11側のラビング方向、矢印P3は領域8aにおける配向膜14側のラビング方向を示し、矢印P2は領域8bにおける配向膜11側のラビング方向、矢印P4は領域8bにおける配向膜14側のラビング方向を示す。このように配向膜11、14にラビング処理を施すことにより、画素内を異なる配向状態の液晶領域8a、8bに異なる比率で分割することができる。 【0068】液晶表示素子1とその両側の偏光板4、5との間には、光学位相差板2、3が各々1枚ずつ配置されている。この光学位相差板2、3は、透明な有機高分子からなる支持体にディスコティック液晶が傾斜配向又はハイブリッド配向されて架橋されたものである。これにより、後述するように、屈折率楕円体が傾斜した位相差板2、3が得られる。 【0069】光学位相差板2、3の支持体材料としては、一般に偏光板の材料として用いられるトリアセチルセルロース(TAC)が最も適しており、信頼性が高い位相差板が得られる。それ以外の材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の耐環境性や耐薬品性に優れた無色透明の有機高分子フィルムが適している。 【0070】光学位相差板2、3は、図3に示すように、異なる3方向の主屈折率na、nb、ncを有している。 【0071】主屈折率naの方向は、互いに直交する座標軸xyzのうち、位相差板2、3の表面に平行(画面に平行)なy軸の方向と一致している。主屈折率nbの方向は、主屈折率naの方向を軸として、位相差板2、3の表面に垂直(表面の法線方向、画面に垂直)なz軸の方向から矢印Aの方向にθ傾いている。主屈折率ncの方向は、主屈折率naの方向を軸として、位相差板2、3の表面に平行(画面に平行)なx軸の方向から矢印Bの方向にθ傾いている。この図3において、位相差板2、3に異方性を与える方向に傾斜する主屈折率nbの方向を位相差板2、3の表面に投影した方向をDとする。 【0072】3つの主屈折率na、nb及びncはna=nc>nbの関係を有している。この場合、光学軸が1つのみ存在することになるので光学位相差板2、3は一軸性を備えたものとなり、屈折率異方性が負となる。 【0073】この光学位相差板2、3の第1のリターデーション値は主屈折率na及びncの差(屈折率異方性Δn)と光学位相差板の厚さdとの積(nc−na)×dで表されるが、na=ncであるためほぼ0nmになる。第2のリターデーション値は主屈折率na及びnbの差(屈折率異方性Δn)と光学位相差板の厚さdとの積(na−nb)×dで表されるが、80nm以上250nm以下の範囲に設定するのが好ましい。この範囲に設定することにより、光学位相差板2、3による位相差補償機能を確実に得ることができる。 【0074】本実施形態の液晶表示装置においては、液晶表示素子1、位相差板2、3及び偏光板4、5は図4に示すように配置されている。尚、この図においては、簡単のため、領域8bを省略してある。 【0075】偏光板4の吸収軸AX1は上述の領域8aにおける配向膜11側のラビング方向P1と平行になるように配置され、偏光板5の吸収軸AX2は上述の領域8aにおける配向膜14側のラビング方向P3と平行になるように配置されている。光学位相差板2は、図3に示した方向D(D1)が領域8aにおける配向膜11側のラビング方向P1と平行になるように配置され、光学位相差板3は、図3に示した方向D(D2)が領域8aにおける配向膜14側のラビング方向P3と平行になるように配置されている。 【0076】さらに、上述の液晶層8においては、光学位相差板2、3の屈折率の波長依存性とのマッチングを考慮して、液晶材料の平均アルキル鎖長と、液晶材料の正常光屈折率noの波長に対する変化度合と、液晶材料の異常光屈折率neの波長に対する変化度合との組み合わせ条件は、表示画面に視角に依存した着色が発生しない範囲に設定してある。 【0077】具体的には、液晶材料の平均アルキル鎖長と、液晶材料の正常光屈折率noの波長に対する変化度合と、液晶材料の異常光屈折率neの波長に対する変化度合との組み合わせ条件は、以下に示す(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすように設定する。 【0078】(1)液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm>3.90である場合、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とを、−0.422m+2.55≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定する。 【0079】さらに好ましくは、−0.343m+2.26≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲に設定する。 【0080】(2)液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmがm<3.40である場合、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とを、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.422m+2.55の範囲に設定する。 【0081】さらに好ましくは、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.343m+2.26の範囲に設定する。 【0082】(3)液晶材料の平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmが3.40≦m≦3.90である場合、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)とを、0.80≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.20の範囲に設定する。 【0083】さらに好ましくは、0.85<((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))<1.15の範囲に設定する。 【0084】この構成により、本実施形態の液晶表示装置は、視角を倒したときや中間調表示時に着色の無い広視野角で高品位な表示画像を得ることができる。 【0085】以下に、本発明の液晶表示装置について、さらに具体的な実施形態を挙げて説明する。 【0086】(実施形態1)本実施形態1では、図1に示した液晶表示装置において、液晶層8の液晶材料として下記構造式で示される材料系をブレンドして、1モルに対する平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmをm>3.90とし、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)の変化度合と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)の変化度合とを −0.422m+2.55≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00 ・・・ (A) の範囲に設定したものを用いた。 【0087】 【化1】
【0088】配向膜11、14としては日本合成ゴム社製のオプトマーAL(商品名)を用い、液晶層8における第1領域8a:第2領域8b=17:3に設定し、液晶セル16のセル厚(液晶層8の厚み)は5μmとして、下記表1に示す5つの液晶表示装置(サンプル#11〜#15)を作製した。尚、下記表1及び後述する実施形態2〜5の表3、表5、表7、表8において、F{no(λ),ne(λ)}=((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))を示す。 【0089】 【表1】
【0090】光学位相差板2、3としては、透明な支持体(例えばトリアセチルセルロース(TAC)等)にディスコティック液晶を塗布し、ディスコティック液晶を傾斜配向させて架橋させて、第1のリターデーション値(nc−na)×dが0nm、第2のリターデーション値(na−nb)×dが100nmであり、図3に示した主屈折率nbの方向がxyz座標軸におけるz軸方向から矢印Aの方向に約20゜傾き、主屈折率ncの方向がx軸方向から矢印Bの方向に約20゜傾いた屈折率楕円体の傾斜角度θ=20゜のものを作製した。 【0091】さらに、比較のために、図1の液晶表示装置に示した液晶表示装置において、液晶層8の液晶材料として、F{no(λ),ne(λ)}が上記式(A)の範囲外である液晶材料を用いた以外は本実施形態と同様にして上記表1に示した2つの液晶表示装置(比較サンプル#201及び#202)を作製した。 【0092】上記サンプル#11〜#15及び比較サンプル#201、#202について、視角50゜、60゜及び70゜における色味の目視評価を行った結果を下記表2に示す。尚、下記表2及び後述する実施形態2、3の表4、表6において、○は着色無し、△を使用に耐え得る程度の着色あり、×は使用に耐えない程度の着色ありを示す。 【0093】 【表2】
【0094】上記表2に示すように、本実施形態のサンプル#13〜#15については、視角70゜まで倒しても着色は確認されず、表示特性が非常に良好である。従って、−0.343m+2.26≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.00の範囲では、より優れた特性が得られることがわかる。 【0095】また、本実施形態のサンプル#11及び#12については、視角60゜及び視角70゜については着色が見られるものの、視角50゜までは着色が確認されず、表示特性が良好で使用に耐え得るレベルであった。 【0096】これに対して、比較サンプル#201及び#202については、視角50゜まで倒すと着色が激しく、使用に耐え得るレベルではなかった。 【0097】(実施形態2)本実施形態2では、図1に示した液晶表示装置において、液晶層8の液晶材料として実施形態2で示した材料系をブレンドして、1モルに対する平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmをm<3.40とし、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)の変化度合と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)の変化度合とを 1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.422m+2.55 ・・・ (B) の範囲に設定したものを用いた。 【0098】配向膜11、14としては日本合成ゴム社製のオプトマーAL(商品名)を用い、液晶層8における第1領域8a:第2領域8b=17:3に設定し、液晶セル16のセル厚(液晶層8の厚み)は5μmとして、下記表3に示す5つの液晶表示装置(サンプル#21〜#25)を作製した。 【0099】 【表3】
【0100】光学位相差板2、3としては、透明な支持体(例えばトリアセチルセルロース(TAC)等)にディスコティック液晶を塗布し、ディスコティック液晶を傾斜配向させて架橋させて、第1のリターデーション値(nc−na)×dが0nm、第2のリターデーション値(na−nb)×dが100nmであり、図3に示した主屈折率nbの方向がxyz座標軸におけるz軸方向から矢印Aの方向に約20゜傾き、主屈折率ncの方向がx軸方向から矢印Bの方向に約20゜傾いた屈折率楕円体の傾斜角度θ=20゜のものを作製した。 【0101】さらに、比較のために、図1の液晶表示装置に示した液晶表示装置において、液晶層8の液晶材料として、F{no(λ),ne(λ)}が上記式(B)の範囲外である液晶材料を用いた以外は本実施形態と同様にして上記表3に示した2つの液晶表示装置(比較サンプル#301及び#302)を作製した。 【0102】上記サンプル#21〜#25及び比較サンプル#301、#302について、視角50゜、60゜及び70゜における色味の目視評価を行った結果を下記表4に示す。 【0103】 【表4】
【0104】上記表4に示すように、本実施形態のサンプル#23〜#25については、視角70゜まで倒しても着色は確認されず、表示特性が非常に良好である。従って、1.00≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦−0.343m+2.26の範囲では、より優れた特性が得られることがわかる。 【0105】また、本実施形態のサンプル#21及び#22については、視角60゜及び視角70゜については着色が見られるものの、視角50゜までは着色が確認されず、表示特性が良好で使用に耐え得るレベルであった。 【0106】これに対して、比較サンプル#301及び#302については、視角50゜まで倒すと着色が激しく、使用に耐え得るレベルではなかった。 【0107】(実施形態3)本実施形態3では、図1に示した液晶表示装置において、液晶層8の液晶材料として実施形態2で示した材料系をブレンドして、1モルに対する平均アルキル鎖(CmH2m+1−)の長さmを3.40≦m≦3.90とし、液晶材料の波長450nmの光に対する異常光屈折率ne(450)、波長550nmの光に対する異常光屈折率ne(550)及び波長650nmの光に対する異常光屈折率ne(650)の変化度合と、波長450nmの光に対する正常光屈折率no(450)、波長550nmの光に対する正常光屈折率no(550)及び波長650nmの光に対する正常光屈折率no(650)の変化度合とを 0.80≦((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))≦1.20 ・・・ (C) の範囲に設定したものを用いた。 【0108】配向膜11、14としては日本合成ゴム社製のオプトマーAL(商品名)を用い、液晶層8における第1領域8a:第2領域8b=17:3に設定し、液晶セル16のセル厚(液晶層8の厚み)は5μmとして、下記表5に示す5つの液晶表示装置(サンプル#31〜#35)を作製した。 【0109】 【表5】
【0110】光学位相差板2、3としては、透明な支持体(例えばトリアセチルセルロース(TAC)等)にディスコティック液晶を塗布し、ディスコティック液晶を傾斜配向させて架橋させて、第1のリターデーション値(nc−na)×dが0nm、第2のリターデーション値(na−nb)×dが100nmであり、図3に示した主屈折率nbの方向がxyz座標軸におけるz軸方向から矢印Aの方向に約20゜傾き、主屈折率ncの方向がx軸方向から矢印Bの方向に約20゜傾いた屈折率楕円体の傾斜角度θ=20゜のものを作製した。 【0111】さらに、比較のために、図1の液晶表示装置に示した液晶表示装置において、液晶層8の液晶材料として、F{no(λ),ne(λ)}が上記式(C)の範囲外である液晶材料を用いた以外は本実施形態と同様にして上記表3に示した2つの液晶表示装置(比較サンプル#401及び#402)を作製した。 【0112】上記サンプル#31〜#35及び比較サンプル#401、#402について、視角50゜、60゜及び70゜における色味の目視評価を行った結果を下記表6に示す。 【0113】 【表6】
【0114】上記表6に示すように、本実施形態のサンプル#32〜#34については、視角70゜まで倒しても着色は確認されず、表示特性が非常に良好である。従って、0.85<((no(450)−no(550))/(no(550)−no(650)))/((ne(450)−ne(550))/(ne(550)−ne(650)))<1.15の範囲では、より優れた特性が得られることがわかる。 【0115】また、本実施形態のサンプル#31及び#35については、視角60゜及び視角70゜については着色が見られるものの、視角50゜までは着色が確認されず、表示特性が良好で使用に耐え得るレベルであった。 【0116】これに対して、比較サンプル#401及び#402については、視角50゜まで倒すと着色が激しく、使用に耐え得るレベルではなかった。 【0117】(実施形態4)本実施形態4では、図1に示した液晶表示装置において、液晶セル16の配向膜11、14として日本合成ゴム社製のオプトマーALを用い、この配向膜に対して波長550nmの光に対する屈折率異方性Δn(550)を0.070、0.080、0.095に設定した材料を液晶層8の材料として用いた。液晶層8において配向状態が異なる領域の分割比は17:3とし、液晶セル16のセル厚を5μmとして3つの液晶表示装置(サンプル#41〜#43)を作製した。各サンプルにおいては、液晶材料の平均アルキル鎖長m、F{no(λ),ne(λ)}は下記表7のように設定した。 【0118】 【表7】
【0119】位相差板2、3としては、ディスコティック液晶を傾斜配向させた上記実施形態1と同様のものを用いた。 【0120】さらに、比較のために、図1の液晶表示装置に示した液晶表示装置において、液晶層8の液晶材料として波長550nmの光に対する屈折率異方性Δn(550)を0.060、0.120に設定したものを用いた以外は本実施形態と同様にして2つの液晶表示装置(比較サンプル#501及び#502)を作製した。 【0121】上記サンプル#41〜#43及び比較サンプル#501、#502について、図5に示すような受光素子18、増幅器19及び記録装置20を備えた測定系に設置して視角特性についての測定を行った。 【0122】この測定系において、液晶表示装置の液晶セル16はガラス基板9側の面16aが直交座標軸xyzの基準面x−yの位置になるように設置される。また、一定の立体受光角で受光し得る受光素子18は、液晶セル16の面16aに垂直なz方向に対して角度φ(視角)をなす方向に、座標原点から所定距離を置いた位置に配置される。 【0123】測定時には、測定系に設置された液晶セル16に対して面16aの反対側の面から波長550nmの単色光を照射する。これにより、液晶セル16を透過した単色光の一部が受光素子18に入射される。そして、受光素子18の出力が、増幅器19で所定のレベルに増幅された後、波形メモリやレコーダ等を備えた記録装置20によって記録される。 【0124】この測定系に本実施形態のサンプル#41〜#43及び比較サンプル#501、#502を設置して、受光素子18を一定の角度φで固定した場合の各液晶表示装置への印加電圧と受光素子18の出力レベルとの関係を測定した。 【0125】ここでは、角度φが50゜となるように受光素子18を配置し、x方向が画面の下側(正視角方向)であり、y方向が画面の左側であると仮定して、受光素子18の配置位置を上方向(反視角方向)及び左右方向に各々変化させて測定を行った。 【0126】本実施形態のサンプル#41〜#43についての測定結果を図6(a)〜(c)に、比較サンプル#501及び#502についての測定結果を図7(a)〜(c)に示す。図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)は、各液晶表示装置に印加される電圧に対する光の透過率(透過率−液晶印加電圧特性)を示すグラフであり、図6(a)及び図7(a)が上方向から測定を行った結果であり、図6(b)及び図7(b)が右方向から測定を行った結果であり、図6(c)及び図7(c)が左方向から測定を行った結果である。 【0127】この図6(a)〜(c)において、一点鎖線で示した曲線L21、L24、L27が液晶層8にΔn(550)=0.070の液晶材料を用いたサンプル#41を示し、実線で示した曲線L22、L25、L28が液晶層8にΔn(550)=0.080の液晶材料を用いたサンプル#42を示し、点線で示した曲線L23、L26、L29が液晶層8にΔn(550)=0.095の液晶材料を用いたサンプル#43を示す。図7(a)〜(c)において、実線で示した曲線L310、L32、L34が液晶層8にΔn(550)=0.060の液晶材料を用いた比較サンプル#501を示し、点線で示した曲線L31、L33、L35が液晶層8にΔn(550)=0.120の液晶材料を用いた比較サンプル#502を示す。 【0128】上方向の透過率−液晶印加電圧特性については、本実施形態のサンプル#41〜#43では図6(a)のL21〜L23に示すように、電圧が高くなるのに伴って透過率が充分下がることが確認された。これに対して、比較サンプル#502では図7(a)のL31に示すように、電圧を高くしても充分に透過率が下がらず、比較サンプル#501では図7(a)のL30に示すように、電圧が高くなるのに伴って透過率が一旦低下した後で再び上昇する反転現象が見られた。 【0129】同様に、右方向の透過率−液晶印加電圧特性については、本実施形態のサンプル#41〜#43では図6(b)のL24〜L26に示すように、電圧が高くなるのに伴って透過率がほぼ0近くまで低下することが確認された。一方、比較サンプル#501では図7(b)のL32に示すように、電圧が高くなるのに伴って透過率がほぼ0近くまで低下するが、比較サンプル#502では図7(b)のL33に示すように、電圧が高くなるに伴って透過率が一旦低下した後で再び上昇する反転現象が見られた。 【0130】同様に、左方向の透過率−液晶印加電圧特性については、本実施形態のサンプル#41〜#43では図6(c)のL27〜L29に示すように、電圧が高くなるのに伴って透過率がほぼ0近くまで低下することが確認された。一方、比較サンプル#501では図7(c)のL34に示すように、電圧が高くなるのに伴って透過率がほぼ0近くまで低下するが、比較サンプル#502では図7(c)のL35に示すように、電圧が高くなるに伴って透過率が一旦低下した後で再び上昇する反転現象が見られた。 【0131】以上の結果から、液晶層8の液晶材料として波長550nmの光に対する屈折率異方性Δn(550)を0.070、0.080、0.095に設定した本実施形態の液晶表示装置(サンプル#41〜#43)では、図6(a)〜図6(c)に示したように、広視野角で反転現象の無い視角特性に優れた液晶表示装置を実現できることがわかる。 【0132】これに対して、液晶層8の液晶材料として波長550nmの光に対する屈折率異方性Δn(550)を0.060、0.120に設定した液晶表示装置(比較サンプル#501及び#502)では、図7(a)〜図7(c)に示したように、反転現象が起きたり電圧印加時の透過率が充分低下しなかったりして実用上、耐え得るレベルではないことがわかる。 【0133】さらに、上記光学位相差板2、3の屈折率楕円体の傾斜角度θを変化させて、透過率−液晶印加電圧特性の傾斜角度θに対する依存性を調べた結果、15゜≦θ≦75゜の範囲内のとき、上記光学位相差板の液晶層に対する光学補償効果が確実なものとなり、広視野角の液晶表示装置が実現できることがわかった。 【0134】これに対して、傾斜角度が15゜未満又は75゜を超える光学位相差板では視野角が広がらず、充分な視角特性が得られなかった。傾斜角度が15゜未満又は75゜を超える光学位相差板では、特に、反視角方向における視野角が狭くなる傾向が見られた。 【0135】さらに、上記光学位相差板2、3の第2のリターデーション値(na−nb)×dを変化させて視野角特性に与える影響を調べた結果、この値が80nm以上250nm以下の範囲内のとき、上記光学位相差板の液晶層に対する光学補償効果が確実なものとなり、広視野角の液晶表示装置が実現できることがわかった。 【0136】これに対して、第2のリターデーション値(na−nb)×dが80nm未満又は250nmを超える光学位相差板では視野角が広がらず、充分な視角特性が得られなかった。第2のリターデーション値(na−nb)×dが80nm未満又は250nmを超える光学位相差板では、特に、左右方向における視野角が狭くなる傾向が見られた。 【0137】(実施形態5)本実施形態5では、図1に示した液晶表示装置において、液晶セル16の配向膜11、14として日本合成ゴム社製のオプトマーALを用い、液晶セル16のセル厚は5μmとして、液晶層8において配向状態が異なる領域の分割比(第1領域8a:第2領域8b)が6:4、17:3、19:1の3つの液晶表示装置(サンプル#1〜#3)を作製した。各サンプルにおいては、液晶材料の平均アルキル鎖長m、F{no(λ),ne(λ)}は下記表8のように設定した。 【0138】 【表8】
【0139】位相差板2、3としては、ディスコティック液晶を傾斜配向させた上記実施形態1と同様のものを用いた。 【0140】そして、図5に示した受光素子18、増幅器19及び記録装置20を備えた測定系を用いて第1領域8aと第2領域8bとの比率が視角特性に与える影響を検証する実験を行った。 【0141】この測定系において、液晶表示装置の液晶セル16は実施形態4と同様に、ガラス基板9側の面16aが直交座標軸xyzの基準面x−yの位置になるように設置した。また、一定の立体受光角で受光し得る受光素子18は、液晶セル16の面16aに垂直なz方向に対して角度φ(視角)をなす方向に、座標原点から所定距離を置いた位置に配置した。 【0142】測定時には、測定系に設置された液晶セル16に対して面16aの反対側の面から波長550nmの単色光を照射した。これにより、液晶セル16を透過した単色光の一部が受光素子18に入射され、受光素子18の出力が、増幅器19で所定のレベルに増幅された後、波形メモリやレコーダ等を備えた記録装置20によって記録される。 【0143】この測定系に、本実施形態のサンプル#1〜#3を設置して、受光素子18を一定の角度φで固定した場合の各液晶表示装置への印加電圧と受光素子18の出力レベルとの関係を測定した。 【0144】ここでは、角度φが30゜となるように受光素子18を配置し、y方向が画面の左側であると仮定して、受光素子18の配置位置を上方向(反視角方向)、下方向(正視角方向)、左方向及び右方向に各々変化させて測定を行った。 【0145】このときの測定結果を図8(a)〜(c)に示す。図8(a)〜(c)は、各液晶表示装置に印加される電圧に対する光の透過率(透過率−液晶印加電圧特性)を示すグラフであり、図8(a)が分割比6:4のサンプル#1の測定結果であり、図8(b)が分割比17:3のサンプル#2の測定結果であり、図8(c)が分割比19:1のサンプル#3の測定結果である。 【0146】この図8(a)〜(c)において、実線で示した曲線L1がz軸方向、破線で示した曲線L2が下方向、点線で示した曲線L3が右方向、一点鎖線で示した曲線L4が上方向、二点鎖線で示した曲線L5が左方向の特性を示している。 【0147】図8(b)からわかるように、分割比17:3のサンプル#2では中間調表示域における透過率−印加電圧特性において、曲線L2〜L5が曲線L1に近接している。従って、中間調表示域では画面の上下左右いずれの方向に視角を傾けてもほぼ同様な視角特性を得ることができる。 【0148】下方向の測定ではON状態で透過率がほぼ7%という低い値に一定に保たれ、反転現象が確認されなかった。上方向の測定ではON状態で透過率が下方向で測定された透過率よりも低い値であり、充分低下していることが確認された。 【0149】図8(a)に示したサンプル#1及び図8(c)に示したサンプル#3についても、ほぼ同様な視角特性の改善が見られた。 【0150】例えば、図8(a)に示すように、分割比が6:4のサンプル#1では中間調表示域及びON状態で曲線L2(下方向)が曲線L4(上方向)に近づく傾向が現れ始め、分割比が大きくなるに従ってその傾向が強まる。一方、図8(c)に示すように、分割比が19:1のサンプル#3では中間調表示域及びON状態で曲線L2(下方向)が曲線L1(z軸向)に近づく傾向が現れ始め、分割比が小さくなるに従ってその傾向が強まる。これにより、下方向(正視角方向)に対して表示画像の黒階調がつぶれる現象が抑制される。 【0151】さらに詳しく調べた結果、分割比が7:3〜9:1の範囲では、上述した17:3のサンプル#3のように、下方向と上方向とでバランスの取れた良好な視角特性の改善が見られることが確認された。 【0152】さらに、比較のために、液晶層8の第1領域8a:第2領域8b=1:1に設定した比較サンプル#101を作製し、図5に示した測定系に設置して視角依存正を測定した。その結果を図9に示す。 【0153】この図9において、実線で示した曲線L11がz軸方向、破線で示した曲線L12が下方向、点線で示した曲線L13が右方向、一点鎖線で示した曲線L14が上方向、二点鎖線で示した曲線L15が左方向の特性を示している。 【0154】この図9からわかるように、左右方向についてはON状態で充分低い透過率が得られ、視角特性に問題はない。しかし、上下方向についてはON状態で透過率が充分低下しておらず、上下方向に視角依存性を有していることがわかる。 【0155】なお、ここでは液晶表示素子1の両側に2枚の光学位相差板2、3を配置したが、いずれか一方のみを液晶表示素子1の片側に配置しても上述のような視角特性を得ることができる。但し、光学位相差板が1枚の場合、上下方向の視角特性はバランスが取れて改善されるが、左右方向の視角特性が非対称になることがある。これに対して、2枚設けた場合には上下方向の視角特性は1枚の場合と同様に改善され、左右方向の視角特性も対称になって上下左右とも視角特性が改善される。さらに、光学位相差板を2枚配置する場合、両方を液晶表示素子1の片側に重ねて配置してもよい。さらに、3枚以上の位相差板を用いることも可能である。 【0156】 【発明の効果】以上詳述したように本発明による場合には、液晶層が各画素内で配向状態が異なる複数の領域に異なる比率で分割された液晶表示素子と、屈折率楕円体を傾斜させた負の一軸性を有する光学位相差素子とを組み合わせることで、表示画面の左右方向(3時−9時方向)における視野角拡大と共に、上下方向(6時−12時方向)における視野角拡大を実現することができる。特に、上方向(反視角方向)では電圧印加時の透過率を充分低下させることができ、下方向(正視角方向)では電圧印加時の黒階調のつぶれ現象を軽減させることができる。 【0157】それに加えて、液晶材料の平均アルキル鎖長と正常光屈折率noの波長に対する変化度合と異常光屈折率neとの組み合わせ条件を最適化することにより、視角を倒したときや中間調表示時の表示画面の着色を抑えることができる。従って、広視野角・高コントラストでしかも表示画面の着色の無い視認性に優れた表示特性を有する液晶表示装置を実現することができる。 【0158】さらに、請求項2、請求項4又は請求項6の本発明による場合には、視角を50゜まで倒しても着色の無い視認性に優れた表示特性を有する液晶表示装置を実現することができる。 【0159】特に、請求項3、請求項5及び請求項7の本発明による場合には、視角を70゜まで倒しても着色の無い視認性に優れた表示特性を有する液晶表示装置を実現することができる。 【0160】請求項8の本発明による場合には、波長550nmの光に対する液晶材料の屈折率異方性Δn(550)を0.060<Δn(550)<0.120の範囲に設定することにより、電圧印加時の透過率を充分低下させると共に反転現象やコントラスト比の低下を防ぐことができる。 【0161】特に、請求項9の本発明による場合には、波長550nmの光に対する液晶材料の屈折率異方性Δn(550)を0.070≦Δn(550)≦0.095の範囲に設定することにより、電圧印加時の透過率をより一層低下させると共に反転現象やコントラスト比の低下を確実に防ぐことができる。 【0162】請求項10の本発明による場合には、光学位相差素子における屈折率楕円体の傾斜角を15゜以上75゜以下の範囲に設定することにより、光学位相差素子の液晶層に対する光学的補償機能を確実に得ることができるので、広視野角で高コントラストの表示特性を有する液晶表示装置を実現することができる。 【0163】請求項11の本発明による場合には、光学位相差素子の主屈折率na及びnbの差と、厚さdとの積(na−nb)×dを80nm以上250nm以下の範囲に設定することにより、光学位相差素子の液晶層に対する光学的補償機能を確実に得ることができるので、広視野角で高コントラストの表示特性を有する液晶表示装置を実現することができる。 【0164】請求項12の本発明による場合には、画素内で最も大きい領域で配向膜の配向処理方向と光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが反対方向になるように液晶表示素子と光学位相差素子とを配置することにより、電圧を印加したときに液晶分子が立ち上がる方向と光学位相差板の屈折率楕円体の傾斜方向とが互いに反対になる。これにより、液晶分子の立ち上がりに伴う光学異方性を光学位相差板で確実に補償することができるので、広視野角で高コントラストの表示特性を有する液晶表示装置を実現することができる。 【0165】特に、請求項13の本発明による場合には、画素内で最も小さい領域で配向膜の配向処理方向と光学位相差素子の主屈折率nb及びncの傾斜方向とが同一方向になるように液晶表示素子と光学位相差素子とを配置することにより、画素内で最も小さい領域を画素内で最も大きい領域と正反対の視角特性とし、この成分を加えることにより最も大きい領域における黒階調のつぶれを軽減して上下方向の視野角拡大を図ることができる。 【0166】さらに、請求項14の本発明による場合には、各画素内において液晶層の第1領域及び第2領域の比を6:4以上19:1以下にすることにより、左右方向の視野角拡大と共に、上方向(反視角方向)のコントラスト向上、下方向(正視角方向)の電圧印加時における黒階調のつぶれ抑制を実現することができる。よって、広視野角で高コントラスト、かつ、視認性に優れた液晶表示装置を実現することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策
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| 【公開番号】 |
特開平11−271763 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−76351 |
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