| 【発明の名称】 |
動く物体をレーザエネルギにより追跡する追跡システム及びその追跡方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】ピーター・エム・リビングストン
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| 【要約】 |
【課題】誤差及び干渉の問題点が生じ難いレーザビームによって動く物体を追跡するためのシステム及び方法、レーザ武器システムの殺生効果を試験する目的にて動く標的におけるレーザビームの「命中」を独立的に評価するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】レーザ追跡システムは、動く物体の表面を走査し得るように2方向に振動するレーザエネルギビーム60を操縦する。レーザエネルギ検出器64が標的から反射したレーザエネルギを検出する。反射したエネルギをフィルタリングして2方向への信号に対する振動周波数を識別する。該信号を別個に分析して、レーザビームに対する標的の位置を判断する。偏倚信号55が発生される。該偏倚信号により、レーザエネルギビームは表面の半径に向けて操縦され、追跡装置の視界内で最大の複合的な曲率半径を有する面に向けて操縦され、標的12、追跡した標的の上の位置に向けられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動く物体をレーザエネルギにより追跡する追跡システムにおいて、レーザエネルギビームを発生させるレーザ発生器と、該レーザエネルギビームを操縦するビーム操縦装置と、該ビーム操縦装置によりレーザエネルギビームを第一の周波数に従って第一の方向に振動させる第一の振動発生器と、該ビーム操縦装置によりレーザエネルギビームを第二の周波数に従って第二の方向に振動させる第二の振動発生器と、標的とした物体から反射したレーザエネルギを検出するレーザエネルギ検出器と、検出されたレーザエネルギに応答して標的とした物体の最大の曲率半径を追跡し得るようにビーム操縦装置によりレーザエネルギビームを操縦する偏倚信号を発生する手段とを備える、追跡システム。 【請求項2】 請求項1に記載の追跡システムにおいて、前記操縦したレーザエネルギビームが第一及び第二のビームに分割され、該第一のビームが標的とした物体を追跡し、該第二のビームが所望の領域に係合し得るように第一のビームから位置ずらしされる、追跡システム。 【請求項3】 請求項2に記載の追跡システムにおいて、前記第二のビームが前記所望の領域に集束される間に、前記第一のビームが、ピストン作動による反射面を介して第一及び第二の周波数に応答して操縦される、追跡システム。 【請求項4】 請求項1に記載の追跡システムにおいて、前記操縦したレーザエネルギビームが、標的とした物体を追跡するための追跡領域と、標的の上の所望の係合領域に係合するための位置ずらしした係合領域との間にて切り換えられる、追跡システム。 【請求項5】 請求項4に記載の追跡システムにおいて、レーザエネルギビームが、追跡するときより低エネルギレベルを提供し、所望の係合領域に係合するときより高エネルギレベルを提供する、追跡システム。 【請求項6】 動く物体をレーザエネルギにより追跡する追跡システムにおいて、レーザエネルギビームを発生させるレーザ発生器と、該レーザエネルギビームを操縦し且つ該ビームを第一の周波数にて第一の軸線に沿って振動させるビーム操縦装置と、標的とした物体から反射したレーザエネルギを検出するレーザエネルギ検出器と、検出されたレーザエネルギに応答して標的とした物体の最大の曲率半径を追跡し得るようにビーム操縦装置によりレーザエネルギビームを操縦する偏倚信号を発生する手段とを備える、追跡システム。 【請求項7】 動く物体をレーザエネルギにより追跡する追跡システムにおいて、レーザエネルギを発生させるレーザ発生器と、前記レーザエネルギの少なくとも幾分かが動く物体を追跡し、前記レーザエネルギの少なくとも幾分かが前記動く物体における所望の領域に係合するように、前記レーザエネルギを操縦する手段と、第一の周波数に従って第一の方向に追跡し得るように、前記操縦手段により前記レーザエネルギの少なくとも幾分かを振動させる第一の振動発生器と、第二の周波数に従って第二の方向に追跡し得るように、前記操縦手段により前記レーザエネルギの少なくとも幾分かを振動させる第二の振動発生器と、標的とした物体から反射したレーザエネルギを検出するレーザエネルギ検出器と、検出されたレーザエネルギに応答して標的とした物体の最大の曲率半径を追跡し得るように、前記操縦装置により前記レーザエネルギの前記少なくとも幾分かが標的に係合するように操縦する信号を発生する手段とを備える、追跡システム。 【請求項8】 請求項7に記載の追跡システムにおいて、前記レーザエネルギが第一及び第二のビームに分割され、該第一のビームが標的とした物体を追跡し、該第二のビームが物体上の所望の領域に係合し得るように第一のビームから位置ずらしされる、追跡システム。 【請求項9】 請求項8に記載の追跡システムにおいて、前記操縦手段が前記第二のビームを提供する二次的ミラーと一定の関係にて配置された一次的ミラーを備え、該ミラーが、前記第一のビームを提供し得るように前記レーザエネルギの一部分を操縦する操縦可能な反射面を更に備える、追跡システム。 【請求項10】 請求項9に記載の追跡システムにおいて、前記レーザエネルギが追跡位置と該追跡位置から位置ずらしした係合位置との間にて反復的に切り換えられ得るように、前記レーザエネルギが標的とした物体における追跡領域と係合領域との間にて切り換えられる、追跡システム。 【請求項11】 動く物体をレーザエネルギにより追跡する方法において、レーザエネルギビームを発生させるステップと、該ビームを第一の周波数に従って第一の方向に振動させ得るようにレーザエネルギビームを操縦するステップと、標的とした物体から反射したレーザエネルギを検出するステップと、前記検出されたレーザエネルギ及び前記第一の周波数に応答して偏倚信号を発生させるステップと、標的とした物体の最大の曲率半径を追跡し得るように前記偏倚信号に応答してレーザエネルギビームを操縦するステップとを備える、方法。 【請求項12】 請求項11に記載の方法において、レーザエネルギのビームを第二の周波数に従って第二の方向に操縦するステップと、第一及び第2の周波数を分離させ得るように該検出した信号をフィルタリングするステップとを更に備える、方法。 【請求項13】 動く物体をレーザエネルギにより追跡する方法において、レーザエネルギビームを発生させるステップと、レーザエネルギビームを第一の周波数に従って第一の軸線に沿って振動させ得るように該ビームを操縦するステップと、レーザエネルギビームを第二の周波数に従って第二の軸線に沿って振動させ得るように該ビームを操縦するステップと、標的とした物体から反射したレーザエネルギを検出するステップと、該検出されたレーザエネルギに応答して信号を発生させるステップと、前記第一の周波数を前記第2の周波数から識別し得るように前記信号をフィルタリングするステップと、標的とした物体の最大の曲率半径を追跡し且つ前記物体に前記レーザエネルギのビームが係合し得るように前記フィルタリングした信号に応答してレーザエネルギビームを操縦するステップとを備える、方法。 【請求項14】 請求項13に記載の方法において、前記レーザエネルギのビームを第一及び第二のビームに分割するステップと、該標的とした物体を該第一のビームにより追跡するステップと、該第一のビームから位置ずらしした前記第二のビームが所望の係合領域に係合するようにするステップとを更に備える、方法。 【請求項15】 請求項14に記載の方法において、前記第一のビームが前記第二のビームよりも低エネルギレベルを有する、方法。 【請求項16】 請求項15に記載の方法において、前記レーザエネルギビームが追跡領域と該追跡領域から位置ずらしした係合領域との間にて切り換えられ、前記レーザエネルギビームが前記標的を追跡し、次に、時間を分割する仕方にて前記係合領域に切り換えられる、方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本出願は、1996年4月2日付けで出願された、同時係属の特許出願第08/631,645号の一部継続出願に基づくものである。 【0002】本発明は、全体として、動く物体を追跡するシステム、より具体的には、非画像式のレーザ利用システム、及び標的とした物体を追跡し且つその物体に係合するための方法並びにその標的への命中を識別するための方法に関する。 【0003】 【従来の技術】全体として、軍事目的のためにロケット又はミサイルのような標的とした動く物体を破壊し又は作動不能にしようと試みて、その物体に係合する目的のため追跡すべく追跡システムが開発され且つ搭載されている。一般的に言って、従来の追跡システムは、画像式追跡装置と称されており、該追跡システムは、電子カメラのような画像装置を採用し、該電子カメラが像を捕らえて、その像の一部分を選択し、次に、その像を該像のフレームに対して固定しようとする。1つの追跡システムによれば、1つの標的を捕獲する方法は、全体として、該標的を探知することと、該標的を大きい視界の追跡装置内に固定することと、次に、その標的の瞬間的な測定値を狭小な視界の追跡装置に伝送することとから成っている。一方、狭小な視界の追跡装置は、標的の像を一般に追跡ゲートとして公知であるフレームの境界に対して固定する。像がフレーム内に固定された状態にて、サーボループの形態とされた電子回路が誤差信号を発生し、この誤差信号により高パワーのレーザビーム又はその他の武器は標的を追跡し且つ該標的を破壊しようとして標的に係合合する。 【0004】従って、従来の画像式追跡装置は、全体として、近似的な位置を最初に探知し、次に、標的とした物体の現在の瞬間的な位置を探知するため電子カメラのような1つ以上の画像装置を連続的に使用することを必要とし且つそのかかる電子カメラを使用することに基づくものである。更に、幾つかの従来の画像式追跡装置は、標的の速度情報を求めることを試み、その標的の予想された発射を予見しようと努める。光学的に標的が定められた武器において、公知の従来の画像式追跡装置は、別個の高パワーのレーザビーム又はその他の武器係合手段と関係付けられて、標的とされ且つ検出された物体を破壊し又は作動不能にするためのその他の武器係合手段と関係付けられる。この高パワーのレーザビーム武器は、画像装置と独立的であり、典型的に、画像装置の処理した像によって求められた最適な計算位置及び計算速度ベクトルに応答して操縦され、標的における最適な弱体領域に係合するような照準ずらし角度とされる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来の画像式追跡システムは、標的の位置を効果的に探知する一方、動く標的を連続的に追跡し且つその標的に効果的に係合するための機能に関して多数の難点が存在する。第一に従来の画像式アプローチ策によれば、係合するために使用される高出力のレーザビームが画像装置と干渉し、このため、追跡点を失わせ、これにより画像装置が標的とした物体を追跡し損ねることになる。レーザビームが画像装置と干渉する程度を少なくするため、高出力のレーザビームは、画像装置から位置ずらしすることができる。しかしながら、位置ずらししたレーザビームは、追跡スキームの全体に更なる誤差を生じさせる可能性があり、常に、この干渉という問題を効果的に低減し又は解消し得るとは限らない。第二に、レーザを効果的に向ける画像センサのデータを使用する能力は、センサの視線がレーザの場の線と正確に照準規正されているかどうかによって決まる。歴史的に見て、差し迫った環境条件下にて十分な照準規正状態を保つことは、困難であった。第三に、従来の画像式追跡装置は、全体として、その画像式追跡装置自体の分解能に制限される。すなわち、標的が極めて小さく且つ画像式追跡装置の分解能の限界以下であるならば、その標的上にて1つの固定点を得る能力は、その追跡装置の分解能により制限を受ける可能性がある。従って、従来の画像式追跡装置は、一般に、許容し得ない程に大きい追跡誤差を生ずることなく、追跡装置の分解能限界よりも小さい標的を追跡することはできない。分解可能な標的の場合であってさえも、時間に対する追跡角度の第二及び第三の誘導値、及び照準点のずらし位置角度の誘導値に比例する追跡誤差は、特に、至近距離で低空飛行する敵対物の場合、許容し得ない程に大きくなる。その結果、効果的に追跡することのできる標的の寸法が制限されることになる。矯正措置を採らないならば、従来の高エネルギのレーザ武器の効果は制限される。その結果、一定のパワーに対して、十分な殺生能力を実現するためにより長い作用持続時間が一般に必要とされ、これにより、防御範囲を短くし且つレーザの燃料システムを更に消費することとなる。 【0006】更に、方向決めシステムすなわち追跡システムの妨害、又は高パワーのレーザビームの伝播は、レーザビームが標的を見失うことになる可能性がある。同様に、光学的に不均質な大気を通ってレーザビームが伝播することは、レーザビームをその標的から離れる方向に位置をずらすことにもなる。標的を追跡する従来の画像装置は、係合する高パワーのレーザビーム武器から独立している結果、レーザビームに対するかかる妨害が検出されないままに過ぎる傾向がある。 【0007】更に、標的におけるレーザビームの効果的な殺生係合能力を判断することによりレーザ武器の追跡システムの精度を効果的に決定する必要性がある。すなわち、所定のレーザ武器の追跡システムの効果を判断するためには、特に、低パワーレーザを使用する予備的な追跡試験において、動く標的におけるレーザビームの「命中」数を得点して集計し得ることが望ましい。現在、その標的を実際に破壊せずに、その効果を試験する目的のため、動くミサイル物体に衝突するレーザビームの瞬間的な位置を独立的に評価する必要がある。 【0008】従って、誤差及び干渉の問題点が生じ難いレーザビームによって動く物体を追跡するためのシステム及び方法を提供することが望ましい。 【0009】十分な照準規正を有する画像式追跡装置から独立した、高エネルギのレーザビームによって動く物体を追跡しその物体に固定されるレーザビーム追跡システムを提供することが更に望ましい。 【0010】更に、画像式追跡装置の分解能と関係なく、分解不能な標的を含む小さい標的を追跡することのできる、かかるレーザ追跡装置を提供することも望ましい。 【0011】また、レーザ武器システムの殺生効果を試験する目的のため、動く標的におけるレーザビームの「命中」を独立的に評価するためシステム及び方法を提供することも望ましい。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の教示に従って、レーザエネルギによって動く物体を追跡するためのシステム及び方法が提供される。このシステムは、レーザエネルギのビームを発生させるレーザ発生器と、標的とした動く物体を追跡し得るようにレーザエネルギのビームを操縦するビーム操縦装置とを備えている。このビーム操縦装置は、好ましくは、2つの対角方向に向けて、レーザエネルギのビームを振動状態に操縦する。この高パワーのレーザビームは、第一の方向に向けて第一の振動周波数にて振動し、また、第二の方向に向けて、第一の振動周波数と識別可能である第二の振動周波数にて振動する。望遠鏡が標的とした物体から反射されたレーザエネルギを集め、また、検出器が受け取った反射エネルギの量を検出する。この検出されたエネルギは、各チャネルに対して第一及び第二の振動周波数を分離するためにフィルタリングされる。フィルタリング後の信号は、各チャネルに対するレーザミラー発生器から誘導された正弦関数をそのチャネルに乗算することにより同期化状に検出される。例えば、円筒状の標的の中心線上にビームの質量中心が正確に中心決めされたとき、その反射したパワーは、振動周波数の調波のみを含むことが観察される。一方の側部に変位されたならば、振動周波数の成分の振幅は、その変位に比例して増大し、信号が何れの側部であるかを示す。ビームの質量中心が標的の中心線から変位する量に比例して、反射し且つ受け取った同期化状に検出されたパワーから偏倚信号が発生され、この信号は、ビームの質量中心が衝突する側部に対応して、プラス又はマイナスの符号を有する。これにより、ビームの操縦装置は、レーザビームを操縦して、そのビームを標的上に中心決めし、これにより、標的とした物体を追跡する。 【0013】本発明の追跡システムは、物体の中心部分を追跡するため質量中心追跡モードにて、又は、端縁を検出し且つ追跡するため端縁追跡モードにて作動する。質量中心追跡モードにおいて、レーザビームは、1つ又は双方のチャネルにより走査された方向に対して、標的とした物体の中心部分に固定される。端縁追跡モードにおいて、集められた信号は、1つ又は双方のチャネルに対して改変した従来の同期化検出技術を使用して処理されて、その所定のチャネルに対して1つの端縁を識別し且つその端縁に対して固定される。 【0014】更に、標的の質量中心又は1つ以上の端縁にて、標的を追跡するビームエネルギの一部分を利用し、標的における別個の知られた弱体領域にビームのエネルギの大部分を更に位置ずらしすることにより、本発明の追跡システムを作動させることが可能である。この位置ずらしは、時間的領域又は空間的領域の何れかにて行うことができる。時間的領域において、この位置ずらしは、追跡ループを閉じることと、ビームを所望の程度だけ高周波数にて位置ずらしすることとを交互に行うことにより、実現することができる。空間的領域において、この位置ずらしは、ビームを既知のずらし角度によって大きい部分と小さい部分とに物理的に分割することにより実現することができる。そのビームの低パワー部分を使用して、追跡機能を達成することができる。このアプローチ法は、本発明の追跡システムが、そのエネルギの大部分を係合に最適な弱体領域に集中させつつ、追跡目的にとって最適である標的の端縁すなわち特徴部分の追跡状態を保つことを可能にする。 【0015】本発明の別の形態によれば、動く標的におけるレーザビームの「命中」を独立的に評価するためのシステム及び方法を実現することができる。この試験方法は、標的ミサイルにおける複数の帯域内に得点領域を割り当てることを含む。その帯域の各々は、好ましくは、反射ストリップを分離させる吸収性塗料が付与された、選択した数の反射ストリップを含んでいる。その領域の各々は、1つの帯域を他の帯域から識別する異なる数のストリップを有することになる。レーザエネルギは、ミサイル標的から反射されて、その係合領域は、ストリップの数及びミサイルの回転率の関数として判断される。 【0016】 【発明の実施の形態】添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより、本発明の上記以外の目的及び有利な点が当業者にとって明らかになるであろう。 【0017】先ず、図1を参照すると、追跡角度の設定状態がミサイル標的12及び追跡システム10に対して定義されている。該追跡角度は、本発明の追跡システム10の説明に使用される選択したベクトルに関して定義されている。ミサイル12のような動く標的は、追跡システム10からの瞬間的な距離Rにて低空飛行する状態で示してある。該追跡システム10は、陸上設置プラットフォーム、空中プラットフォーム又は宇宙船プラットフォームによって支持することができる。かかるプラットフォームの全ては本発明の範囲に属するものである。 【0018】標的ミサイル12は、速度Vを有し、標的角度及び照準規正角度は、全体として、デルタ(Δ)を付して示した小さい微分角度と比べて大きい。また、追跡装置10と、ミサイル12の前端の質量中心とにより画成された照準点の視線ベクトル14も図1に示してある。追跡装置の視線ベクトル16は、追跡装置10及びミサイル12の後端付近にて端縁−端縁点により画成される。また、HELビーム軸線15及び追跡装置の照準規正ベクトル17も示されている。 【0019】システムの誤差εsysは、瞬間的なHELビーム軸線15と選択した照準点の視線ベクトル14との差として定義した状態で示してある。追跡誤差εtrackは、追跡装置の照準規正ベクトル17と追跡装置の視線ベクトル16との差として定義されている。以下に説明するように、本発明の追跡システム10は、システムの誤差εsysを低減し又は解消するものである。さもなければ、かかるシステムの誤差εsysは、標的の不十分な分解能、測定したミサイルの速度ベクトル又は角加速度に基づくミサイルの回転軸線の不十分な推定、及び特に遠距離から至近距離への接近範囲付近にて生じる加速度誤差の発生率に起因して、従来の画像式追跡装置に生じる可能性がある。 【0020】図示した微分角度は、追跡装置の照準規正ベクトル17とHELビーム軸線15との変位角度として定義された高エネルギのレーザ(HEL)レーザビームの変位ΔθHELを含んでいる。この照準角度の差Δθaimは、追跡装置の視線ベクトル16と照準点の視線ベクトル14との変位角度として定義される。追跡装置の照準規正変位θboreは、垂直軸線からの追跡装置の照準規正ベクトル17の変位角度として定義される一方、標的角度θtargetは、垂直軸線からの追跡装置の視線ベクトル16の変位角度として定義される。 【0021】図2を参照すると、本発明の追跡システム10は、従来の画像式追跡装置20と一体とされた状態で示してある。該従来の画像式追跡装置20は、標的とした物体の近似的な位置を最初に判断するため、本発明の追跡システム10と共に採用することができる。このことは、本発明の追跡システム10の高パワーレーザビームを標的の略付近に配置することを可能にし、また、標的に係合して追跡及びその後の固定を可能にする十分に接近した位置に配置することを可能にする。従来の画像式追跡装置20は、本発明と共に示してあるが、該追跡装置10は、画像式追跡装置20と共に、又は該画像式追跡装置20なしに使用することができ、また、画像式追跡装置20に代えて、その他の形態の追跡装置を使用することも可能であることを理解すべきである。 【0022】図示した従来の画像式追跡装置20は、電子カメラ(図示せず)のような画像装置を含んでいる。該画像式追跡装置は、太陽光線又は標的照射装置から反射したエネルギ又は標的の熱エネルギからの反射エネルギの何れかである、標的からのエネルギを受け取る。該画像式追跡装置20は、像のフレーム内に1つの標的を画成し、標的角度θtarget及び視準点Δθaimの変化を求める。この標的角度θtargetは、追跡ループ25から求められた照準規正角度θboreと共に、加算器22に入力される。この合算により全体として追跡誤差εtrackが設定され、この誤差は、第一のフィルタL(s)24に入力される。照準点Δθaimの変化は、加算器27を介して追跡誤差εtrackと共に加算され、その合算値は、第二のフィルタF(s)28に入力され、この第二のフィルタがΔθHELを求める。出力ΔθHELは、加算器26を介して第一のフィルタL(s)24の出力と合算されて、レーザビームの角度θHELの推定値を求める。画像式追跡装置20から得られたこの情報は、標的とした物体の位置を略推定し得ることは有利なことである。 【0023】本発明の追跡システム10は、二次元的に標的を追跡することを可能にすることが好ましい。しかしながら、本発明の教示に従って一次元的な標的の追跡も採用可能である。図2に図示するように、X座標により設定された第一の方向に向けて標的を追跡するため、第一のサーボループ30xが提供される。同様に、Y座標で設定された第二の方向に標的を追跡するため、第二のサーボループ30yが提供される。第一のサーボループ30xは、X座標に沿って質量中心追跡又は端縁追跡を可能にする一方、第二のサーボループ30yは、Y座標に沿って質量中心追跡又は端縁追跡を可能にする。好適な実施の形態に従い、X座標及びY座標は、互いに対角状であり、平行に且つ標的12の回転軸線に対して垂直に配置されることが好ましい。 【0024】該追跡システム10は、受容器の望遠鏡及び帯域パスフィルタ58を更に備えており、該フィルタは、比較的広い視界から散乱したレーザエネルギを受け取る。この受容器望遠鏡及び帯域パスフィルタ58は、第一及び第二の個々の振動周波数をフィタリングして、該当する振動周波数信号をそれぞれの第一及び第二のサーボループ30x、30yに送る。すなわち、第一の振動周波数を含む信号は、望遠鏡及び帯域パスフィルタ58を介して漉されて、第一のサーボループ30xに送られる一方、第二の振動周波数信号は、同様に第二のサーボループ30yに送られる。 【0025】振動発生器32x、32yに結合された像の静止装置56も図2に示してある。該像の静止装置56は、近似的な線形組み合わせを採用することにより、X及びY発生器から2つの振動周波数信号を静止させて、対角状の振動周波数信号が好ましくは平行で且つ標的の回転軸線に対して垂直となるようにする。像の静止を実行するのに必要な角度の情報は、画像式追跡装置20から得ることができる。像の静止装置56は、出力として、振動ミラードライブ54に対し対応する対角状信号U、Vを提供する。 【0026】第一のサーボループ30x及び第二のサーボループ30yは各々、指定された座標に対する信号を処理する、同一のサーボ制御ループである。第一のサーボループ30xについて説明すると、スイッチ46xは、端縁追跡モードと質量中心追跡の何れかの作動モードを選択する。端縁追跡モードにおいて、該追跡システム10は、X座標に沿って端縁を検出することを可能にする一方、質量中心追跡の作動モードは、追跡システム10がX座標に沿って標的の中心部分を追跡することを可能にする。1つの実施の形態に従い、X座標は、ミサイル標的12の回転軸線として定義することができる。 【0027】端縁追跡出力又は質量中心追跡の出力の何れかを受け取る加算器40xが第一のサーボループ30x内に含まれている。更に、該加算器40xは、包み込んだループ経路の一部として光路ループ閉じ信号38xを受け取る。加算器40xにより提供された合算値は、乗算器34xに供給され、該乗算器は、第一の振動発生器32xからの信号にその合算値を掛ける。第一の振動発生器32xは、X座標に沿って振動信号に対する第一の振動周波数を提供する。乗算器34xの出力は、フィルタH(s)36xに送られる一方、該フィルタは、光路ループの閉じ信号38xを提供する。その効果として、フィルタ36xは、積分及びフィルタリングを行うことを可能にする。別のフィルタLP(s)42xは、加算器45に対する偏倚出力を提供する。 【0028】第一のサーボループ30xと同様に、第二のサーボループ30yは、端縁追跡モード44yと質量中心の追跡モードとの間で作動モードを切り換えるためのスイッチ46yを含んでいる。加算器40y、乗算器34y及び第二の振動周波数を提供する振動発生器32yも含まれている。該第一及び第二の振動周波数は、互いに識別可能ではあるが、その比を小さい整数まで小さくすることができないように調和しないことが好ましい。フィルタH(s)36yは、同様に、積分及びフィルタリングを可能にし、その結果は、光路ループの閉じ信号38yに沿って加算器40yにフィードバックされる。更に、別のフィルタLP(s)42yは加算器40yからの偏倚出力を加算器45に提供する一方、該加算器45は、サーボループ30x、30yの双方からの出力を合算する。加算器45からの出力は、画像式追跡装置20の出力と共に、加算器49への入力として提供される。 【0029】図3を参照すると、サーボループ30xのような1つのサーボループが付与された一次元的に標的を追跡する追跡システム10が更に詳細に示してある。高パワーのレーザビーム発生器50は、高パワーのレーザビーム60を忠実な方向決めミラー52に集束して、レーザビームが制御された状態にて標的12に向けられるようにする。忠実な方向決めミラー52は、ジンバル(図示せず)に全体として取り付けられたサーボ制御式方向決めミラーであり、該ジンバルは、偏倚信号55に応答して操縦される。レーザビーム60が標的12に係合するか又は標的12に極めて近接すると、標的12からレーザエネルギが反射される。 【0030】追跡システム10は、全体として、比較的広い視界からレーザエネルギを集め得るように配置された望遠鏡/検出器64を更に備えている。望遠鏡/検出器64は十分に大きい視界を有するから、この望遠鏡/検出器64を正確に方向決めする必要はない。該望遠鏡/検出器64は、該望遠鏡が受け取った全散乱エネルギを検出し得るようなその焦点面に配置された検出器を有する望遠鏡を備えることができる。該望遠鏡/検出器64は、共に集められた光の強さに比例する電気信号を発生させる。望遠鏡/検出器64は、帯域パスフィルタのようなフィルタを備えることが好ましい。該フィルタは、受け取るエネルギを高パワーのレーザビーム60のレーザ波長に制限する。また、該望遠鏡/検出器64は、特に、二次元的に追跡のために使用するとき、振動周波数を分割する帯域パスフィルタを備えることも好ましい。 【0031】望遠鏡/検出器64からの電気的信号出力は、増幅器66を介して増幅され且つコンデンサC及び抵抗器Rから成るR−C回路を通る。乗算器34は、その電気信号を振動発生器32及び可変位相シフトブロック69により発生された振動信号と混合させる。乗算器34の出力は、積分器及びフィルタ68を通じて送られる。従って、所定のチャネルに対する漉された信号は、その信号にレーザミラー振動発生器32から得られた余弦信号を掛けることにより同期化状態で検出され、積分器及びフィルタ68に送られる。該積分器及びフィルタ68の出力は振動発生器32により発生された振動信号と合算されて、偏倚信号を発生させる。該偏倚信号により、忠実な操縦ミラー52はその反射面をその偏倚信号に比例する率にて動かし、対応する方向、すなわち振動軸線に沿って偏倚信号又は誤差信号を無効にし得るような方向に動かす。 【0032】次に、図3に図示した一次元的な追跡配置に関して追跡システム10の作用について説明する。高パワーレーザビーム発生器50は、高パワーのレーザビーム60を発生させる。該レーザビームは、忠実な方向決めミラー52からミサイル12のような標的に向けられる。上述したように、標的の近似的な位置を求めるために最初に、従来の画像式追跡装置20を採用し、これにより、高パワーのレーザビーム60を標的のミサイル12の略付近に配置することを可能にすることができる。図4を特に、参照すると、高パワーレーザビーム60は、ミサイル12の回転軸線に対して垂直である、Y座標として示した、振動軸線に沿って振動の周波数に従って振動する状態で示してある。該高パワーレーザビーム60は、ミラーの駆動信号32に応答して振動し、これにより、その振動周波数に従って、Y軸線に沿ってミサイル12の本体部分を貫通して進む。レーザビーム60は、ミサイルの本体の短い寸法を横断するように周期的に走査するように操縦され、これに応答して、図4の右側に示した2つの検出波形70a、70bで示す反射エネルギの信号を発生させる。これら2つの検出信号の波形70a、70bは、レーザビーム60の平均的なビーム中心が標的12の中心線に対して一側部にあるか又は反対側側部にあるか否か(すなわち、上方か又は下方か)に対応して互いに対し180°だけ位相が相違する。従って、ミラーのドライバに対するこの位相を検出することで、追跡システム10に対して高パワーのレーザビーム60を上方に又は下方に操縦すべきか否かを知らせることになる。 【0033】従って、本発明のレーザ追跡システム10は、一次元的に又は二次元的に標的12を横断するように走査し、その標的から反射したエネルギを検出する。この反射したエネルギを分析して、レーザビームに対する標的の位置を判断し、レーザビームを標的ミサイル12と接近して係合するようにするのに必要な偏倚信号を決定する。一度、固定が為されたならば、振動振幅を持続値まで低減させることができる。例えば、標的に対するある箇所が10%の持続値であることは、1つの実施の形態によれば満足し得るものである。軍事的な破壊目的のため、高エネルギのレーザビーム60には、標的ミサイル12を迅速に作動不能にし又は破壊をもするのに十分なエネルギを付与することができる。 【0034】図5を参照すると、望遠鏡/検出器64の出力が示されており、一次元的に振動するかどうか点検される。δは、ビームの半径単位にて測定した、標的の中心線からレーザビームの中心が変位する程度を表す。高パワーのレーザビーム60を標的12の中心に近づくように動かすに伴い、望遠鏡/検出器64の出力の大きさが増す。また、ビームが標的上にて中心決めされたときに残る、検出された信号は、δが0.0に等しいことによって証明される、時間の1/2であることを略示す二次調波である。図5のプロットが0で続くならば、位相が180°だけ変位する点を除いて、0.2、0.4、0.8に等しいδで示した曲線が再現されよう。 【0035】図6には、積分器及びフイルタ68の出力を示す誤差の特性曲線のプロット図が示してある。この誤差信号は、0を経て進み、平均点なレーザビームの中心が標的の中心線を貫通するとき、その方向を変える。この誤差信号は、この場合、小さい振幅のとき、ビーム半径の単位にて示した振動振幅に直接、比例する。この相対的な誤差信号は、ビームの中心の変位部分が0を経て進むとき有限に止まる勾配を有し、このことは、サーボ制御領域内にて基本的に、「デッド領域」が全く存在せず、従って、一定の誤差が残らないことを意味する。また、図示したレーザビームの捕獲範囲は、標的の中心からビームの中心までの2つのビーム半径の捕獲範囲を提供する。図5の線74a、74bは、ビームの直径の分数として示した、振動振幅に対する2つの異なる値を示す。 【0036】質量中心の追跡モードに対する追跡システム10の作用について上記に説明した。微分課程を導入することで図2Aに示した振動発生器の出力を修正することにより、標的の端縁を追跡するためにもこの着想を適用することが可能であることも理解すべきである。追跡システム10による端縁から端縁及び質量中心−端縁への追跡の例が図7に示してある。参照番号76は、標的ミサイル12の先端部分に対する質量中心−端縁追跡を示す。追跡システム10は、端縁−端縁検出を識別するため、X座標及びY座標の双方にて1つの端縁を検出する。参照番号78は、標的ミサイル12の先端部分に対する質量中心−端縁の追跡を示す。この実施例において、端縁の検出はX座標に沿って提供される間に、質量中心の検出はY座標にて行われる。参照番号80は、標的ミサイル12の後方部分付近の鋭角な部分に対して端縁−端縁追跡を行うことを更に示す。標的とすることのできる種々の物体の任意のものを追跡し且つその物体に係合するため、本発明によって端縁及び質量中心の追跡を種々に組み合わせることができることを理解すべきである。 【0037】十字線上に中心決めされた矩形の領域は、高パワービーム60が対角方向に向けて2つの異なる振動周波数にて振動するとき、この高パワービーム60の質量中心により追跡されたリサジュー走査パターンである。このリサジューパターンは、二次元的な振動追跡の顕著な特徴である。 【0038】効果として、この二次元的な追跡は、有限な寸法の2方向標的に適用可能とされた検出課程中に高密度で均一に充填した走査パターンを形成し得るように2つの振動振幅が選択される走査を可能にする。種々の標的の形状から散乱した信号の分析を各方向に向けて行い、高パワーのレーザビーム60を標的の所望の追跡端縁又は質量中心と係合させるのに必要な対応した誤差信号を求める。 【0039】端縁の検出状態を更に示すため、図8には、同様の幅を有する平坦な矩形のストリップ及び円筒体から成る標的から見たときに、受け取った信号の様子が示してある。ビームの視線は、標的に近いが、標的に接触してはいない。この矩形のストリップに対する標的の応答は、信号82によって示される一方、このための端縁の微分応答は、信号84により提供される。同様に、その端縁の相違する波形は、信号88により提供される一方、円筒体の標的の端縁走査は、信号86により提供される。従って、微分器を追加すれば、質量中心検出器は端縁検出器に変換され、このため、一次元的な2本の振動固定線が交差する点に標的の固定点を設定するためにこの着想が使用される。次に、図9に示すように、端縁検出から誤差信号を得ることができる。 【0040】これと代替的に、本発明の追跡システム10は、空間的又は時間的作動モードの何れかに従って位置ずらし追跡を行うために具体化してもよい。図10を参照すると、参照番号130、132は、標的の質量中心又は1つ以上の端縁にて標的を追跡するため、レーザビームエネルギ60の僅かな部分60aを利用する状態が示し、また、多量、又は大部分60bのレーザビームエネルギ60を標的12における別個の公知の弱体領域に採用することが更に示してある。従って、レーザエネルギの大部分60bは、標的12を略破壊しようと試みて、標的12の所望の領域に係合するように、所望の程度だけ位置をずらす一方、レーザビームの低エネルギ部分60aは、標的12を追跡する。参照番号130で示すように、低エネルギ部分60aは、標的12の鼻部分に対して質量中心−端縁を追跡する一方、高エネルギ部分60bは、標的12の中間部分に向けて位置がずらされる。参照番号132は、標的12の後部付近にて鋭角部分に対して低エネルギ部分60aにより端縁−端縁を追跡する状態が示されている一方、高エネルギ部分60bは、標的12の所望の中心領域に向けられる。 【0041】所望のレーザビームの位置ずらしを実現するため、時間的又は空間的領域の何れか一方を採用することができる。時間的領域内にて、追跡ループを閉じることと、レーザビームを高周波数にて所望の程度だけ位置ずらしすることとを交互に行うことにより、位置ずらしを行うことができる。従って、時間的領域は、レーザビームが標的領域と殺生領域との間にて交互に切り換わることを可能にする。これを行うとき、レーザビームは、標的領域内にある際に、低エネルギレベルを有し、殺生領域内にある際、高エネルギレベルに切り換わるようにすることが好ましい。空間的領域内において、レーザエネルギの低エネルギ部分60aと高エネルギ部分60bとの間の位置ずれは、公知のずらし角度にてレーザビームを大エネルギ部分と小エネルギ部分とに物理的に分割することにより、達成することができ、このビームの低パワー部分を使用して、追跡機能を実現することが好ましい。このアプローチ法は、本発明の追跡システム10が追跡目的にとって最適である、標的12の一端縁すなわち特徴部分の追跡を持続することを可能にする一方、利用可能なエネルギの大部分を係合にとって最適である弱体領域に向ける。時間的又は空間的領域の何れかに対して、位置ずらしの程度は、係合にとって所望の領域と、標的12までの距離とに基づいて決定することのできる位置ずらし角度によって提供することができる。 【0042】図11には、空間的領域に従ってレーザエネルギを高エネルギ部分60bと低エネルギ部分60aとに分割するために使用することのできるミラー組立体154が示されている。該ミラー組立体154は、支持支柱170を介して二次的な凸形ミラー組立体160に一定の関係にて接続された一次的な凹形ミラー156の組み合わせ体を備えている。この一次的ミラー156は、高エネルギのレーザビーム60を受け入れるために形成された中心穴158を有している。この二次的ミラー組立体160は、組立体160の中央部分にて中央のミラー取り付け部168を介して所定位置に固定された凸形のミラー面164を有している。二次的なミラー組立体160は、反射面164の外周の環状部分の周りに形成された反射面162を更に備えている。環状の外側反射面162は、複数の可動のピストンアクチュエータ166を介して配置されている。1つの実施の形態によれば、4つのピストンアクチュエータがあれば十分である。ピストンアクチュエータ166は、適当な振動周波数をX及びY座標方向にて調整する低エネルギのレーザビーム60aを提供し得るように、ミラー組立体160に対する環状の外側反射面162の方向を変化させる。 【0043】作動時、エネルギ60のようなレーザエネルギは、一次的ミラー166の中心穴158を通じて受け取られる。該レーザエネルギは、二次的な凸形ミラー面164から反射して、一次的ミラー156を充填し、該一次的ミラーは、該エネルギを所望の方向に向けて集束させて、高エネルギのビーム60bを形成する。これと同時に、レーザエネルギは、二次的なミラー組立体160の環状の外側反射面162から反射され且つ二次的ミラー164の中央部分と独立的に、低エネルギビーム60aにて一次的ミラー156から反射される。ピストンアクチュエータ166の相対的な位置は、環状の光ビーム60aを高パワービーム60b自体の主要部分からずらした位置にある、標的12における異なる位置に向けて集束させる。更に、該ピストンアクチュエータ166は、上述したように、変位した環状ビームの焦点を振動させるような仕方にて振動する。二次的ミラーの振動方向及び傾動ずらし位置の双方は、マイクロラジアン範囲にあることが可能となり、従って、その他のシステムの必要条件に適合する標準的な無限遠像の望遠鏡の設計が採用可能となる。 【0044】従って、追跡位置におるビームパワーとずらし係合位置にあるビームパワーとを空間的に又は時間的に位置ずらしすることにより、追跡が為される。ビームのパワーPfの一部分を使用して空間的領域内で追跡することができる一方、ビームの追跡時間Tpの周期的部分Tf(ここで、Tpは、ビームが追跡位置に再度達する間の時間に等しい)を使用して、時間的領域内で追跡することができる。時間的位置ずらしの場合、係合位置を照射するのに費やした時間Tfは、追跡時間すなわち再到達時間Tpの合計値よりも短い。空間的位置ずらしの場合、追跡に使用されるビームパワーの一部分であるPfは、当然に、効率良く係合するためには、総ビームパワーPTotalと比べて小さくなければならない。 【0045】空間的位置ずらしにおいて、ビーム部分又はビームレット(Pf)は、方向決め追跡装置内にて係合ビーム(PT−PF)から角度を付けて分離されており、θoffsetを変化させることにより、所望の追跡位置にて連続的に追跡する状態にて所望の係合位置を調節することを可能にする。時間的位置ずらしにおいて、ビームは、時間Tfの間、その最適な追跡位置に固定され、次に、時間TP−TFに亙って、θoffsetだけ所望の係合照準点への位置ずらしが為される。次に、このエネルギビームは、時間TFに亙って所望の追跡点に戻り、切り換えた時間サイクルを反復する。 【0046】次に、図12及び図13を参照すると、レーザ追跡システムの性能を評価する目的のため、赤外線レーザビームが命中した「得点を数える」ときに使用されるレーザ追跡システムが図示されている。追跡システムは、誤差を生じる場合もあるため、レーザ追跡試験システム100は、標的にレーザが命中した得点を数える試験を行うための独立的な方法を提供する。特に、図9を参照すると、追跡システム10及びレーザビーム60に対するミサイル標的12が示されている。本明細書に記載した追跡システム10は、全体として、高パワーのレーザビームを提供する一方、レーザビームの追跡及び係合を試験する目的のため、より低パワーのレーザビームで十分であり且つこのより低パワーのレーザビームが全体として好ましいことを理解すべきである。 【0047】図12には、ミサイル12の正面部分の分解図も示してある。この試験方法によれば、得点集計領域が最初に設定され、また、得点帯域102、104、106のような複数の帯域に分割される。得点帯域102、104、106の各々は、その他の帯域におけるストリップの数と異なる独自の数の反射ストリップを含んでいる。1つの好適な実施の形態に従い、得点帯域102、104、106は、レーザビームの予想される幅に略等しい幅とされている。帯域の各々は、非反射領域108により分離された所定の数の反射ストリップ110を有している。図示した実施例に従い、得点帯域102は3つの反射ストリップを有し、得点帯域104は4つの反射ストリップを有する一方、得点帯域106は5つの反射ストリップを有している。各帯域に対する反射ストリップ110は、該得点領域の各帯域の全体に亙ってミサイルの外面に赤外線塗料を最初に塗装し、非反射領域108を形成すべくIR吸収塗料の領域を残して、反射ストリップ110を形成し得るようにその吸収性塗料を掻き取ることにより形成することができる。反射ストリップ110及び非反射領域108は、ミサイル12の外周の得点帯域の周りで等間隔に且つミサイルの回転軸線に対して平行に形成されることが好ましい。3つ、4つ及び5つの反射ストリップを含む3つの特典帯域が得点領域内に示してあるが、本発明の精神から逸脱せずに、異なる数の得点帯域及び反射ストリップの種々の組み合わせを採用することができることを理解すべきである。 【0048】レーザ追跡システムを試験するため、レーザビーム60は、所定の追跡システムの作動に従ってミサイル12の得点領域に集束させる。低パワーのレーザビーム60がミサイル12の回転軸線に沿って集束するに伴い、反射した戻りエネルギが簡単な望遠鏡114により取り上げられ且つ受け取られて、検出器116に集束される。検出器116により検出された集束後のエネルギは、電気信号として増幅器118に提供され、増幅信号は周波数カウンタ120に送られる。該周波数カウンタ120は、散乱したレーザ光線の変調周波数を提供し、このレーザ光線は、プロセッサ122又はその他の計算装置に送られて、得点領域内の何れの得点帯域にてレーザビーム60が追跡し且つ係合しているのか判断するようにすることが好ましい。 【0049】レーザビーム60が得点領域102、104又は106の1つを打撃したとき、その反射したエネルギは、反射ストリップ110の数にミサイルの回転率を掛けた値に等しい率にて変調される。このミサイルの回転率は、基準ストリップ又は利用可能であるならば、独立的なレーダを監視することにより判断することができる。基準ストリップの場合、該基準ストリップは、ミサイル12の回転率を計数するために使用することのできる独特の長さを有している。従って、プロセッサ122は、その変調した周波数を集め且つその周波数をミサイルの所定の回転率にて割って、係合した領域内のストリップの数を判断し、このため、得点帯域102、104又は106の何れかからエネルギが反射しているのかを判断することができる。レーザ追跡試験システム100は、特定の得点におけるレーザビームの実際の位置と所望の追跡点とを比較し、所定の追跡システムにおける全ての誤差を判断することができる。該追跡試験システム100は、画像式追跡装置の性能を評価する独立的な手段を提供し、また、大気の効果及びビームの放射分布状態の詳細によって影響されないことが好ましい。 【0050】上述した追跡システムは、空中及び宇宙船プラットフォームから遠方の弾道ミサイルの標的を追跡するのに特に適している。空中のプラットフォームへの適用例において、高パワーのレーザは、そのビームを標的への経路を通じて比較的乱流の大気を通じて伝送し得るものでなければならない。勿論、このビームは、空気中の適用例において、乱流の大気を通過することにより、不良な組成となる。しかしながら、このシステムの試験及び分析の結果、該システムはレーザビームの中心を標的の最も鋭角な曲率半径に中心決めすることが分かる。宇宙船系の適用例の場合、大気は問題とはならないが、ナノラジアン単位の方向決め成分又は高パワーのレーザビームは、宇宙船の振動によって妨害され易い。その双方の適用例に上述したレーザのクロス本体及び追跡システムは特に適している。特に空中のプラットフォームの適用例において、該標的は、通常の方法にて空中の追跡装置により捕獲される。頂部に配置されたミサイルの黒体により、大きい円錐状の水柱(plume)として像が形成される。リサジューパターンにて標的の領域を走査するため、高パワーのレーザが使用される。高パワーのレーザビームがリサジューパターンにて標的の領域を走査するとき(すなわち、大きい振幅の走査のとき)、高パワーのビームは約100Hzの2つの調和しない周波数にて2つの対角方向にも振動する。その結果、硬い本体の標的からの後方散乱光線は、標的−円錐状水柱の像を包含する視界状態にて簡単な望遠鏡によって受け取られる。 【0051】探査段階中、2つの振動周波数にて望遠鏡の出力を同期化状態で検出することは、ビームがどの標的を走査しているか否かを明らかにし、走査しているならば、走査方向に対する標的の方向を明らかにする。その後、走査方向は、ミサイルの回転軸線に対して略垂直となるように回転させる。次に、振動ミラーのドライバに対する散乱信号の位相を検出するため、同期化検出器の出力を使用して、サーボループによりビームをミサイルの中心線の上に固定する。次に、該サーボは、基本部分を零にするように作動し、戻る信号の第二の調波を最大にし、ビームが確実にミサイルの回転軸線に固定されるようにする。最後に、空中の適用例の場合にのみ、標的に固定された高パワーのレーザビームを大気を感知するビーコンとして使用する。干渉計又はハルトマン板により戻り相を検出することにより、出力するレーザビームに対して補償的な位相補正を施して、その光輝を向上させ且つ標的に付与される作用力を増大させることできる。これと代替的に、標的における光輝を向上させるため、コヒーレント適用型光学素子技術(COAT)の変形例を使用してもよい。ハルトマン板感知技術及びCOAT技術は文献に完全に記述されている。例えば、1991年、ボストンのアカデミック・プレス・インコーポレーテッド(Academic Press,Inc.)からのR.K.タイソン(Tyson)による「適用型光学素子の原理(principles of Adaptive Optics)」の66−159頁を参照するとよい。 【0052】宇宙スペース系適用例の場合、該システムは、高パワーのビームを大気を検出するビーコンとして使用する必要はない点を除いて、同様の方法にて作動する。 【0053】上述したように、図10及び図11に関連して、高パワーのレーザビームは、高パワーのビーム及び追跡点ビームのような2つのビームに分割することができる。かかる適用例において、ミサイルの先端部のような便宜な二次元的な追跡点を固定し、主ビームが本体に沿ってずらした位置に配置された状態にて、追跡点ビームが2つの振動周波数を使用するようにすることができる。位置ずらしビーム又はビームの高パワー部分は、比較的高精度まで制御することができるため、標的における高パワーのビーム箇所は、追跡ビーム自体と等しい安定性を有することになる。 【0054】本発明は、その特定の実施例に関して説明したが、特許請求の範囲に記載された事項を除いて、何ら限定を付すことを意図するものではない。当業者は、本明細書及び図面を検討した後、本発明の精神から逸脱せずに、その他の改変例を為すことが可能であることが理解されよう。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591169755 【氏名又は名称】ティーアールダブリュー・インコーポレーテッド 【氏名又は名称原語表記】TRW INCORPORATED
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)12月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】社本 一夫 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271451 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−353380 |
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