| 【発明の名称】 |
追尾受信装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石津 忠明
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| 【要約】 |
【課題】空中線の指向精度が、受信信号の周波数偏移に依存しない追尾受信装置を得ることを目的とする。
【解決手段】外部からの制御信号で出力周波数を変化させる電圧制御型信号発生器24を設け、目標物との相対速度差情報に基づいて衛星内もしくは地上に配した演算処理装置にて生成した周波数制御信号を取り込み、本周波数制御信号によって電圧制御型信号発生器24の出力周波数を変化させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 目標物が発信する電波の基本伝搬モードを基準信号、高次伝搬モードを誤差信号として空中線から受け、この基準信号に対する誤差信号の相対受信レベルから位相差、振幅差を検出して空中線の指向角度誤差信号を生成し、上記指向角度誤差信号に基づいて空中線の指向方向を制御する追尾受信装置において、上記誤差信号を0−π/2位相に分ける直交位相分波器と、上記分波された誤差信号を交互に選択するスイッチ回路と、上記選択された誤差信号に0−π変調を施す2相PSK変調器と、上記0−π変調が施された誤差信号と基準信号とを合成する結合器と、上記合成された信号を低周波数域に変換する周波数変換器及び局部信号発生器と、上記低周波数域に変換された信号に重畳されている雑音を除去するバンドパスフィルタと、上記雑音が除去された合成信号をAM検波する電圧検出器と検出電圧をもとにして利得を可変する可変増幅器(又は可変減衰器)からなる自動利得制御回路と、上記AM検波した合成信号の直流成分を除去するコンデンサと、上記直流成分が除去された合成信号から誤差信号を検出する同期検波器と、上記同期検波された誤差信号をアジマス(Az)方向とエレベーション(El)方向の誤差信号に切り替えるスイッチ回路と、上記Az誤差信号及びEl誤差信号の直流成分をそれぞれ抽出する2つのローパスフィルタと、上記0−π変調及び同期検波のための変調信号を発生するクロック信号発生器と、上記クロック信号発生器の出力の一部を分周する周波数分周器と、目標物との相対速度差に基づいて周波数制御信号を生成し、上記周波数制御信号により上記局部信号発生器の出力周波数を変化させる手段とを設けたことを特徴とする追尾受信装置。 【請求項2】 目標物が発信する電波の基本伝搬モードを基準信号、高次伝搬モードを誤差信号として空中線から受け、この基準信号に対する誤差信号の相対受信レベルから位相差、振幅差を検出して空中線の指向角度誤差信号を生成し、上記指向角度誤差信号に基づいて空中線の指向方向を制御する追尾受信装置において、上記誤差信号を0−π/2位相に分ける直交位相分波器と、上記分波された誤差信号を交互に選択するスイッチ回路と、上記選択された誤差信号に0−π変調を施す2相PSK変調器と、上記0−π変調が施された誤差信号と基準信号とを合成する結合器と、上記合成された信号を低周波数域に変換する周波数変換器及び局部信号発生器と、上記低周波数域に変換された信号に重畳されている雑音を除去するバンドパスフィルタと、上記雑音が除去された合成信号をAM検波する電圧検出器と検出電圧をもとにして利得を可変する可変増幅器(又は可変減衰器)からなる自動利得制御回路と、上記AM検波した合成信号の直流成分を除去するコンデンサと、上記直流成分が除去された合成信号から誤差信号を検出する同期検波器と、上記同期検波された誤差信号をアジマス(Az)方向とエレベーション(El)方向の誤差信号に切り替えるスイッチ回路と、上記Az誤差信号及びEl誤差信号の直流成分をそれぞれ抽出する2つのローパスフィルタと、上記0−π変調及び同期検波のための変調信号を発生するクロック信号発生器と、上記クロック信号発生器の出力の一部を分周する周波数分周器と、上記バンドパスフィルタへ入力する信号の一部と上記バンドパスフィルタからの出力信号の一部を取り出し、上記バンドパスフィルタの通過により発生する位相差を検出し、この位相差に対応して上記局部信号発生器の出力周波数を変化させる手段とを設けたことを特徴とする追尾受信装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は空中線の自動追尾受信装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、空中線を自動的に目標物(例えば人工衛星)に指向させる自動追尾方式の一つにモノパルス方式があり、この種の装置として、図3に示すものがあった。本方式では空中線の後ろに備え付けられた高次モード結合器において、空中線のAz(アジマス)方向及びこれと直交するEl(エレベーション)方向に対する指向誤差に応じて高次モードを検出して誤差信号とし、基準信号となる基本モード信号と個別に図3の装置に向けて送出する。図3において、1は基準信号入力端子、2は誤差信号入力端子、3は直交位相分波器、4は第一のスイッチ回路、5は2相PSK変調器、6は結合器、7はクロック発生回路、8は周波数分周器、9は局部信号発生器、10は周波数変換器、11はバンドパスフィルタ、12は自動利得制御回路、13は可変増幅器または可変減衰器、14は電圧検波器、15は直流成分除去のためのコンデンサ、16は同期検波器、17は第二のスイッチ回路、18は第一のローパスフィルタ、19は第二のローパスフィルタ、20はAz誤差信号出力端子、21はEl誤差信号出力端子である。 【0003】次に動作について説明する。空中線に入力した通信信号またはビーコン信号波は、後段に置かれた高次モード結合器にて受信信号レベルに比例した基本モード信号(基準信号)と、空中線の指向誤差に応じて発生する高次モード信号(誤差信号)に分離され、基準信号は基準信号入力端子1に、誤差信号は誤差信号入力端子2にそれぞれ印加される。この際、例えば空中線のAz方向にのみ指向誤差があるとき、基準信号と誤差信号の入力位相が同相(位相差なし)に、またEl向にのみ指向誤差があるとき、基準信号と誤差信号の入力位相が直交(位相差π/2)となるように入力位相を合わせておく。基準信号と上記誤差信号の関係をベクトル表示にて図4に示す。次に誤差信号は、直交位相分波器3にて同相成分(0ラジアン)と直交成分(π/2ラジアン)に2分割され、クロック信号発生器7からのクロック信号を周波数分周器8にて1/nに分周した長周期切り替え信号により、第一のスイッチ回路4にて交互に選択され後段に送られる。そして更に2相PSK変調器(0−π変調器)5において、クロック信号発生器7からの短周期切り替え信号にて0−π変調が施される。これをベクトル表示にて図4(b)に示す。上記変調された誤差信号は、0〜2π可変移相器を経て結合器6に送られ、同じく結合器6に入力した上記基準信号と合成され、誤差信号による基準信号のAM変調波となる。このAM変調波の包絡線の様子を図4(C)に示す。 【0004】図4のように上記AM変調波は、クロック信号発生器7からの単周期タイミングと、周波数分周器8にて1/mに分周された長周期タイミングごとに0−π変調に伴う誤差信号と基準信号とのベクトル和の振幅変化を示し、長周期タイミングでは交互にAz方向、El方向の指向誤差値を表している。上記結合器6にて合成され単一チャンネル化された受信信号は、周波数変換器10にて局部信号発生器9からの信号と掛け合わされて低周波域に返還された後、バンドパスフィルタ11にて帯域外雑音が除去され自動利得制御回路12に入力する。自動利得制御回路12では、本装置への入力信号レベルの変動にともなって変化する単一チャンネル化された受信信号レベルを電圧検出器14によって検出し、この電圧値に応じて可変増幅器(または可変減衰器)13の利得量(または減衰量)を変化させ、常に一定の値に保っている。また、電圧検出器14の出力の一部はコンデンサ15にて直流成分が除去された後同期検波器16に送られ、上記クロック信号発生器7からの切り替え信号によって、上記AM変調信号の振幅成分を同期検波する。更に第二のスイッチ回路17では上記周波数分周器8からの切り替え信号によって、第一のスイッチ回路4と同じタイミングで切り替え、上記復調信号を第一のローパスフィルタ18と第二のローパスフィルタ19の各入力端子に振り分ける。第一のローパスフィルタ18と第二のローパスフィルタ19では、上記第二のスイッチ回路17にて振り分けられたパルス状のAz方向誤差信号とEl方向誤差信号を平滑化して直流電圧値とし、Az誤差信号出力端子20とEl誤差信号出力端子21より送出する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来の追尾受信装置は以上のように構成されているが、例えば本装置が人工衛星等の移動体に搭載、もしくは空中線を指向させる目標電波発生源が人工衛星等の移動体であると、受信信号周波数が相対速度差によるドップラー効果によって偏移する場合がある。従来の追尾受信装置においては、受信信号に重畳している帯域外雑音を除去するために低周波数域にバンドパスフィルタが設置されているが、受信信号周波数の偏移にともない周波数変換器によって変換された周波数も偏移し、本来通過させる信号波がバンドパスフィルタの阻止域で減衰してしまい、等価的に信号対雑音電力比が低下するため後段でのAz及びEl方向誤差信号の検出感度が劣化し、結果として空中線の指向精度の低下や指向不能となる欠点があった。 【0006】本発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、空中線の指向精度が、受信信号の周波数偏移に依存しない追尾受信装置を得ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】第1の発明による追尾受信装置は、局部信号発生器を外部からの制御信号で出力周波数を変化させる電圧制御型信号発生器とし、目標物との相対速度差情報に基づいて衛星内もしくは地上に配した演算処理装置にて生成した周波数制御信号を取り込み、本周波数制御信号によって電圧制御型信号発生器の出力周波数を変化させる手段を設ける。 【0008】また、第2の発明の追尾受信装置は、バンドパスフィルタヘ入力する信号の一部と、バンドパスフィル夕からの出力信号の一部を取り出し、バンドパスフィルタの通過により発生する位相差を検出し、この信号により局部信号発生器の出力周波数を変化させる手段を設ける。 【0009】 【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1を示す図であり、図において1〜8、10〜21は図3と同一のものである。22は周波数制御信号入力端子、23は制御信号/電圧変換器、24は電圧制御型局部信号発生器である。 【0010】次に実施の形態1の詳細な動作説明を行う。基本的な動作は図3の従来例と同様である。人工衛星や宇宙空間での輸送を目的とした宇宙機においては、その周回(飛行)速度が予め決められており、更に定期的に軌道(飛行)位置をレンジング信号を用いて測位してるため、精度の高い速度情報が得られる。これより本装置が搭載される人工衛星または宇宙機の既知の移動速度と、空中線を指向させる人工衛星等の目標電波発生源の既知の移動速度の相対速度差に基づき、ドップラー効果による周波数偏移を衛星内もしくは地上に配した演算処理装置にて計算し、この結果を周波数制御信号入力端子22より取り込む。周波数制御信号入力端子22より取り込む信号を周波数偏移量の大小および正負に応じたディジタルシリアルデータとすると、制御信号/電圧変換器23において一度シリアルディジタル/パラレルディジタル変換され、その後ディジタル/アナログ変換される。そしてアナログ値へ変換された周波数制御信号は、後段の電圧制御型局部信号発生器24へ送られる。電圧制御型局部信号発生器24では、制御信号/電圧変換器23から出力されるアナログ電圧値に従って発生周波数を変化させるが、制御信号/電圧変換器23において周波数偏移が正で大きい値の場合に正の大きいアナログ電圧値を生成すれば、電圧制御型局部信号発生器24の出力周波数は、この制御電圧にしたがって高いほうへ変化する。そして電圧制御型局部信号発生器24からの局部信号は、周波数変換器10においてドップラー効果による周波数偏移をうけた受信信号と掛け合わされる。ここで局部信号周波数もドップラー効果による速度差に基づいて高い周波数へ変化しているため、低周波数域に変換された信号は常に一定の周波数となる。これよりバンドパスフィルタ11では受信信号は常に通過帯域の中心となるため、帯域外雑音のみが除去される。 【0011】実施の形態2.図2は、この発明の実施の形態2を示す図であり、図において1〜8、10〜21は図1及び図3と、24は図1と同一のものである。25は移相器、26は位相検波器、27は第三のローパスフィルタ、28は電圧増幅器である。 【0012】次に実施の形態2の詳細な動作説明を行う。実施の形態1においては、本装置が搭載される人工衛星や宇宙機と、目標物との相対速度差による周波数偏移情報を外部からの制御信号として取り込んでいるが、この制御信号を取り込まなくても周波数偏移を検出することができる。基本的な動作は図3の従来例と同様である。結合器6にて合成され単一チャンネル化された受信信号は、周波数変換器10にて電圧制御型局部信号発生器24からの信号と掛け合わされて低周波域に返還された後、バンドパスフィルタ11に入力する。今、目標物との相対速度差がゼロのとき、電圧制御型局部信号発生器24の発生信号が基準周波数になるように制御電圧を設定する。すると周波数変換器10にて低周波域に返還された受信信号の周波数は、バンドパスフィルタ11の通過帯域の中心周波数となる。このとき、バンドパスフィルタ11の入力信号と出力信号の一部を取り出し、入力信号は移相器25を経由し、また出力信号は直接に位相検波器26に入力する。位相検波器26では、移相器25を経由して取り込んだ入力信号と、バンドパスフィルタ11の出力信号の位相差を検波し検出電圧を出力する。ここで目標物との相対速度差がゼロのため、移相器25によって入力信号の位相を調整し、位相差を無くして出力電圧をゼロとしておく。一般に、フィルタでは信号が通過する際にその帯域特性によって、信号の振幅のみならず位相も変化するが、特に通過帯域端から阻止域にかけての特性変化は大きい。 【0013】ここで本装置が搭載される人工衛星や宇宙機と、目標物との相対速度差による周波数偏移が発生すると、受信信号の周波数がバンドパスフィルタ11の帯域中心からずれ、これによりバンドパスフィルタ11への入力信号の位相と出力信号位相に差が生じる。そして位相検波器26において位相差が検波され、検出電圧が出力される。出力された位相差検出電圧は、第三のローパスフィルタ27にて高周波成分が除去され、電圧増幅器28にて電圧制御型局部信号発生器24の制御電圧として適した値まで電圧増幅される。電圧制御型局部信号発生器24では、上記電圧増幅器28からの制御電圧値に従って発生周波数を変化させる。電圧制御型局部信号発生器24からの局部信号は、周波数変換器10において受信信号と掛け合わされるが、局部信号周波数はドップラー効果による速度差に基づいて変化しているため、低周波数域に変換された受信信号は常にバンドパスフィルタ11の中心周波数となるように制御され、帯域外雑音のみが除去される。 【0014】 【発明の効果】第1の発明によれば、局部信号発生器を外部からの制御信号で出力周波数を変化させる電圧制御型信号発生器とし、目標物との相対速度差情報に基づいた周波数制御信号を取り込み、局部信号発生器の出力周波数を変化させるようにしたため、受信信号周波数がドップラー効果によって偏移しても、変換周波数が常に一定となってバンドパスフィルタに入力され、受信信号周波数に影響されずに重畳している帯域外雑音のみを除去することができ、結果として空中線の指向精度が保つことができる効果がある。 【0015】また第2の発明によれば、電圧制御型信号発生器の制御を外部からの速度差情報に基づいたものではなく、バンドパスフィルタヘ入力する信号の一部と、バンドパスフィルタからの出力信号の一部を取り出し、バンドパスフィルタの通過により発生する位相差で行うようにしたため、上記実施の形態1の効果に加え、衛星内もしくは地上に本機能を達成するための演算処理装置を持つ必要がなくなる、あるいは実施の形態1を既存の衛星監視用信号処理装置で達成する場合でも、本課題を達成するための機能が不要となり、システムを簡単にすることができる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271414 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−78812 |
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