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【発明の名称】 発進警報装置
【発明者】 【氏名】紺 野 和 司

【要約】 【課題】運転者に違和感を与えない発進警報装置を提供することである。

【解決手段】車両に設置され、前記車両の発進を検出するアクセルスイッチ(30)と、前方に位置する車両までの距離を測定するレーザーレーダー装置(10)と、アクセルスイッチによって車両の発進が検出された時点において、レーザーレーダー装置によって測定された複数の距離データ(d)を格納して、距離データ群(dgrp )を形成する距離値バッファ(41)と、距離値バッファ(41)に格納された距離データ群の距離データ平均値(RAve )、および、標準偏差(σ)に基づいて、前方に位置する車両までの基準距離(Rdly )を設定する基準距離演算装置(47)と、レーザーレーダー装置によって測定された前方に位置する車両までの距離が基準距離演算装置によって設定された基準距離以上になった時に、警報信号(SW )を発する距離比較装置(50)、および、警報信号に基づいて警報を発する警報ブザー(60)とを備えた発進警報装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に設置され、前記車両の発進を検出する車両発進検出手段と、前方に位置する車両までの距離を測定する距離測定手段と、該車両発進検出手段によって前記車両の発進が検出された時点において、該距離測定手段によって測定された複数の距離データを格納して、距離データ群を形成するメモリ手段と、該メモリ手段に格納された前記距離データ群に基づいて、前記前方に位置する車両までの基準距離を設定する基準距離設定手段と、前記距離測定手段によって測定された前記前方に位置する車両までの距離が前記基準距離設定手段によって設定された前記基準距離以上になった時、或いは、前記基準距離を超えた時に、警報を発する警報発生手段とを備えた発進警報装置。
【請求項2】 前記基準距離設定手段は、前記距離データ群を構成する複数の距離データの平均値、および、標準偏差に基づいて前記基準距離を設定することを特徴とする請求項1を満足する発進警報装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、道路の渋滞時に使用される車両の発進警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりある発進警報装置に関するものとして、例えば、特開昭64−57188号がある。これには、距離測定手段によって測定された、前方車両との距離が、運転者によって意図的に設定された基準距離よりも大きくなった時に、発進警報をする発進警報装置が開示されている。
【0003】これは、運転者が基準距離を設定する手間を必要とするばかりか、設定された基準距離によっては、運転者が実際に発進しようとする時の前方車両との距離との間に、差が発生する場合もある。
【0004】もう1つの従来技術として、特開平3−65452号に開示された発進警報装置がある。これは、前方の車両までの測定距離が、運転者がパーキングブレーキを操作した直後に設定された、前方の車両までの基準距離に対して所定値だけ大きくなった時に、発進警報を行うものである。
【0005】この装置とて、運転者が実際に所望する前方の車両までの距離と、基準距離との間に差が発生する場合が有り得、運転者がまだ発進する意図の無い内に警報が発せられ、運転者が違和感を受ける恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題とするところは、運転者が実際に発進しようとする時点と一致するように警報を発することができる発進警報装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の請求項1においては、車両に設置され、前記車両の発進を検出する車両発進検出手段と、前方に位置する車両までの距離を測定する距離測定手段と、該車両発進検出手段によって前記車両の発進が検出された時点において、該距離測定手段によって測定された複数の距離データを格納して、距離データ群を形成するメモリ手段と、該メモリ手段に格納された前記距離データ群に基づいて、前記前方に位置する車両までの基準距離を設定する基準距離設定手段と、前記距離測定手段によって測定された前記前方に位置する車両までの距離が前記基準距離設定手段によって設定された前記基準距離以上になった時、或いは、前記基準距離を超えた時に、警報を発する警報発生手段とを備えた発進警報装置とした。
【0008】上記請求項1に記載した発進警報装置によれば、実際に運転者が車両を発進させた時の、前方の車両までの距離を測定したことによって得られた、複数の距離データに基づいて設定した、基準距離に基づいて発進警報を行うため、運転者が実際に発進しようとする時点と一致するように警報を発することができる。
【0009】又、本発明の請求項2においては、前記基準距離設定手段は、前記距離データ群を構成する複数の距離データの平均値、および、標準偏差に基づいて前記基準距離を設定することを特徴とする請求項1を満足する発進警報装置とした。
【0010】上記請求項2に記載した発進警報装置によれば、複数の距離データの平均値、および、標準偏差に基づいて基準距離を設定するため、より運転者に違和感を与えずに、警報を発することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の特徴を示す部分のみについて説明する。
【0012】図1は、本発明による発進警報装置の全体ブロック図である。図1においては、特にこれに限定する意図はないが、前方車両までの距離測定には車両に搭載されたレーザーレーダー装置10を採用している。レーザーレーダー装置10は、一定周期毎に繰り返して、レーザーパルスを発光した時刻から、発光されたレーザーパルスが前方の車両によって反射されて受光されるまでの時間を計測し、この時間から、前方の車両までの距離を演算して、距離データ:dとして出力する。
【0013】距離データトリガ装置20は、レーザーレーダー装置10から距離データ:dを受け取るとともに、車両のアクセルペダルに設置されたアクセルスイッチ30からの発進信号:Ss が入力される。アクセルスイッチ30は、車両のアクセルペダルが所定量操作された時に発進信号Ss を発信する。距離データトリガ装置20には、アクセルスイッチ30からの発進信号:Ss が入力されることによってスタートし、所定時間の経過によってタイムアップする発進タイマが内蔵されている。
【0014】更に、距離データトリガ装置20には車速センサ70が接続され、車両の停止の有無が検出される。
【0015】距離データトリガ装置20は、アクセルスイッチ30からの発進信号Ss が入力された時に受け取った距離データ:dを出力する。尚、距離データトリガ装置20に入力される発進信号:Ss は、必ずしもアクセル操作を検出するものでなくてもよく、例えば、車速センサ等の、運転者が車両を発進させたことを検出できるものからの信号であればどのようなものでもよい。
【0016】演算部40は、距離データトリガ装置20から複数の距離データ:dを受け取り、発進警報の基準となる前方車両との基準距離:Rdly を演算するものであって、距離値バッファ41、距離データ平均値演算装置43、標準偏差演算装置45、および、基準距離演算装置47を含んでいる。
【0017】距離値バッファ41は、距離データトリガ装置20から受け取った距離データ:dを所定数格納し、複数の距離データ:dから距離データ群:dgrp を形成するメモリである。距離データ平均値演算装置43は、距離値バッファ41から距離データ群:dgrp を受け取り、それに含まれる複数の距離データ:dから、その平均値RAve の値を演算する。又、標準偏差演算装置45は、同じく距離値バッファ41から距離データ群:dgrp を受け取り、それに含まれる複数の距離データ:dから、その標準偏差:σの値を演算する。基準距離演算装置47は、距離データ平均値演算装置43および標準偏差演算装置45から、それぞれ演算された平均値RAve 、および、標準偏差:σの値を受け取り、これらから下式に基づいて、基準距離Rdly の値を演算する。
【0018】
Rdly =RAve +K・σ K:発進報知係数(K>0)
距離比較装置50は、レーザーレーダー装置10から所定周期毎に距離データ:dを受け取るとともに、演算部40の基準距離演算装置47から、演算された基準距離:Rdly の値を受け取る。距離比較装置50は、レーザーレーダー装置10から距離データ:dを受け取る毎に、基準距離:Rdly と比較して、距離データ:dの値が基準距離:Rdly 以上となった時に、警報ブザー60に向けて警報信号:SW を発信する。本実施の形態においては、警報ブザー60を使用しているが、本発明においては特にこれを使用しなければならないわけではなく、運転者に発進の警報を与えるものであれば、警告灯、音声装置等、種々のものが使用可能である。
【0019】又、上記の説明のように、本実施の形態においては、図4に示すように複数の距離データ:dの値が正規分布をしているものとして、その平均値:RAve および標準偏差:σに基づいて、基準距離:Rdly を演算しているが、基準距離:Rdly の演算は特にこの方法に限ったものではなく、多岐に渡っていることは言うまでもない。
【0020】次に、図2に基づいて、本発明の演算装置40による、基準距離:Rdly の演算方法の一例について詳述する。ステップS100において、図示しない車両のイグニッションキーが操作されることによって、本発明の発進警報装置の初期化が行われる。
【0021】次に、ステップS110において、iが0とされて、イニシャルルーチンが設定された後、ステップS120において、発進タイマが作動中か否かが判断され、発進タイマの作動終了まで待機する。
【0022】その後、ステップS130において、車速センサ70を用いて、車両の停止の有無が検出される。車両の停止が検出されると、ステップS140において、アクセルスイッチ30からの発進信号Ss の発生があったか否かを判定する。発進信号Ss の発生があったと判定されると、ステップS150において発進タイマをスタートさせ、ステップS160において、距離データトリガ装置20から距離値バッファ41に、距離データ:dが取込まれ、再び、ステップS120に戻る。
【0023】発進タイマの終了時、ステップS130において再び車両の停止の有無を検出し、車両が停止していない場合は、ステップS170においてiがインクリメントされた後、ステップS180において、iが所定数N以上であるか否かが判定される。iがN以上であれば、ステップS190、および、ステップS200において、それぞれ距離データ平均値:RAve 、および、標準偏差:σが演算される。
【0024】その後、演算された距離データ平均値:RAve 、および、標準偏差:σに基づいて、ステップS210において基準距離:Rdly が演算される。
【0025】尚、ステップS180において、iがN未満とされると、N以上となるまで距離値バッファ41による距離データ:dの取込みが行われる。
【0026】ステップS130において、車両の停止が検出されると、発進信号:Ss が入力されても、車両が発進にいたらなかったと判断し、再び、ステップS140以下が実行される。
【0027】次に、図3に基づいて、距離比較装置50による、警報信号:SW の発信について詳述する。基準距離演算装置47による基準距離:Rdly の演算後、図3のステップS310において、所定周期毎に距離比較装置50に入力される距離データ:dが、演算された基準距離:Rdly と比較される。
【0028】入力された距離データ:dが基準距離:Rdly 以上と判定されると、ステップS320において、アクセルスイッチ30による発進信号:Ss の発生がなかったか否かが判定される。発進信号:Ss の発生がなければ、ステップS330において、距離比較装置50が警報ブザー60に向けて警報信号:SW を発生させ、これを受けた警報ブザー60が、運転者に対し警報を発生する。尚、ステップS320において、発進信号:Ss の発生があれば、制御は終了される。
【0029】
【発明の効果】上記したように本発明によれば、車両の発進時に検出した、前方の車両までの複数の距離データに基づいて、基準距離を設定しているため、運転者の特性にあった基準距離を設定することができ、運転者に違和感のない発進警報装置とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−160435
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−323357