| 【発明の名称】 |
レーザー走査光学装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中井 武彦
|
| 【要約】 |
【課題】回折光学素子を一種類の形状で形成すると共に、光量ロスすることなく、スポット径を小さくし、かつ焦点深度を増大させて高画質な画像を得ることができるレーザー走査光学装置を得ること。
【解決手段】画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束をコリメーターレンズにより略平行光束として偏向手段に導光し、偏向手段により偏向された光束を結像手段を介して被走査面上に導光し、被走査面上を走査する際、光源手段と該偏向手段との間の光路中にビーム整形手段を設け、ビーム整形手段はそこから射出する光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状の光束に整形する第1、第2の回折光学素子を有し、第1、第2の回折光学素子間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成することによって、第1、第2の回折光学素子を同一形状より形成したこと。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束をコリメーターレンズにより略平行光束として偏向手段に導光し、該偏向手段により偏向された光束を結像手段を介して被走査面上に導光し、該被走査面上を走査するレーザー走査光学装置において、該光源手段と該偏向手段との間の光路中にビーム整形手段を設け、該ビーム整形手段はそこから射出する光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状の光束に整形する第1、第2の回折光学素子を有し、該第1、第2の回折光学素子間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成することによって、該第1、第2の回折光学素子を同一形状より形成したことを特徴とするレーザー走査光学装置。 【請求項2】 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を光軸の回りに所定の角度に偏向させ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を再度光軸回りの平行光束に偏向させることを特徴とする請求項1のレーザー走査光学装置。 【請求項3】 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を偏向させる角度を主走査方向と副走査方向とで互いに異ならせ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を輪帯状の平行光束に偏向させることを特徴とする請求項1のレーザー走査光学装置。 【請求項4】 前記第1、第2の回折光学素子は、同一種類の材料からなる基板より製造されていることを特徴とする請求項1、2又は3のレーザー走査光学装置。 【請求項5】 前記第1、第2の回折光学素子は、同一基板の両面に各々製造されていることを特徴とする請求項2のレーザー走査光学装置。 【請求項6】 画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束をコリメーターレンズにより略平行光束として偏向手段に導光し、該偏向手段により偏向された光束を結像手段を介して被走査面上に導光し、該被走査面上を走査するレーザー走査光学装置において、該光源手段と該偏向手段との間の光路中にビーム整形手段を設け、該ビーム整形手段はそこから射出する光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状の光束に整形する第1、第2の回折光学素子を有し、該第1、第2の回折光学素子間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成することによって、該第1、第2の回折光学素子を同一形状より形成し、該第1、第2の回折光学素子間に絞り部材を設けたことを特徴とするレーザー走査光学装置。 【請求項7】 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を光軸の回りに所定の角度に偏向させ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を再度光軸回りの平行光束に偏向させることを特徴とする請求項6のレーザー走査光学装置。 【請求項8】 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を偏向させる角度を主走査方向と副走査方向とで互いに異ならせ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を輪帯状の平行光束に偏向させることを特徴とする請求項6のレーザー走査光学装置。 【請求項9】 前記第1、第2の回折光学素子は、同一種類の材料からなる基板より製造されていることを特徴とする請求項6、7又は8のレーザー走査光学装置。 【請求項10】 前記絞り部材は前記第1の回折光学素子からの射出光束の外輪の光束を制限することを特徴とする請求項6のレーザー走査光学装置。 【請求項11】 前記絞り部材は前記第1の回折光学素子からの射出光束の内輪の光束を制限することを特徴とする請求項6のレーザー走査光学装置。 【請求項12】 前記絞り部材は前記第1の回折光学素子からの射出光束の外輪及び内輪の光束を制限することを特徴とする請求項6のレーザー走査光学装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はレーザー走査光学装置に関し、特に回折光学素子より成るビーム整形手段により光源手段から出射された光束を効果的にビーム整形することにより、スポット径を小さくすると共に焦点深度を増加させることができる、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機等の装置に好適なレーザー走査光学装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来よりレーザービームプリンタやデジタル複写機等に用いられる走査光学装置においては画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束(レーザー光束)を、例えばポリゴンミラーから成る光偏向器により周期的に偏向させ、f−θ特性を有する結像光学系により感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に集束させ、その面上を光走査して画像記録を行なっている。 【0003】図10はこの種の走査光学装置の要部概略図である。 【0004】同図においてレーザーユニット111から出射した光束は該レーザーユニット111の内部に設けたコリメーターレンズにより略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ112に入射している。シリンドリカルレンズ112に入射した平行光束のうち主走査断面においてはそのまま平行光束の状態で射出する。又副走査断面においては収束して光偏向器113の偏向面(反射面)113aにほぼ線像として結像している。そして偏向面113aで偏向した光束は球面レンズ114とトーリックレンズ115とを有する結像光学系(fθレンズ系)120を介して感光ドラム面116上に集光し、該光偏向器113を図中矢印A方向に回転させることにより、該感光ドラム面116上を図中矢印B方向(主走査方向)に光走査している。これにより記録媒体である感光ドラム面116上に画像記録を行なっている。 【0005】図11は図10に示したレーザユニット111の拡大説明図である。 【0006】同図において101は光源としての半導体レーザ、102は基台、103はホルダー、104はレンズ鏡筒、105はコリメータレンズ、106は開口絞りである。 【0007】同図において画像情報を含んだ駆動信号に制御された半導体レーザ101から出射された光束はコリメータレンズ105により平行光束に変換され、開口絞り106によって光束断面の大きさが決められレーザユニット111から射出される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】近年、レーザービームプリンタやデジタル複写機等は高解像度化及び高画質化が求められてきており、特に高分解能、ハーフトーン(中間階調)における豊かな階調再現に応える為に、被走査面である感光ドラム面上でのスポット径を、より小さくすることが求められている。 【0009】しかしながら単純にN.A(開口数)を広げることでスポット径を小さくすると焦点深度が減少し、製造公差が厳しくなるという問題点がある。 【0010】この問題点を解決する為に、例えば特開平5−307151号公報で見られるように、第1種0次のベッセルビームを発生させてスポット径を小さくすると共に焦点深度を増加させる方法が提案されている。 【0011】しかしながらベッセルビームを発生させる為に、例えば円錐プリズムや位相・振幅フィルタ等を使用しなければならず、その為装置全体が複雑化になり易い傾向にあった。 【0012】そこで低コストでスポット径を小さくすると共にビームの副極大の影響を最小限に抑え、焦点深度を増加させる手段として、例えば図9に示すようにコリメーターレンズ105で略平行光束に変換された該平行光束の光軸近傍の光束を遮光手段108により遮光し、輪帯状(リング状)にビーム形状を整形する走査光学装置が提案されている。 【0013】しかしながら上記の走査光学装置を、例えば高精細化を必要とするレーザープリンタ(特にカラーレーザープリンタ)に適用した場合はレーザー光束の中央部の光束を遮光することによる光量ロスが許容できなくなってくるという問題点が生じてくる。 【0014】本発明の第1の目的は光源手段と偏向手段との間の光路中に第1、第2の回折光学素子を有するビーム整形手段を設け、該第1、第2の回折光学素子間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成し、該光源手段から出射する光束を効果的にビーム整形することにより、光量ロスすることなく、スポット径を小さくし、かつ焦点深度を増大させて高画質な画像を得ることができ、更には該第1、第2の回折光学素子を同一形状のものを使用することができるレーザー走査光学装置の提供にある。 【0015】本発明の第2の目的は上記の構成において第1、第2の回折光学素子間に絞り部材を設けることにより、フレア光の抑制された良好なるスポットを被走査面上で得ることができるレーザー走査光学装置の提供にある。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明のレーザー走査光学装置は、(1) 画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束をコリメーターレンズにより略平行光束として偏向手段に導光し、該偏向手段により偏向された光束を結像手段を介して被走査面上に導光し、該被走査面上を走査するレーザー走査光学装置において、該光源手段と該偏向手段との間の光路中にビーム整形手段を設け、該ビーム整形手段はそこから射出する光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状の光束に整形する第1、第2の回折光学素子を有し、該第1、第2の回折光学素子間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成することによって、該第1、第2の回折光学素子を同一形状より形成したことを特徴としている。 【0017】特に(1-1) 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を光軸の回りに所定の角度に偏向させ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を再度光軸回りの平行光束に偏向させることや、(1-2) 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を偏向させる角度を主走査方向と副走査方向とで互いに異ならせ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を輪帯状の平行光束に偏向させることや、(1-3) 前記第1、第2の回折光学素子は、同一種類の材料からなる基板より製造されていることや、(1-4) 前記第1、第2の回折光学素子は、同一基板の両面に各々製造されていること、等を特徴としている。 【0018】(2) 画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束をコリメーターレンズにより略平行光束として偏向手段に導光し、該偏向手段により偏向された光束を結像手段を介して被走査面上に導光し、該被走査面上を走査するレーザー走査光学装置において、該光源手段と該偏向手段との間の光路中にビーム整形手段を設け、該ビーム整形手段はそこから射出する光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状の光束に整形する第1、第2の回折光学素子を有し、該第1、第2の回折光学素子間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成することによって、該第1、第2の回折光学素子を同一形状より形成し、該第1、第2の回折光学素子間に絞り部材を設けたことを特徴としている。 【0019】特に(2-1) 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を光軸の回りに所定の角度に偏向させ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を再度光軸回りの平行光束に偏向させることや、(2-2) 前記第1の回折光学素子は前記コリメーターレンズからの入射平行光束を偏向させる角度を主走査方向と副走査方向とで互いに異ならせ、前記第2の回折光学素子は該第1の回折光学素子で偏向された光束を輪帯状の平行光束に偏向させることや、(2-3) 前記第1、第2の回折光学素子は、同一種類の材料からなる基板より製造されていることや、(2-4) 前記絞り部材は前記第1の回折光学素子からの射出光束の外輪の光束を制限することや、(2-5) 前記絞り部材は前記第1の回折光学素子からの射出光束の内輪の光束を制限することや、(2-6) 前記絞り部材は前記第1の回折光学素子からの射出光束の外輪及び内輪の光束を制限すること、等を特徴としている。 【0020】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1のレーザー走査光学装置の光学系の要部概略図である。図2は図1に示した光源手段からビーム整形手段までの主要部分の要部概略図である。図3(A),(B)は各々順に図2に示した第1、第2の回折光学素子の形状を示す拡大説明図である。 【0021】図中、1は光源手段であり、例えば半導体レーザより成っている。2はコリメーターレンズであり、光源手段1から出射した光束(レーザー光束)を略平行光束に変換している。3は絞り部材(開口絞り)であり、光束の断面の大きさを整形している。 【0022】4はビーム整形手段であり、該ビーム整形手段4から射出する光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状(リング状)の光束に整形する第1、第2の回折光学素子9,10を有し、該第1、第2の回折光学素子9,10間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成することによって、該第1、第2の回折光学素子9,10を同一形状(一種類の形状)より形成している。本実施形態における第1の回折光学素子9はコリメーターレンズ2からの入射平行光束を光軸の回りに所定の角度に偏向させ、第2の回折光学素子10は該第1の回折光学素子9で偏向された光束を再度光軸回りの平行光束に偏向させている。また第1の回折光学素子9と第2の回折光学素子10の基板の材質(材料)を同一にして製造している。 【0023】11,12は各々順に第1、第2の回折光学素子9,10の第1、第2の回折格子である。 【0024】5はシリンドリカルレンズであり、副走査方向にのみ所定の屈折力を有している。6は光偏向器であり、例えばポリゴンミラーより成っており、モータ等の駆動手段(不図示)により矢印A方向に一定速度で回転している。7は結像手段としてのfθ特性を有する結像光学系(fθレンズ系)であり、単一のトーリックレンズより成っており、光偏向器6で偏向された光束を被走査面としての感光ドラム面8上に結像させている。 【0025】本実施形態において画像信号に応じて光源手段1から光変調され出射した光束はコリメーターレンズ2で略平行光束に変換され、絞り部材3によってその光束断面の大きさがビーム整形されてビーム整形手段4に入射する。そしてビーム整形手段4により該ビーム整形手段4から射出される光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状(リング状)の光束にビーム整形され、シリンドリカルレンズ5に入射する。シリンドリカルレンズ5に入射した略平行光束のうち主走査断面においてはそのまま略平行光束の状態で射出する。また副走査断面においては収束して光偏向器6の偏向面(反射面)6aにほぼ線像として結像する。そして光偏向器6で偏向反射した光束は結像光学系7を介して感光ドラム面8上に集光し、該光偏向器6を図中矢印A方向に回転させることにより、該感光ドラム面8上を図中矢印B方向(主走査方向)に等速走査している。これにより記録媒体である感光ドラム面8上に画像記録を行なっている。 【0026】次にビーム整形手段で光源手段から出射した光束を輪帯状の光束にビーム整形する手段について図2を用いて説明する。 【0027】図2においては上述の如く半導体レーザ1から出射した光束がコリメーターレンズ2により略平行光束に変換され、絞り部材3によりその光束断面の大きさ(光束の外径)が規制される。この絞り部材3は光束の放射角のばらつきによるスポット径のばらつきを抑え、安定したスポット径を得るようにしたものである。その後、ビーム整形手段4を構成する第1の回折光学素子9に入射し、該第1の回折光学素子9により入射平行光束は所定の角度で光軸へ向かって偏向される。そして光軸と交わった後、放射状に拡がった光束は第2の回折光学素子10に入射し、再度光軸に平行な平行光束に変換される。この際、第1の回折光学素子9と第2の回折光学素子10との間隔を所望の距離だけ離せばビーム整形手段4から射出される光束の光強度分布が光軸近傍に比べて周辺部で強くなる輪帯状(リング状)の光束となる。尚、周辺部に比べて光強度分布が弱くなる光軸近傍の光束を以下「暗部の光束」と称す。従ってビーム整形手段4の入射側の入射光束において光軸近傍の光束は射出側で周辺の光束に、周辺光束は射出側で光軸側の暗部の光束となる。 【0028】ここで第1の回折光学素子9の第1の回折格子(格子面)11と第2の回折光学素子10の第2の回折格子(格子面)12との距離及び各格子ピッチを任意に選択することによりリング形状を任意に整形することができる。 【0029】本実施形態における第1の回折光学素子9と第2の回折光学素子10は共に入射光束を所望の角度に曲げるだけの機能を有し、集光又は発散等の光学的作用は持っていない。従って図3(A),(B)に示すように第1、第2の回折光学素子9,10共に各回折格子11,12の格子ピッチは等ピッチな光軸を中心とする同心円となる。尚、図3(A),(B)において第1、第2の回折光学素子9,10の格子形状は各々階段状の格子になっているが、これは特に限定されたものでなく、例えば鋸歯状の回折格子でも本発明は十分に適用することができる。 【0030】更に本実施形態では第1の回折格子11の偏向角と、第2の回折格子12の偏向角が同じなので同図に示すように格子領域を広くとることによって第1と第2の回折光学格子9,10を同材質で全く同一格子形状(一種類の形状)のものを使用することができる。 【0031】次に具体的な例を挙げて説明する。図2において輪帯状にビーム整形された後の光束のビーム形状が、例えば外形bがφ6mm、暗部aがφ2mmの同心円となる場合について考えてみる。ここでビーム整形手段4を構成する第1、第2の回折光学素子9,10の間隔をtとする。b=6mm,a=2mmであるので、b−a=4mmとなり、ビーム整形手段4へ入射する光束はφ4mmのビームにする必要がある。その為、絞り部材3としてφ4mmの円形開口を設けることになる。 【0032】次に間隔tを10.0mmとした場合、回折格子の回折角θとしては【0033】 【数1】
となる。レーザ波長をλ=675nmとすると、格子ピッチPはPsinθ=mλ(mは整数、本実施形態ではm=1)よりP=mλ/sinθ=1.0675/sin(5.71)=6.78μmとなる。又格子厚dは(n−1)d=Lλよりn=1.51633、L=1とすると、d=1.313μmとなる。 【0034】このように本実施形態では上述の如く半導体レーザ1と光偏向器6との間の光路中に第1、第2の回折光学素子9,10を有するビーム整形手段4を設け、該第1、第2の回折光学素子9,10間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成し、該半導体レーザ1から出射した光束を効果的にビーム整形することにより、光量ロスすることなく、スポット径を小さくし、かつ焦点深度を増大させて高画質な画像を得ることができ、更には該第1、第2の回折光学素子9,10を同材質で同一形状のものを使用することができる。 【0035】[第2の実施形態]図4は本発明の実施形態2のビーム整形手段の形状を示す要部断面図である。同図において前記図2に示した要素と同一要素には同符番を付している。 【0036】本実施形態において前述の実施形態1と異なる点はビーム整形手段を構成する第1、第2の回折光学素子の回折格子を同一基板の両面に各々設けて一体化にして構成したことである。その他の構成及び光学的作用は前述の実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。 【0037】即ち、同図において44はビーム整形手段であり、同一基板の両面に第1、第2の回折光学素子の第1、第2の回折格子41,42を各々設けている。このようにビーム整形手段44を構成することにより、本実施形態においては第1、第2の回折格子41,42の光軸を高精度に合わせることができ、又部品点数が減るので保持部材等のメカ部品も減少し、これにより装置全体のコンパクト化及び低コスト化を図っている。 【0038】[第3の実施形態]図5、図6、図7は各々本発明の実施形態3の光源手段からビーム整形手段までの主要部分の要部概略図である。同図において前記図2に示した要素と同一要素には同符番を付している。 【0039】本実施形態において前述の実施形態1と異なる点はビーム整形手段を構成する第1、第2の回折光学素子間に絞り部材(開口絞り)を設けたことである。その他の構成及び光学的作用は前述の実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。 【0040】即ち、図5、図6、図7において23は絞り部材(開口絞り)であり、第1の回折光学素子9からの射出光束の外輪又は/及び内輪の光束を制限しており、設計回折次数以外の回折光がフレア光として画像に影響するのを防止している。 【0041】本実施形態において図5では絞り部材23により外輪の光束を制限しており、図6では内輪の光束を制限しており、図7では外輪と内輪との光束を同時に制限している。これらはメカニカルな開口絞りで実現することができる。 【0042】本実施形態ではこのように上述の如く補助的な絞り部材23を第1、第2の回折光学素子9,10間に設けることにより、フレア光が抑制された良好なるスポットを被走査面上で得ている。 【0043】尚、本実施形態においてはコリメーターレンズ2とビーム整形手段54との間の光路中に前述の実施形態1と同様に絞り部材3を設けているが、上記の補助的な絞り部材23で十分光束を制限できるなら設けなくても本発明は前述の実施形態と同様に適用することができる。 【0044】[第4の実施形態]図8は本発明の実施形態4の光源手段からビーム整形手段までの主要部分の要部概略図である。同図において前記図2に示した要素と同一要素には同符番を付している。 【0045】本実施形態において前述の実施形態1と異なる点はビーム整形手段から射出される輪帯状の光束の形状(輪帯形状)又は/及び周辺部に比べて光強度分布が弱い光軸近傍(暗部)の光束の形状を楕円形状としたことである。その他の構成及び光学的作用は前述の実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。 【0046】即ち、同図において84はビーム整形手段であり、第1の回折光学素子19と第2の回折光学素子20とを有し、該第1の回折光学素子19はコリメーターレンズ2からの入射平行光束を偏向させる角度を主走査方向と副走査方向とで互いに異ならせており、該第2の回折光学素子20は該第1の回折光学素子19で偏向された光束を輪帯状の平行光束としている。このようにビーム整形手段84を構成することにより、本実施形態では輪帯状の光束の形状又は/及び周辺部に比べて光強度分布が弱い光軸近傍(暗部)の光束の形状を円形状以外に整形している。 【0047】即ち、前述の各実施形態において光束の形状は全て回転対称で、かつ円形状の輪帯部と暗部とで構成されていたが、これに限定される必要はなく、例えば同図に示すように入力側の光束の形状を円形状とし、出力側の光束の形状を楕円の輪帯状の開口にしても良い。 【0048】本実施形態では通常の光学系とは異なり、第1、第2の回折光学素子19,20の格子ピッチを任意に変えることにより、光束の形状を円形から楕円に変換している。このように光束の形状を楕円の輪帯状に整形することによっても本発明は前述の各実施形態と略同様な効果を得ることができる。 【0049】当然ながら、図8に示した以外にも光束形状を、例えば入射側が楕円で射出側が円形、輪帯部が円形で暗部が楕円等の種々の組み合わせも考えられる。ここでは全ての組み合わせについては記述しない。これらのパラメータはレーザ光束の放射角とその単品ばらつき、光学系の主走査方向及び副走査方向の結像倍率、所望のスポット径等から最適な構成を選定することができる。 【0050】 【発明の効果】第1の発明によれば前述の如く光源手段と偏向手段との間の光路中に第1、第2の回折光学素子を有するビーム整形手段を設け、該第1、第2の回折光学素子間で偏向される光束を一度光軸と交わるように構成し、該光源手段から出射する光束を効果的にビーム整形することにより、光量ロスすることなく、スポット径を小さくし、かつ焦点深度を増大させて高画質な画像を得ることができ、更には該第1、第2の回折光学素子を同一形状のものを使用することができるレーザー走査光学装置を達成することができる。 【0051】第2の発明によれば前述の如く上記の構成において第1、第2の回折光学素子間に絞り部材を設けることにより、フレア光の抑制された良好なるスポットを被走査面上で得ることができるレーザー走査光学装置を達成することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高梨 幸雄
|
| 【公開番号】 |
特開平11−271655 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−92503 |
|