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【発明の名称】 共焦点顕微鏡
【発明者】 【氏名】貞森 克也

【要約】 【課題】明暗の縞が発生せず、画質の鮮明な共焦点画像を得る。

【解決手段】複数のピンホール102 を周面に形成した回転自在な回転円筒101 を備え、光源1 からの光を上記回転円筒101 に形成したピンホール102 上に導き、このピンホール102 を通過した光を試料6 に照射し、該試料6 からの光を再度上記回転円筒101 に形成したピンホール102 を通過させて共焦点画像を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のピンホールを周面に形成した回転自在な円筒部材を備え、光源からの光を上記円筒部材に形成したピンホール上に導き、このピンホールを通過した光を試料に照射し、該試料からの光を再度上記円筒部材に形成したピンホールを通過させて共焦点画像を得ることを特徴とする共焦点顕微鏡。
【請求項2】 上記円筒部材のピンホールは、ランダムに形成したピンホール部であると共に、上記撮像手段により得られる共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と上記ピンホール部を通さない上記試料からの非共焦点成分のみの画像とを撮像する撮像する撮像手段と、上記撮像手段に光を導く光分岐手段と、上記撮像手段により得られる共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と非共焦点成分のみの画像について差分演算して共焦点画像を得る差分演算手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の共焦点顕微鏡。
【請求項3】 一対の回転部材と、これら回転部材に装架され、複数のピンホールを周面に形成した移動自在な帯状部材を備え、光源からの光を上記帯状部材に形成したピンホール上に導き、このピンホールを通過した光を試料に照射し、該試料からの光を再度上記帯状部材に形成したピンホールを通過させて共焦点画像を得ることを特徴とする共焦点顕微鏡。
【請求項4】 上記帯状部材のピンホールは、ランダムに形成したピンホール部であると共に、上記ピンホール部を通過した試料からの共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と上記ピンホール部を通さない上記試料からの非共焦点成分のみの画像とを撮像する撮像する撮像手段と、上記撮像手段に光を導く光分岐手段と、上記撮像手段により得られる共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と非共焦点成分のみの画像について差分演算して共焦点画像を得る差分演算手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の共焦点顕微鏡。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の微小構造や3次元構造の形状を観察・測定するのに適した共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な共焦点顕微鏡として、多数のピンホールをそのホール径の10倍程度の等間隔で螺旋に形成した回転ディスクを用いたNipkow型ディスクの共焦点顕微鏡が知られている。この共焦点顕微鏡は、各ピンホール間隔をピンホール径の10倍程度離すことによって、試料からの像劣化が生じないようにしている。
【0003】図6はこのNipkow型ディスクの共焦点顕微鏡の構成を示すもので、ハロゲンランプまたは水銀ランプ等の光源1から放射される光の光路上に光学レンズ2、ハーフミラー3を配置している。ハーフミラー3の反射光路上には回転ディスク4、対物レンズ5を介して試料6が配置されている。
【0004】回転ディスク4は、この図では示さないが、他のピンホールとの間隔をホール径の10倍程度離し、螺旋状に配置したピンホールを多数形成しており、回転軸7を介して図示しないモータの回転軸7に連結され、一定の回転速度で回転するものとなっている。
【0005】また、ハーフミラー3の透過光路上には、結像レンズ8を介してCCDカメラ9が配置されている。このCCDカメラ9の画像出力端子には、CPU等からなるコンピュータ10が接続され、このコンピュータ10での画像処理により得られた画像がモニタ11より表示出力されるものとなっている。
【0006】上記のような構成にあって、光源1から放射された光は光学レンズ2を通ってハーフミラー3で反射し、一定の回転速度で回転する回転ディスク4上に入射する。そして、この回転ディスク4のピンホールを通過した光が対物レンズ5により結像されて試料6上に入射する。
【0007】試料6から反射された光は、対物レンズ5を介し、再度、回転ディスク4のピンホールを通過し、さらにハーフミラー3を透過して結像レンズ8でCCDカメラ9の撮像面上に結像され、このCCDカメラ9の出力画像が共焦点画像としてモニタ11より表示出力される。
【0008】なお、試料6の表面近傍の立体像は、試料6を移動ステージやピエゾ素子によって図中に矢印イで示す上下方向に移動させて各高さ位置の画像を得ることで、コンピュータ10により合焦部を合成して得ることができる。
【0009】実際の回転ディスク4のピンホール配置としては、1.特開平05−127090号公報2.特開平01−302215号公報3.USP 5,083,2204.特開平05−119262号公報5.特開平05−508235号公報6.WO 97/31282に示すような種々の従来技術がある。
【0010】一方、上記Nipkow型ディスクを改良した技術がR.Juskaitis,T.Wilsonらの“Efficient real−time confocal microscopy with white light sources“,Nature誌 Vol.383 Oct.1996 p804−806.に記載されている。また、このNipkow型ディスクの改良型の技術として、WO 97/31282に述べられている。この技術によると、多数のピンホールがランダムに形成されたランダムピンホール部と、光が自由に通過できる開口部を持つ回転ディスクを用いた共焦点画像によって明るくコントラストの良い共焦点画像が得られるものとなっており、具体的にはランダムピンホール部から得られる共焦点成分と非共焦点成分を含む像と、開口部から得られる非共焦点画像の差分演算を行なうことによって、共焦点画像を得るようにしていた。
【0011】しかるに従来のNipkow型ディスクの共焦点顕微鏡においては、光源1からの入射光の光量に対して利用できる試料6からの反射光の光量は、0.5乃至1%程度であった。しかし、上述したT.Wilsonらの共焦点顕微鏡では、入射光の光量に対して利用できる試料6からの反射光の光量を25乃至50%としており、T.Wilsonらの共焦点顕微鏡の方がより明るい共焦点画像を得ることができると報告している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】Nipkow型の回転ディスクにおいてピンホールを等間隔配置に形成した場合、観察視野内においては内外周の円弧上のピンホール間隔はほぼ同じであるが、観察視野内を通過するピンホールの間隔は、回転ディスクの回転中心から半径方向に対して増減する。そのピンホール間隔の増減のため、画像に明暗の縞が出てしまう。
【0013】また、ピンホールを等角配置にした場合、観察視野内で回転中心から半径方向に対してピンホール間隔は同じである。しかし、内周側から外周側の円弧上に対してピンホール間隔が大きくなるため、内周側の方が視野内を通過するピンホールの数が多くなる。そのため視野内では、内周側が明るくなり、外周側が暗くなって画像に明暗の縞が出てしまう。
【0014】したがって、ピンホールの間隔を等間隔配置にし、観察試料面に対して平行移動走査が可能なものであればよいが、回転中心を軸にして回転するディスクは、ピンホール間隔は変化してしまう。
【0015】上述したT.Wilsonらのランダムピンホール型ディスクの共焦点顕微鏡についても回転ディスクを用いるため、半径方向と外内周の円弧方向で同時にピンホールの間隔を同じくすることはディスク作製上困難となるので、上記明暗の縞が出現して鮮明な共焦点画像を得ることができない。
【0016】本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、明暗の縞が発生せず、画質の鮮明な共焦点画像を得ることが可能な共焦点顕微鏡を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、複数のピンホールを周面に形成した回転自在な円筒部材を備え、光源からの光を上記円筒部材に形成したピンホール上に導き、このピンホールを通過した光を試料に照射し、該試料からの光を再度上記円筒部材に形成したピンホールを通過させて共焦点画像を得ることを特徴とする。
【0018】このような構成とした結果、円筒部材の周面に複数のピンホールを配置したので、明暗の縞が発生せず、画質の鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記円筒部材のピンホールは、ランダムに形成したピンホール部であると共に、上記撮像手段により得られる共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と上記ピンホール部を通さない上記試料からの非共焦点成分のみの画像とを撮像する撮像する撮像手段と、上記撮像手段に光を導く光分岐手段と、上記撮像手段により得られる共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と非共焦点成分のみの画像について差分演算して共焦点画像を得る差分演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】このような構成とした結果、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、ピンホールの密度を均一にすることができることから、画像に明暗の縞を発生させず、明るく鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。
【0020】請求項3記載の発明は、一対の回転部材と、これら回転部材に装架され、複数のピンホールを周面に形成した移動自在な帯状部材を備え、光源からの光を上記帯状部材に形成したピンホール上に導き、このピンホールを通過した光を試料に照射し、該試料からの光を再度上記帯状部材に形成したピンホールを通過させて共焦点画像を得ることを特徴とする。
【0021】このような構成とした結果、帯状部材の周面に複数のピンホールを配置したので、明暗の縞が発生せず、画質の鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記帯状部材のピンホールは、ランダムに形成したピンホール部であると共に、上記ピンホール部を通過した試料からの共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と上記ピンホール部を通さない上記試料からの非共焦点成分のみの画像とを撮像する撮像する撮像手段と、上記撮像手段に光を導く光分岐手段と、上記撮像手段により得られる共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と非共焦点成分のみの画像について差分演算して共焦点画像を得る差分演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】このような構成とした結果、上記請求項3記載の発明の作用に加えて、ピンホールの密度を均一にすることができることから、画像に明暗の縞を発生させず、明るく鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下図面を参照して本発明の第1の実施の形態に係る共焦点顕微鏡について説明する。
【0024】図1(a),(b)はその基本構成を示すもので、上記図6と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図に示す周面にランダムピンホール型ディスクの如き多数のピンホール102を等間隔に形成した円筒部材(以下「回転円筒」と略称する)101内には、回動自在に設けられた補助回転軸104,105と、図示しないモータに連結された駆動軸103とを備えており、それらにより同位置で回転駆動されるものである。
【0025】この回転円筒101は、例えばガラスなどの薄肉の透明体で構成され、その周面に図1(b)に示すようにホール径と同様の等間隔に配置したピンホール102を形成している。これらピンホール102は、フィルムなどに転写して作製するもので、作製したフィルムを上記回転円筒101の外側の周面に貼着してなるものとする。
【0026】しかるに、回転円筒101が駆動軸103の回転駆動によって一定の回転速度で回転するもので、この回転によりピンホール102が一定速度で移動することで試料6に対する走査が実行され、試料6の画像が得られることとなる。さらに、回転円筒101はその回転軸の方向に図中に矢印Aで示す如く移動するもので、この移動により上記ピンホール102の光路への挿脱が実施される。
【0027】回転円筒101内の空間には、光源1より放射され、光学レンズ2で集光された光を全反射するための反射ミラー107と、上記ハーフミラー3とが固定配置される。
【0028】上記のような構成にあって、光源1からの光は、光学レンズ2により均一光とされ、反射ミラー107で反射された後にハーフミラー3を透過し、一定の速度で回転する回転円筒101のピンホール102が存在する周面に入射される。
【0029】この光源1からの入射光は、ピンホール102を通過し、対物レンズ5によって結像されて試料6上に照射される。そして、この照射に対する試料6からの反射光が対物レンズ5で結像され、再度、上記回転円筒101のピンホール102を通過してハーフミラー3で反射された後、結像レンズ8によりCCDカメラ9の撮像面に結像する。
【0030】入射光がピンホール径と同じ等間隔配置のピンホール102を通って試料6に照射された場合、試料6からの反射光は共焦点成分と非共焦点成分を含む画像をCCDカメラ9で撮像してコンピュータ10に蓄積される。
【0031】次に非共焦点成分のみの画像を得るために、入射光と反射光を次のような光路に通過させる。すなわち、図中に矢印Aで示すように回転円筒101をその回転軸方向に移動させてピンホール102を光路から外すと、光源1からの光は反射ミラー107、ハーフミラー3を介して対物レンズ5から試料6に照射される。
【0032】この入射光に対する試料6からの反射光が、再び対物レンズ5で結像され、ハーフミラー3で反射して結像レンズ8によりCCDカメラ9に撮像される。よって、この試料6からの反射光によりピンホール102を通らない非共焦点画像を得ることができる。
【0033】しかしてコンピュータ10では、ピンホール102を通過した場合の共焦点成分と非共焦点成分を含む画像データと、ピンホール102を通過しない場合の非共焦点画像成分のみの画像データとの差を求める差分演算を行なうことで共焦点成分の画像を得るもので、得た共焦点画像をモニタ11にて表示出力させる。
【0034】また、Nipkow型ディスクの如く相互の間隔をピンホール径の10倍程度離したピンホール102を回転円筒101に等間隔に形成し、そのピンホール102が光路上にある場合には、上記ピンホール102を通過する入射光に対して試料6からの反射光もこのピンホール102を通るので、共焦点成分のみを含む画像を得ることができ、この共焦点画像を直接モニタ11にて表示出力することができる。
【0035】なお、試料6の表面近傍の立体画像を得るためには、例えば移動ステージやピエゾ素子などによって試料6を図中に矢印イで示す方向に移動させ、試料6の高さ方向の異なる画像を複数得て、合焦部分のみを合成するようにすればよい。
【0036】上記のような構成及び動作とした結果、回転円筒101の周面全域にわたってピンホール102を等間隔に配置することができ、観察視野内で移動するピンホール102の密度を均一にすることができるので、得られる共焦点画像にむらがなく、明暗の縞もない、高い画質の画像を得ることができる。
【0037】(第2の実施の形態)以下図面を参照して本発明の第2の実施の形態に係る共焦点顕微鏡について説明する。
【0038】図2(a),(b)はその基本構成を示すもので、上記図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図に示す周面に多数のランダムピンホール型ディスクの如きピンホール102を等間隔に形成した回転円筒201は、一端に形成された有底状のリム203及び回転軸202と一体に構成され、回転軸202に連結された図示しないモータの駆動により一定の速度で回転するものである。
【0039】この回転円筒201は、例えばガラスなどの薄肉の透明体で構成され、その周面に図2(b)に示すようにホール径と同様の等間隔に配置したピンホール102を形成している。これらピンホール102は、フィルムなどに転写して作製するもので、作製したフィルムを上記回転円筒201の外側の周面に貼着してなるものとする。
【0040】しかるに、回転円筒201が回転軸202の回転駆動によって一定の回転速度で回転するもので、この回転によりピンホール102が一定速度で移動することで試料6に対する走査が実行され、試料6の画像が得られることとなる。さらに、回転円筒201はその回転軸の方向に図中に矢印Aで示す如く移動するもので、この移動により上記ピンホール102の光路への挿脱が実施される。
【0041】回転円筒201内の空間には、ハロゲンランプや水銀ランプなどで構成される光源1より放射され、光学レンズ2で集光された後にハーフミラー3を透過してきた光を全反射するための反射ミラー107が固定配置される。
【0042】上記のような構成にあって、光源1からの光は、光学レンズ2により均一光とされた後にハーフミラー3を透過して反射ミラー107で反射し、一定の速度で回転する回転円筒201のピンホール102が存在する周面に入射される。
【0043】この光源1からの入射光は、ピンホール102を通過し、対物レンズ5によって結像されて試料6上に照射される。そして、この照射に対する試料6からの反射光が対物レンズ5で結像され、再度、上記回転円筒201のピンホール102を通過して反射ミラー107で反射された後、ハーフミラー3で反射され、結像レンズ8によりCCDカメラ9の撮像面に結像する。
【0044】入射光がピンホール径と同じ等間隔配置のピンホール102を通って試料6に照射された場合、試料6からの反射光は共焦点成分と非共焦点成分を含む画像をCCDカメラ9で撮像してコンピュータ10に蓄積される。
【0045】次に非共焦点成分のみの画像を得るために、入射光と反射光を次のような光路に通過させる。すなわち、図中に矢印Aで示すように回転円筒201をその回転軸方向に移動させてピンホール102を光路から外すと、光源1からの光はハーフミラー3、反射ミラー107を介して対物レンズ5から試料6に照射される。
【0046】この入射光に対する試料6からの反射光が、再び対物レンズ5で結像され、反射ミラー107で反射された後にハーフミラー3で反射して結像レンズ8によりCCDカメラ9に撮像される。よって、この試料6からの反射光によりピンホール102を通らない非共焦点画像を得ることができる。
【0047】しかしてコンピュータ10では、ピンホール102を通過した場合の共焦点成分と非共焦点成分を含む画像データと、ピンホール102を通過しない場合の非共焦点画像成分のみの画像データとの差を求める差分演算を行なうことで共焦点成分の画像を得るもので、得た共焦点画像をモニタ11にて表示出力させる。
【0048】また、Nipkow型ディスクの如く相互の間隔をピンホール径の10倍程度離したピンホール102を回転円筒201に等間隔に形成し、そのピンホール102が光路上にある場合には、上記ピンホール102を通過する入射光に対して試料6からの反射光もこのピンホール102を通るので、共焦点成分のみを含む画像を得ることができ、この共焦点画像を直接モニタ11にて表示出力することができる。
【0049】なお、試料6の表面近傍の立体画像を得るためには、例えば移動ステージやピエゾ素子などによって試料6を図中に矢印イで示す方向に移動させ、試料6の高さ方向の異なる画像を複数得て、合焦部分のみを合成するようにすればよい。
【0050】上記のような構成及び動作とした結果、回転円筒201の周面全域にわたってピンホール102を等間隔に配置することができ、観察視野内で移動するピンホール102の密度を均一にすることができるので、得られる共焦点画像にむらがなく、明暗の縞もない、高い画質の画像を得ることができる。
【0051】(第3の実施の形態)以下図面を参照して本発明の第3の実施の形態に係る共焦点顕微鏡について説明する。
【0052】図3(a),(b)はその基本構成を示すもので、上記図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図で301は一対の回転部材(以下「回転ローラ」と略称する)302,303に装架された可撓性の帯状部材(以下「フィルムベルト」と略称する)であり、その周面にはランダムピンホール型ディスクの如き多数のピンホール102をそのピンホール径で等間隔に形成している。
【0053】回転ローラ303の中心軸部は図示しないモータと連結された駆動軸304となっており、一方、回転ローラ302は中心軸部の回転軸305により回動自在に取付けられるもので、結果として駆動軸304が回転駆動されることでフィルムベルト301が図中に矢印Bで示す方向に一定の速度で回転することとなる。
【0054】しかるに、回転ローラ302と回転ローラ303とに装架されたフィルムベルト301は、駆動軸304が回転駆動されることでフィルムベルト301が一定の速度で回転され、この回転によりピンホール102が光路上を一定速度で移動することで試料6に対する走査が実行され、試料6の画像が得られることとなる。さらに、回転ローラ302と回転ローラ303及びこれらに装架されたフィルムベルト301はその回転軸の方向に図中に矢印Aで示す如く移動するもので、この移動により上記ピンホール102の光路への挿脱が実施される。
【0055】回転ローラ302と回転ローラ303との間の空間には、ハロゲンランプや水銀ランプなどで構成される光源1より放射され、光学レンズ2で集光された光を全反射するための反射ミラー107と、この反射ミラー107で反射した光を透過する一方、試料6からの反射光を反射して結像レンズ8に走光するハーフミラー3とが固定配置される。
【0056】上記のような構成にあって、光源1からの光は、光学レンズ2により均一光とされた後に、反射ミラー107で反射され、次いでハーフミラー3を透過して、一定の速度で回転するフィルムベルト301の周面のピンホール102に入射される。
【0057】この光源1からの入射光は、ピンホール102を通過し、対物レンズ5によって結像されて試料6上に照射される。そして、この照射に対する試料6からの反射光が対物レンズ5で結像され、再度、上記フィルムベルト301のピンホール102を通過してハーフミラー3で反射された後、結像レンズ8によりCCDカメラ9の撮像面に結像する。
【0058】入射光がピンホール径と同じ等間隔配置のピンホール102を通って試料6に照射された場合、試料6からの反射光は共焦点成分と非共焦点成分を含む画像をCCDカメラ9で撮像してコンピュータ10に蓄積される。
【0059】次に非共焦点成分のみの画像を得るために、入射光と反射光を次のような光路に通過させる。すなわち、図中に矢印Aで示すように回転ローラ302と回転ローラ303及びこれらに装架されているフィルムベルト301をその回転軸方向に移動させてピンホール102を光路から外すと、光源1からの光は反射ミラー107、ハーフミラー3を介して対物レンズ5から試料6に照射される。
【0060】この入射光に対する試料6からの反射光が、再び対物レンズ5で結像され、ハーフミラー3で反射して結像レンズ8によりCCDカメラ9に撮像される。よって、この試料6からの反射光によりピンホール102を通らない非共焦点画像を得ることができる。
【0061】しかしてコンピュータ10では、ピンホール102を通過した場合の共焦点成分と非共焦点成分を含む画像データと、ピンホール102を通過しない場合の非共焦点画像成分のみの画像データとの差を求める差分演算を行なうことで共焦点成分の画像を得るもので、得た共焦点画像をモニタ11にて表示出力させる。
【0062】また、Nipkow型ディスクの如く相互の間隔をピンホール径の10倍程度離したピンホール102を回転円筒101に等間隔に形成し、そのピンホール102が光路上にある場合には、上記ピンホール102を通過する入射光に対して試料6からの反射光もこのピンホール102を通るので、共焦点成分のみを含む画像を得ることができ、この共焦点画像を直接モニタ11にて表示出力することができる。
【0063】なお、試料6の表面近傍の立体画像を得るためには、例えば移動ステージやピエゾ素子などによって試料6を図中に矢印イで示す方向に移動させ、試料6の高さ方向の異なる画像を複数得て、合焦部分のみを合成するようにすればよい。
【0064】上記のような構成及び動作とした結果、フィルムベルト301の周面全域にわたってピンホール102を等間隔に配置することができ、観察視野内で移動するピンホール102の密度を均一にすることができるので、得られる共焦点画像にむらがなく、明暗の縞もない、高い画質の画像を得ることができる。
【0065】回転ローラ302,303は、フィルムベルト301と密着性が良い材質のものが適している。しかし、フィルムベルト301と回転ローラ302,303の間ですべりが生じる場合には、フィルムベルト301の幅方向の両端に一定間隔でスリットを設け、一方回転ローラ302,303の上記スリットに対応する周面の両端部に上記スリットと同間隔幅の歯車状の歯を設けて、スリットと歯車状の歯を歯合させることでフィルムベルト301を回転させても良い。
【0066】(第4の実施の形態)以下図面を参照して本発明の第4の実施の形態に係る共焦点顕微鏡について説明する。
【0067】ここでは、光の透過率が高い、内部構造を観察するような試料、例えば生物試料などに適用するものとする。図4(a),(b)はその基本構成を示すもので、上記図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0068】しかして、回転円筒101内の空間に、対物レンズ5、試料402、及び光学レンズ403を直線状に固定配置するものとする。光源1で放射された光が光学レンズ2で均一光とされた後、反射ミラー107で反射されて回転円筒101に形成されているピンホール102を通過し、対物レンズ5により試料402に照射される。
【0069】そして、試料402を透過した光が、この試料402を挟んで対物レンズ5の反対側に位置する光学レンズ403で集光され、回転円筒101のピンホール102を通過した後に反射ミラー401で反射され、結像レンズ8によりCCDカメラ9に結像される。
【0070】上記回転円筒101に形成されたピンホール102の配置については、反射ミラー107から対物レンズ5に至る際に入射光が通過するピンホール102の位置と、光学レンズ403で集光された透過光が反射ミラー401に至る際に通過するピンホール102の位置とが、その観察光軸に対する垂直面で一致するように作製するものとする。
【0071】上記のような構成にあって、光源1からの光は、光学レンズ2により均一光とされ、反射ミラー107で反射された後に、一定の速度で回転する回転円筒101のピンホール102が存在する周面に入射される。
【0072】この光源1からの入射光は、ピンホール102を通過し、対物レンズ5によって結像されて試料402に照射される。そして、この照射に対する試料402からの透過光が対物レンズ5と反対に位置する光学レンズ403で集光され、上記入射時に通過したピンホール102とは反対側に位置するピンホール102を通過して反射ミラー401で反射された後、結像レンズ8によりCCDカメラ9の撮像面に結像する。
【0073】入射光がピンホール径と同じ等間隔配置のピンホール102を通って試料402に照射された場合、試料402からの透過光は共焦点成分と非共焦点成分を含む画像データとなってコンピュータ10に蓄積される。
【0074】次に非共焦点成分のみの画像を得るために、入射光と反射光を次のような光路に通過させる。すなわち、図中に矢印Aで示すように回転円筒101をその回転軸方向に移動させてピンホール102を光路から外すと、光源1からの光は反射ミラー107を介して対物レンズ5から試料402に照射される。
【0075】この入射光に対する試料402からの透過光が、光学レンズ403で集光され、反射ミラー401で反射して結像レンズ8によりCCDカメラ9に撮像される。よって、この試料402からの透過光によりピンホール102を通らない非共焦点画像を得ることができる。
【0076】しかしてコンピュータ10では、ピンホール102を通過した場合の共焦点成分と非共焦点成分を含む画像データと、ピンホール102を通過しない場合の非共焦点画像成分のみの画像データとの差を求める差分演算を行なうことで共焦点成分の画像を得るもので、得た共焦点画像をモニタ11にて表示出力させる。
【0077】また、Nipkow型ディスクの如く相互の間隔をピンホール径の10倍程度離したピンホール102を回転円筒101に等間隔に形成し、そのピンホール102が光路上にある場合には、上記ピンホール102を通過する入射光に対して試料402からの反射光もこのピンホール102を通るので、共焦点成分のみを含む画像を得ることができ、この共焦点画像を直接モニタ11にて表示出力することができる。
【0078】なお、試料402の表面近傍の立体画像を得るためには、例えば移動ステージやピエゾ素子などによって試料402を図中に矢印ロで示す方向に移動させ、試料402の観察光軸の位置の異なる画像を複数得て、合焦部分のみを合成するようにすればよい。
【0079】上記のような構成及び動作とした結果、回転円筒101の周面全域にわたってピンホール102を等間隔に配置することができ、観察視野内で移動するピンホール102の密度を均一にすることができるので、生物試料のように光の透過率が高い試料の内部構造を観察する場合でも、透過光から得られる共焦点画像にむらがなく、明暗の縞もない、高い画質の画像を得ることができる。
【0080】(第5の実施の形態)以下図面を参照して本発明の第5の実施の形態に係る共焦点顕微鏡について説明する。
【0081】ここでは、光の透過率が高い、内部構造を観察するような試料、例えば生物試料などに適用するものとする。図5(a),(b)はその基本構成を示すもので、上記図3と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0082】しかして、回転ローラ302,303と上下のフィルムベルト301で挟まれた空間内に、対物レンズ5、試料402、及び光学レンズ403を直線状に固定配置するものとする。光源1で放射された光が光学レンズ2で均一光とされた後、反射ミラー107で反射されて、フィルムベルト301に形成されたピンホール102を通過し、対物レンズ5により試料402に照射される。
【0083】そして、試料402を透過した光が、この試料402を挟んで対物レンズ5の反対側に位置する光学レンズ403で集光され、フィルムベルト301に形成されたピンホール102を通過した後に反射ミラー401で反射され、結像レンズ8によりCCDカメラ9に結像される。
【0084】上記フィルムベルト301に形成されたピンホール102の配置については、反射ミラー107から対物レンズ5に至る際に入射光が通過するピンホール102の位置と、光学レンズ403で集光された透過光が反射ミラー401に至る際に通過するピンホール102の位置とが、その観察光軸に対する垂直面で一致するように作製するものとする。
【0085】上記のような構成にあって、光源1からの光は、光学レンズ2により均一光とされ、反射ミラー107で反射された後に、一定の速度で回転するフィルムベルト301のピンホール102が存在する周面に入射される。
【0086】この光源1からの入射光は、ピンホール102を通過し、対物レンズ5によって結像されて試料402に照射される。そして、この照射に対する試料402からの透過光が対物レンズ5と反対に位置する光学レンズ403で集光され、フィルムベルト301の上記入射時に通過したピンホール102とは反対側に位置するピンホール102を通過して反射ミラー401で反射された後、結像レンズ8によりCCDカメラ9の撮像面に結像する。
【0087】ピンホール径と同じ等間隔で配置されたピンホール102を通って入射光が試料402に照射された場合、試料402からの透過光は共焦点成分と非共焦点成分を含む画像をCCDカメラ9で撮像してコンピュータ10に蓄積される。
【0088】次に非共焦点成分のみの画像を得るために、入射光と反射光を次のような光路に通過させる。すなわち、図中に矢印Aで示すように回転ローラ302,303及びこれに装架されたフィルムベルト301を一体にその回転軸方向に移動させてピンホール102を光路から外すと、光源1からの光は反射ミラー107を介して対物レンズ5から試料402に照射される。
【0089】この入射光に対する試料402からの透過光が、光学レンズ403で集光され、反射ミラー401で反射して結像レンズ8によりCCDカメラ9に撮像される。よって、この試料402からの透過光によりピンホール102を通らない非共焦点画像を得ることができる。
【0090】しかしてコンピュータ10では、ピンホール102を通過した場合の共焦点成分と非共焦点成分を含む画像データと、ピンホール102を通過しない場合の非共焦点画像成分のみの画像データとの差を求める差分演算を行なうことで共焦点成分の画像を得るもので、得た共焦点画像をモニタ11にて表示出力させる。
【0091】また、Nipkow型ディスクの如く相互の間隔をピンホール径の10倍程度離したピンホール102を回転円筒101に等間隔に形成し、そのピンホール102が光路上にある場合には、上記ピンホール102を通過する入射光に対して試料402からの反射光もこのピンホール102を通るので、共焦点成分のみを含む画像を得ることができ、この共焦点画像を直接モニタ11にて表示出力することができる。
【0092】なお、試料402の表面近傍の立体画像を得るためには、例えば移動ステージやピエゾ素子などによって試料402を図中に矢印ロで示す方向に移動させ、試料402の観察光軸の位置の異なる画像を複数得て、合焦部分のみを合成するようにすればよい。
【0093】上記のような構成及び動作とした結果、フィルムベルト301の周面全域にわたってピンホール102を等間隔に配置することができ、観察視野内で移動するピンホール102の密度を均一にすることができるので、生物試料のように光の透過率が高い試料の内部構造を観察する場合でも、透過光から得られる共焦点画像にむらがなく、明暗の縞もない、高い画質の画像を得ることができる。
【0094】上記第3の実施の形態と同じくこの第5の実施の形態においても、回転ローラ302,303は、フィルムベルト301と密着性が良い材質のものが適している。しかし、フィルムベルト301と回転ローラ302,303の間ですべりが生じる場合には、フィルムベルト301の幅方向の両端に一定間隔でスリットを設け、一方回転ローラ302,303の上記スリットに対応する周面の両端部に上記スリットと同間隔幅の歯車状の歯を設けて、スリットと歯車状の歯を歯合させることでフィルムベルト301を回転させても良い。
【0095】なお、上記第1乃至第5のいずれの実施の形態にあっても、回転円筒101,201またはフィルムベルト301の回転同期とCCDカメラ9で撮像できるシャッタ速度との同期を制御することができれば、本発明は、ピンホール径と同間隔で配置された多数のピンホール部と光をそのまま透過させる透明な部分を作製し、観察光路をこれらのいずれかに選択的に通過させることで、回転円筒101,201または回転ローラ302,303に装架されたフィルムベルト301を図中にAで示したその回転軸方向に動かす機構がなくても良い。
【0096】また、従来使用していた回転ディスクのピンホール作製には、蒸着法やエッチング法などを用いる必要があるが、上記第1乃至第5の実施の形態の場合、ピンホール配置パターンを紙面上に印刷し、写真撮影などでフィルムに転写できるため、従来の回転ディスクに比してより容易に作製することができる。
【0097】さらに、対物レンズ5として倍率の異なる、開口数の異なるものを使う場合、ピンホール102の直径を小さくすることによって、試料の深さ方向の分解能を上げることができる。
【0098】そこで第1及び第4の実施の形態の回転円筒101の周面、第2の実施の形態の回転円筒201の周面、第3及び第5の実施の形態のフィルムベルト301の周面において、その幅方向をより広く設定し、2種類の直径のピンホール102を回転方向のトラック領域を区分して形成することにより、上記図中で矢印Aで示した回転軸の方向に動かすことによって、種々の倍率の異なる対物レンズに適するようなピンホール102の直径を選択することができるようにしてもよい。
【0099】上述した実施の形態では、共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と非共焦点成分のみの画像とを1つの撮像手段で撮像していたが、これに限るものではなく、共焦点成分及び非共焦点成分を含む画像と非共焦点成分のみの画像とを別々の撮像手段で撮像するようにしてもよい。なお、本発明は上記第1乃至第5の実施の形態に限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0100】
【発明の効果】請求項1記載の発明のような構成とした結果、円筒部材の周面に複数のピンホールを配置したので、明暗の縞が発生せず、画質の鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。
【0101】請求項2記載の発明のような構成とした結果、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、ピンホールの密度を均一にすることができることから、画像に明暗の縞を発生させず、明るく鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。
【0102】請求項3記載の発明のような構成とした結果、帯状部材の周面に複数のピンホールを配置したので、明暗の縞が発生せず、画質の鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。
【0103】請求項4記載の発明のような構成とした結果、上記請求項3記載の発明の効果に加えて、ピンホールの密度を均一にすることができることから、画像に明暗の縞を発生させず、明るく鮮明な共焦点画像を得ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開平11−271620
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−73925