| 【発明の名称】 |
車載用レーダ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石坂 宏幸
【氏名】橋本 修
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| 【要約】 |
【課題】車載用レーダ装置の受信電波から先行車両の車種を自動的に検出し出力画像に表示する。
【解決手段】放射および受信する電波ビームの角度を走査し、その走査角度に対する反射電波の強度分布をメモリ上に蓄積し、この蓄積した強度分布と車種ごとに電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布を記録したモデルパターンとを比較して先行車両の車種を特定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の前方に電波を放射しその反射波を受信するまでの時間により先行車両までの距離を観測する手段を備えた車載用レーダ装置において、受信する電波ビームの角度を走査する手段と、電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布をメモリ上に蓄積する手段と、車種ごとに電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布をあらかじめ記録したモデルパターンと、前記メモリ上に蓄積した強度分布をこのモデルパターンと比較して先行車両の車種を特定する手段とを備えたことを特徴とする車載用レーダ装置。 【請求項2】 前記モデルパターンは、先行車両までの距離に応じて複数用意された請求項1記載の車載用レーダ装置。 【請求項3】 運転席に設けた表示装置と、この表示装置の画面上に先行車両の車種に応じたアイコンを表示する手段とを備えた請求項1または2記載の車載用レーダ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載し、路上を走行する先行車両までの車間距離を観測するレーダ装置の改良に関する。本発明は、レーダ装置により先行車両の車種を識別する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車に搭載するためのレーダ装置が普及しつつある。自動車に搭載するレーダ装置は、走行方向前方に向けて電波ビームを放射し、その電波ビームによる先行車両からの反射波を受信し、電波の放射から反射波の受信までの時間を計測することにより、先行車両までの車間距離を観測するものである。このための電波割当ては、各国により相違するが総じて50〜100GHzの間に設定されている。現在普及している装置は、放射電波に周波数変調を施し、受信電波を周波数検波して、その検波出力と放射電波の変調入力とのビート周波数を作り、そのビート周波数により距離を識別するようになっている。 【0003】本願出願人は、特願平8−233416号(本願出願時において未公開)において、自動車にレーダ装置を実装するための構造や、その保護部材についての発明を開示した。また、特願平9−349299号(本願出願時において未公開)において、運転席の表示装置の形態や、天候変化に対応する発明を開示した。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】図5は車両用レーダ装置の出力情報を運転席に表示するための形態であり、この基本的な構造は上記の先願(特願平9−349299号)において開示したものである。すなわち、運転席に設ける画像表示装置に路面を表示し、この路面の中に先行車両の画像をアイコンとして表示する形態は運転者にとってわかりやすい表示である。従来技術では、これがトラックであるのか、乗用車であるのか、二輪車であるのか、あるいはバスであるのか、については、運転者が操作により入力するなどが必要であった。 【0005】本発明はこのような背景に行われたものであって、車載用レーダ装置の受信電波から、先行車両の車種を自動的に検出することができる装置を提供することを目的とする。本発明は、先行車両の車種を自動的に検出し、これをそれぞれ異なるアイコンとして、レーダ装置の出力画面に自動的に表示する装置を提供することを目的とする。本発明は、操作がわずらわしくないレーダ装置を提供することを目的とする。本発明は、濃霧や夜間の走行で、運転者が先行車両を適正に認識することができるレーダ装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、先行車両までの車間距離を観測するレーダ装置の送受信電波を利用して観測した先行車両の車種を識別することを特徴とする。 【0007】すなわち、本発明は、車両の前方に電波を放射しその反射波を受信するまでの時間により先行車両までの距離を観測する手段を備えた車載用レーダ装置において、放射およびまたは受信する電波ビームの角度を走査する手段と、電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布をメモリ上に蓄積する手段と、車種ごとに電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布をあらかじめ記録したモデルパターンと、前記メモリ上に蓄積した強度分布をこのモデルパターンと比較して先行車両の車種を特定する手段とを備えたことを特徴とする。 【0008】前記モデルパターンは、先行車両までの距離に応じて複数用意され、運転席に設けた表示装置と、この表示装置の画面上に先行車両の車種に応じたアイコンを表示する手段とを備えることが望ましい。 【0009】レーダ装置は、走行方向前方に向けて電波ビームを放射し、先行車両からの電波ビームの反射波を受信し、電波ビームの放射から反射波の受信までの時間を計測して先行車両までの車間距離を観測する。 【0010】この車間距離の観測を行うときに、放射および受信する電波ビームの角度を走査し、この電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布をメモリ上に蓄積する。 【0011】このメモリ上に蓄積した強度分布と、あらかじめ複数の車種についてモデルパターンとして記録した電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布とを比較する。 【0012】この電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布は、乗用車の場合には走査角度に関係なく一定レベルで低い値を示す。トラックの場合は真うしろを示す走査角度が0度近傍で最大の強度を示し両側に裾を引くようにその強度は低下する。また、バスの場合は走査角度が0度近傍の真うしろでは乗用車と同程度の低いレベルを示しその両側で高いレベルを示す。 【0013】このように車種によって反射電波の強度分布が異なるので、これをモデルパターンとして記録しておき、電波ビームの角度を走査することにより測定された強度分布をこのモデルパターンと照合することによって先行車両の車種を特定することができる。 【0014】先行車両との距離は常に変動する。同一車種であっても距離が変われば電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布も変化する。したがって記録するモデルパターンは先行車両までの距離を複数設定し、車種それぞれについて設定した距離に対応するパターンを複数記録しておき、その距離におけるモデルパターンと比較することによりさらに正確に車種を特定することができる。 【0015】運転席に路面を表示する表示装置が備えられた車両の場合には、モデルパターンとの比較により特定された車種をアイコンにより表示することができるので、運転席から実際に見える先行車両と、表示装置の画面上に表れる先行車両との対応を正しく認識することができる。また、濃霧や夜間の走行時に前方が見えないときには、先行している車両がトラックであるのか、乗用車であるのか、二輪車であるのか、あるいはバスであるのかを適正に認識することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】 【0017】 【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明実施例車載用レーダ装置の要部の構成を示すブロック図である。 【0018】本発明実施例は、車両の前方に電波を放射しその反射波を受信するまでの時間により先行車両までの距離を観測する車載用レーダ装置1が備えられ、運転席に、車間距離表示装置2と、画像表示装置3とが配置される。 【0019】車載用レーダ装置1には、電波の送信から反射波の受信までの時間から車両の前方にある物体までの距離を演算する演算手段11を含む制御回路10と、発振周波数が60または76GHz帯の高周波を発振する高周波発振器20と、この高周波発振器20の出力を電波ビームとして車両の走行方向空間に向けて送信しその反射波を受信するアンテナ23と、高周波発振器20が発生した電波の減衰率を調整する第一のアッテネータ21および第二のアッテネータ22と、第一のアッテネータ21からの出力を分岐する方向性結合器24と、この方向性結合器24からの出力をアンテナ23に出力するとともにアンテナ23からの反射波を受信するサーキュレータ25と、第二のアッテネータ22の出力とサーキュレータ25の出力とを混合するミキサ26と、このミキサ26の出力をアナログ・ディジタル変換するAD変換器27と、このAD変換器27の出力の周波数分析を行い制御回路10に出力する周波数分析器28と、ミキサ26から出力された低周波電流値を測定する低周波電流測定器29とが備えられる。 【0020】さらに、本発明の特徴として、アンテナ23が放射および受信する電波ビーム、またはそのいずれかの電波ビームの角度を走査する電波ビーム角度操作手段4が備えられ、制御回路10に、電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布を蓄積するメモリ12と、車種ごとに電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布をあらかじめ記録するモデルパターン13と、メモリ12上に蓄積された電波ビームの強度分布をこのモデルパターン13と比較して先行車両の車種を特定する車種特定手段14と、この車種特定手段14により特定された車種に応じたアイコンおよび走行路の画像処理を行い画像表示装置3に出力する画像処理手段15と、電波ビーム角度操作手段4を制御する角度操作制御手段16とが含まれる。 【0021】また、電波ビーム角度操作手段4には、放射および受信される電波ビームを反射するミラー5と、角度操作制御手段16からの制御信号にしたがってミラー5の角度を(−θ〜+θ:例えばθ=10°)の範囲で走査する電動機6とが備えられる。 【0022】このように構成された本発明実施例車載用レーダ装置1は、その一例として図2に示すように、誘電材料により形成され電波ビームを放射または受信するドーム31と、筐体32とにより形成されたレーダ装置本体内に収容される。ドーム31と筐体32とはパッキン33を介して固定ねじ34により機械的に結合され、筐体32の後端開口部にはパッキン35を介して取付けねじ36により裏蓋37が固定される。ドーム31には車体に取付けるための取付け穴38が形成された取付具39が設けられる。 【0023】車載用レーダ装置1は、図3に示すように取付具39によりバンパ40に固定される。図4は車載用レーダ装置1、車間距離表示装置2および画像表示装置3の車体内の実装位置を示したものである。車間距離表示装置2および画像表示装置3は図5に示すように運転者が操作しやすくかつ見やすい位置に配置される。 【0024】ここで、電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度について説明する。反射電波の強度は、レーダ反射断面積(RCS:Rader Cross Section)または受信電力(Pr)によって表される。 【0025】レーダ反射断面積(RCS)は、(RCS)=(4πA2 cos2 θ)/λ2A : 反射物の面積θ : 電波ビームの入射角度λ : 電波ビームの波長により求められる。 【0026】また、受信電力(Pr)は、(Pr)=Ptg2 λ2 S/(4π)3 d4Pt : 送信電力g : アンテナ利得λ : 電波ビームの波長S : レーダ反射断面積(RCS) d : 測定対象物までの距離により求められる。 【0027】図6に示すように、実際の路上での先行車両を想定して、車両後部からの反射電力を求めるために、車両の走行方向を0度として車載用レーダ装置1から±θ(例えば±10度)の走査角度範囲で、車間距離d1 (30m)、d2 (50m)およびd3 (100m)について反射電波の強度を測定すると、図7(a)に示すようにいずれの車間距離においても放射角度が0度のときに最大値d1 max、d2 maxおよびd3 maxを示し、放射角度が大きくなるにしたがって反射電波の強度はどの分布曲線も同じ傾向で低下する。図7(b)はそれぞれの車間距離に対する反射電波の強度を示したものである。 【0028】このような測定を乗用車、バス、トラック、二輪車などの車種の異なる車両について行うと、車種によって反射電波の強度分布がそれぞれ異なるパターンであらわれる。車種によって異なるこのような強度分布特性をあらかじめメモリ12にモデルパターンとして記録する。 【0029】図8(a)、(b)、(c)および(d)は車種ごとの走査角度に対する反射電波の強度分布を示したものである。これは特定の車間距離d(例えば50m)における強度分布を示したものである。同図(a)は乗用車の強度分布である。乗用車の場合は走査角度(θ)に関係なくほぼ一定の低い電波強度が示される。同図(b)はバスの強度分布である。バスの場合は走査角度が0度、すなわち真うしろに電波ビームを放射したときの反射強度は乗用車と同程度の低い値を示し、左右に走査角度(θ)が大きくなるにしたがって反射強度が大きくなり、さらに走査角度(θ)を大きくすると反射強度が低下する凹形の傾向を示す。同図(c)はトラックの反射強度を示したもので、トラックの場合は走査角度(θ)が0度のときに反射強度が最大値を示し、走査角度(θ)が大きくなるにしたがってその強度が低下する山形の傾向を示す。また、同図(d)は二輪車の反射強度を示したもので、走査角度が0度の真うしろで反射強度は最大値を示し、走査角度(θ)がわずかに大きくなると反射強度は急速に低下する小山形の傾向を示す。 【0030】図9は本発明実施例車載用レーダ装置により測定した車間距離の変化に対する車種ごとの反射電波の強度を示したものである。これによると車間距離が大きくなるにしたがって反射電波の強度は低下し、同一車間距離における反射電波の強度はバスが最も大きな値を示し、次いでトラック、乗用車、二輪車の順に反射電波の強度は小さくなる。 【0031】このように、電波ビームの走査角度に対する反射電波の強度分布の傾向およびその強度は車種によってそれぞれ異なるので、この強度分布の傾向を車種毎のモデルパターンとして記録し、電波ビームの角度を走査して得られた走行時の強度分布の傾向をこのモデルパターンと比較することにより先行車両の車種を特定することができる。 【0032】図7および図9に示すように、反射電波の強度分布は同一車種では同じような傾向を示すものの、車間距離によってその強度レベルが異なるので、モデルパターンには図10に示すように同一車種について複数のパターンを記録し、車間距離が変わっても識別できるようにする。 【0033】この図10に示す例はバスのモデルパターンを示したもので、車間距離が30m、50mおよび100mのときのそれぞれの反射電波の強度分布が記録されている。乗用車、トラックおよび二輪車についても同様に複数のモデルパターンが記録される。 【0034】運転席に設けられた画像表示装置3には、先行車両がある場合にその車種に応じたアイコンを表示するが、このアイコンは図11(a)、(b)、(c)および(d)に示すトラック、乗用車、バスおよび二輪車の後部形状を図12(a)、(b)、(c)および(d)に示すような車種をあらわす象形として、図13に示すように画像表示装置3に表示する。 【0035】次に、本発明実施例車載用レーダ装置の動作について説明する。図14は本発明実施例車載用レーダ装置による車間距離計測動作の流れを示すフローチャートである。 【0036】車載用レーダ装置1が起動されると、制御回路10は高周波発振器20から70GHz帯の電波を連続的に出力する。この電波は第一のアッテネータ21で減衰率が調整され、方向性結合器24およびサーキュレータ25を経由してアンテナ23から放射される。 【0037】制御回路10はこの電波の放射と同時に角度操作制御手段16からアクチュエータ7に制御信号を送出し、電動機6を所定の回転速度で駆動する。この電動機6の回転駆動にともなってミラー5があらかじめ定められた角度範囲(±θ:例えば±10度)で走査する。アンテナ23から放射された電波はミラー5で反射し車両の前方に放射される。 【0038】放射された電波は先行車両に反射し、さらにミラー5で反射してアンテナ23に受信され、サーキュレータ25からミキサ26に出力される。ミキサ26からは、方向性結合器24および第二のアッテネータ22を経由して入力された電波とサーキュレータ25からの反射波との位相差からビート信号が生成され出力される。 【0039】このビート信号はAD変換器27によりアナログ信号からディジタル信号に変換され、利得が調整されて周波数分析器28で周波数が分析される。この周波数分析器28からの出力およびミキサ26から分岐して低周波電流測定器29で測定された低周波数電流値の測定出力は演算手段11に入力し、周波数分布とその受信電力が測定される。この測定された周波数分布により先行車両との距離および相対速度が演算される。次いで、演算された先行車両との車間距離が設定された車間距離の警報限界値より小さいか否かが判定され、小さければ接近しすぎているとして図外の警報装置から警報が発生するとともに、アイコンが赤く点灯する。 【0040】一方、演算手段11は、受信した反射電波の走査角度に対する強度分布をメモリ12に蓄積し、車種特定手段14がこの蓄積された反射電波の強度分布が示す曲線の形状と図10を用いて説明した車種毎のモデルパターン13とを比較して先行車両の車種が乗用車、バス、トラックあるいは二輪車のいずれであるかを判定する。 【0041】この反射電波の強度分布が示す曲線形状がモデルパターン13のいずれかに一致したときは、さらに、モデルパターンの受信電力特性と反射電波の受信電力特性とを比較し一致しているか否かを判定する。この受信電力特性が一致していれば車種を特定し、画像処理手段15がこの特定された車種を図12に示すアイコンとして図13に示すように画像表示装置3に表示する。 【0042】反射電波の強度分布が示す曲線形状とモデルパターン13との比較でいずれの車種にも該当しない場合は黒丸マークを表示する。また、受信電力特性の比較においても該当する車種がない場合には黒丸マークを表示する。この場合、黒丸の大きさは反射電波の強度により変化し、電波強度が小さい場合は小さく、大きい場合は大きく表示する。 【0043】運転者が先行する車種を目視しその黒丸マークの位置にアイコンを表示したい場合には、操作によって該当するアイコンを選択し表示することができる。 【0044】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車載用レーダ装置の受信電波から先行車両の車種を自動的に検出し、これをそれぞれ異なるアイコンとしてレーダ装置の出力画面に自動的に表示することができる。これにより、運転者は、実際に運転席から見える先行車両と、表示画面の表示車両との対応が認識できるとともに、濃霧状態の路上や夜間の走行であって前が見えないときにも、運転者が先行車両の車種を適正に認識することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005463 【氏名又は名称】日野自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】井出 直孝 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271441 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−74314 |
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