| 【発明の名称】 |
粒子の検出及び粒子検出器装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】イサック・シャリヴ
【氏名】イフタク・カルニ
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| 【要約】 |
【課題】電子顕微鏡、質量分析計などのための粒子検出器を提供する。
【解決手段】シンチレータ4が後置されるマイクロチャネル・プレートまたはマイクロ球面プレートの如き単一の板状の電子増倍器2を含む。シンチレータ4の前段に電子増倍器2を用いて、シンチレータ4からの光子の通過効率を補償する。シンチレータ4の出力電圧を自由に設定することが可能である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1つの光電子増倍器が後置されたシンチレータが後置された電子増倍器を備えた粒子検出器。 【請求項2】 電界活性器が前記電子増倍器と前記シンチレータとの間に電界を設定するよう配置される請求項1記載の粒子検出器。 【請求項3】 前記電子増倍器と前記シンチレータとが相互に動作的に近くに配置される請求項1または2のいずれかに記載の粒子検出器。 【請求項4】 接近中の粒子が前記シンチレータに達し得る前に前記電子増倍器に当たるように、接近中の電子の方向に関して定位される請求項1または2または3のいずれかに記載の粒子検出器。 【請求項5】 前記電子増倍器が単一プレートである請求項1ないし4のいずれか一つに記載の粒子検出器。 【請求項6】 前記シンチレータが発光材料を含み、前記発光材料が、前記シンチレータを前記少なくとも1つの光電子増倍管に接続する光伝送チャネルをも形成する請求項1ないし5のいずれか一つに記載の粒子検出器。 【請求項7】 前記シンチレータが少なくとも2つの部分に分割され、各部分が個々の光電子増倍管に接続される請求項1ないし6のいずれか一つに記載の粒子検出器。 【請求項8】 前記第1のシンチレータに関して粒子源方向とは反対側に配置された第2のシンチレータを更に備え、前記第1のシンチレータが予め定めた半径の穴を持ち、各シンチレータが別個の光電子増倍管に接続される請求項1ないし7のいずれか一つに記載の粒子検出器。 【請求項9】 薄い箔が試料とソリッドステート電子増倍器との間に配置される請求項1ないし8のいずれか一つに記載の粒子検出器。 【請求項10】 前記の薄い箔が二次電子を発するように設計された材料層で被覆される請求項9記載の粒子検出器。 【請求項11】 粒子を受取り光子を発する活性領域と、光子を外部検出装置へ通過させる伝送領域とを備え、該伝送領域が光子を伝送するのに適する形態に作られた発光材料を含む、粒子検出器で使用されるシンチレータ。 【請求項12】 前記伝送領域が光ファイバに組込まれた発光材料を含む請求項11記載のシンチレータ。 【請求項13】 粒子を受取る第1の面と粒子を発する第2の面とを有し、前記第1の面が薄い箔により遮蔽される電子増倍器。 【請求項14】 前記薄い箔がプラスチック箔である請求項13記載の電子増倍器。 【請求項15】 前記薄い箔が二次粒子を発するよう設計された材料層で被覆される請求項13または14のいずれかに記載の電子増倍器。 【請求項16】 前記薄い箔が5μm以下の厚さを有する請求項13〜15のいずれか一つに記載の電子増倍器。 【請求項17】 前記薄い箔が実質的に0.5μmの厚さを有する請求項13ないし16のいずれか一つに記載の電子増倍器。 【請求項18】 粒子の検出のための活性領域を含み、該活性領域が、それぞれ別個の光電子増倍管に接続され得る2つの部分へ分割される粒子検出器用シンチレータ。 【請求項19】 各活性領域部分が、発光材料から形成された光伝送手段を介して別個の光電子増倍管に接続可能である請求項18記載のシンチレータ。 【請求項20】 電子顕微鏡の真空チャンバ内部に配置される請求項1ないし10のいずれか一つに記載の粒子検出器。 【請求項21】 前記電子顕微鏡の前記真空チャンバ内部に配置された光電子増倍管に動作的に接続される請求項20記載の粒子検出器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、粒子の検出および粒子検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】粒子検出器は、質量分析計、粒子加速器および顕微鏡を含む多くの用途において重要である。これらの場合の全てにおいて、荷電粒子が検出される必要がある。粒子のエネルギ即ち存在を増幅が可能である形態へ変換し、次いで、粒子の存在を推定するため信号の増幅された形態が測定される検出器が提供される。質量分析計においては、イオン・ビームが提供され、そのイオン・ビームのエネルギおよび電流は分析される材料についての情報を有する。電子顕微鏡においては、電子のビームが試料を走査する。このビームは、異なる方法で試料と相互作用して検出が可能である信号を生じる。透過型電子顕微鏡においては、これは下記のように達成される。即ち、電子ビームが、試料を透過して、試料により部分的に吸収される。吸収されないビーム部分は、試料の離れた側で粒子検出器により検出され、異なる密度の領域間のコントラストが示される。このためには、比較的高エネルギのビームを必要とし、試料に対して損傷を生じるという短所を持つ。更なる短所は、薄い試料が要求されることである。 【0003】走査型電子顕微鏡で用いられる第2の信号形態は、試料により反射される元のビームの粒子を含んでいる。これら粒子は、後方散乱電子として知られ、典型的には50eV以上の一次ビームに似たエネルギを呈する傾向がある。後方散乱電子は、良好な材料のコントラスト情報を生じ、異なる材料を弁別することを可能にする。 【0004】走査型電子顕微鏡の利点を再び利用した第3の信号形態は、二次電子を含むものである。二次電子は、一次電子、即ち元のビームの電子により衝突された時に試料表面により発生される。二次電子は、やや低いエネルギであり、典型的には5eV以下、厳密には50eVより低いエネルギである。二次電子は、表面のトポグラフィについての情報を保持する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記の用途において現在使用される粒子検出器には3つの主な形式がある。1つはシンチレータとして知られ、2番目は時にシリコン検出器として知られるソリッドステート検出器であり、3番目はプレートである。このプレートは、マイクロチャネル・プレート(MCP)として知られる第1のものとマイクロ球面プレート(MSP)として知られる第2のものとの2つの形態にある。シンチレータは、リンで被覆されたガラスまたは他の透明な基板、あるいは発光材料で浸漬された透明材料を含んでいる。シンチレータは、電子または他の荷電粒子と衝突された時に光子を発生する。この光子は、光ガイドを通過して光電子増倍管(PMT)へ入る。PMTは、これに達する光子数に比例する電子流を生成し、電子信号を増幅して視覚表示装置またはメモリまたはイメージ処理装置へ送られるほど強い出力信号を生じる。発光体から光ガイドを経て光電子増倍器へ光子を伝送する時、著しい光子損失が生じる。 【0006】ソリッドステート検出器は、エネルギ電子が衝突する時、電子ホール対を生成する。これらのホール対は、電子回路により増幅されて視覚表示装置へ送られるに充分な強さの信号を生成する。 【0007】シンチレータにおける問題の1つは、電子が典型的には10keVの充分なエネルギを持つならば、充分に大きな信号がただ1つの電子から生成されることである。従って、このようなエネルギ準位とはほど遠い二次電子は、検出されるためには加速されねばならない。このため、シンチレータの前面は、+10kV付近の電圧レベルが与えられる。このような電界強度のゆえに、ビームの収差または偏向を防止するために、検出器を試料から遠くに配置することが必要である。このことは更に、検出効率が低減することを意味する。同じことが、ソリッドステート検出器に妥当する。 【0008】光電子増倍管もまた、動作するために高い電界を持たねばならないが、同時に、容易に増幅されて視覚表示装置へ直接送ることができるように出力信号は望ましくは接地電位になければならない。これを果たす唯一の方法は、光電子増倍管の前面プレートを強い負電圧、例えば−1.5kVに置くことである。光子は無論電界に感応せず、従ってシンチレータと光電子増倍管との間に強い負の電界があることは問題でない。 【0009】MCP(またはMSP)は、典型的に厚さが0.5ミリメートル付近で、プレートを貫通して延在するマイクロチャネルを有するプレートである。MCPにおけるマイクロチャネルの半径は典型的に10μmであり、チャネルが直線状である。MSPにおいては、マイクロチャネルはプレートの2つの面間で長手方向に捩れている。典型的に1kVの電圧が、プレートの厚さの両側に印加される。試料からの電子は、マイクロチャネルの壁面に衝突し、1つ以上の二次電子をこの壁面から放出させる。これら電子は更に、更に離れた点で壁面に衝突して、更に多くの二次電子を生じる。適切な大きさの電界がプレートを挟んで存在するものとすれば、増倍効果を生じる結果となる。典型的に、千ないし一万の増倍率を1つのMCPプレートから得ることができる。しかし、充分な出力信号を保証するためには、かかるプレートの2つまたは3つを相互に重ねることが一般に必要である。重なる各プレートは、十万ないし一千万程度の増倍率が全体的に達成されることを保証するに充分な電界強度を持たねばならない。 【0010】視覚表示装置の目的のためには、出力信号は接地電位になければならないが、MCP(またはMSP)のアノードは2ないし3kVであるという問題が再び生じる。この問題は、コンデンサをバッファとして用いることにより解決することができる。しかし、これは、MCP出力がそのバイアス電流の略々10パーセントに制限されるゆえに、低電流に対してのみ有効である。代替的な緩衝方法は、信号を光子に変換して、光ガイドを用いることである。いずれの方法も、結果は複雑でありかつコンパクトでない装置となる。コンパクト性は、検出器が電子顕微鏡ハウジングのコラム内で又はこのコラムからのビームの出口と試料との間に適合しなければならないので、非常に重要である。 【0011】MCP(またはMSP)に基く検出器の利点は、シンチレータまたはソリッドステート検出器のいずれと比しても低エネルギ電子に対する感度が大きいことである。従って、この検出器は入力面において強い電界を持つ必要がなく、従って試料あるいはビーム経路にはるかに近づけて配置することができる。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特質によれば、電子増倍器とシンチレータとを含み、光電子増倍器が後置された粒子検出器が提供される。実施の一形態においては、シンチレータから光電子増倍器へ光子を導くため光ガイドが用いられる。この光ガイドは、光伝送ロッドの形態を呈し、あるいは可撓性ファイバを含む。 【0013】電子増倍器とシンチレータとの間に電界を設定するため、電界活性器(electric field enabler)が構成されることが望ましい。電子増倍器とシンチレータとは、相互に動作的に近くに配置され、接近中の粒子がシンチレータに達し得る前に電子増倍器に衝突するように、接近中の粒子の方向に関して理想的に定位される。電子増倍器は、マイクロチャネル・プレートMCPあるいはマイクロ球面プレートMSPでよい。この電子増倍器は、複数のプレートが通常相互に重なる層状に配置される従来技術とは対照的に、単一プレートでよい。典型的には500ないし2,500ボルトの単一プレートからシンチレータに衝突する500ないし10,000個の電子が、シンチレータから光電子増倍器までの経路における著しい光損失が検出効率に影響を及ぼすことなく許容し得るほど充分な光子を、電子増倍器により初期に検出された1個の電子それぞれに対して生成する。検出効率は、電子増倍器に衝突する最初の電子がどれだけ多く光電子増倍器の出力信号に検証されるかの尺度である。 【0014】実施の一形態では、シンチレータ自体が発光材料を含むばかりでなく、発光材料もまた光伝送チャネルを形成してシンチレータを光電子増倍管に接続する。従って、1つの材料は、光子の生成と共に光子をPMTへ導くためにも用いられ,現用システムにおけるように2つの材料の指標を一致させる必要がない。 【0015】検出された粒子についての空間的情報を得るために、シンチレータは、それぞれが個々の光電子増倍管に接続される2つ以上の部分へ分割される。空間的情報、特に半径方向(radial)情報を得る別の方法は、試料から離れて第1のシンチレータの後方に配置される第2のシンチレータを提供することであり、この場合第1のシンチレータは予め定めた半径の穴を持ち、第2のシンチレータは更に大きな半径を持ち、かつ各シンチレータが別個の光電子増倍管に接続されている。 【0016】電子増倍器の検出効率が小さいようなエネルギ粒子を検出すべき場合は、電子増倍器が望ましくは粒子源の方向から薄い箔で遮蔽されねばならない。この箔は、入射粒子の大半が通過することを許容するほど充分に薄い。電子増倍器に面するこの薄い箔の面は、二次電子を発射するように設計された材料層で被覆されることが望ましい。 【0017】本発明の第2の特質によれば、粒子を受取り光子を発射する活性領域と光子を外部の検出装置へ通過させる伝送(conveyance)領域とを含み、伝送領域が光子の伝送に適する形態に形成された発光材料を含む、粒子検出器に使用されるシンチレータが提供される。前記伝送領域は光ガイドである。 【0018】本発明の第3の特質によれば、粒子の検出のための活性領域を含み、この活性領域がそれぞれ別個の光電子増倍管に接続することが可能な2つ以上の部分へ分割される、粒子検出器用のシンチレータが提供される。 【0019】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形態を実施するよう動作する装置の概略図である。マイクロチャネル・プレート(MCP)の如き電子増倍器2が、到来する粒子を受取るように配置される。粒子は、なだれ効果を生じる横断電界を有するMCPと衝突する。従来技術において見られる複数の層ではなく、ただ1つのMCPを設けるだけでよい。生成される電子の増倍は、信号を形成するため直接用いるには弱すぎるが、MCPの出力側に設けられるシンチレータ4に光子を生じるためには充分以上である。典型的には2ないし4kV程度であるが15kVもの強さの電界がMCPとシンチレータとの間に配置されており、このことがMCPからの電子が検出されるようにシンチレータに向けて充分に加速されることを保証するのに必要な全てである。電子の衝突時にシンチレータ4において生成される光子は、ある形態の光ガイドを経て光電子増倍管6へ通過させられ、光電子増倍管6の出力は視覚表示装置(VDU)により直接使用することができ、あるいはコンピュータのメモリなどに記録することができる。光電子増倍管6の出力は、シンチレータ4の入力と電気的な接続がないので、任意の要求された電位に設定することができる。このため、VDUに供給される信号は接地電位であり得る。 【0020】図2は、イオンを検出するための本発明の構成を示している。当該構成においては、矢印16により示されるイオンが電子増倍器2に衝突する。この電子増倍器2は、例えば20kVの電圧に保持される。小さな電子雲が生成されて、例えば23kVの電圧に保持されるシンチレータ4に向けて加速される。この電子雲は、出力を形成するため直接用いるには弱すぎるが、シンチレータに光子を生成するためには充分以上である。このように生成された光子は、光ガイドまたは光ファイバ18を介して光電子増倍管6へ送られる。 【0021】図3は、走査型電子顕微鏡の一部として使用可能なように動作する本発明の実施の一形態を示している。当該実施の形態においては、ビーム発生器8が電子ビームを生成する。ビーム集束サブシステム10が、ビームを試料上に集束する。当該ビーム集束サブシステム10は、電磁石の如き磁界生成装置を含み、当業者には周知の技術を含んでいる。 【0022】集束されたビームは、試料12の表面にわたり走査され、二次電子と後方散乱電子とが生成される。電子増倍器(MCPプレート)2が、後方散乱電子あるいは二次電子のいずれかと並んで適宜配置される。一般に、後方散乱電子は、ビームの反射が予期される角度に限定される。二次電子は不規則な角度で現れる。MCPプレート2は、先に述べたように電子雲を生じる。単一のMCPプレートにより生成される電子雲もまた、出力信号を形成するため直接用いるには弱すぎ、従ってシンチレータ4へ送られる。このシンチレータ4は、1個の電子ではなく電子のなだれを受取り、このため、より低エネルギの電子を検出することができる。このように、高電位の電界をシンチレータの前方領域の周囲に置くことはもはや必要ではなく、シンチレータを電子ビームを擾乱することなく電子ビームと試料のずっと近くに置くことができる。シンチレータへ送られるMCPプレート2により生成される電子なだれは、このシンチレータで光子へ変換される。従って、出力信号はシンチレータに対する入力における電圧から自然に緩衝され、これにより信号が出力装置として働く視覚表示装置(VDU)14に達する前に信号を更に緩衝する必要がない。 【0023】本発明の1つの利点は、MCPのエージング過程を遅らせることである。MCPのエージングは、MCPの使用寿命におけるその全放射電荷量に正比例する。本発明においては、1つのMCPにより放射される全電荷量は、従来のMCP検出器の多層部における最後のMCPの放射電荷量の百分の一程度である。このため、使用寿命の期待値は百倍程度の長さである。 【0024】従来のシンチレータにおいて、リンあるいは発光材料を含むプラスチックで被覆されたガラス・スクリーンが、電子が衝突した時に光子を放出する。光子は、次に光ガイドまたは光ファイバを介して光電子増倍管へ送られて、視覚表示装置(VDU)へ送られるのに充分な強さの信号を生成する。シンチレータ自体は光ファイバと同じ材料でないので、信号損失が接合点において生じる。この接合点は決して完全でなく、2つの材料が全く同じ屈折率を持つことはない。 【0025】本発明の実施の一形態においては、シンチレータの本体を形成するため用いられるのと同じ発光材料を用いて光ガイドを形成する。このため、信号損失を生じる接合点がない。発光材料は、光ファイバを形成するように延伸され、クラッド層が設けられ、あるいは通常の方法でアルミニウムで被覆される。 【0026】次に図4を参照する。図4は、粒子の検出時、即ち粒子に対する有効な応答時のMCPプレート2の粒子エネルギに対してプロットされた効率のグラフである。MCPの電子検出効率が電子エネルギの関数であり、かつ最大効率が300eV付近における電子エネルギにおいて生じることが明らかに判る。このため、多くの後方散乱電子は有効に検出されるには高すぎるエネルギであり得る。 【0027】次に、本発明による更に他の実施の形態を示す図5を参照する。先に述べたように、二次電子と後方散乱電子とを検出するために、即ち広範囲のエネルギにわたる粒子を検出するために、本発明による検出器が要求される。 【0028】本発明の実施の一形態においては、この問題は、より高いエネルギの電子を減速し、あるいはそのエネルギの一部を吸収するため、薄い箔20をMCP22の前方に配置することによって解決される。これらのエネルギ粒子もまた、箔を通過する時に二次電子を放出する。更に他の実施の形態では、より多くの二次電子を放出する更に薄い層24で金属箔自体が被覆されている。二次電子自体は、検出するにはエネルギが低すぎ、典型的には1eVであるが、これらの電子を最適な検出効率レベルまで正確に加速するためには、箔20とMCP22との間に300Vの電界を設定するだけでよい。 【0029】前記箔の典型的な厚さは0.5μmであるが、特定用途における電子のエネルギに応じて5μm以下の厚さも有効である。二次電子を放射するためのコーティングの典型的な厚さは250ないし400オングストロームである。箔に対する典型的な材料は、プラスチック・ポリマーでよく、コーティングに対する典型的な材料は酸化アルミニウムまたはCsIでよい。 【0030】当該実施の形態の更なる利点は、MCPの別のエージング過程を遅くすることである。原子と分子とは、その質量が電子の質量よりもはるかに大きいので箔を透過することはない。箔は、使用された材料に従って、電子よりも大きな粒子あるいはイオンよりも大きな粒子にとって不透明である。従って、箔はMCPを汚染物から遮蔽するように働き、これによりMCPの使用寿命を延長する。 【0031】次に、本発明の更に他の実施の形態において使用されるMCPを示す図6を参照する。後方散乱電子の検出のために、検出装置をできるだけビームの線に近づけることが有利である。従って、図6に示された実施の形態においては、MCPプレート30がビームの経路を包囲するような構成で示される。穴32は、ビームを通過させるようプレートの中央に構成される。図7は、これもビームの経路として中央に穴44を持つ発光ファイバ42から構成されたシンチレータ40を示している。図8は、ビーム50がシンチレータ52とMCP54の中心の穴を通過して試料56に衝突することを示している。後方散乱電子は、破線58により示される形式の経路に略々従い、MCP54に衝突する。結果として生じる電子雲がシンチレータ52にむけて加速され、このシンチレータで光子を生じる。光子は、視覚表示装置62に対する入力に適する信号へ変換されるため、シンチレータのファイバを経て光電子増倍管60へ至る。 【0032】次に、本発明の更なる実施の形態で使用されるシンチレータを示す図9を参照する。走査型電子顕微鏡は、試料を走査するビームがスクリーンを走査する視覚表示装置におけるビームと同期されるので、試料についての空間的情報を取得する。全ての電子は、検出される時は常に、所与の瞬間に試料上の特定点に帰属するとして解釈され、表示装置における同じピクセルを形成することになる。しかし、検出される電子の空間的分布から試料についての更なる情報を得ることが可能である。このためには、粒子の分布が保持されるように個々のミニ検出器へ空間的に分割される検出器を備えることが必要である。以降の記述において、簡単にするため、2つのミニ検出器を含む検出器について記述する。しかし、構成プロセスの物理的制約および追加の空間的な情報が必要とされる程度のみに応じて、より多数のミニ検出器が可能であることが判るであろう。 【0033】図9は、発光ファイバ72から作られたシンチレータ70を示す。当該実施の形態は、活性(即ち、検出)領域74以外で、発光ファイバ72が2つの束76、78に分割され、各束が個々の光電子増倍管に接続されることを除いて、図7に示された実施の形態と類似している。 【0034】図10は、ウエーブガイドを有する更に周知の種類のシンチレータ80を示している。この場合、光ガイドまたはシンチレータは個々の光電子増倍管に接続される2つの部分82、84に物理的に分割されている。 【0035】2つの部分に構成されることを必要とするのはシンチレータのみであることが指摘される。本発明の実施の形態におけるシンチレータに先行するMCPは、何らかの修正を必要とすることなく空間的情報を保持する。 【0036】図11は、空間的情報を得るための別の変更例を示す。この場合、図6ないし図9に示される実施の形態におけるように、主ビームが検出器の中心の穴を通過する。この場合、試料から戻る電子が、半径R2で半径R0の中心穴を持つMCP90に当たり、向こう側から出た電子雲がシンチレータ92、94に向けて加速される。シンチレータ92の方がMCP90に近く、半径R1の中心穴96を有する。シンチレータ92の表面に衝突する電子は通常の方法で検出され、通過する電子は第2の検出器94に衝突する。図12は、3つの半径R0、R1およびR2間の関係を示している。この3つの半径が正しく選定されるならば、二次電子と後方散乱電子とを弁別することが可能である。 【0037】図13は、MCP100と、比較的大きな半径の穴を持つ第1のシンチレータ102と、第2のシンチレータ104とを示す図11および図12の実施の形態の変更例である。各シンチレータは、それぞれ異なる光電子増倍器106、108に接続される。図13の場合は、シンチレータは発光ファイバ110から作られている。 【0038】図9ないし図13の実施の形態については、MCPを含むものとして述べた。しかし、これらの実施の形態もまた、適切な電界が試料とシンチレータとの間に設定されるものとすれば、MCPなしで働くことが判るであろう。 【0039】電子顕微鏡の内部は真空である。真空内に電子検出器の粒子検知部分を置くことが必要である。しかし、検出器の光電子増倍管部分は、空間における制約のため通常は真空外に置かれる。このことは、シンチレータから光電子増倍管までの光ファイバ接続が真空シールを通過しなければならないことを意味する。光ファイバの周囲に真空シールを設けることは高価となり複雑になる。電気的結線の周囲に真空シールを設ける方がはるかに容易である。従って、必要なことは、光電子増倍管とVDUとの間の電気的結線を封止することだけである。あるいはまた、光電子増倍管の本体の周囲を封止することが可能であり、これもまた光ファイバの周囲を封止するよりも容易である。 【0040】特許請求の範囲において、電子増倍器という用語がマイクロチャネル・プレートMCPとマイクロ球面プレートMSPの両方を含むことが理解されよう。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598015693 【氏名又は名称】エル−マル・テクノロジーズ・リミテッド 【氏名又は名称原語表記】EL−MUL TECHNOLOGIES LTD. 【住所又は居所原語表記】Nitzanim Bldg.,Soreq,Yavne 81104,Israel
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月4日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160438 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−23221 |
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