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【発明の名称】 目標追尾装置及び目標追尾方法
【発明者】 【氏名】岡田 隆光

【氏名】辻道 信吾

【氏名】小菅 義夫

【要約】 【課題】追尾目標の色彩が中間色の場合、その中間色を示す属性データZk,id(i)が目標観測装置1から出力されず、その中間色に近い他の色を示す属性データZk,id(i)に基づいて観測データk,trk (i)を選択する必要があるため、観測データk,trk (i)の信頼度が低下し、追尾目標を精度よく追尾することができない課題があった。

【解決手段】運動諸元相関器24から出力された観測データk,trk (i)に係る属性データZk,id(i)と、属性データ推定器25から出力された属性データの推定値Xハットk,id(i)の相関を判定し、相関関係がある観測データk,trk (i)を選択する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示す属性データを出力する観測手段と、上記観測手段から観測データが出力されると、追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布を参照し、その観測データに係る追尾目標がその領域内に存在する場合には、その観測データを出力する位置相関手段と、上記位置相関手段から出力された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある場合には、その観測データを出力する属性相関手段と、上記属性相関手段から出力された観測データに基づいて追尾目標の位置を予測する予測手段とを備えた目標追尾装置。
【請求項2】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示す属性データを出力する観測手段と、上記観測手段から出力された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある場合には、その観測データを出力する属性相関手段と、上記属性相関手段から観測データが出力されると、追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布を参照し、その観測データに係る追尾目標がその領域内に存在する場合には、その観測データを出力する位置相関手段と、上記位置相関手段から出力された観測データに基づいて追尾目標の位置を予測する予測手段とを備えた目標追尾装置。
【請求項3】 観測手段から出力された現在の属性データと前回の推定結果から属性データを推定する推定手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の目標追尾装置。
【請求項4】 予測手段は、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の目標追尾装置。
【請求項5】 予測手段は、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて平滑誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項4記載の目標追尾装置。
【請求項6】 予測手段は、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて予測誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項4記載の目標追尾装置。
【請求項7】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示す属性データを出力する観測ステップと、追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布を参照し、その観測データに係る追尾目標がその領域内に存在する場合には、その観測データを出力する位置相関ステップと、その観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある場合には、その観測データを出力する属性相関ステップと、その観測データに基づいて追尾目標の位置を予測する予測ステップとを備えた目標追尾方法。
【請求項8】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示す属性データを出力する観測ステップと、その観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある場合には、その観測データを出力する属性相関ステップと、追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布を参照し、その観測データに係る追尾目標がその領域内に存在する場合には、その観測データを出力する位置相関ステップと、その観測データに基づいて追尾目標の位置を予測する予測ステップとを備えた目標追尾方法。
【請求項9】 現在の属性データと前回の推定結果から属性データを推定することを特徴とする請求項7または請求項8記載の目標追尾方法。
【請求項10】 予測ステップは、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合することを特徴とする請求項7から請求項9のうちのいずれか1項記載の目標追尾方法。
【請求項11】 予測ステップは、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて平滑誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項10記載の目標追尾方法。
【請求項12】 予測ステップは、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて予測誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項10記載の目標追尾方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、追尾目標の位置及び属性を観測し、その観測結果に基づいて追尾目標を追尾する目標追尾装置及び目標追尾方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は例えば特開平5−288840号公報に示された従来の目標追尾装置を示す構成図であり、図において、1は追尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データk,trk (i)と追尾目標の属性を示す属性データZk,id(i)を出力する目標観測装置、2は目標観測装置1から出力された観測データk,trk (i)及び属性データZk,id(i)をそれぞれ運動諸元確率分布算出器3,運動諸元相関器4,属性データ確率分布算出器5及び追尾目標属性信頼度算出器6に転送する観測諸元転送装置、3は現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベクトルk,trk (−)を算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk を算出し、そのベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布A(i)を求める運動諸元確率分布算出器、4は運動諸元確率分布算出器3により算出された確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdから、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択する運動諸元相関器である。
【0003】また、5は1サンプリング前に算出された属性信頼度P(Ja|Zk-1 )又はその初期値P(Ja)と、目標観測装置1により仮説Jaの元で観測された属性データZk,id(i)の信頼度P(Zk,id(i)|Ja)に基づいて追尾目標からの属性データの確率分布B(i)を算出する属性データ確率分布算出器、6は観測データの仮説Jaの信頼度βk,i と、目標観測装置1により仮説Jaの元で観測された属性データZk,id(i)の信頼度P(Zk,id(i)|Ja)と、現時刻より1サンプリング前に算出された追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk-1 )とを入力し、追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk-1 )を算出する追尾目標属性信頼度算出器、7は追尾目標属性信頼度算出器6により算出された追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk-1 )を1サンプリング時間だけ遅延する第2の遅延回路、8は属性データ確率分布算出器5から出力された属性データの確率分布B(i)と予め設定されたパラメータCから、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択する属性相関器である。
【0004】また、9は運動諸元確率分布算出器3から出力された運動諸元の確率分布A(i)と、属性データ確率分布算出器5から出力された属性データの確率分布B(i)と、予め設定されたセンサの探知確率PD と、目標予測存在範囲内に存在する確率PGKとから、観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する探知データ信頼度算出器、10はゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器8により選択された観測データk,trk (i)とから平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出する平滑誤差評価器、11は平滑誤差評価器10から出力された平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 から予測誤差共分散行列Pk (−)を算出する予測誤差評価器、12は予測誤差評価器11により算出された予測誤差共分散行列Pk (−)を1サンプリング時間だけ遅延する第3の遅延回路である。
【0005】また、13は1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk からゲイン行列Kk を算出するゲイン行列算出器、14はゲイン行列算出器13から出力されたゲイン行列Kk と、探知データ信頼度算出器9から出力された観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、属性相関器8により選択された観測データk,trk (i)とから平滑値Xハットk,trk (+)を算出する平滑器、15は平滑器14により算出された平滑値Xハットk,trk (+)から予測値Xハットk,trk (−)を算出する予測器、16は予測器15により算出された予測値Xハットk,trk (−)を1サンプリング時間だけ遅延する第1の遅延回路である。
【0006】次に動作について説明する。まず、目標観測装置1は、追尾目標の位置及び属性(例えば、追尾目標の色彩等)を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データk,trk (i)と追尾目標の属性を示す属性データZk,id(i)を出力するが(例えば、追尾目標が赤色と黄色の中間色の場合、赤色又は黄色のうち近い方の色(例えば、赤色)を示す属性データZk,id(i)を出力する)、図11に示すように、追尾目標の実際の位置がP点であっても、観測誤差等の影響で目標観測装置1の観測結果がD2やD4点等を示すことがある。また、追尾目標以外のクラッタ等を追尾目標と判定して、目標観測装置1の観測結果がD5やD6点等を示すことがある。
【0007】そこで、追尾目標の追尾精度を高めるためには、追尾目標と相関関係がある観測データk,trk (i)を選択する必要があるため、観測諸元転送装置2が、目標観測装置1から出力された観測データk,trk (i)及び属性データZk,id(i)をそれぞれ運動諸元確率分布算出器3,運動諸元相関器4,属性データ確率分布算出器5及び追尾目標属性信頼度算出器6に転送する。
【0008】そして、運動諸元確率分布算出器3は、観測諸元転送装置2から観測データk,trk (i)を受けると、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベクトルk,trk (−)を算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk を算出する。そして、運動諸元確率分布算出器3は、ベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSk を算出すると、そのベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSkに基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布A(i)を求める(図11を参照)。
A(i)=g(k,trk (−);k (−),Sk
【0009】このようにして、運動諸元確率分布算出器3が運動諸元の確率分布を求めると、運動諸元相関器4は、その運動諸元の確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdから追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択する(図11の例では、D1,D2,D3,D4の位置を示す観測データk,trk(i)を選択する)。具体的には、各観測データk,trk (i)毎に下記の不等式を満たすか否かを判定し、不等式を満たす観測データk,trk (i)を選択する。
k,trk (i)−k,trk (−))Tk-1k,trk (i)−k,trk (−))≦d【0010】また、運動諸元相関器4により選択された観測データk,trk (i)の中から更に追尾目標と相関関係の大きい観測データk,trk (i)を選択するため、まず、追尾目標属性信頼度算出器6が、観測データの仮説Jaの信頼度βk,i と、目標観測装置1により仮説Jaの元で観測された属性データZk,id(i)の信頼度P(Zk,id(i)|Ja)と、現時刻より1サンプリング前に算出された追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk-1 )とに基づいて、追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk-1 )を算出すると、属性データ確率分布算出器5が、1サンプリング前に算出された属性信頼度P(Ja|Zk-1 )又はその初期値P(Ja)と、目標観測装置1により仮説Jaの元で観測された属性データZk,id(i)の信頼度P(Zk,id(i)|Ja)に基づいて追尾目標からの属性データの確率分布B(i)を算出する。
【0011】このようにして、属性データ確率分布算出器5が属性データの確率分布を算出すると、属性相関器8は、その属性データの確率分布B(i)と予め設定されたパラメータCから、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択する(図12の例では、D1,D3の位置を示す観測データk,trk (i)を選択する)。具体的には、運動諸元相関器4により選択された各観測データk,trk (i)毎に下記の不等式を満たすか否かを判定し、不等式を満たす観測データk,trk(i)を選択する。
B(i)=ΣP(Zk,id(i)|Ja)P(Ja|Zk-1 )C【0012】そして、属性相関器8が追尾目標と相関関係がある観測データk,trk (i)を選択すると、次に、その観測データk,trk (i)に基づいて次サンプリング時の追尾目標の位置を予測する処理を実行する。具体的には、まず、探知データ信頼度算出器9が、運動諸元確率分布算出器3から出力された運動諸元の確率分布A(i)と、属性データ確率分布算出器5から出力された属性データの確率分布B(i)と、予め設定されたセンサの探知確率PD と、目標予測存在範囲内に存在する確率PGKとから、観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。
【0013】そして、探知データ信頼度算出器9が観測データの仮説の信頼度βk,i を算出すると、等速直線運動モデルを使用する平滑誤差評価器10が、ゲイン行列Kkと、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器8により選択された観測データk,trk (i)とから平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出し、等速直線運動モデルを使用する予測誤差評価器11が、平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 から予測誤差共分散行列Pk (−)を算出し、ゲイン行列算出器13が、1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk からゲイン行列Kk を算出する。
【0014】このようにして、ゲイン行列算出器13がゲイン行列Kk を算出すると、等速直線運動モデルを使用する平滑器14は、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、属性相関器8により選択された観測データk,trk (i)とから平滑値Xハットk,trk (+)を算出する。そして、等速直線運動モデルを使用する予測器15は、平滑器14が平滑値Xハットk,trk (+)を算出すると、その平滑値ハットk,trk (+)から予測値Xハットk,trk (−)を算出する。これにより、追尾目標の次サンプリング時の位置は、Xハットk,trk (−)であると推定される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標追尾装置は以上のように構成されているので、追尾目標の色彩が原色に近い色であれば、属性データZk,id(i)に基づいて追尾目標と相関関係がある観測データk,trk (i)を選択することができるが、追尾目標の色彩が中間色の場合、その中間色を示す属性データZk,id(i)が目標観測装置1から出力されず、その中間色に近い他の色を示す属性データZk,id(i)に基づいて観測データk,trk (i)を選択する必要があるため、観測データk,trk (i)の信頼度が低下し、追尾目標を精度よく追尾することができない課題があった。
【0016】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精度よく追尾することができる目標追尾装置及び目標追尾方法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る目標追尾装置は、位置相関手段から出力された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するようにしたものである。
【0018】この発明に係る目標追尾装置は、観測手段から出力された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するようにしたものである。
【0019】この発明に係る目標追尾装置は、観測手段から出力された現在の属性データと前回の推定結果から属性データを推定するようにしたものである。
【0020】この発明に係る目標追尾装置は、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合するようにしたものである。
【0021】この発明に係る目標追尾装置は、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて平滑誤差の評価値を演算するようにしたものである。
【0022】この発明に係る目標追尾装置は、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて予測誤差の評価値を演算するようにしたものである。
【0023】この発明に係る目標追尾方法は、位置相関ステップで選択された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するようにしたものである。
【0024】この発明に係る目標追尾方法は、観測ステップで観測された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するようにしたものである。
【0025】この発明に係る目標追尾方法は、現在の属性データと前回の推定結果から属性データを推定するようにしたものである。
【0026】この発明に係る目標追尾方法は、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合するようにしたものである。
【0027】この発明に係る目標追尾方法は、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて平滑誤差の評価値を演算するようにしたものである。
【0028】この発明に係る目標追尾方法は、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて予測誤差の評価値を演算するようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、21は追尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データk,trk (i)と追尾目標の属性を示す属性データZk,id(i)を出力する目標観測装置(観測手段)、22は目標観測装置21から出力された観測データk,trk (i)及び属性データZk,id(i)をそれぞれ運動諸元確率分布算出器23,運動諸元相関器24,属性データ推定器25及び探知データ信頼度算出器29に転送する観測諸元転送装置である。
【0030】また、23は現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk(−)に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベクトルk,trk (−)を算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk(−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk を算出し、そのベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布A(i)を求める運動諸元確率分布算出器(位置相関手段)、24は運動諸元確率分布算出器23により算出された確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdから、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択する運動諸元相関器(位置相関手段)である。
【0031】また、25は観測データの仮説Xk,i の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出した属性データの推定値Xハットk-1,id(i)と、現在の属性データZk,id(i)とから、現時刻における属性データの推定値Xハットk,id(i)を算出する属性データ推定器(推定手段)、26は属性データ推定器25により算出された属性データの推定値Xハットk,id(i)を1サンプリング時間だけ遅延する第2の遅延回路、27は運動諸元相関器24により選択された観測データk,trk (i)のうち、現時刻における属性データの推定値Xハットk,id(i)と予め設定された属性データの観測誤差分散σ2id から、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択し、また、追尾目標からの属性データの確率分布C(i)を算出する属性相関器(属性相関手段)である。
【0032】また、28は属性相関器27により選択された観測データk,trk (i)に基づいて追尾目標の位置を予測する予測装置(予測手段)、29は運動諸元確率分布算出器23から出力された運動諸元の確率分布A(i)と、属性相関器27から出力された属性データの確率分布C(i)と、予め設定されたセンサの探知確率PD と、目標予測存在範囲内に存在する確率PGKとから、観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する探知データ信頼度算出器、30はゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器27により選択されたmk 個の観測データk,trk (i)とから平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出する平滑誤差評価器、31は平滑誤差評価器30から出力された平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 から予測誤差共分散行列Pk (−)を算出する予測誤差評価器、32は予測誤差評価器31により算出された予測誤差共分散行列Pk(−)を1サンプリング時間だけ遅延する第3の遅延回路である。
【0033】さらに、33は1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk からゲイン行列Kk を算出するゲイン行列算出器、34はゲイン行列算出器33から出力されたゲイン行列Kk と、探知データ信頼度算出器29から出力された観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、属性相関器27により選択されたmk 個の観測データk,trk (i)とから平滑値Xハットk,trk (+)を算出する平滑器、35は平滑器34により算出された平滑値Xハットk,trk (+)から予測値ハットk,trk (−)を算出する予測器、36は予測器35により算出された予測値Xハットk,trk (−)を1サンプリング時間だけ遅延する第1の遅延回路である。なお、図2はこの発明の実施の形態1による目標追尾方法を示すフローチャートである。
【0034】次に動作について説明する。具体的な動作を説明する前に、実施の形態1による目標追尾装置の原理を説明する。まず、追尾目標の真値を表す状態ベクトルを式(1)のように定義する。ただし、ベクトルを表す記号にはアンダーラインを付する。式(1)において、追尾目標の真値を表す状態ベクトルは、目標の位置及び速度等の運動データの真値を表す状態ベクトルk,trk (i)と、属性データの真値を表す状態ベクトルXk,id(i)を成分とするベクトルk とする。また、複数個をN個とした場合の運動モデルを式(2)とする。
【0035】
【数1】

【0036】ここで、ベクトルk,trk (i)はサンプリング時刻tk における追尾目標の運動諸元の真値を表す状態ベクトルであり、直交座標における追尾目標の位置ベクトルを式(3)、直交座標における追尾目標の速度ベクトルを式(4)とした場合には、式(5)で表される。ここで、ベクトルAT はベクトルAの転置ベクトルを表す。
【0037】
【数2】

【0038】また、Φk-1 はサンプリング時刻tk-1 からサンプリング時刻tk に推移する状態ベクトルk,trk (i)の推移行列で目標が等速直線運動を行うと仮定した場合、式(6)で表される。ここで、I は式(7)に示す単位行列を表し、0Iは3行3列の零行列である。
【0039】
【数3】

【0040】例えば、目標の運動モデルを等速直線運動と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓ1 (k−1)ωk-1 とみれば、サンプリング時刻tk における駆動雑音ベクトルωk-1 は加速度ベクトルに相当し、Eを平均を表す記号として、平均0ベクトルの3次元正規分布白色雑音で、式(8)及び式(9)とする。
【0041】
【数4】

【0042】ここで、は零ベクトル、Qはサンプリング時刻tk における駆動雑音共分散行列である。Γ1 (k)はサンプリング時刻tk における駆動雑音ベクトルの変換行列で、式(10)で表される。
【0043】
【数5】

【0044】次に観測モデルを以下のように定義する。サンプル時刻tk における位置を示す観測データと、属性を示す属性データの組みを式(11)とする。ここで、ベクトルk,trk は目標観測位置に関する観測ベクトルであり、またベクトルZk,idは属性データに関する観測ベクトルである。
【0045】
【数6】

【0046】追尾目標の観測位置に関する観測モデルを式(12)のように定義する。ここで、Hはサンプリング時刻tk における観測行列である。また、ベクトルνk はサンプリング時刻tk における目標観測ベクトルに対応した観測雑音ベクトルであって、平均ベクトル0の3次元正規白色雑音であり、Eを平均を表す記号として式(13),(14)を満たすものとする。なお、Rk はサンプリング時刻tk における観測雑音共分散行列である。
【0047】
【数7】

【0048】追尾目標からの属性データに関する観測モデルを式(15)のように定義する。
【0049】
【数8】

【0050】ここで、ν2,k はサンプリング時刻tk における属性観測データに対応した観測雑音で、平均0、分散σidの正規白色雑音である。
【0051】追尾対象目標以外からの観測データは空間に一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk における単位体積当たりの発生頻度をβkFT とし、追尾目標と相関を取るべき目標予測存在範囲の体積をVGKとしたとき、追尾対象目標以外からの観測データが目標予測存在範囲内に存在する総数は、平均βkFTGKのポアソン分布に従うとする。
【0052】サンプリング時刻tk における追尾目標と相関をとるべき目標予測存在範囲内の観測データの総数をmk 、観測データを式(16)で表す。ここで、ベクトルk,i はi番目の観測ベクトルであり、その全体を式(17)で表す。また、サンプリング時刻t1 からtk までの観測ベクトルの全体を式(18)で、観測ベクトルの総数を式(19)で定義する。
【0053】
【数9】

【0054】次に追尾対象目標からの観測ベクトルの確率分布について示す。観測ベクトルk,i が追尾対象目標からの観測データのとき、この確率分布を条件付き確率密度関数で表すと、式(20)のようになる。
【0055】
【数10】

【0056】ここで、式(21)は追尾対象目標からの属性データの確率分布であり、式(22)は追尾対象目標からの位置等の運動諸元の確率分布である。
【0057】
【数11】

【0058】追尾対象目標からの運動諸元の確率分布は、式(23)に示す条件付き確率密度関数で表されるとする。ここで、式(23)の右辺は平均ベクトルk (−)、共分散行列Sk の3次元正規分布のk,trk (i)における確率密度である。即ち、追尾対象目標からの観測データは式(24)で与えられる目標予測位置ベクトルk,trk (−)を平均とし、式(25)で与えられるSk を共分散行列とする3次元正規分布に従うとする。ここで、ベクトルXハットk,trk (−)は予測値で、式(26)で表され、Pk (−)は予測誤差共分散行列で、式(27)で表される。
【0059】一方、追尾対象目標からの属性データの確率分布は、式(28)に示す条件付き確率密度関数で表されるとする。ここで、式(28)の右辺は平均Xハットk-1,id、分散σ2id の正規分布のZk,id(i)における確率密度である。即ち、追尾対象目標からの観測データは式(24)で与えられる1サンプリング前の属性データの推定値Xハットk-1,id(i)を平均とし、σidを分散とする正規分布に従うとする。
【0060】
【数12】

【0061】次に、観測データにおける位置データと既追尾目標との相関方法について説明する。観測データベクトルZk,i の成分である観測位置ベクトルk,trk (i)がdをパラメータとして式(29)を満たすとき、観測データベクトルk,trk (i)は追尾目標と相関があると判定する。
【0062】
【数13】

【0063】図3は、簡単な例として観測位置データの次元が2次元の場合について式(29)による観測データと追尾目標との相関を説明する図であり、図において、Pは追尾目標からの観測が予測される点である式(24)の目標予測位置ベクトルk,trk (−)、Qは相関をとるべき目標予測存在範囲の内外を定める境界線でパラメータd及び式(25)のより線形代数学により算出され、D1〜D6は観測データである。
【0064】追尾対象目標が相関をとるべき目標予測範囲内に存在する確率を式(30)に示すようにPGKと書く。ここで、GK は式(31)で表される目標予測存在範囲の領域である。なお、確率論によりPGKはdの値によって一意的に決まる。
【0065】
【数14】

【0066】次に、観測データにおける属性データと既追尾目標との相関方法について説明する。観測データベクトルZk,i の成分である属性データZk,id(i)がMをパラメータとして式(32)を満たすとき、観測データベクトルZk,i は式(29)を満たしていても、既追尾目標と相関がない観測データであると判定される。
【0067】
【数15】

【0068】追尾対象目標の属性データが相関をとるべき範囲内に存在する確率を式(33)に示すようにPLKと書く。ここで、LK は式(34)で表される属性データの範囲の領域である。なお、確率論によりLK はMの値によって一意的に決まる。図4は、簡単な2次元の例として式(32)による目標予測存在範囲内に存在する観測データと追尾目標との相関を説明する図である。図において、観測データD2及びD4は式(29)を満たし、目標予測存在範囲に存在しているが、式(32)を満たさないため、既追尾目標と相関がないと判定される。
【0069】サンプリング時刻tk において、1つの観測データベクトルZk,i が追尾目標からの観測ベクトルであるとの仮説をXk,i と書く。このとき、ベクトルZk,i以外の観測データは追尾目標以外、例えばクラッタ等の不要信号からの観測データと仮定している。また、追尾目標より観測ベクトルが得られないとの仮説をXk,0 と書く。サンプリング時刻tk までの情報Zk による仮説Xk,i の信頼度をβk,i と書く。ここで、確率論より式(35)が成立する。
【0070】
【数16】

【0071】以下に観測データにおける位置等の運動諸元及び属性データを用いて各仮説の信頼度を算出する方法について示す。サンプリング時刻tk において、観測データが得られた時点での仮説Xk,0 が正しいとの信頼度βk,0 は、サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説Xk,0 の観測データが得られる信頼度に、得られたmk 個の観測データ全てが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。また、サンプリング時刻tk において、観測データが得られた時点での仮説Xk,i が正しいとの信頼度βk,i は、サンプリング時刻tk において観測データが得られない時点において仮説Xk,i の観測データが得られる信頼度に、得られた観測データベクトルZk,i が追尾目標からの観測データで、mk −1個の観測データが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。
【0072】サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説Xk,0 の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲から観測データが得られない確率1−PdGKに、追尾目標以外からの観測データがmk 個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(36)により求まる。ここで、目標が探知される確率をPd とすれば、追尾目標が目標予測存在範囲内に存在して探知される確率はPdGKであり、また、目標予測存在範囲内の追尾目標以外からの観測データの総数は、平均βkFTGKのポアソン分布に従い求められている。サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説Xk,i の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲から追尾目標が探知される確率PdGKに、属性データが予測範囲内に存在する確率PLKと、追尾目標以外からの観測データがmk −1個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(37)により求まる。
【0073】
【数17】

【0074】次に、サンプリング時刻tk で観測データが得られた時点において、仮説に基づき得られた全観測データZk に対しての信頼度を示す。追尾対象目標から一度も観測データが得られていない状態での追尾対処目標からの属性データの確率分布を一様とすると、得られた1つの観測データが追尾対象目標以外からの観測データである信頼度は、サンプリング時刻tk-1 までの情報Zk-1 に基づき一様分布の仮定より式(38)で与えられる。また、得られた1つの観測データが追尾目標からの観測データである信頼度は、目標予測存在範囲内に存在するとの前提で、式(30)のPGK及び式(23)の追尾目標からの運動諸元の確率分布により式(39)で与えられる。サンプリング時刻tk において仮説Xk,0 に基づき得られる全観測データZk がmk 個の追尾対象目標以外よりの観測ベクトルである信頼度、即ち、サンプリングtk-1までの情報Zk-1 及び仮説Xk,0 に基づく全観測データZk の信頼度は、式(28)より式(40)で与えられる。また、サンプリング時刻tk において仮説Xk,i に基づき得られる全観測データZk の内、1つの観測データが追尾対象目標からの観測データで、かつmk −1個の観測データが追尾対象目標以外からの観測データである信頼度、即ち、サンプリング時刻tk-1 までの情報Zk-1 及び仮説Xk,i に基づく全観測データZk の信頼度は、式(38)及び(39)より式(41)で与えられる。
【0075】
【数18】

【0076】従って、サンプリング時刻tk までの情報Zk に基づく仮説Xk,0 の信頼度βk,0 は式(36)と式(40)を乗算した値に比例すると考えてよく、また、サンプリング時刻tk までの情報Zk に基づく仮説k,i の信頼度βk,i は式(37)と式(41)を乗算した値に比例すると考えてよく、式(34)を使用して正規化を行い、式(42)〜(44)を得る。
【0077】
【数19】

【0078】次に、サンプル時刻tk における追尾目標の属性データの推定方法について示す。サンプル時刻tk において、属性データZk,id(i)が得られた時点での属性データの推定値は最小自乗フィルターにて以下の式で算出できる。ここで、属性データの観測データとして、観測データを信頼度で重み付け平均した値を使用する。
【0079】
【数20】

【0080】以下に平滑及び予測処理の方法について示す。即ち、通常のカルマンフィルタ理論により式(46)〜式(52)となる。ここで、ベクトルXハットk,trk (+)は式(51)のように定義されている平滑ベクトルで、Pk (+)は式(52)のように定義されている平滑誤差共分散行列、Kk はカルマンゲイン行列である。
【0081】
【数21】

【0082】全ての観測デ−タの仮説の基での目標位置、速度の平滑ベクトルは、各仮説の基で求めた平滑ベクトルを各仮説の信頼度を用いて統合することによって算出される。式(51)に示す平滑ベクトルは式(53)のように展開され、各仮説に式(48)を適用した場合の平滑ベクトルをXハットk,i (+)とすると、式(53)は式(54)及び式(55)のようになる。各仮説の平滑ベクトルは、仮説Xk,0 の場合には追尾目標から観測値が得られない仮説なので、メモリ−トラックとなって式(56)のようになり、仮説Xk,i の場合には観測デ−タベクトルZk,i が1つ得られた仮説なので式(48)の通常のカルマンフィルタ理論を使用して式(57)のようになる。したがって、式(54)に式(56)及び式(57)を代入して式(58)が得られる。
【0083】
【数22】

【0084】上記、全ての観測デ−タの仮説の基での目標位置、速度の平滑ベクトルの平滑誤差共分散行列は以下のように算出される。条件付き共分散行列の理論に式(59)が得られる。また、式(34)、式(53)、式(55)より式(60)が得られる。ここで、Pk ’(+)は各仮説に対する平滑誤差共分散行列で、式(61)のように定義され、式(57)が通常のカルマンフィルタ理論により求まることにより式(62)のようになる。式(59)に式(60)及び式(56)〜式(58)を代入して整理すると式(63)〜式(65)が得られる。
【0085】
【数23】

【0086】上記、全ての観測デ−タの仮説の基での目標位置、速度の平滑ベクトルの予測誤差共分散行列は、式(46)及び式(47)に表される通常のカルマンフィルタ理論による式で算出される。
【0087】次に、図1の目標追尾装置の具体的な動作を説明する。なお、カルマンフィルタを目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、目標の位置、速度の平滑値及び平滑誤差共分散行列の初期値は予め定まっているものとする。
【0088】まず、目標観測装置21は、追尾目標の位置及び属性(例えば、追尾目標の色彩等)を観測し(ステップST1)、その追尾目標の位置を示す観測データk,trk (i)と追尾目標の属性を示す属性データZk,id(i)を出力するが(追尾目標が赤色と黄色の中間色の場合でも、その中間色を示す属性データZk,id(i)を出力する)、図3に示すように、追尾目標の実際の位置がP点であっても、観測誤差等の影響で目標観測装置21の観測結果がD2やD4点等を示すことがある。また、追尾目標以外のクラッタ等を追尾目標と判定して、目標観測装置21の観測結果がD5やD6点等を示すことがある。
【0089】そこで、追尾目標の追尾精度を高めるためには、追尾目標と相関関係がある観測データk,trk (i)を選択する必要があるため、観測諸元転送装置22が、目標観測装置21から出力された観測データk,trk (i)及び属性データZk,id(i)をそれぞれ運動諸元確率分布算出器23,運動諸元相関器24,属性データ推定器25及び探知データ信頼度算出器29に転送する。
【0090】そして、運動諸元確率分布算出器23は、観測諸元転送装置22から観測データk,trk (i)を受けると、式(24)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベクトルk,trk (−)を算出するとともに、式(25)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk を算出する。そして、運動諸元確率分布算出器23は、式(23)を用いて、ベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSk を算出すると、図3に示すように、そのベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布A(i)を求める(ステップST2)。
【0091】このようにして、運動諸元確率分布算出器23が運動諸元の確率分布A(i)を求めると、運動諸元相関器24は、その運動諸元の確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdから、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk(i)を選択する(ステップST3)。具体的には、各観測データk,trk (i)毎に式(29)の不等式が成立するか否かを判定し、不等式が成立する観測データk,trk (i)を選択する。図3の例では、D1,D2,D3,D4の位置を示す観測データk,trk (i)を選択する。
【0092】また、運動諸元相関器24により選択された観測データk,trk (i)の中から更に追尾目標と相関関係の大きい観測データk,trk (i)を選択するため、属性データ推定器25が、観測データの仮説Xk,i の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出した属性データの推定値Xハットk-1,id(i)と、現在の属性データの属性データZk,id(i)とから、式(45)を用いて、現時刻における属性データの推定値Xハットk,id(i)を算出する(ステップST4)。
【0093】このようにして、属性データ推定器25が属性データの推定値Xハットk,id(i)を算出すると、属性相関器27は、運動諸元相関器24により選択された観測データk,trk (i)のうち、現時刻における属性データの推定値Xハットk,id(i)と予め設定された属性データの観測誤差分散σ2id から、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択する(ステップST5)。具体的には、式(32)の不等式が成立するか否かを判定し、不等式が成立する観測データk,trk (i)をmk 個選択するが(式(16),(17)を参照)、図4の例では、D1,D3の位置を示す観測データk,trk (i)が選択される。また、属性相関器27は、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk(i)を選択すると、式(28)を用いて追尾目標からの属性データの確率分布C(i)を算出する。
【0094】そして、探知データ信頼度算出器29は、属性相関器27から属性データの確率分布C(i)が出力されると、運動諸元確率分布算出器23から出力された運動諸元の確率分布A(i)と、属性相関器27から出力された属性データの確率分布確率分布C(i)と、予め設定されたセンサの探知確率PD と、目標予測存在範囲内に存在する確率PGKとから、式(42)〜(45)を用いて、観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。
【0095】そして、探知データ信頼度算出器29が観測データの仮説の信頼度βk,i を算出すると、等速直線運動モデルを使用する平滑誤差評価器30が、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器27により選択されたmk 個の観測データk,trk (i)とから、式(63)〜(65)を用いて、平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出し、等速直線運動モデルを使用する予測誤差評価器31が、平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 から、式(47)を用いて、予測誤差共分散行列Pk (−)を算出し、ゲイン行列算出器33が、1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk から、式(50)を用いて、ゲイン行列Kk を算出する。
【0096】このようにして、ゲイン行列算出器33がゲイン行列Kk を算出すると、等速直線運動モデルを使用する平滑器34は、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハットk,trk (−)と、属性相関器27により選択されたmk 個の観測データk,trk (i)とから、式(58)を用いて、平滑値Xハットk,trk (+)を算出する。そして、等速直線運動モデルを使用する予測器35は、平滑器34が平滑値Xハットk,trk (+)を算出すると、その平滑値Xハットk,trk (+)から、式(46)を用いて、予測値Xハットk,trk (−)を算出する(ステップST6)。これにより、追尾目標の次サンプリング時の位置は、Xハットk,trk (−)であると推定される。
【0097】以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、運動諸元相関器24から出力された観測データk,trk (i)に係る属性データZk,id(i)と、属性データ推定器25から出力された属性データの推定値Xハットk,id(i)の相関を判定し、相関関係がある観測データk,trk (i)を選択するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果を奏する。
【0098】実施の形態2.上記実施の形態1では、運動諸元相関器24が相関のある観測データk,trk(i)を選択したのち、属性相関器27が相関のある観測データk,trk (i)を選択するものについて示したが、属性相関器27が相関のある観測データk,trk (i)を選択したのち、運動諸元相関器24が相関のある観測データk,trk (i)を選択するようにしてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0099】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形態3による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。41は現時点より1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(−)と観測雑音共分散行列Rk から各運動モデルに対する観測ベクトルの合致度である観測誤差の評価値gを算出する運動モデル毎の観測誤差評価器、42は現時点より1サンプリング前に算出した各運動モデルに対する信頼度βbk-1と、予め設定された推移確率Pabと、観測誤差の評価値gとから、観測データと各運動モデルの信頼度βa,bk,iをそれぞれ算出する信頼度算出器、43は信頼度算出器42により算出された信頼度βa,bk,iを1サンプリング時間だけ遅延する第6の遅延回路である。
【0100】また、44は現時点より1サンプリング前に算出した平滑値Xハットk,trk (−)と、信頼度βa,bk,iと、予め設定された定数加速度ベクトルαa と、ゲイン行列Kk とから平滑値Xハットk,trk (+)を算出する複数運動モデル統合型平滑器、45は複数運動モデル統合型平滑器44により算出された平滑値Xハットk,trk (+)を1サンプリング時間だけ遅延する第4の遅延回路、46は現時点より1サンプリング前に算出した運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(−)とゲイン行列Kk とから、運動モデル毎の平滑値Xハットak,trk(+)の平滑誤差の評価値である運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)を算出する運動モデル毎の平滑誤差評価器、47は運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)と駆動雑音共分散行列Qk とから、サンプリング時刻tk+1 における運動モデル毎の予測値ハットak+1,trk(+)の予測誤差の評価値である運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(+)を算出する運動モデル毎の予測誤差評価器である。
【0101】さらに、48は平滑値Xハットk,trk (+)から現時点より1サンプリング後の運動モデル毎の予測値Xハットak+1,trk(−)を算出する運動モデル毎の予測器、49は運動モデル毎の予測器48により算出された運動モデル毎の予測値Xハットak+1,trk(+)を1サンプリング時間だけ遅延する第5の遅延回路、50は平滑値Xハットk,trk (+)と、信頼度βa,bk,iと、予め設定された推移確率Pabとから現時点より1サンプリング後の予測値Xハットk+1,trk (−)を算出する複数運動モデル統合型予測器、51は運動モデル毎の予測誤差評価器47により算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(+)を1サンプリング時間だけ遅延する第7の遅延回路である。
【0102】次に動作について説明する。具体的な動作を説明する前に、実施の形態1による目標追尾装置の原理を説明する。まず、追尾目標の真値を表す状態ベクトルを式(66)のように定義する。式(66)において、追尾目標の真値を表す状態ベクトルは、目標の位置及び速度等の運動データの真値を表す状態ベクトルk,trk (i)と、属性データの真値を表す状態ベクトルXk,id(i)を成分とするベクトルk とする。また、複数個をN個とした場合の運動モデルを式(2)とする。
【0103】
【数24】

【0104】ここで、ベクトルk,trk (i)はサンプリング時刻tk における追尾目標の運動諸元の真値を表す状態ベクトルであり、直交座標における追尾目標の位置ベクトルを式(68)、直交座標における追尾目標の速度ベクトルを式(69)とした場合には、式(70)で表される。
【0105】
【数25】

【0106】また、Φk-1 はサンプリング時刻tk-1 からサンプリング時刻tk に推移する状態ベクトルk,trk (i)の推移行列で目標が等速直線運動を行うと仮定した場合、式(71)で表される。ここで、I は式(72)に示す単位行列を表し、0I は3行3列の零行列である。
【0107】
【数26】

【0108】例えば、目標の運動モデルを等速直線運動と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓ1 (k−1)ωk-1 とみれば、サンプリング時刻tk における駆動雑音ベクトルωk-1 は加速度ベクトルに相当し、Eを平均を表す記号として、平均0ベクトルの3次元正規分布白色雑音で、式(73)及び式(74)とする。
【0109】
【数27】

【0110】ここで、は零ベクトル、Qはサンプリング時刻tk における駆動雑音共分散行列である。Γ1 (k)はサンプリング時刻tk における駆動雑音ベクトルの変換行列で、式(75)で表される。
【0111】
【数28】

【0112】また、サンプリング時刻tk において、N個の運動モデルを構成する定数加速度ベクトルk は式(76)であり、サンプリング時刻tk における定数加速度ベクトルk の変換行列Γ(k)は式(77)で表される。
【0113】
【数29】

【0114】図6は水平面に平行な面内で定数加速度ベクトルを説明する説明図である。図6において、Oは目標観測装置21を原点とする座標O−xy の原点、Xは東方向をx軸の正とする座標O−xy のx軸、Yは北方向をy軸の正とする座標O−xy のy軸、A1はy軸の正方向の定数加速度ベクトル、A2はx軸の正方向の定数加速度ベクトル、A3はy軸の負方向の定数加速度ベクトル、A4はx軸の負方向の定数加速度ベクトルである。今、図6における定数加速度ベクトルの大きさを10g(gは重力加速度とする)とし、この他に加速度0の定数加速度ベクトルを考えた運動モデルの場合、x軸及びy軸の両正負方向と加速度が0の場合とでN=5であり、式(76)は、式(78)のようにサンプリング時刻tk に無関係に書ける。
【0115】
【数30】

【0116】次に、サンプリング時刻tk において、式(79)が真であるとの運動モデルの仮説を式(80)のように書く。
【0117】
【数31】

【0118】次に観測モデルを以下のように定義する。サンプル時刻tk における位置を示す観測データと、属性を示す属性データの組みを式(81)とする。ここで、ベクトルk,trk は目標観測位置に関する観測ベクトルであり、またベクトルZk,idは属性データに関する観測ベクトルである。
【0119】
【数32】

【0120】追尾目標の観測位置に関する観測モデルを式(82)のように定義する。ここで、Hはサンプリング時刻tk における観測行列である。また、ベクトルνk はサンプリング時刻tk における目標観測ベクトルに対応した観測雑音ベクトルであって、平均ベクトル0の3次元正規白色雑音であり、Eを平均を表す記号として式(83),(84)を満たすものとする。なお、Rk はサンプリング時刻tk における観測雑音共分散行列である。
【0121】
【数33】

【0122】追尾目標からの属性データに関する観測モデルを式(85)のように定義する。
【0123】
【数34】

【0124】ここで、ν2,k はサンプリング時刻tk における属性観測データに対応した観測雑音で、平均0、分散σidの正規白色雑音である。
【0125】追尾対象目標以外からの観測データは空間に一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk における単位体積当たりの発生頻度をβkFT とし、追尾目標と相関を取るべき目標予測存在範囲の体積をVGKとしたとき、追尾対象目標以外からの観測データが目標予測存在範囲内に存在する総数は、平均βkFTGKのポアソン分布に従うとする。
【0126】サンプリング時刻tk における追尾目標と相関をとるべき目標予測存在範囲内の観測データの総数をmk 、観測データを式(86)で表す。ここで、ベクトルk,i はi番目の観測ベクトルであり、その全体を式(87)で表す。また、サンプリング時刻t1 からtk までの観測ベクトルの全体を式(88)で、観測ベクトルの総数を式(89)で定義する。
【0127】
【数35】

【0128】次に追尾対象目標からの観測ベクトルの確率分布について示す。観測ベクトルk,i が追尾対象目標からの観測データのとき、この確率分布を条件付き確率密度関数で表すと、式(90)のようになる。
【0129】
【数36】

【0130】ここで、式(91)は追尾対象目標からの属性データの確率分布であり、式(92)は追尾対象目標からの位置等の運動諸元の確率分布である。
【0131】
【数37】

【0132】追尾対象目標からの運動諸元の確率分布は、式(93)に示す条件付き確率密度関数で表されるとする。ここで、式(93)の右辺は平均ベクトルk,trk (−)、共分散行列Sk の3次元正規分布のk,trk (i)における確率密度である。即ち、追尾対象目標からの観測データは式(94)で与えられる目標予測位置ベクトルk (−)を平均とし、式(95)で与えられるSk を共分散行列とする3次元正規分布に従うとする。ここで、ベクトルXハットk,trk (−)は予測値で、式(96)で表され、Pk (−)は予測誤差共分散行列で、式(97)で表される。一方、追尾対象目標からの属性データの確率分布は、式(98)に示す条件付き確率密度関数で表されるとする。ここで、式(98)の右辺は平均Xハットk-1,id、分散σ2id の正規分布のZk,id(i)における確率密度である。即ち、追尾対象目標からの観測データは式(94)で与えられる1サンプリング前の属性データの推定値Xハットk-1,id(i)を平均とし、σidを分散とする正規分布に従うとする。
【0133】
【数38】

【0134】次に、観測データにおける位置データと既追尾目標との相関方法について説明する。観測データベクトルZk,i の成分である観測位置ベクトルk,trk (i)がdをパラメータとして式(99)を満たすとき、観測データベクトルk,trk (i)は追尾目標と相関があると判定する。
【0135】
【数39】

【0136】図3は、簡単な例として観測位置データの次元が2次元の場合について式(99)による観測データと追尾目標との相関を説明する図であり、図において、Pは追尾目標からの観測が予測される点である式(94)の目標予測位置ベクトルk (−)、Qは相関をとるべき目標予測存在範囲の内外を定める境界線でパラメータd及び式(95)のより線形代数学により算出され、D1〜D6は観測データである。
【0137】追尾対象目標が相関をとるべき目標予測範囲内に存在する確率を式(100)に示すようにPGKと書く。ここで、GK は式(101)で表される目標予測存在範囲の領域である。なお、確率論によりPGKはdの値によって一意的に決まる。
【0138】
【数40】

【0139】次に、観測データにおける属性データと既追尾目標との相関方法について説明する。観測データベクトルZk,i の成分である属性データZk,id(i)がMをパラメータとして式(102)を満たすとき、観測データベクトルZk,i は式(99)を満たしていても、既追尾目標と相関がない観測データであると判定される。
【0140】
【数41】

【0141】追尾対象目標の属性データが相関をとるべき範囲内に存在する確率を式(103)に示すようにPLKと書く。ここで、LK は式(104)で表される属性データの範囲の領域である。なお、確率論によりLK はMの値によって一意的に決まる。図4は、簡単な2次元の例として式(102)による目標予測存在範囲内に存在する観測データと追尾目標との相関を説明する図である。図において、観測データD2及びD4は式(99)を満たし、目標予測存在範囲に存在しているが、式(102)を満たさないため、既追尾目標と相関がないと判定される。
【0142】サンプリング時刻tk までの情報Zk が得られた場合に、仮説Ψk,a の元での目標の運動諸元に関する状態ベクトルXk,trk の予測ベクトルXハットak,trk(−)及び予測誤差共分散行列Pak(−)は通常のカルマンフィルタの理論により、式(105)及び式(106)で与えられる。また、状態ベクトルXk,trk の平滑ベクトルXハットk,trk (+)は式(107)で与えられる。
【0143】
【数42】

【0144】次に、目標の位置ベクトルがサンプリング時刻tk に観測される場合の平滑処理について述べる。平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列は通常のカルマンフィルタの理論により、式(108)〜(110)で与えられる。
【0145】
【数43】

【0146】ここで、Xハットak,trk(+)は、仮説Ψk,a の元でのXk,trk の平滑ベクトル、Pak(+)はサンプリング時刻tk における仮説Ψk,a の元での平滑誤差共分散行列、Kk はサンプリング時刻tk におけるゲイン行列、Pk (+)はサンプリング時刻tk における平滑誤差共分散行列であり、カルマンフィルタの理論により、式(111)で与えられる。
【0147】
【数44】

【0148】また、カルマンフィルタを通常適用する場合と同様にして、初期値Xハット0,trk (+)、P0 (+)は別途定まっているとする。式(106)よりPak(−)は仮説Ψk,a によらない値なので、式(109)よりKk 、式(110)よりPak(+)も同様に仮説Ψk,a によらない値となる。
【0149】サンプリング時刻tk において、1つの観測データベクトルZk,i が追尾目標からの観測ベクトルであるとの仮説をXk,i と書く。このとき、ベクトルZk,i以外の観測データは追尾目標以外、例えばクラッタ等の不要信号からの観測データと仮定している。また、追尾目標より観測ベクトルが得られないとの仮説をXk,0 と書く。サンプリング時刻tk までの情報Zk により目標相関の仮説Xk,i及び運動モデルの仮説Ψk,a 、Ψk-1,b が真である確率を式(112)とする。同様にして、目標相関の仮説Xk,i が真である確率を式(113)、運動モデルの仮説Ψk,a が真である確率を式(114)、目標相関の仮説Xk,i 及び運動モデルの仮説Ψk,a が真である確率を式(115)と定義する。ここで、確率論より式(116)が成立する。
【0150】
【数45】

【0151】次に、観測データにおける位置データ及び属性データを用いて、各仮説の信頼度を算出する方法について示す。サンプリング時刻tk において、観測データが得られた時点での仮説Xk,0 及びΨk,a が正しいとの信頼度βak,0は、サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において、仮説Xk,0 及びΨk,a の観測データが得られる信頼度に、得られたmk 個の観測データ全てが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。また、サンプリング時刻tk において、観測データが得られた時点での仮説Xk,i 及びΨk,a が正しいとの信頼度βak,0は、サンプリング時刻tk において観測データが得れない時点において、仮説Xk,i 及びΨk,a の観測データが得られる信頼度に、得られた観測データベクトルZk,i が追尾目標からの観測データで、mk −1個の観測データが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。
【0152】サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説Xk,0 及びΨk,a の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲から観測データが得られない確率1−PdGKに運動モデルの推移確率abと、追尾目標以外からの観測データがmk 個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(117)により求まる。ここで、Pd は目標が探知される確率である。従って、追尾目標が目標予測存在範囲内に存在して探知される確率はPdGKであり、また、目標予測存在範囲内の追尾目標以外からの観測データの総数は、平均βkFTGKのポアソン分布に従い求められている。また、運動モデルの推移にマルコフ性を仮定すると、Ψk,a はサンプリング時刻tk-1 の運動モデルにより定まり、tk-1 以前の運動モデルには依存しないとする。このとき、運動モデルの推移確率は式(118)と書く。一方、サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説Xk,i 及びΨk,a の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲から追尾目標が探知される確率PdGKに、属性データが予測範囲内に存在する確率PLKと、追尾目標以外からの観測データがmk −1個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(119)により求まる。
【0153】
【数46】

【0154】次に、サンプリング時刻tk で観測データが得られた時点において、仮説に基づき得られた全観測データZk に対しての信頼度を示す。追尾対象目標から一度も観測データが得られていない状態での追尾対処目標からの属性データの確率分布を一様とすると、得られた1つの観測データが追尾対象目標以外からの観測データである信頼度は、サンプリング時刻tk-1 までの情報Zk-1 に基づき一様分布の仮定より式(120)で与えられる。また、得られた1つの観測データが追尾目標からの観測データである信頼度は、目標予測存在範囲内に存在するとの前提で、式(100)のPGK及び式(93)の追尾目標からの運動諸元の確率分布により式(121)で与えられる。サンプリング時刻tk において仮説Xk,0 に基づき得られる全観測データZk がmk個の追尾対象目標以外よりの観測ベクトルである信頼度、即ち、サンプリングtk-1 までの情報Zk-1 及び仮説Xk,0 に基づく全観測データZk の信頼度は、式(120)より式(122)で与えられる。また、サンプリング時刻tk において仮説Xk,i に基づき得られる全観測データZk の内、1つの観測データが追尾対象目標からの観測データで、かつmk −1個の観測データが追尾対象目標以外からの観測データである信頼度、即ち、サンプリング時刻tk-1 までの情報Zk-1 と仮説Xk,i 及びΨk,a に基づく全観測データZk の信頼度は、式(120)及び式(121)より式(123)で与えられる。
【0155】
【数47】

【0156】従って、サンプリング時刻tk までの情報Zk に基づく仮説Xk,0 、Ψk,a 及びΨk-1,b の信頼度βa,bk,0は式(117)と式(112)を乗算した値に比例すると考えてよく、また、サンプリング時刻tk までの情報Zk に基づく仮説Xk,i 、Ψk,a 及びΨk-1,b の信頼度βa,bk,iは式(119)と式(123)を乗算した値に比例すると考えてよく、式(116)を使用して正規化を行い、式(126)〜(128)を得る。
【0157】
【数48】

【0158】次に、サンプル時刻tk における追尾目標の属性データの推定方法について示す。サンプル時刻tk において、属性データZk,id(i)が得られた時点での属性データの推定値は最小自乗フィルターにて以下の式で算出できる。ここで、属性データの観測データとして、観測データを信頼度で重み付け平均した値を使用する。
【0159】
【数49】

【0160】以下に平滑及び予測処理の方法について示す。即ち、通常のカルマンフィルタ理論を適用し、式(107)、式(108)及び式(131)〜式(133)である。また、ベイズの定理を使用すると式(137)である。以上、サンプル時刻tk の平滑処理について述べた。
【0161】
【数50】

【0162】サンプル時刻tk におけるXk,trk の予測ベクトルは式(137)、式(105)及び式(106)より式(138)で与えられる。なお、先に述べたように仮説Ψk,a の元での平滑誤差共分散行列Pakは仮説Ψk,a に無関係に定まる値なので、式(140)である。
【0163】
【数51】

【0164】次に、図5の目標追尾装置の具体的な動作を説明する。なお、カルマンフィルタを目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、初期値は予め定まっているものとする。
【0165】まず、目標観測装置21は、追尾目標の位置及び属性(例えば、追尾目標の色彩等)を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データk,trk (i)と追尾目標の属性を示す属性データZk,id(i)を出力するが(追尾目標が赤色と黄色の中間色の場合でも、その中間色を示す属性データZk,id(i)を出力する)、図3に示すように、追尾目標の実際の位置がP点であっても、観測誤差等の影響で目標観測装置21の観測結果がD2やD4点等を示すことがある。また、追尾目標以外のクラッタ等を追尾目標と判定して、目標観測装置21の観測結果がD5やD6点等を示すことがある。
【0166】そこで、追尾目標の追尾精度を高めるためには、追尾目標と相関関係がある観測データk,trk (i)を選択する必要があるため、観測諸元転送装置22が、目標観測装置21から出力された観測データk,trk (i)及び属性データZk,id(i)をそれぞれ運動諸元相関器24及び属性データ推定器25に転送する。
【0167】そして、運動諸元確率分布算出器23は、式(94)を用いて、現時点より1サンプリング後の予測値Xハットk+1,trk (−)に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の平均値であるベクトルk,trk (−)を算出するとともに、現時点より1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(−)を予測誤差共分散行列Pk+1 (−)とみなし、その予測誤差共分散行列Pk+1 (−)と予め設定された観測雑音共分散行列Rk (式(84)を参照)とから、式(95)を用いて、追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk を算出する。そして、運動諸元確率分布算出器23は、式(93)を用いて、ベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSk を算出すると、図3に示すように、そのベクトルk,trk (−)と確率分布の広がりSk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布A(i)を求める。
【0168】このようにして、運動諸元確率分布算出器23が運動諸元の確率分布A(i)を求めると、運動諸元相関器24は、その運動諸元の確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdから、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk(i)を選択する。具体的には、各観測データk,trk (i)毎に式(99)の不等式が成立するか否かを判定し、不等式が成立する観測データk,trk (i)を選択する。図3の例では、D1,D2,D3,D4の位置を示す観測データk,trk (i)を選択する。
【0169】また、運動諸元相関器24により選択された観測データk,trk (i)の中から更に追尾目標と相関関係の大きい観測データk,trk (i)を選択するため、属性データ推定器25が、観測データの仮説Xk,i の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出した属性データの推定値Xハットk-1,id(i)と、現在の属性データの属性データZk,id(i)とから、式(132)を用いて、現時刻における属性データの推定値Xハットk,id(i)を算出する。
【0170】このようにして、属性データ推定器25が属性データの推定値Xハットk,id(i)を算出すると、属性相関器27は、運動諸元相関器24により選択された観測データk,trk (i)のうち、現時刻における属性データの推定値Xハットk,id(i)と予め設定された属性データの観測誤差分散σ2id から、追尾目標と相関の可能性のある観測データk,trk (i)を選択する。具体的には、式(102)の不等式が成立するか否かを判定し、不等式が成立する観測データk,trk (i)をmk 個選択するが(式(86),(87)を参照)、図4の例では、D1,D3の位置を示す観測データk,trk (i)が選択される。
【0171】そして、運動モデル毎の観測誤差評価器41は、現時点より1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測値Xハットak,trk(−)から目標位置予測ベクトルZak,trk(−)を算出し、その目標位置予測ベクトルZak,trk(−)と、現時点より1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(−)と、予め設定された観測雑音共分散行列Rk とから、式(94)を用いて、各運動モデルに対する観測ベクトルの合致度である観測誤差の評価値gを算出する(式(128)を参照)。
【0172】そして、信頼度算出器42は、運動モデル毎の観測誤差評価器41が観測誤差の評価値gを算出すると、現時点より1サンプリング前に算出した各運動モデルに対する信頼度βbk-1と、予め設定された推移確率Pabと、観測誤差の評価値gとから、式(126)を用いて、観測データと各運動モデルの信頼度βa,bk,iをそれぞれ算出する。そして、複数運動モデル統合型平滑器44は、信頼度算出器42が観測データと各運動モデルの信頼度βa,bk,iをそれぞれ算出すると、現時点より1サンプリング前に算出した平滑値Xハットk,trk (−)と、信頼度βa,bk,iと、予め設定された定数加速度ベクトルαa と(式(79)を参照)、ゲイン行列Kk とから、式(133)を用いて、平滑値Xハットk,trk (+)を算出する。
【0173】このようにして、複数運動モデル統合型平滑器44が平滑値Xハットk,trk (+)を算出すると、運動モデル毎の予測器48は、平滑値Xハットk,trk (+)から、式(105)を用いて、現時点より1サンプリング後の運動モデル毎の予測値Xハットak+1,trk(−)を算出し、動モデル毎の予測値Xハットak+1,trk(−)を第5の遅延回路49を介して運動モデル毎の観測誤差評価器41に出力する。
【0174】一方、複数運動モデル統合型予測器50は、平滑値Xハットk,trk (+)と、信頼度βa,bk,iと、予め設定された推移確率Pabとから、式(138)を用いて、現時点より1サンプリング後の予測値Xハットk+1,trk (−)を算出する。これにより、追尾目標の次サンプリング時の位置は、Xハットk+1,trk (−)であると推定される。
【0175】なお、運動モデル毎の平滑誤差評価器46は、現時点より1サンプリング前に算出した運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(−)とゲイン行列Kk とから、式(110)を用いて、運動モデル毎の平滑値ハットak,trk(+)の平滑誤差の評価値である運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)を算出し、運動モデル毎の予測誤差評価器47は、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)を平滑誤差共分散行列Pk (+)とみなし、その平滑誤差共分散行列Pk (+)と、駆動雑音共分散行列Qk とから、式(106)を用いて、サンプリング時刻tk+1 における運動モデル毎の予測値Xハットak+1,trk(+)の予測誤差の評価値である運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(+)を算出し、運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(+)を第3の遅延回路32を介して運動モデル毎の観測誤差評価器41に出力する。
【0176】以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合するように構成したので、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、追尾目標が等速直線運動以外の運動をしたときも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果を奏する。
【0177】実施の形態4.図7はこの発明の実施の形態4による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。61は信頼度算出器42により算出された各運動モデルの信頼度βakと、観測データと各運動モデルの信頼度βak,iと、ゲイン行列算出器33により算出されたゲイン行列Kk と、予め設定された定数加速度ベクトルαa と、運動モデル毎の平滑誤差評価器46により算出された運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)とから、平滑誤差の評価である平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出する複数運動モデル統合型平滑誤差評価器である。
【0178】次に動作について説明する。上記実施の形態3では、運動モデル毎の予測誤差評価器47が、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)を平滑誤差共分散行列Pk (+)とみなし、その平滑誤差共分散行列Pk (+)に基づいて運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(+)を算出するものについて示したが、追尾目標の加速度運動によって追尾目標の運動ベクトルが一意的に定まらないことにより平滑誤差が大きくなることがある。
【0179】そこで、この実施の形態4では、追尾目標の加速度運動によって追尾目標の運動ベクトルが一意的に定まらないことにより、平滑誤差共分散行列を増加させる諸元を算出して、その諸元を複数の運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に加算する。即ち、複数運動モデル統合型平滑誤差評価器61が、信頼度算出器42により算出された各運動モデルの信頼度βakと、観測データと各運動モデルの信頼度βak,iと、ゲイン行列Kk と、予め設定された定数加速度ベクトルαa と、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)とから、式(151)の右辺第2項〜第4項を算出する。
【0180】そして、複数運動モデル統合型平滑誤差評価器61は、その算出結果を運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pak(+)に加算して、平滑誤差の評価である平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出し、その平滑誤差共分散行列Pk (+)を運動モデル毎の予測誤差評価器47に出力する。これにより、運動ベクトルが一意的に定まらない場合でも、平滑誤差の評価である平滑誤差共分散行列Pk (+)を精度よく算出することができる効果を奏する。
【0181】
【数52】

【数53】

【数54】

【数55】

【0182】実施の形態5.図8はこの発明の実施の形態5による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。62は信頼度算出器42により算出された各運動モデルの信頼度βakと、予め設定された推移確率Pabと、予め設定された定数加速度ベクトルαa と、運動モデル毎の予測誤差評価器47により算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(−)とから、予測誤差の評価である予測誤差共分散行列Pk+1 (−)を算出する複数運動モデル統合型予測誤差評価器である。
【0183】次に動作について説明する。上記実施の形態3では、運動諸元確率分散算出器23が、運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(−)を予測誤差共分散行列Pk+1 (−)とみなし、その予測誤差共分散行列Pk+1 (−)に基づいて運動諸元の確率分布の広がりSk を算出するものについて示したが、追尾目標の加速度運動によって追尾目標の運動ベクトルが一意的に定まらないことにより予測誤差が大きくなることがある。
【0184】そこで、この実施の形態5では、追尾目標の加速度運動によって追尾目標の運動ベクトルが一意的に定まらないことにより、予測誤差共分散行列を増加させる諸元を算出して、その諸元を複数の運動モデル毎の予測誤差共分散行列に加算する。即ち、複数運動モデル統合型予測誤差評価器62が、信頼度算出器42により算出された各運動モデルの信頼度βakと、予め設定された推移確率Pabと、予め設定された定数加速度ベクトルαa とから、式(169)の右辺第2項を算出する。
【0185】そして、複数運動モデル統合型予測誤差評価器62は、その算出結果を運動モデル毎の予測誤差評価器47により算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pak+1(−)に加算して、予測誤差の評価である予測誤差共分散行列Pk+1 (+)を算出し、その予測誤差共分散行列Pk+1 (+)を第7の遅延回路51を介して運動諸元確率分布算出器23に出力する。これにより、運動ベクトルが一意的に定まらない場合でも、予測誤差の評価である予測誤差共分散行列Pk+1 (+)を精度よく算出することができる効果を奏する。
【0186】
【数56】

【数57】

【数58】

【数59】

【数60】

【0187】実施の形態6.上記実施の形態4では、複数運動モデル統合型平滑誤差評価器61を設け、上記実施の形態5では、複数運動モデル統合型予測誤差評価器62を設けたものについて示したが、図9に示すように、複数運動モデル統合型平滑誤差評価器61と複数運動モデル統合型予測誤差評価器62の双方を設けるようにしてもよい。
【0188】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、位置相関手段から出力された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果がある。
【0189】この発明によれば、観測手段から出力された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果がある。
【0190】この発明によれば、観測手段から出力された現在の属性データと前回の推定結果から属性データを推定するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、相関関係がある観測データを選択することができる効果がある。
【0191】この発明によれば、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合するように構成したので、追尾目標が等速直線運動以外の運動をしたときも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果がある。
【0192】この発明によれば、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて平滑誤差の評価値を演算するように構成したので、運動ベクトルが一意的に定まらない場合でも、平滑誤差の評価値を精度よく算出することができる効果がある。
【0193】この発明によれば、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて予測誤差の評価値を演算するように構成したので、運動ベクトルが一意的に定まらない場合でも、予測誤差の評価値を精度よく算出することができる効果がある。
【0194】この発明によれば、位置相関ステップで選択された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果がある。
【0195】この発明によれば、観測ステップで観測された観測データに係る属性データと推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果がある。
【0196】この発明によれば、現在の属性データと前回の推定結果から属性データを推定するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、相関関係がある観測データを選択することができる効果がある。
【0197】この発明によれば、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合するように構成したので、追尾目標が等速直線運動以外の運動をしたときも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果がある。
【0198】この発明によれば、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて平滑誤差の評価値を演算するように構成したので、運動ベクトルが一意的に定まらない場合でも、平滑誤差の評価値を精度よく算出することができる効果がある。
【0199】この発明によれば、追尾目標の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて予測誤差の評価値を演算するように構成したので、運動ベクトルが一意的に定まらない場合でも、予測誤差の評価値を精度よく算出することができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開平11−271437
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−72606