| 【発明の名称】 |
顕微鏡 |
| 【発明者】 |
【氏名】合▲崎▼ 紳一郎
【氏名】上 喜裕
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| 【要約】 |
【課題】コストの上昇を招くことなく、高倍率観察と低倍率観察を同時に行なえ、作業の円滑化と高効率化を図る顕微鏡を提供すること【解決手段】二つの二重焦点レンズ1,2を含むレンズ群を対物レンズ3及び結像レンズ4の少なくとも一方に備えた光学系と、この光学系の結像位置に置かれる偏光板5と、この偏光板5を透過した光線が前記結像レンズ4により結像されることで生じた像を観察する観察手段(9)と、を具備。
【解決手段】二つの二重焦点レンズ1,2を含むレンズ群を対物レンズ3及び結像レンズ4の少なくとも一方に備えた光学系と、この光学系の結像位置に置かれる偏光板5と、この偏光板5を透過した光線が前記結像レンズ4により結像されることで生じた像を観察する観察手段(9)と、を具備。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】二つの二重焦点レンズを含むレンズ群を対物レンズ及び結像レンズの少なくとも一方に備えた光学系と、この光学系の結像位置に置かれる偏光板と、この偏光板を透過した光線が前記結像レンズにより結像されることで生じた像を観察する観察手段と、を具備したことを特徴とする顕微鏡。 【請求項2】前記各二重焦点レンズは、一つ以上の複屈折結晶からなる複屈折レンズを含む接合レンズからなり、直交する二つの直線偏光の一方の偏光については屈折力をもたずかつもう一方の偏光については屈折力をもち、各々前記屈折力をもつ偏光についての焦点距離が異なり、前記各複屈折結晶の光学軸が直交し、かつ各焦点位置が一致するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。 【請求項3】前記偏光板は、その中心部と周辺部とを透過する光線の各偏光方向が直交していることを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、微細部品で構成される精密機器等を組立てる際に使用される作業用の顕微鏡に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、内視鏡等の微細部品を使用した精密機器の組立は、実体顕微鏡等で観察をしながら行なわれている。この組立作業では、まず顕微鏡の倍率を低倍率にして観察することにより部品及び作業対象全体の状況を把握して部品をピンセットでつかみ、その後顕微鏡の倍率を高倍率にして作業対象を観察しながら部品を作業対象へ取り付ける。 【0003】しかし、組立を行なう際には前述した一連の作業の間、作業効率を上げるために、作業対象全体を観察できるよう顕微鏡を低倍率に設定しているため、部品単体や部品の組み付け位置を十分に観察できない。このため、作業を正確に行なうには組立作業者の熟練が必要となる。 【0004】このような状況から、高倍観察と低倍観察を同時に行ない、作業対象全体を観察しつつ、部品単体の詳細の形状を観察し、熟練していない作業者でも効率よく組立に使用することのできる顕微鏡が求められている。 【0005】図11は、従来のこの種の顕微鏡の構成を示す図である。前述したような高倍観察と低倍観察を同時に行なう場合、従来では特開平8−137423号公報に開示されているような顕微鏡を用いている。この顕微鏡は、図11に示すように、鏡筒101、対物レンズ102、対物レンズ102による像を撮像するCCDカメラ103、鏡筒101の中にあり、対物レンズ102による光線を分割するハーフミラー105、ハーフミラー105で分割された光線をリレーするリレーレンズ106,107、リレーレンズ106,107を透過した光線を撮像するCCDカメラ104、CCDカメラ103,104で撮像した画像をそれぞれ表示するモニタとしてのディスプレイ108,109からなる。 【0006】このような構成をなす顕微鏡では、ハーフミラー105を透過し、CCDカメラ103で撮像される画像は高倍率で観察され、ハーフミラー105で反射されリレーレンズで倍率が落とされてCCD104で撮像される画像は低倍率で観察される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した従来の顕微鏡では、高倍率と低倍率の同時観察を行なうことはできるが、モニタが2台必要になり、作業者は2台のモニタを見るために視線を動かすため、作業に混乱をきたし作業効率の向上が期待できない。また、低倍率と高倍率の観察像を1台のモニタ上に表示しようとすると画像信号に電気的処理を施す必要があるため、装置が複雑化し、コストが上昇するといった問題が生じる。本発明の目的は、コストの上昇を招くことなく、高倍率観察と低倍率観察を同時に行なえ、作業の円滑化と高効率化を図る顕微鏡を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の顕微鏡は以下の如く構成されている。 (1)本発明の顕微鏡は、二つの二重焦点レンズを含むレンズ群を対物レンズ及び結像レンズの少なくとも一方に備えた光学系と、この光学系の結像位置に置かれる偏光板と、この偏光板を透過した光線が前記結像レンズにより結像されることで生じた像を観察する観察手段と、から構成されている。 (2)本発明の顕微鏡は上記(1)に記載の顕微鏡であり、かつ前記各二重焦点レンズは、一つ以上の複屈折結晶からなる複屈折レンズを含む接合レンズからなり、直交する二つの直線偏光の一方の偏光については屈折力をもたずかつもう一方の偏光については屈折力をもち、各々前記屈折力をもつ偏光についての焦点距離が異なり、前記各複屈折結晶の光学軸が直交し、かつ各焦点位置が一致するように配置されている。 (3)本発明の顕微鏡は上記(1)または(2)に記載の顕微鏡であり、かつ前記偏光板は、その中心部と周辺部とを透過する光線の各偏光方向が直交している。 【0009】上記手段を講じた結果、それぞれ次のような作用が生じる。 (1)本発明の顕微鏡によれば、二つの二重焦点レンズを介して偏光板を透過した光線が結像レンズにより結像されるので、前記二つの二重焦点レンズにより二種類の光線を個別に屈折させ、それぞれ前記偏光板における分割された各部分に透過させ互いに偏光方向が変わるようにすることで、二つの異なる倍率にて観察を行なうことが可能になる。よって、電気的な処理を施すことなく簡易な構成で、一つの視野を分割して高倍率と低倍率の観察像を同時に観察することができ、熟練した作業者でなくても微細な作業を効率よく行なうことができる。 (2)本発明の顕微鏡によれば、一方の偏光については屈折力をもたず他方の偏光については屈折力をもつ二重焦点レンズは、直交する二つの偏光に対して、一方はそのまま平行光として透過し、もう一方は集光させる作用がある。このような作用を有する二つの二重焦点レンズを、異常光線について焦点距離が異なりかつ各複屈折レンズの光学軸が直交するように配置すると、直交する二つの偏光の平行光を焦点距離を変えて同じ位置に集光されることができる。 【0010】このような二つの二重焦点レンズを対物レンズ及び結像レンズの少なくとも一方に備えた光学系で試料を観察すると、本来一つの物体面を有する試料の像が異なる二つの倍率により重なって結像される。よって、一つの視野を分割して高倍率観察と低倍率観察を同時に行なうことができ、作業対象である試料全体を観察しつつ部品単体等の詳細な形状を観察することができる。 (3)本発明の顕微鏡によれば、中心部と周辺部とを透過する光線の各偏光方向が直交する偏光板を結像位置に置くことで、前記偏光板の偏光方向により直交する二つの偏光が分離されるため、前記中心部と周辺部とに各々異なる倍率の像が透過される。この像を接眼レンズや結像レンズと撮像素子で観察すると、視野内の中心部と周辺部で異なる倍率の像が観察される。 【0011】 【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形態に係る作業用顕微鏡の構成を示す図である。図1に示す作業用顕微鏡は、二重焦点レンズ1,2からなる対物レンズ3、対物レンズ3からの光線を結像する結像レンズ4、結像レンズ4の結像位置に置かれる偏光板5、偏光板5を透過した光線を観察する結像レンズ6とCCDカメラ7とモニタ8からなる観察部9から構成されている。 【0012】図2は、二重焦点レンズ1,2の構成を示す図である。二重焦点レンズ1,2は、文献「菊田久雄,下村広,岩田耕一:“複屈折二重焦点レンズの光線追跡”,光学,第21巻第4号(1992年4月)p230〜236」に記載されているような構成をなす接合レンズであり、複屈折結晶である方解石21を硝材とする両面凹レンズ21が光学ガラス(BK7)を硝材とする両面凸レンズ22に挟まれる対称形を成している。 【0013】なお二重焦点レンズ1,2の硝材は、方解石と光学ガラス(BK7)の組合わせに限らず、両面凹レンズ(21)を水晶等の複屈折結晶とし、前記両面凸レンズ(22)を前記複屈折結晶の常光線に対する屈折率と異常光線に対する屈折率との間に屈折率を有する硝材にすればよく、特に限定されるものではない。 【0014】図3は、偏光板5の構成を示す図である。図3に示すように、偏光板5は同心円状をなし、その中心部51を透過する光線の偏光方向は垂直方向であり、その周辺部52を透過する光線の偏光方向は水平方向である。すなわち偏光板5は、その中心部51を透過する光線と周辺部52を透過する光線の偏光方向が互いに直交する構成をなしている。この偏光板5の分割形状は、中心部と周辺部のように同心円状に限るものではなく、垂直方向に2分割したり、あるいは水平方向に2分割するなど、分割したい視野の形状に合わせることができ、特にその分割の形状は限定されるものではない。 【0015】なお、図1において観察部9は、結像レンズ6、CCDカメラ7、及びモニタ8で構成されるが、これらの代わりに接眼レンズを用いて直接作業者の目で観察するように構成してもよい。 【0016】上記二重焦点レンズ1,2は、図2に示す方解石を硝材とする両面凹レンズ21に入射する異常光線23については屈折力を持ち、常光線24については屈折力を持たない接合レンズとして構成することができる。 【0017】図4は、二重焦点レンズ1,2の構成例を説明するための図である。例えば、図4に示すようにレンズ面、レンズ間隔を定義したとき、二重焦点レンズ1のレンズ面a1,a2,a3,a4の曲率半径をそれぞれ72.03mm,−20mm,20mm,−72.03mm、レンズ間隔b1,b2,b3をそれぞれ3mm,2mm,3mmとし、二重焦点レンズ2のレンズ面a1,a2,a3,a4の曲率半径をそれぞれ145.5mm,−40mm,40mm,−145.5mm、レンズ間隔b1,b2,b3をそれぞれ3mm、2mm、3mmとすると、二重焦点レンズ1,2の異常光線に対する焦点距離がそれぞれ59.03mm,117.67mmになる。このとき、二重焦点レンズ1,2の常光線に対する焦点距離は∞となり、ゼロパワーのレンズが構成される。 【0018】このような二重焦点レンズ1,2を構成する各両面凹レンズ21の光学軸が直交し、二重焦点レンズ1,2の間隔を58.64mmとするよう配置すると、図1に示すように、異なる焦点距離をもち互いに偏光方向が直交した光線a,bを同一試料面10上に集光させる対物レンズ3が構成される。結像レンズ4の焦点距離を235mmとすると、結像レンズ4の結像面上では光線aの倍率が4倍(3.98倍)、光線bの倍率が2倍となり、それぞれの像が重なって結像される。この結像位置に偏光板5が置かれる。ここで、光線a,bは偏光方向が直交しているため、偏光板5の偏光方向と一致した成分が偏光板5を透過する。 【0019】偏光板5は、図3に示すように中心部51が垂直方向の偏光を透過し、周辺部52が水平方向の偏光が透過するように構成されている。このため、光線aの偏光方向と偏光板5の中心部51の偏光方向とを一致させると、偏光板5の中心部51を光線aが透過し4倍の像をつくるとともに、偏光板5の周辺部52を光線bが透過し2倍の像をつくる。この像を結像レンズ6、CCDカメラ7、及びモニタ8からなる観察部9で観察すると、視野の中心部が4倍、周辺部が2倍で観察される。実際の観察倍率は観察部9の倍率が掛け合わされた総合的な倍率となる。 【0020】図5は、作業対象であり試料となる物体を示す図、図6〜図8は視野範囲内での前記物体の様子を示す図である。上述したような作業用顕微鏡を用いて図5に示すような物体11を観察すると、通常2倍と4倍の倍率では、それぞれ図6、図7に示すように観察される。図5に示す物体11のX部分について微細な作業を行なう際には、より詳細な部分まで観察するために倍率を4倍にし、図7に示すような状態で観察する。 【0021】また、図6に示すように組み付け部品12が物体11から離れている場合、倍率を上げて図7の状態にすると、その部品12が視野から外れ見えなくなってしまう。このため、ある程度の視野範囲を確保するために図6の状態、すなわち2倍の倍率の状態で作業が行なわれる。 【0022】しかし図6の状態では、物体11のX部の詳細な部分まで観察できないため、熟練した作業者でなければ作業が困難なものとなる。これに対し本第1の実施の形態による作業用顕微鏡では、図8に示すように視野の中心部81が4倍、周辺部82が2倍となった状態で観察されるため、作業対象である物体11のX部の詳細と物体11の周辺部にある組み付け部品12とを同時に観察することができる。 【0023】以上のように作業用顕微鏡を構成することにより、電気的な処理を施すことなく簡易な構成で、一つの視野を分割して高倍率と低倍率の観察像を同時に観察することができ、熟練した作業者でなくても微細な作業を効率よく行なうことができる。 【0024】(第1の実施の形態の変形例)図9は、第1の実施の形態に係る作業用顕微鏡の構成の変形例を示す図である。図9において図1と同一な部分には同一符号を付してある。図9に示す顕微鏡では、上記第1の実施の形態において、対物レンズ31を単焦点とし、結像レンズ32を二つの二重焦点レンズ1,2からなる構成に変形している。このように構成した場合でも上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。 【0025】(第2の実施の形態)図10は、本発明の第2の実施の形態に係る作業用顕微鏡の構成を示す図である。図10において図1,図9と同一な部分には同一符号を付してある。 【0026】図10に示す作業用顕微鏡は、上記第1の実施の形態における対物レンズ及び結像レンズを、それぞれ二つの二重焦点レンズからなる構成にしている。すなわち当該作業用顕微鏡は、二重焦点レンズ1,2からなる対物レンズ40、二重焦点レンズ41,42からなり対物レンズ40からの光線を結像する結像レンズ43、結像レンズ43の結像位置に置かれる偏光板5、結像レンズ6とCCDカメラ7とモニタ8からなり偏光板5を透過した光線を観察する観察部9から構成される。 【0027】また上記第1の実施の形態と同様に、二重焦点レンズ1,41のレンズ面a1,a2,a3,a4の曲率半径をそれぞれ72.93mm,−20mm,20mm,−72.03mm、レンズ間隔b1,b2,b3をそれぞれ3mm,2mm,3mmとし、二重焦点レンズ2、42のレンズ面a1,a2,a3,a4の曲率半径をそれぞれ145.5mm,−40mm,40mm,−145.5mm、レンズ間隔b1,b2,b3をそれぞれ3mm,2mm,3mmとすると、二重焦点レンズ1,2,41,42の異常光線に対する焦点距離がそれぞれ59.03mm,117.78mm,59.03mm,117.78mmになる。このとき、二重焦点レンズ1,2,41,42の常光線に対する焦点距離は∞となり、ゼロパワーのレンズが構成される。 【0028】このような二重焦点レンズを構成する各両面凹レンズ(方解石)21の光学軸を図10に矢印fで表す。対物レンズ40及び結像レンズ43の二重焦点レンズ1,2,41,42の両面凹レンズ21の光学軸は、図10に矢印fで示す方向に配置される。このとき、二重焦点レンズ1,2及び二重焦点レンズ41,42の間隔を58.64mmとするように配置し、図10のように光線の偏光方向を矢印fの方向とすれば、互いに偏光方向が直交する光線c,dを同一試料面10上に異なる焦点距離をもって集光させる対物レンズ40と、同一結像面上に結像させる結像レンズ43が構成される。このとき、光線cの倍率は2倍(1.99倍)、光線dの倍率は0.5倍(0.502倍)となる。以下、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用で観察を行なう。 【0029】本第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態の効果に加えて、低倍と高倍の倍率差をより大きくとることができる。なお、本発明は上記各実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施できる。 【0030】 【発明の効果】本発明の顕微鏡によれば、コストの上昇を招くことなく、一つの視野を分割して高倍率観察と低倍率観察を同時に行なえ、作業対象全体を観察しつつ部品単体等の詳細な形状を観察することができる。よって、熟練していない作業者でも効率よく組立を行なうことができ、作業の円滑化と高効率化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271628 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−75757 |
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