| 【発明の名称】 |
光ファイバ式放射線検出器及び放射線検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】青木 康子
【氏名】北口 博司
【氏名】出海 滋
【氏名】海原 明久
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| 【要約】 |
【課題】放射線としてエネルギーの異なるγ線をICRP勧告に沿い確実に検出できると共に、放射線の入射角度に拘わらず検出し、長距離伝送すること。
【解決手段】波長変換ファイバ3A〜3Gの各々がシンチレータ2の同一半径位置に等間隔で配置されているので、低エネルギーγ線によるシンチレーション光が、放射線が入射した方向の表面近傍の波長変換ファイバ3のみによって集光され、その感度が抑えられるものの、発光領域に近い何れかの波長変換ファイバ3A〜3Gにより集光されるので、1シンチレーション光当たりの光子数を多く集光でき、この集光した多数の光子により長距離伝送に耐え得る信号を得ることができる。しかも、高エネルギーγ線によるシンチレーション光がシンチレータ2全域で発生することとなるので、全ての波長変換ファイバ3A〜3Gによって集光される。この場合、広い範囲に渡っての発光を効率良く集光でき、1シンチレーション光当たりの光子数を確実に多く集光でき、長距離伝送を的確にできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータと、該シンチレータの内部に設けられ、シンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバと、該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバとを有し、波長変換ファイバは、シンチレータ内において、該シンチレータの中心軸を中心とする同一半径位置に複数本配置されていることを特徴とする光ファイバ式放射線検出器。 【請求項2】 放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータと、該シンチレータ内に設けられ、シンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバと、該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバとを有し、波長変換ファイバは、シンチレータ内において、該シンチレータの中心軸を中心とする同一円周上に配置された円筒形状であることを特徴とする光ファイバ式放射線検出器。 【請求項3】 放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータと、該シンチレータ内に設けられ、シンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバと、該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバとを有し、波長変換ファイバは、シンチレータの内部において、シンチレータと同一円周上に配置された複数のものと、シンチレータの中心軸上に配置されたものとからなることを特徴とする光ファイバ式放射線検出器。 【請求項4】 放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータ,該シンチレータ内に設けられてシンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバ,該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバを有する光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光ファイバによって伝送された光に基づき放射線の線量当量率を求める演算手段とを有し、光ファイバ式放射線検出器の波長変換ファイバは、シンチレータ内において、該シンチレータの中心軸を中心とする同一半径位置に複数本配置されていることを特徴とする放射線検出装置。 【請求項5】 放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータ,該シンチレータ内に設けられてシンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバ,該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバを有する光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光ファイバによって伝送された光に基づき放射線の線量当量率を求める演算手段とを有し、光ファイバ式放射線検出器の波長変換ファイバは、シンチレータ内において、該シンチレータの中心軸を中心とする同一円周上に配置された円筒形状であることを特徴とする放射線検出器。 【請求項6】 放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータ,該シンチレータ内に設けられてシンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバ,該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバを有する光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光ファイバによって伝送された光に基づき放射線の線量当量率を求める演算手段とを有し、光ファイバ式放射線検出器の波長変換ファイバは、シンチレータの内部において、シンチレータと同一円周上に配置された複数のものと、シンチレータの中心軸上に配置されたものとからなることを特徴とする放射線検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、放射線を光に変換して光ファイバにより伝送する光ファイバ式の放射線検出器と、それを用いた放射線検出装置とに係り、特にシンチレータと波長変換手段としてのファイバと伝送用光ファイバとを有するものに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、シンチレータと波長変換手段と光ファイバとを有する放射線検出器としては、大別すると、平板状のシンチレータの側面に溝を設け、これに波長変換手段を埋め込む方式と、円柱形のシンチレータの中心軸位置に波長変換手段を挿入する方式との二方式がある。波長変換手段としては、コアに蛍光物質を添加してあるプラスチック光ファイバで構成され、シンチレーション光の波長の光に応じて所望の波長からなる光を放出する蛍光物質を添加してある波長変換ファイバを使用している。 【0003】上記の如き二方式のうち、円柱形のシンチレータの中心軸位置に波長変換ファイバを挿入する後者の方式の従来の放射線検出器を図10に示す。即ち、図10に示す放射線検出器1は、外部からシンチレータ2に放射線が入射すると、該シンチレータ2内で発光し、その光がシンチレーション光となる。シンチレーション光は、波長変換ファイバ3に入射すると、該ファイバ3によりシンチレーション光が波長変換されると、コア内から等方的に放射する。その場合、波長変換ファイバ3がシンチレーション光を波長変換し、等方的に放射するため、伝送効率が改善される。また、シンチレーション光は一般的に波長が短いため、光ファイバによる伝送損失が大きいが、波長変換により波長が長くなるので、伝送損失が低減される。一方、放射した波長変換光の一部は、伝送用光ファイバ8により伝送され、光電子変換素子9に入る。光ファイバ8内ではファイバの中心軸を中心とした狭い角度方向の光のみが伝送されるため、光ファイバ8に入射したシンチレーション光のうち、そのまま光ファイバ8で伝送される光は極めて少ない。 【0004】そして、光ファイバ8を経たシンチレーション光が光電変換素子9に入ると、該光電変換素子9によりその光量に応じて電圧変換され、該変換された電圧が前置増幅器10を介し増幅器11により増幅され、これが波高弁別器12を通過することにより電気的ノイズが低減された後、カウンタ13により一定時間内のパルス数がカウントされ、その出力に基づき演算装置14が演算して放射線の線量当量率が求められ、その結果を表示装置15により出力される。 【0005】なお、この種に関する装置として、特開平4−221154号公報,同6−201835号公報,同6−258446号公報等が挙げられる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、放射性物質や核燃料物質を取り扱ったりする放射線施設、また放射線発生装置を有する放射線施設にあっては、放射線管理上での線量を、主要な測定単位であるシーベルト単位で測定しなくてはならない。 【0007】ところが、上記従来技術は、放射線検出位置での耐環境性に優れるという利点があるものの、エネルギーの異なるγ線に対する応答がICRP(国際放射線防護委員会)勧告に沿っておらず、放射線管理における主要な測定単位であるシーベルト単位での測定ができない問題があった。 【0008】また上記従来技術の放射線検出器では、放射線がシンチレータ2に入射することによってシンチレーション光が発生した場合、そのシンチレーション光に基づいて放射線を検出するものの、波長変換ファイバ3がシンチレータ2内に一本配置されただけであるので、1シンチレーション当たりの光子数が少なく、そのため、長距離伝送をすることができない問題があるばかりでなく、放射線強度分布を得ることができない問題があった。 【0009】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、放射線としてエネルギーの異なるγ線を、ICRP勧告に沿い確実に検出することができると共に、長距離伝送することができ、さらには放射線の入射角度に左右されることなく検出することもできる光ファイバ式放射線検出器を提供することにあり、他の目的は、装置としての信頼性を高めることができる放射線検出装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ式放射線検出器においては、放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータと、該シンチレータの内部に設けられ、シンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバと、該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバとを有し、波長変換ファイバは、シンチレータ内において、該シンチレータの中心軸を中心とする同一半径位置に複数本配置されていることを特徴とするものである。 【0011】また、本発明の放射線検出装置においては、放射線の入射により内部にシンチレーション光を発生させるシンチレータ,該シンチレータ内に設けられてシンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバ,該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバを有する光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光ファイバによって伝送された光に基づき放射線の線量当量率を求める演算手段とを有している。そして、光ファイバ式放射線検出器の波長変換ファイバは、シンチレータ内において、該シンチレータの中心軸を中心とする同一半径位置に複数本配置されていることを特徴とするものである。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1乃至図9により説明する。図1乃至図4は本発明による放射線検出器の第一の実施例を適用した放射線検出装置を示し、これらの図において図10と同一部分には同一符号を付してある。 【0013】この実施例は、シンチレータ2と、その内部に配置された波長変換手段3と、波長変換手段3に接続された伝送用光ファイバ8とを有して放射線検出器1が構成されている。 【0014】シンチレータ2は、円柱形のタリウム活性化ヨウ化ナトリウム(以下、Nal(Tl)と記す)結晶からなっており、内部に放射線が入射するとシンチレーション光を発生させる。Nal(Tl)結晶は、一般に、放射線から吸収したエネルギーの約12%を中心波長415nmのシンチレーション光として放出する。この放射線がNal(Tl)結晶を透過する際、その軌跡に沿って電子,正孔対を発生させ、該電子,正孔対は、結晶内を移動し、ごく近傍の活性化物質(微量添加されているタリウム)が作る不純物準位に捕捉される。一つの活性化物質に電子,正孔がともに捕捉されると、電子と正孔とは再結合し、シンチレーション光1光子が発生する。シンチレーション光は、発光位置である活性化物質位置を中心として等方的に放射され、その発生光子数が放射線からの吸収エネルギー1MeVあたり約38000個であることが知られている。 【0015】このシンチレータ2の外周には吸湿防止上から、図2に示すように反射材4が塗布されると共に、その反射材4の上に遮光性の被覆体6aが被覆されている。被覆体6aは本例では、放射線としてのγ線による損失が少ないことと、Nal(Tl)結晶を保護するのに十分な強度があることとから、アルミニウムにより形成されている。 【0016】波長変換手段3は、内部のコアに蛍光物質が添加された波長変換光ファイバで構成され、シンチレータ2内で発生したシンチレーション光が入射すると、そのシンチレーション光の波長を所定の波長に変換し、該変換した波長の光をコアから出力する(以下、波長変換手段を波長変換ファイバと呼ぶ)。伝送用光ファイバ8は、波長変換ファイバ3によって変換された波長の光を末端まで伝送する。 【0017】そして、実施例の放射線検出器1は、シンチレータ2の内部に設けられる波長変換ファイバが複数本で構成されている。即ち、複数本の波長変換ファイバ3A〜3Gは、図1及び図2に示すように、シンチレータ2の内部においてその中心軸を中心とする同一半径位置に、正七角形となるよう互いに等間隔をもって配置された7本のものからなっている。この場合、波長変換ファイバ3A〜3Gの各々はその先端部が、シンチレータ2内において、該シンチレータ2の先端から適宜の距離を隔て、しかも軸方向に沿って配置されている。 【0018】そのため、シンチレータ2の内部には波長変換ファイバ3A〜3Gの各々を挿入するための挿入穴(符示せず)が穿設され、かつ該挿入穴の周囲に気密保持するための石英ガラス5A〜5Gが設けられ、その石英ガラス5A〜5G中に波長変換ファイバ3A〜3Gの各々が挿入されている。従って、波長変換ファイバ3A〜3Gの各々の末端にはロッド型のカプラ7を介し伝送用光ファイバ8がそれぞれ接続されることとなる。伝送用光ファイバ8のそれぞれは外部からの光を遮断するため、図示しない遮光手段により遮光されている。そして図1に示す如く、これら被覆体6a,シンチレータ2,波長変換ファイバ3,カプラ7がハウジング6bに一体的に装着され、伝送用光ファイバ8がハウジング6bの外部に引き出されている。 【0019】一方、放射線検出器1としての伝送用光ファイバ8の末端には、光電子変換素子9,前置増幅器10,増幅器11,波高弁別器12,カウンタ13を介し演算装置14が接続され、放射線検出装置を構成している。 【0020】光電子増倍管9は、伝送用光ファイバ8によって伝送された光に応じ電子を発生させる。この光電子増倍管9からの信号は、Nal(Tl)結晶にエネルギーを与えた放射線の光子1光子に対し、1パルス出力され。信号パルスの電圧は、光電子増倍管9まで伝送されてきた放射線検出光の光子数に比例する。また前置増幅器10,増幅器11により信号の電圧を増幅し、波高弁別器12で一定の範囲の電圧である信号のみを取出し、カウンタ13にて一定時間内のパルス数を計数する。なお、波高弁別器12で一定の範囲の電圧の信号のみを取り出すのは、主に電気的ノイズを削減するためである。 【0021】演算装置14は、予め記憶させておいた校正定数と、前記カウンタ13による計数結果とに基づき放射線の線量当量率を算出し、その結果を表示装置15に表示する。なお、演算装置14にはその演算処理結果を出力するための表示装置15が接続され、また光電子変換素子9にはその定電圧を供給する電源16が接続されている。 【0022】実施例は、上記の如き構成よりなるので、次にその作用について述べる。今、放射線がシンチレータ2に入射すると、該シンチレータ2内ではその放射線の大きさに応じシンチレーション光が発生する。このとき、シンチレーション光は、シンチレータ2内に埋設されている波長変換ファイバ3に入射し、入射したシンチレーション光がファイバ3により波長変換され、該変換された波長の光が伝送用光ファイバ8により伝送される。 【0023】ここで、シンチレーション光が波長変換ファイバ3へ入射する割合を評価するため、波長変換ファイバ3の中心軸に垂直な二次元内において、幾何光学的にどれくらいの光が波長変換ファイバ位置に到達するのかを、波長変換ファイバへの入射確率として定義し、その入射確率と発光位置との関係を図4に示す。図4は、シンチレーション光が計算を行う二次元内において、発光位置から等方的に放射されるものとし、また波長変換ファイバ3の直径は2mmのものを用いたときの計算結果を表している。同図からシンチレーション光の入射確率は波長変換ファイバ中心軸までの距離にほぼ反比例することがわかる。 【0024】従って、図4から、波長変換ファイバ3に近い位置で発生したシンチレーション光ほど、より効率よく伝送される。またシンチレータ2全域では均一にシンチレーション光が発生した場合には、波長変換ファイバ3で伝送された光の計測結果を用いても、実施例の円柱形シンチレータ2の如き塊状シンチレータと同じ結果が考えられるので、γ線エネルギーに対し、線量当量率での出力は、図3に示す破線の如き山形のエネルギー特性となる。なお、図3は塊状のNal(Tl)結晶に放射線を照射したときに発生するシンチレーション光のパルス頻度から、線量当量率を算出したときのエネルギー特性の計算値を示している。エネルギー特性は、基本的にはフルエンスと1cm線量当量率との関係に起因するカーブに基づくが、低エネルギーγ線がシンチレータの被覆で吸収されることによって感度が低下する一方、高エネルギーγ線がシンチレータを透過するので、山形となるものである。 【0025】そして、この山形特性のγ線はそのエネルギーの大きさにより、シンチレータ2であるNal(Tl)結晶に進入する深度が異なるものである。例えば、板状のNal(Tl)結晶に垂直にγ線が入射した場合、80keVのγ線ではNal(Tl)結晶が1mm厚の場合に66%であることを考えると、1cm厚でほぼ100%のγ線がNal(Tl)結晶と何等かの相互作用をし、エネルギーをNal(Tl)結晶に与えていることになる。これに対し、1MeVのγ線では、1mm厚で2%、1cm厚で19%のγ線しか相互作用しておらず、5cm厚でも58%のγ線しか相互作用しない。 【0026】シンチレーション光は放射線がNal(Tl)結晶に入射した表面近傍で発生するので、発光位置は低エネルギーγ線では、γ線が結晶に入射した表面近傍に限られる。 【0027】しかしながら、高エネルギーγ線は、Nal(Tl)結晶の深い位置まで進入するので、Nal(Tl)結晶全域でシンチレーション光が発生することとなり、該発生したシンチレーション光が、図4に示した入射確率に従い波長変換ファイバに入射するものである。 【0028】本実施例では、波長変換ファイバ3A〜3Gの各々がシンチレータ2の同一半径位置に等間隔で配置されているので、低エネルギーγ線によるシンチレーション光が、放射線が入射した方向の表面近傍の波長変換ファイバ3のみによって集光され、その感度が抑えられるものの、発光領域に近い何れかの波長変換ファイバ3A〜3Gにより集光されるので、1シンチレーション光当たりの光子数を多く集光することができ、この集光した多数の光子により長距離伝送に耐え得る信号を得ることができる。 【0029】しかも、高エネルギーγ線によるシンチレーション光が、上述の如くシンチレータ2全域で発生することとなるので、全ての波長変換ファイバ3A〜3Gによって集光される。この場合、広い範囲に渡っての発光を効率良く集光できるので、1シンチレーション光当たりの光子数を確実に多く集光でき、長距離伝送を的確なものとすることができる。 【0030】また、波長変換ファイバがシンチレータの中心軸と平行であってかつ偏心位置に配置された場合、1シンチレーション当たり集光光子数が少なくなり、長距離伝送に耐える信号が得られなくなるおそれがあり、均一な方向特性が得られないが、前述の如き、シンチレータ2の同一半径位置に複数の波長変換ファイバ3A〜3Gを配置すると、シンチレータ2の中心軸と垂直な面内で均一な方向特性を持つことができ、そのため、入射する放射線の指向性に関係なく放射線を確実に検出することができる。 【0031】本実施例におけるエネルギー特性値は、図5に太い実線にて示すように平坦となり、これはICRP勧告で示された線量当量率への換算が容易となるものである。なお、図5には参考のため、JIS2級のエリアモニタに定められているエネルギー特性の許容誤差範囲を斜線部として表し、これにより線量当量率の換算が容易であることが理解できよう。 【0032】図6は本発明の第二の実施例を示す。この場合は、七本の波長変換光ファィバ3(3A〜3G)がシンチレータ2内において、該シンチレータ2の先端側の位置に設けず、その位置から離れた位置であってかつシンチレータ2の奥部側の位置に正七角形をなすよう、同軸上に等間隔で配置された例を示している。 【0033】これは、放射線検出器1を狭隘部のような場所に差し込むときなど、検出器全体としての外形が制限される場合があるが、上述の如き構成すると、遮光性の被覆の厚みを変更しなくとも狭隘部に検出器を設置することができ、これにより、シンチレータ2の中心軸を含む面内での良好な方向特性を得ることができる。 【0034】図7は本発明の第三の実施例を示す。この場合は、波長変換光ファイバ3が円筒状に形成され、この円筒状の波長変換光ファイバ3がシンチレータ2の中心軸を中心とする同心上に配置されたものである。 【0035】この実施例によれば、波長変換光ファイバ3が円筒状に形成されてかつシンチレータ2の中心軸と同軸上に配置されたので、シンチレータ2に入射する放射線の方向特性の均一化をいっそう図ることができる。 【0036】図8は本発明の第四の実施例を示す。この場合は、シンチレータ2の先端外周に面取り2aが施され、該面取り2aを有するシンチレータ2の内部に、六本の波長変換光ファイバ3(3A〜3F)が正六角形をなすよう、同軸上に等間隔で配置されている。この場合、面取り2aの寸法としては、シンチレータ2の先端中心部から波長変換光ファイバ3のそれぞれまでの距離と、シンチレータ2の先端外周部からそれと対応する位置の波長変換光ファイバ3までの距離とほぼ同じ程度とする。 【0037】これは、放射線がシンチレータ2に対し、その先端部の中心軸部を中心とする円周方向から入射した場合、これまでの単なる円柱状のシンチレータ2では、先端中心部から波長変換光ファイバまでの距離に比較し、シンチレータ2の先端外周部から波長変換光ファイバまでの距離が長く、そのため、放射線がシンチレータ2に対し先端外周部から入射した場合、各波長変換光ファイバ3が均一に検出しにくくなるおそれがある。 【0038】しかし上述の如く、シンチレータ2の先端外周部に面取り2aを設けると、先端外周部からの距離が先端中央部からの距離にほぼ同じにすることができるので、シンチレータ2の先端外周部側からの放射線の入射に対しても、波長変換光ファイバ3の均一な方向特性を得ることができる。 【0039】図9は本発明の他の実施例を示す。この場合は、六本の波長変換光ファイバ3(3A〜3F)が、シンチレータ2の内部に正六角形をなすよう同軸上に配置される他、シンチレータ2の中心軸上にさらに一本の波長変換光ファイバ3Gが配置されたものである。これは、直径の大きいシンチレータ2を用いた場合、それと同一円周上に複数本の波長変換光ファイバが配置されただけでは集光効率が低下するおそれがあることから、上述の如く、シンチレータ2の中心軸上にも波長変換光ファイバ3Gを設けることにより、集光効率の低下を抑えるようにしたものであり、これにより、径の大きいシンチレータ2にも確実にかつ容易に対処することができる。 【0040】但し、この実施例においては、波長変換光ファイバ3Gがシンチレータ2の中心軸上にも配置された例を示したが、これに限らず、他の波長変換光ファイバ3(3A〜3F)と同様に同一円周上に互いに等間隔となるように配置してもよいのは勿論である。 【0041】なお、実際にシンチレータ2の内部に波長変換ファイバ3を挿入する位置にあっては、シンチレータ2の材質及び直径、波長変換ファイバ3の直径及び本数並びに波長変換特性、また放射線検出光を伝送する伝送用光ファイバ8の距離及びそのファイバ8の特性、さらには波高弁別器12で計測する電圧範囲等によっても検出値が若干異なるので、一概には言えないが、実際には、放射線を照射したとき、0.1MeVのγ線光子でシンチレータと相互作用していない光子が5%未満となる領域内から、波長変換ファイバの中心軸の位置を選択するのが望ましい。 【0042】また図示実施例では、何れも、波長変換ファイバ3と伝送用光ファイバ8の接続にはロッド型のカプラ7を用いた例を示したが、そのカプラ7の代わりとして、プラスチックファイバに熱を加えて変形させ、複数本まとめるように径を絞ったものや、レンズを用いたカプラを使用してもよい。また、伝送用光ファイバ8の末端に光電子増倍管9を用いた例を示したが、アバランシェフォトダイオード等のような他の光電子変換素子で代用することができる。 【0043】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1〜3によれば、シンチレータの内部にそれと同一円周上に、波長変換手段としての波長変換光ファイバを複数本配置し、該複数本の波長変換ファイバによりシンチレーション光の集光効率を上げるように構成したので、1シンチレーション当たりの光子数が増えることにより、放射線をICRP勧告に沿ったエネルギー特性として確実に検出することができると共に、放射線検出光をより長距離伝送することができ、しかも放射線の入射角度に左右されることなく正確に検出できるという効果がある。 【0044】また本発明の請求項4〜6によれば、上記放射線検出器を有するので、長距離伝送向けとしての装置の信頼性を高めることができる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】秋本 正実
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| 【公開番号】 |
特開平11−160437 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−331880 |
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