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【発明の名称】 マイクロ波検出器
【発明者】 【氏名】杉浦 岳彦

【要約】 【課題】前方と後方から入射するマイクロ波を、受信方向とともに検出できるマイクロ波検出器を提供すること【解決手段】 指向方向が反対を向いた前方用/後方用アンテナの出力を、それぞれ各ミキサダイオード8a,8bにて発振周波数の異なる前方用/後方用第1局部発振回路7a,7bの出力と周波数混合し、両ミキサダイオードの出力を第2ミキサ10cに与え、そこにおいてスイープ動作する第2局部発振器10bの出力と周波数混合する。これにより、第2局部発振回路のスイープ範囲のうち、前方用アンテナからの出力信号の検出領域と、後方アンテナからの出力信号の検出領域を分離させることができるので、マイクロ波を検出した際の第2局部発振回路のスイープ位置情報に基づいて検出したマイクロ波が前方・後方のいずれからのものかを判断する機能を設けた。

【解決手段】指向方向が反対を向いた前方用/後方用アンテナの出力を、それぞれ各ミキサダイオード8a,8bにて発振周波数の異なる前方用/後方用第1局部発振回路7a,7bの出力と周波数混合し、両ミキサダイオードの出力を第2ミキサ10cに与え、そこにおいてスイープ動作する第2局部発振器10bの出力と周波数混合する。これにより、第2局部発振回路のスイープ範囲のうち、前方用アンテナからの出力信号の検出領域と、後方アンテナからの出力信号の検出領域を分離させることができるので、マイクロ波を検出した際の第2局部発振回路のスイープ位置情報に基づいて検出したマイクロ波が前方・後方のいずれからのものかを判断する機能を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 指向方向が反対を向いた前方用アンテナ及び後方用アンテナと、前記前方用アンテナの出力と前方用第1局部発振回路の出力を前方用第1ミキサで周波数混合する前方受信系と、前記後方用アンテナの出力と後方用第1局部発振回路の出力を後方用第1ミキサで周波数混合する後方受信系と、前記前方受信系と前記後方受信系の出力を択一的に選択する選択手段と、前記選択手段により選択された受信系の出力に対し、第2局部発振回路から出力されるスイープ信号を周波数混合させる第2ミキサと、前記第2ミキサの出力に基づいて検出対象のマイクロ波の有無を判断する判定手段と、その判定手段が前記検出対象のマイクロ波を検出したときに警報を出力する警報手段とを備え、前記判定手段は、前記選択手段に対して与えられる切替信号から、どちらの受信系で受信した信号かを認識し、前記検出したマイクロ波が前方・後方のいずれからのものかを判断する判断機能をさらに備えたことを特徴とするマイクロ波検出器。
【請求項2】 指向方向が反対を向いた前方用アンテナ及び後方用アンテナと、前記前方用アンテナの出力と前方用第1局部発振回路の出力を前方用第1ミキサで周波数混合する前方受信系と、前記後方用アンテナの出力と後方用第1局部発振回路の出力を後方用第1ミキサで周波数混合する後方受信系と、前記前方受信系の出力と、前記後方受信系の出力と、第2局部発振回路から出力されるスイープ信号を周波数混合させる第2ミキサと、前記第2ミキサの出力に基づいて検出対象のマイクロ波の有無を判断する判定手段と、その判定手段が前記検出対象のマイクロ波を検出したときに警報を出力する警報手段とを備え、前記前方用第1局部発振回路と、前記後方用第1局部発振回路の発振周波数を異ならせ、前記第2局部発振回路のスイープ範囲のうち、前記前方受信系の出力信号の検出領域と、前記後方受信系の出力信号の検出領域を分離させ、前記判定手段は、前記マイクロ波を検出した際の前記第2局部発振回路のスイープ位置情報に基づいて前記検出したマイクロ波が前方・後方のいずれからのものかを判断する判断機能をさらに備えたことを特徴とするマイクロ波検出器。
【請求項3】 前記警報手段は、前記検出したマイクロ波が前方用アンテナと後方用アンテナのいずれで受信した信号かを区別できる報知出力を発生するようにした請求項1または2に記載のマイクロ波検出器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、計測機器などから発せられるマイクロ波を検出して報知するマイクロ波検出器に関し、特に、前方から到来するマイクロ波だけでなく後方から到来するマイクロ波も同様に検出するための技術改良に関する。
【0002】
【発明の背景】レーダー式スピード測定器から発射されたマイクロ波を検出してアラームを発するように構成されたマイクロ波検出器が従来から知られている。この種のマイクロ波検出器はスーパーヘテロダイン式受信回路を中心とし、これにより所定の帯域のマイクロ波を弁別したときにブザーやLEDランプなどによってアラームを発生する構成となっている。
【0003】受信アンテナとしては一般にホーンアンテナが使用されている。そのホーンアンテナのスロート部の給電点にミキサダイオードが設置される。またホーンアンテナのスロート部の奥に局部発振室が連通しており、その室に局部発振回路を構成するマイクロ波回路が実装される。
【0004】この種のマイクロ波検出器は主に自動車に装備され、自動車が進行する前方からの目的電波(マイクロ波)をキャッチするという目的で使用されている。この場合、前記ホーンアンテナを自動車の前方に向けてマイクロ波検出器を設置する。ところが最近では、監視車両にレーダー式スピード測定器を装備し、走行しながら他の自動車のスピードを測定することも行われるようになってきた。この場合は、測定対象の自動車からみると、測定用のマイクロ波が自動車の後方から照射されることになる。そのため、ホーンアンテナを前方に向けて設置したマイクロ波検出器ではほとんど検出することができない。
【0005】そこで、反対方向を向いて開口した2つのホーンアンテナを設け、検出回路の共通化及び小型化を図るために、両ホーンアンテナのそれぞれのスロート部の奥を共通の局部発振室に連通させる構造をとることを考えた。
【0006】すると、局部発振室内の検出回路の共通化を図りつつ、前方検出用のホーンアンテナと、後方検出用のホーンアンテナのいずれでマイクロ波を受信したかを検出したいという要求が出てきた。
【0007】本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、前方だけでなく反対の後方から入射するマイクロ波を高感度に検出できるマイクロ波検出器をできるだけ安価に製作することができ、しかも、前方/後方のどちらの方向からのマイクロ波かを簡単かつ正確に識別することのできるマイクロ波検出器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明に係るマイクロ波検出器では、指向方向が反対を向いた前方用アンテナ及び後方用アンテナと、前記前方用アンテナの出力と前方用第1局部発振回路の出力を前方用第1ミキサ(実施の形態では、「前方用ミキサダイオード8a」により実現される)で周波数混合する前方受信系と、前記後方用アンテナの出力と後方用第1局部発振回路の出力を後方用第1ミキサ(実施の形態では、「後方用ミキサダイオード8b」により実現される)で周波数混合する後方受信系と、前記前方受信系と前記後方受信系の出力を択一的に選択する選択手段(実施の形態では「切り替えスイッチ10a」により実現されている)と、前記選択手段により選択された受信系の出力に対し、第2局部発振回路から出力されるスイープ信号を周波数混合させる第2ミキサと、前記第2ミキサの出力に基づいて検出対象のマイクロ波の有無を判断する判定手段(実施の形態では、検波器10e,信号識別回路10f及び制御器CPU10g等により実現されている)と、その判定手段が前記検出対象のマイクロ波を検出したときに警報を出力する警報手段とを備えた。そして、前記判定手段は、前記選択手段に対して与えられる切替信号から、どちらの受信系で受信した信号かを認識し、前記検出したマイクロ波が前方・後方のいずれからのものかを判断する判断機能をさらに備えて構成した(請求項1)。そして、この発明は、第1の実施の形態により実現されている。
【0009】また、別の解決手段としては、指向方向が反対を向いた前方用アンテナ及び後方用アンテナと、前記前方用アンテナの出力と前方用第1局部発振回路の出力を前方用第1ミキサで周波数混合する前方受信系と、前記後方用アンテナの出力と後方用第1局部発振回路の出力を後方用第1ミキサで周波数混合する後方受信系と、前記前方受信系の出力と、前記後方受信系の出力と、第2局部発振回路から出力されるスイープ信号を周波数混合させる第2ミキサと、前記第2ミキサの出力に基づいて検出対象のマイクロ波の有無を判断する判定手段と、その判定手段が前記検出対象のマイクロ波を検出したときに警報を出力する警報手段とを備えた。そして、前記前方用第1局部発振回路と、前記後方用第1局部発振回路の発振周波数を異ならせ、前記第2局部発振回路のスイープ範囲のうち、前記前方受信系の出力信号の検出領域と、前記後方受信系の出力信号の検出領域を分離させる。さらに、前記判定手段は、前記マイクロ波を検出した際の前記第2局部発振回路のスイープ位置情報に基づいて前記検出したマイクロ波が前方・後方のいずれからのものかを判断する判断機能をさらに備えるようにした(請求項2)。そして、この発明は、第2の実施の形態により実現されている。
【0010】そして、上記した各実施の形態を前提とし、前記警報手段は、前記検出したマイクロ波が前方用アンテナと後方用アンテナのいずれで受信した信号かを区別できる報知出力を発生するように構成するとより好ましい(請求項3)。
【0011】
【発明の実施の形態】図1,図2は、本発明に係るマイクロ波検出器の一実施の形態の構造を示している。同図に示すように、立体回路ブロック1は、下面が開口したアルミダイキャスト製の偏平な形態からなる立体回路部品2と、その立体回路部品2の下面開口部に取り付けられたプリント配線板3の上面に形成された金属膜(銅箔)4とにより構成される。
【0012】立体回路ブロック1には、互いに反対方向を向いて開口した2つのホーンアンテナ5a,5bが形成されており、両ホーンアンテナ5a,5bのそれぞれのスロート部の奥は共通の局部発振室6に連通している。ここで、ホーンアンテナ5aを前方からのマイクロ波を受信するものとし、ホーンアンテナ5bを後方からのマイクロ波を受信するためのものとする。なお、この検出方向は以下の説明をする上での便宜上付したものであり、構造的にはどちらも等しいものとしている。
【0013】一方、局部発振室6の中央には、FETや誘電体共振子などからなる第1局部発振回路7が配設されている。また、2つのホーンアンテナ5a,5bのスロート部にはそれぞれミキサダイオード8a,8bが配設されている。つまり、ミキサダイオード8aが前方用で、ミキサダイオード8bが後方用となる。
【0014】そして、これら2つのミキサダイオード8a,8bからの混合出力が、信号処理回路10に与えられ、そこにおいて第2局部発信回路の出力信号とさらに混合されるとともに、中間周波増幅や検波処理を行い、条件に合致する特定信号を検出したときに警報装置13に対して検出信号を送り、そこにおいて所定の警報出力をするようにしている。なお、実際には信号処理回路10の一部または全部は、プリント配線板3にて構成されるようになっている。もちろん、別回路で構成してもよい。
【0015】ここで本発明では、図2に示すように、第1局部発信回路7として前方用第1局部発振回路7aと、後方用第1局部発振回路7bを別途形成し、それら前方・後方用第1局部発振回路7a,7bをそれぞれ前方・後方用ミキサダイオード8a,8bに連結している。そして、両第1局部発振回路7a,7bは連続発振している(断続でも可)。
【0016】また、信号処理回路10は、入力側に上記前方・後方用ミキサダイオード8a,8bを択一的に選択する切り替えスイッチ10aを備え、その切り替えスイッチ10aを介して送られてくる前方或いは後方からの受信信号に基づく混合信号と、第2局部発振回路10bから出力される信号と第2ミキサ10cにて周波数混合する。
【0017】第2ミキサ10cの出力信号は、中間周波帯域増幅器10dに与えられ、そこにおいて所定周波帯域の信号を増幅し、検波器10eに与える。そして検波器10eは、所定周波数の信号を検出するようになっている。つまり、本形態では、第2局部発振回路10bはVCOからなり、掃引電圧に基づいて所定の周波数範囲で繰り返しスイープする。従って、検出対象の周波数の信号が受信されると、スイープ中の第2局部発振回路10bの出力信号の周波数が所定のときに第2ミキサ10の出力ひいては検波器10eの出力にピーク信号が現れる。従って、信号識別回路10fでは、例えばしきい値処理することにより、上記ピーク信号が入力されたときのみパルス信号を出力するようにする。
【0018】そして、係るパルス信号が制御器マイコン10gに与えられ、その制御器マイコン10gでは、パルス信号の受信の有無及び受信間隔などに基づいて検出対象とするマイクロ波を受信したか否かを判断し、受信したと判断した場合には警報回路13aに警報命令を送るようになっている。なお、係る所定のマイクロ波の検出アルゴリズムは従来のものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0019】また、警報装置13を構成する警報回路13aは、制御マイコン10gから受ける警報命令にしたがってスピーカー13bをならし、使用者に報知するようになっている。
【0020】さらに、制御器マイコン10gは、切り替えスイッチ10aに対する切り替え制御並びにVCOからなる第2局部発振回路10bに対して掃引電圧を与える機能も有している。係る構成にすると、制御器マイコン10gが切り替えスイッチ10aに対する切り替え制御信号を出力しているので、現在どちらのホーンアンテナから受信した信号に基づいて検波処理しているかがわかっている。従って、制御器マイコン10gは、信号識別回路10fから受け取ったパルス信号が、前方/後方のいずれの方向からのマイクロ波に基づくものかを容易に弁別できる。
【0021】そして、そのように方向がわかったならば、その方向の情報とともに検出信号を警報回路13aに送る。警報回路13aでは、検出方向の情報に応じて報知態様を変えて報知出力する。一例を示すと、音の高さを変えたり、ブザーの種類を変えたり、音声の場合には「前方(後方)から受信しました」などの様にアナウンスの内容を変えたりすることにより対応できる。さらには、ランプなど他の報知媒体と兼用することもできる。
【0022】図3,図4は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第1の実施の形態と同様に、前方用と後方用にそれぞれ独立した第1局部発振回路7′a,7′bを設けている点では共通するものの、発振周波数を変えている。具体的には、前方用第1局部発振回路7′aの発振周波数を11.550GHzとし、後方用第1局部発振回路7′bの発振周波数を11.600GHzとした。
【0023】そして、信号処理回路も第1の実施の形態と相違して切り替えスイッチを設けることなく前方用,後方用ミキサダイオード8a,8bから出力される混合信号をそのまま1つの第2ミキサ10cに与え、両混合信号を同時に第2局部発振回路10bから出力される信号と混合するようにしている。さらに、第2局部発振回路10bは、1000MHz〜1100MHzの間を繰り返しスイープするようにしている。
【0024】このように構成すると、検出対象のマイクロ波の周波数は前方/後方いずれのものも10.525GHzであるが、混合する周波数が異なるためミキサダイオード8a,8bから出力される混合信号の周波数は前方用のホーンアンテナ5aで受信した信号に基づくものと、後方用のホーンアンテナ5bで受信した信号に基づくものとで相違する。従って、前方からのマイクロ波は、第2局部発振回路10bから出力されるスイープ信号のうち、1000〜1050MHzの周波数領域のときに受信・検波されて信号識別回路10fから検出パルス信号が出力される。また、前方からのマイクロ波は、第2局部発振回路10bから出力されるスイープ信号のうち、1050〜1100MHzの周波数領域のときに受信・検波されて信号識別回路10fから検出パルス信号が出力される(図4参照)。
【0025】そして、制御器マイコン10gは、検出パルス信号を受信したときの第2局部発振器10bの発振周波数(掃引電圧)がわかっているので、どちらの方向からの受信信号かを識別できる。なお、図4に示すスイープ波形は、マイクロ波を検出した場合にスイープを一時停止するタイプの例としたため図示のように出力が一定のときに検出しているとわかるが、本発明では必ずしも一時停止するタイプに限らない。
【0026】なおまた、上記した実施の形態では、図1に示したようにホーンアンテナなどを立体回路部品2とプリント配線基板3上に形成した金属膜4とによって構成するタイプに適用した例について説明したが、本発明はこれに限ることはなく、例えばホーンアンテナ等を立体回路部品のみにより形成することもできる。つまり、一例としてはアルミダイキャストなどにより半割りした上側立体回路部品と下側立体回路部品を形成し、それらを接合することにより構成できる。さらにはアンテナの構造はこのホーンアンテナに限ることはなく、要は、前方及び後方からのいずれのマイクロ波も受信できるようになっていればよいのである。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明に係るマイクロ波検出器では、指向方向を逆方向とした2つのアンテナを設けたため、前方だけでなく反対の後方から入射するマイクロ波を高感度に検出できる。そして、選択手段(切り替えスイッチ)により択一的に判断対象とする受信信号を切り替えれば、マイクロ波を検出したときに選択手段が選択した受信系で受信したことになるので、その受信方向を容易かつ正確に識別できる。また前方受信系と後方受信系における局部発振回路の発振周波数を異ならせておけば、発振周波数がスイープする第2局部発振器における感知領域が前方と後方で異ならせることができる。これにより、マイクロ波を検出したときに第2局部発振器の出力(掃引電圧によって判断することもできる)がどの周波数領域にあるかを検出することにより、その受信方向を容易かつ正確に識別できる。
【出願人】 【識別番号】391001848
【氏名又は名称】ユピテル工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
【公開番号】 特開平11−271422
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−96894