| 【発明の名称】 |
地中埋設物探知装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】池田 幸寿
【氏名】柴田 耕志
【氏名】小菅 文雄
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| 【要約】 |
【課題】複数の独立し離隔して配置された空中線を用いて電波を放射し、地面近傍に埋設された埋設物からの反射信号を受信して埋設物を検出していたものを、複数の異なる周波数を放射する空中線を一体化した空中線部より複数の電波を放射すると共に地表面や埋設物からの反射信号を受信できる地中埋設物探知装置の提供を目的とする。
【解決手段】スリットを有する導体からなる複数の空中線と複数の誘電体とを交互に重ね合わせ一体化し、無変調で複数の電波を同じ箇所から、同じパターンで埋設物に向けて空中線部から電波を放射し受信する空中線部と該空中線部より受信する反射信号の振幅と位相を検出し、その検出した電気信号の出力により、異なった周波数間の相関処理を行う信号処理を行うことにより埋設物の探知精度を向上させた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空中線部を有する走査装置を地面にほぼ水平に走査しながら、該空中線部より地面に向けて電波を放射し、該電波の反射波を該空中線部で受信し、該反射波の受信信号の分析により地中埋設物を探知するようにした地中埋設物探知装置において、上記空中線部は、複数の空中線と複数の誘電体とを一体となし、一体化された該空中線部の同じ箇所から無変調で複数の周波数の電波を放射し、その放射する電波の反射波を受信できるようにしたことを特徴とする地中埋設物探知装置。 【請求項2】 請求項1に記載の地中埋設物探知装置において、上記空中線部は、無変調で複数の周波数の電波を周波数が異なっても同じパターンで放射できるようにしたことを特徴とする地中埋設物探知装置。 【請求項3】 請求項1に記載の地中埋設物探知装置において、上記空中線部は、高誘電率の誘電体により多層化された構体をなしていることを特徴とする地中埋設物探知装置。 【請求項4】 無変調で複数の周波数の電波を上記空中線部から放射し、該空中線部により受信する無変調で複数の周波数の反射波から振幅と位相を検出し、該振幅と位相との相関処理を異なる周波数間で行ない、地面からの反射信号を抑圧する信号処理部を有することを特徴とした、請求項1に記載の地中埋設物探知装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、無変調で複数の周波数の電波を使用して浅い地中に埋設されている物体を非接触で探知する地中埋設物探知装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】地面に水平に走査する走査装置の空中線から無変調波を地面に向けて放射し、地面近傍の積分値としての反射係数の変化を、上記無変調波の地面及び地中での反射波の受信レベルの変化分として検出することにより、地中に埋設された物体を検出する地中埋設物探知装置が公知であり、例えば特公平2−13756号に開示されているように互いに離隔して配置した複数の空中線で地面からの反射波を受信し、これによって得られた複数の反射波受信レベルを減算処理し、地面からの不要反射波を打ち消すようにして地中埋設物からの反射波を検出するようにしている。また、地面からの走査高度の変化を超音波センサと組み合わせて補正する方法や複数の周波数ごとに独立した空中線を用いて地面近傍からの反射信号を受信し、走査装置の走査高度変化による受信感度の劣化と埋設物の大きさによる感度の劣化を補う方法により地中埋設物を探知していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の地中埋設物探知装置においては、走査装置の走査において、地面近傍の平均的な反射係数が埋設物の存在によって変化することを探知原理としているが、走査装置の走査時に地面からの走査高度が変化する場合や土質の局所的な誘電率が変化する場合にも受信感度と受信信号が変化を起こし、埋設物との識別を困難にしていた。このため、開示されているように互いに離隔して配置した複数の空中線で地面からの反射波を受信し、これによって得られた複数の反射波受信レベルを減算処理して地面からの不要反射波を打ち消すようにして地中埋設物からの反射波を検出する方式では、地面からの反射波の空中線への入射は当該空中線の位置に無関係に均等レベルで生ずることを前提としており、地面と空中線の面が平行でない場合には、上記不要反射波の打ち消しが十分に行われず、また、減算処理によって地中埋設物からの反射波の受信レベルも相対的に低下するため、特に反射係数の小さな地中埋設物に対してはS/N比が極めて悪くなり、このような状況での埋設物の検出は多くの条件を必要とし、非常に複雑な処理が必要となる。 【0004】また、地面からの走査高度の変化を超音波センサと組み合わせ補正する方法が公知であるが、植生地等では超音波センサの検出精度が劣化するため補正効果が減少する。 【0005】さらに、従来の埋設物検知装置では、複数の周波数ごとに独立した空中線を用いて地面近傍からの反射信号を受信し、走査装置の走査高度変化による受信感度の劣化と埋設物の大きさによる感度の劣化を補う方法が公知であるが、この方法では、複数の周波数に対応した空中線が離隔して配置されているため放射される電波は、複数の周波数の空中線の配置に対応した離隔位置から放射されることになり、得られる受信信号は地面の異なった位置における反射信号となる。従って、この方式で埋設物の識別を行うためには走査者が繰り返して走査装置の走査を行い、周波数間の相互の関連性を認識しなければならず、しかも検出精度を悪化させる要因となっていた。 【0006】また、従来の地中埋設物探知装置に用いられていた空中線では、誘電体の誘電率が小さかったため空中線が大きくなり装置全体が大きくなった。また、異なった周波数を同一装置に使用する場合には周波数に対応して空中線間を離隔しなければならないため、埋設物に電波が有効に放射されなかった。 【0007】さらに、従来の地中埋設物探知装置においては、走査装置の走査高度の変動によって生じる受信信号の変動は、超音波センサを用いて補正していたが、この方法では植生地や土質の変化に対応できなかった。 【0008】そこで、本発明は上記これらの問題点を解決するために提案するもので、複数の周波数に対する空中線を一体化した空中線部として、周波数が異なった場合でも空中線部の同じ箇所から同じパターンで電波を放射し、地面の同じ箇所における平均的な反射係数の変化を同時に得ることができる地中埋設物探知装置を提供することを第一の目的としている。 【0009】また本発明は、誘電率の大きい誘電体を使用して空中線を小さくし、しかも複数の周波数の電波が同じ箇所から放射するようにして埋設物に電波が有効に放射され、高精度で小形の地中埋設物探知装置を提供することを第二の目的としている。 【0010】さらに本発明では、走査装置の走査高度変動による受信信号を補正する方法として、周波数が異なっても空中線部の同じ箇所から同じ放射パターンで電波を放射する空中線部を用い、受信信号の振幅と位相の2成分を検出できる直交ベクトル検波方式を採用し、異なった周波数間の相関処理を行うことによって、上記走査高度変動による受信信号の補正を可能とする地中埋設物探知装置を提供することを第三の目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記それぞれの目的を達成するため、空中線部を有する走査装置を地面にほぼ水平に走査しながら、該空中線部より地面に向けて電波を放射し、該電波の反射波を該空中線部で受信し、該反射波の受信信号の分析により地中埋設物を探知するようにした地中埋設物探知装置において、上記空中線部は、複数の空中線と複数の誘電体とを一体となし、一体化された該空中線部の同じ箇所から無変調で複数の周波数の電波を放射し、その放射する電波の反射波を受信できるようにした地中埋設物探知装置を特徴とする。 【0012】請求項2では請求項1に加えて、上記空中線部は、無変調で複数の周波数の電波を周波数が異なっても同じパターンで放射できるようにした地中埋設物探知装置を特徴とする。 【0013】請求項3では、請求項1に加えて、上記空中線部は、高誘電率の誘電体により多層化された構体をなしている地中埋設物探知装置を特徴とする。 【0014】請求項4では、請求項1に加えて、無変調で複数の周波数の電波を上記空中線部から放射し、該空中線部により受信する無変調で複数の周波数の反射波から振幅と位相を検出し、該振幅と位相との相関処理を異なる周波数間で行うことにより、地面からの反射信号を抑圧する信号処理部を有する地中埋設物探知装置を特徴とする。 【0015】 【作用】本発明では、空中線と高誘電体を一体化した空中線部から、無変調で複数の周波数の電波が、該空中線部の同じ箇所から、同じパターンで、同時に、又は間欠的に放射されるようにしてあるので周波数が異なっても地中の埋設物に効果的に放射されるため、埋設物からの反射波による受信信号レベルがそれだけ高くなり、埋設物の探知が確実に行える。また、複数の周波数が放射されるにもかかわらず小型の地中埋設物探知装置が実現でき、さらに受信信号の振幅と位相の各周波数間の相関関係を用いて走査装置の走査高度の変動による受信信号の変動を補正するようにしたので埋設物の探知精度が向上できる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態(以下、実施例という)について図面を参照して説明する。 【0017】図1は本発明の実施例を示す地中埋設物探知装置(以下、本装置という)のブロック図である。図1に示す本装置の筐体は本発明に直接関係しないので図面を省略してある。 【0018】図1において、1は無変調で複数の周波数の高周波信号を生成して出力する高周波送信機、2は地面(地表面及び埋設物)から反射する高周波信号を受信し、その振幅と位相の2成分を直交ベクトル検波方式により検出して、該高周波信号の受信レベルに比例する信号強度(電気信号)を出力する高周波受信機、3は上記高周波送信機1から無変調で複数の周波数の高周波信号が供給されて、該高周波信号の電波を放射し、及び該高周波信号の電波の地面での反射波を受信する空中線部、4は上記高周波送信機1の出力側と上記高周波受信機2の入力側との間に介在し、上記空中線部3を上記高周波送信機1及び上記高周波受信機2に結合するサーキュレータ、5は上記高周波受信機2から出力される受信信号を演算処理して探知データを生成する信号処理部、6は該信号処理部5が出力する探知データを表示するデータ表示部、7は上記高周波送信機1と高周波受信機2へ基準信号を供給する基準信号源、8は上記空中線部3を収納する走査装置である。 【0019】以上の実施例の構成において、空中線部3は、高周波送信機1に直結される送信用空中線と、高周波受信機2に直結される受信用空中線とで構成してもよい。また、空中線部3を複数個にして走査装置8に取り付ける構成としてもよい。 【0020】図1により本装置の動作概要について説明する。高周波送信機1は、無変調で複数の周波数の高周波信号を連続して、又は間欠的に出力しており、該高周波信号はサーキュレータ4を介して空中線部3に供給され、該空中線部3から地面に向けて同じ箇所から、同じパターンで電波が放射される。該空中線部3から放射された無変調で複数の周波数の電波は、地表面及び埋設物で反射して空中線部3に入射する。該空中線部3に入射した高周波信号は、サーキュレータ4を介して高周波受信機2で受信され、該高周波受信機2は受信した高周波信号の受信レベルに比例した受信信号を出力し、該高周波受信機2から出力された受信信号は、信号処理部5に供給される。該信号処理部5では、複数の周波数の受信信号から振幅と位相を検出して相関処理を行い、埋設物検知信号を出力する。該信号処理部5から出力された埋設物探知信号は、データ表示部6において埋設物の存在を表示する。 【0021】つぎに、図2は本装置における上記空中線部3の構造図で、(イ)は正面図、(ロ)は側面図で、(ハ)は該空中線部3への高周波電力供給用同軸ケーブルの取付け説明図であり、図3は上記図2の空中線部3の構成を説明する構成図で、(イ)は高周波電力を供給する給電点を有する空中線、(ロ)と(ハ)はスリットを有する空中線で、(ニ)はグランドを供給する導体である。 【0022】図2及び図3について説明する。図2の(イ)、(ロ)及び図3の(イ)〜(ニ)において、9a〜9cは複数からなる異なる規定寸法の高誘電率を有する誘電体、10a〜10cは電波を放射又は反射波を受信する空中線、11a〜11cは上記空中線10a〜10cを形成する周波数に応じて異なる規定寸法の方形の導体(以下、導体という)で、11dはグランドに接続の方形のGND導体、12は導体11bと導体11cに形成の規定されたスリット、13は空中線10a〜10cと誘電体9a〜9cとのそれぞれが後記する多層化された空中線部3の最外側の一方の導体11aに高周波電力を供給するための給電点で、該給電点13への給電は同軸ケーブルで行われ、該空中線部13の最外側の他方の導体11dは該同軸ケーブルによりグランドの導体となる。14は上記給電点13へ給電する同軸ケーブルを通すためのホールであり、図2の(ハ)において、上記導体11aに有する給電点13には同軸ケーブルの中心導体が接続され、上記GND導体11dには該同軸ケーブルによりグランドが接続される。ここで、同軸ケーブルと給電点13及びGND導体11dとの接続は、ハンダ付け又はコネクタで行う。 【0023】また、上記空中線10a〜10c及びGND導体11dと誘電体9a〜9cとは、それぞれ交互に重ね合わせた多層化の構造を有し、空中線10a〜10cは、それぞれが単方向の電界強度による異なる周波数の電波(単一の電波)を放射でき、又は該空中線10a〜10cそれぞれが該放射電波による反射波を受信できる。従って上記空中線部3は、該空中線部3の同じ箇所から、同じパターンで、同時に、又は間欠的に複数の電波が放射でき、その放射電波による地面からの反射波を受信できるようになっている。 【0024】さらに、上記スリット12は、上記空中線部3を構成する空中線10bと空中線10cとの導体である導体11bと導体11cとに形成されており、それぞれの導体の四辺中央より導体中央にかけて細長く形成し、給電時に多層化の導体11a〜導体11cのそれぞれに流れる高次励振モードの励振電流によるお互いの電波干渉を除去する役割をする。 【0025】すなわち、主励振モードでの励振電流は上記スリット12を迂回して流れるため電流経路は等価的に長くなるが、偶数高次励振モードでは導体11bと導体11cとの四辺の辺中心で電流分布の値が零になることから、スリット12の影響は受けないので、電流経路はスリットの挿入前後で変わらない。この理由から主励振モードと偶数高次励振モードとの整数関係が崩れ、使用する周波数比が整数関係に近い場合においても、上記スリット12を有する導体とスリット12を有しない導体とを組み合わせることにより、お互いの干渉によるパターンの乱れを除去した空中線が実現でき、複数の周波数において広角度で単方向の同一放射パターンが得られる。ここで、上記スリット12の形成寸法は使用する周波数にもよるが、空中線を形成するそれぞれの方形の導体の一辺の長さの1/3程度に規定され、実施例では該スリット12を空中線10bと空中線10cに形成しているが空中線10aにも形成してもよい。 【0026】また、上記空中線10a〜10cそれぞれから放射する電波の共振周波数はλ/2√εr(λ:波形、εr:誘電体の比誘電率とする)から求められ、各空中線を形成する方形の導体及びグランドの導体の寸法の一辺は、次の通りの関係を有する。 【0027】導体11aの一辺<導体11bの一辺<導体11cの一辺<GND導体11dの一辺さらに、上記導体11a〜11cは上記誘電体9a〜9cの所定位置へ、GND導体11dは導体11cが取付けられる誘電体9cの裏側へ、それぞれ励振し易くなる基本波の周波数の低い順にボンドで接着する。なお、導体11a〜11c及びGND導体11dは、それぞれ市販の両面銅張積層板を用いている。 【0028】つぎに、図4〜図7について説明する。 【0029】図4は、空中線部3から複数の異なる周波数の電波を放射し、該空中線部3で地面からの反射波の特性を説明するもので、本装置で得られる受信信号のうち地表面で反射された信号は、送信電力、土の誘電率に関係した反射係数、伝搬距離に対応した減衰、アンテナパターン、周波数(波長)によってその振幅が決まり、位相は反射係数の複素項、伝搬距離、周波数(波長)により決まる。ここで、伝搬距離は、アンテナの地表面からの高度(以下、高度という)の2倍であるから、受信信号の振幅、位相は高度の関数として表現できる。 【0030】地表面からの反射信号 【0031】 【数1】
【0032】図4は本装置による2種類の周波数f1、f2(f1<f2)による地表面で反射された反射信号の、(イ)は高度に対する代表的な受信信号の振幅変化で、(ロ)は高度に対する代表的な受信信号の位相変化を示すものであり、受信信号は基になる送信信号より時間的遅れがあるのでマイナス座標で示してある。 【0033】振幅は高度に対して単調減少し、位相は高度に対して直線的に変化する様子を示し高度に対して単調減少し、位相は高度に対して一定の周期で直線的に変化する様子を示している。 【0034】そして、図4の15は周波数f1に対する振幅変化と位相変化を、16は周波数f2に対する振幅変化と位相変化を示す。 【0035】ここで、周波数f1、周波数f2は異なる周波数であるが単一周波数でその比は一定であり、その他の反射係数、送信電界、アンテナパターンなどのパラメータは同じであるため周波数f1、周波数f2の高度に対する振幅変化、位相変化はともに周波数に関係した一定の関係となる。このため、埋設物の無い状況では、異なる周波数で得られたそれぞれの受信信号の振幅、位相は強い相関性を有するので、この相関関係を利用することにより地表面反射信号を抑圧することができる。一方、埋設物が存在する場合には、地表面反射信号に埋設物からの反射信号が加算される。埋設物に対する各周波数の反射特性は埋設物の大きさ、形状などにより変化するため、埋設されている周辺での受信信号は上記の周波数間の相関関係が劣化する。本装置で示す検出処理は、この周波数間の相関関係からのずれを検出することにより、埋設物の検出を行うものである。 【0036】図5は、本装置が受信する地面からの反射波で、異なる周波数間の信号処理を説明する図であり、周波数f1、周波数f2の各周波数でアンテナを走査した場合の走査距離(高度をz軸とすれば走査距離はx軸とY軸で構成される面)に対する受信信号の振幅変化と位相変化の代表例を示したもので、斜線部が後記する埋設物からの受信信号を示し、図5の17は周波数f1に対する振幅変化と位相変化を、18は周波数f2に対する振幅変化と位相変化を示し、19は埋設物からの反射波による受信信号を示す斜線部である。 【0037】なお、本装置の処理における相関関係は、検出された信号を統計的に処理することにより得られる他、作業前に埋設物の無い適当な場所で校正作業として検出された信号を蓄積することにより得られる。 【0038】図6は、本装置による空中線部3で受信する地表面からの反射信号を抑圧する処理を説明するための図で、(イ)は上記図4と同様の走査高度に対する周波数f1と周波数f2との振幅変化をあらわし、(ロ)は該周波数f1、f2の振幅変化の相関性を説明する図で、(ハ)は上記図4(ロ)で得られるデータが2π毎の周期で不連続になる点を信号処理することにより連続線とした時の走査高度に対する周波数f1と周波数f2との位相変化をあらわし、(ニ)は該周波数f1、f2の位相変化の相関性を説明する図である。 【0039】図6の(イ)、(ロ)において、周波数f1と周波数f2との振幅比は一定関係にあり、従って両周波数の相関関係は単一の線形で表せ、地表面の反射信号振幅Aは次式で表せる。 【0040】h:走査高度、A1:周波数f1の振幅、A2:周波数f2の振幅とすると、A=A1(h、f1)−A2(h、f2)=一定 ・・・・・ (1) また、図6の(ハ)、(ニ)において、周波数f1と周波数f2との位相より回帰直線を求めて、その回帰直線の傾きを補正係数mとし、該周波数f1と周波数f2相互間の受信データを減算すると零になる。すなわち、例えば周波数f1と周波数f2がf1=a×f2(aは定数)の関係があれば、地表面の反射信号位相θは次式となる。 【0041】h:走査高度、θ1:周波数f1の位相、θ2:周波数f2の位相とすると、θ=a×θ1(h、f1)−θ2(h、f2)=0 ・・・・・ (2) 上記(1)と(2)式の内容により周波数f1と周波数f2間の相関性を数値的に求めて、上記信号処理部5とデータ表示部6で処理させれば地表面による反射信号を抑圧することができる。 【0042】図7は、本装置による空中線部3から受信する埋設物からの反射信号を抽出する処理を説明する図で、(イ)は埋設物からの反射信号を説明する図で、(ロ)は埋設物からの反射特性をグラフにしたものである。 【0043】図7の(イ)に示す図において、埋設物からの反射信号は一般的に次式で表されている。 【0044】Er(r、θ’):埋設物からの反射信号、γ:ビームの屈折率、S:埋設物の散乱断面積、G(θ’):空中線パターン、r:空中線と埋設物間距離、a:埋設物の半径とすると、【0045】 【数2】
【0046】ここで、特に上記(3)式は各周波数における埋設物の散乱断面積を示しており、これをグラフにすると図7の(ロ)に示すようにプロットされ、図7の(ハ)に示すように地表面からの反射信号の線形関係を、埋設物からの反射信号がくずすため、複数の周波数間の周波数比等を上記信号処理部5とデータ表示部6で処理し、補正をかけ、そのデータを減算にかけても非線形の信号は残留し、埋設物からの反射信号として抽出される。さらに空中線を多チャンネル化した場合はチャンネル配列幅以上の大きさの埋設物の形状を認識できる。 【0047】本装置で用いられる具体的な処理の流れを以下に示す。 【0048】1.校正データの取得2.統計処理による相関関係の数値化3.計測データの取得4.相関関係を用いた補正処理5.データ表示以上異なる周波数の受信信号の振幅と位相を検出し、異なる周波数間で相関処理を行うことにより、地面の反射信号を抑圧し、埋設物からの反射信号の信号対雑音(S/N)の改善ができる。 【0049】以上のように本発明では、複数の空中線と複数の誘電体とを交互に重ね合わせ一体化した空中線部とし、該空中線部からは、無変調で複数の電波を同時に、又は間欠的に、同じ箇所から、同じパターンで埋設物に向けて放射できるようにした。 【0050】すなわち、本発明による空中線部は、単一の電波を放射する複数の異なる寸法からなる方形の導体と高誘電率の誘電体とを互いに重ね合わせて複数の周波数分とした空中線となる多層化された構造で、該空中線部の重ね合わさる最外側の一方の方形の導体は高周波電力の給電を行う給電導体とし、最外側の他方の方形の導体をGND導体とし、該給電導体と該GND導体間の導体は無給電導体とすることによって、複数の周波数において広角度で、かつ、単方向の同一放射パターンが得られる。 【0051】上記多層化を行う場合には、複数ある個々の方形の導体の高次励振モードが問題となり、それぞれの導体間で互いに干渉を起こし、上記広角度で単方向の同一放射パターンを乱す。特に、使用する複数からなる周波数での周波数比が整数関係に近い場合に問題となる。そこで、本発明による空中線部では、上記方形の導体にスリットを設けることにより、方形の導体上を流れる電流の経路に変化をもたせて偶数高次モードの干渉除去を施している。 【0052】すなわち、主モードでの励振電流は、上記スリットを迂回して流れるため電流経路は等価的に長くなるが、上記偶数高次モードでは方形の導体辺中心で電流分布の値が零になることから、スリットの影響は受けず電流経路は変わらない。この理由から主モードと偶数高次モードとの整数関係が崩れ、使用する周波数比が整数関係に近い場合においても、スリットを有する方形の導体とスリットを有しない方形の導体を組み合わせることにより、干渉によるパターンの乱れを除去した空中線が実現できる。 【0053】一方、地中埋設物からの反射信号は、地面における反射信号と重なって検出されるため、地中埋設物からの信号のみを検出するためには、この地面による反射信号を除去する必要がある。本発明では、信号処理部において、複数の周波数に対して地面での反射特性を取得し、各周波数の振幅と位相とを検出して、各周波数間の振幅と位相との相関関係を数値的に求めることにより地面による反射信号を抑圧することが可能となる。以上説明した空中線部及び信号処理部を備えた地中埋設物探知装置によって、地中埋設物を確実に探知できるものである。 【0054】 【発明の効果】本発明は、誘電体と空中線を交互に重ね合わせて一体化した空中線部を構成し、無変調で複数の周波数の高周波信号を同時に、又は間欠的に同じ箇所から、同じパターンで埋設物に向けて放射するようにしたので、埋設物から反射してくる反射波の受信レベルは、周波数が変わっても同じレベルで受信できるため、従来に比べてS/N比が飛躍的に向上し、地中埋設物の探知が確実に行えると共に複数の空中線を多層化し一体化したので地中埋設物探知装置の小型化が可能となった。また、空中線部を複数個にして走査装置に取り付けて走査を行い、探知データを信号処理して、埋設物の形状を表示することができるので、探知した埋設物が初期のものか否かも容易に判定することができる。さらに、埋設物から反射してくる反射波の受信信号から振幅と位相を検出し、振幅と位相との相関処理を行うことにより走査装置の走行高度変動による受信信号の変動を補正するようにしたので地中埋設物の探知精度が向上するという顕著な効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000244110 【氏名又は名称】明星電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】岸田 正行 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271439 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−72255 |
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