| 【発明の名称】 |
距離測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 正彦
【氏名】北沢 賢次
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| 【要約】 |
【課題】送光ビームの検出領域内に位置する測定対象物からの反射光の強度が一定である距離測定装置を提供する。
【解決手段】送光レンズ101は一部の領域に、多数の微小プリズム102から成る拡散素子110を備えている。微小プリズム102の高さhはいずれも同じであるが、ピッチpは光軸100からの距離に依存して異なっており、従ってその頂角δも光軸100からの距離に応じて異なっている。送光レンズ101は、光源130から射出された発散光束を所定の開き角度にコリメートする機能を有している。拡散素子110は矢印120から見た面内において、斜線部で示される特定の領域に形成されており、送光レンズ101の拡散素子110の部分を通過する光線は場所により変化する所定の偏向を受けるが、送光レンズ101の他の部分を通過する光線は偏向を受けずにそのままコリメートされる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光束が目標まで往復する時間を測定することによって、目標までの距離を測定する距離測定装置において、光源と、光源からの光束を偏向させる偏向手段と、目標で反射された光束を受光する受光手段とを有し、偏向手段は、光軸に垂直な平面へ投影した形状が、受光手段で受光される光束の強度が一定となる形状を有していることを特徴とする距離測定装置。 【請求項2】 前記光源から射出される光束はガウス分布の強度分布を有し、前記偏向手段の形状はexp(θ2 /α2 )/(cos6 θsin2 θ)(θは光軸と光線がなす角度、αは光源からの光束の広がり角度)で表される曲線で囲まれた形状であることを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。 【請求項3】 前記光源を光軸に対して垂直に振動させる光源振動手段と、前記受光手段からの信号を受け、反射光束の振幅を計算する振幅計算手段と、前記光源の回転を検出する回転検出手段と、振幅計算手段と回転検出手段の出力に基づいて目標を判別する目標判別手段とを更に有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の距離測走装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象物に光束を照射し、その反射光から測定対象物までの距離を測定する距離測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平7−253460は、複数方向の障害物を検出するため、送信レンズから射出した光を複数の方向に分割するプリズムを配置した距離測定装置を開示している。また、特開平6−118161は、半導体レーザの前方に回折格子を配置することにより送光パターンの変形を行う光センシング装置を開示している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】以上の先行技術は、いずれも、光ビームの照射角度を広げることにより検出範囲を拡大する技術を教示しているが、拡大された照射範囲に対して、その反射信号の強度を確保する技術は教示していない。 【0004】本発明は、このような先行技術を鑑みて成されたものであり、その目的は、照射された光ビームの所定の範囲内にある目標からの反射光強度がほぼ一定となる距離測定装置を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、光束が目標まで往復する時間を測定することによって、目標までの距離を測定する距離測定装置において、光源と、光源からの光束を偏向させる偏向手段と、目標で反射された光束を受光する受光手段とを有し、偏向手段は、光軸に垂直な平面へ投影した形状が、受光手段で受光される光束の強度が一定となる形状を有していることを特徴とする。 【0006】例えば、前記光源から射出される光束はガウス分布の強度分布を有し、前記偏向手段の形状はexp(θ2 /α2 )/(cos6 θsin2 θ)(θは光軸と光線がなす角度、αは光源からの光束の広がり角度)で表される曲線で囲まれた形状である。 【0007】距離測定装置は、好適には、前記光源を光軸に対して垂直に振動させる光源振動手段と、前記受光手段からの信号を受け、反射光束の振幅を計算する振幅計算手段と、前記光源の回転を検出する回転検出手段と、振幅計算手段と回転検出手段の出力に基づいて目標を判別する目標判別手段とを更に有している。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1の実施の形態について図1〜図3を用いて説明する。図1(a)に示されるように、送光レンズ101は、一部の領域に拡散素子110を備えている。拡散素子110は多数の微小プリズム102から成り、微小プリズム102の高さhはいずれも同じであるが、ピッチpは光軸100からの距離に依存して異なっており、従ってその頂角δも光軸100からの距離に応じて異なっている。 【0009】送光レンズ101は、光源130から射出された発散光束を所定の開き角度にコリメートする機能を有している。拡散素子110を構成している多数の微小プリズム102は、場所に応じて異なる頂角δを有しているため、異なる位置に入射する光線103、104はそれぞれ異なる偏向角を受ける。 【0010】この偏向角βはβ=arcsin(nsinδ)−δで表され、頂角δが小さい場合には、β=(n−1)δで近似される。ここに、nは微小プリズム102の屈折率である。 【0011】光線104と105の間の斜線部分は光源130から異なる方向に発散する光束を表し、これは送光レンズ101でほぼ同方向にコリメートされた後、黒く塗りつぶされた微小プリズム102を透過する。黒く塗りつぶされた微小プリズム102のピッチが同じであれば、その透過光は光束106で示されるように所定の方向に進む光束に変換される。言い換えれば、同じピッチの微小プリズムは、光源130からの発散する微細光束を所定の方向に進む微細光束に変換する機能を有している。 【0012】図1(b)に示されるように、拡散素子110は矢印120から見た面内において、斜線部で示される特定の領域に形成されており、送光レンズ101の拡散素子110の部分を通過する光線は場所により変化する所定の偏向を受けるが、送光レンズ101の他の部分を通過する光線は偏向を受けずにそのままコリメートされる。言い換えれば、送光ビームのうち、偏向を受ける光束の割合は、図1(b)の斜線部の形状、すなわち幅wの変化により調整される。 【0013】次に、任意の形状の送光ビームを可能とする設計手段について図2と図3を用いて説明する。図3に示されるように、車や自律走行ロボットなどの移動体300は前述の送光レンズ101を介して前方に送光ビーム301を放射する。送光ビーム301は、送光レンズ101に設けられた拡散素子110の機能により、移動体300の前方に光軸303を中心に幅2aで延びる形状を有している。図中、送光ビーム301の輪郭が障害物の検出領域を示している。 【0014】図3において、ターゲット302は検出領域の境界に位置しており、これより外側では検出されない限界位置にある。言い換えれば、ターゲット302による散乱光成分のうち、移動体300に設けられた不図示の受光素子に受光される光量はその限界値にあり、これはターゲット302が光軸303に平行に境界に沿って移動されても変わらない。 【0015】このように移動体300の前方に一定の幅で延びている送光ビーム301は、拡散素子が形成されていない送光レンズによる送光ビーム305の外側に位置する障害物を検出することを可能にする。つまり、図3に描かれているターゲット302は、拡散素子を持たない通常の送光レンズによって作り出される開き角γの送光ビーム305の外側に位置しており、このため通常の送光ビーム305では検出され得ないが、送光ビーム301はこのターゲット302に向かう開き角θの光線304を含んでいるので、ターゲット302を検出し得る。 【0016】このように、送光ビーム301は、移動体300の前方に存在する障害物を漏れなく検出するが、走行路外の障害物は殆ど検出しないので、障害物の認識ソフトの単純化に好適である。 【0017】以下、このように検出領域が好適となる送光ビーム301の条件を求める。ターゲット302までの垂直距離(光軸方向の距離)をyとし、ターゲット302に到る光線304が光軸303に対して成す角度をθとする。光線304のターゲット302における光強度をI(y,θ)とすると、受光素子で受光される光量Ia は次式で表される。 【0018】 【数1】
ここに、Sa は受光部面積、Ta は受光部透過係数、ρはターゲット反射率である。 【0019】いわゆるcos4乗則が成り立つ場合、受光部透過係数はTa =εcos4 θで表される。ここに、εは開口効率であり、光軸方向から見た受光レンズの有効口径と光軸から角度θの方向から見た受光レンズの有効口径との比である。 【0020】ところで、拡散素子の無い送光レンズによるコリメート光の強度分布I(y,θ)は、その広がり角度をγ、送光レンズの透過光量をIE とすると、次式で表される。 【0021】 【数2】
【0022】拡散素子110による影響を受けた光の強度分布は、拡散素子110の設計すなわち微小プリズムのピッチや配置を変えることにより変更可能であるが、ここでは、(2)式を参酌して、その強度分布I(y,θ)は単純化してその等価的広がり角度をαとして次式で表されるものとする。 【0023】 【数3】
ここに、σは振幅係数で、どのくらいの光量が拡散を受けるかを意味する。振幅係数は、送光レンズの径方向距離と拡散素子の幅wに依存し、σ=σ(r,w)と表される。式中のcosθは、ターゲット302の法線と光線304とが角度θを成していることに基づく補正を意味している。 【0024】「等価的」という用語の意味は、拡散素子110の影響を受けた光は、図1(a)に光束106で示されるように連続ではなく飛び飛びの方向に進む光束の集合であり、その強度の包絡線の形状は拡散素子110の設計により変化させることができるが、これをガウス分布にするということである。(1)式に(3)式を代入して次式が得られる。 【0025】 【数4】
ここで、いわゆるcos4乗則が成り立つ場含を想定すると、Ta =εcos4θであるから、上式は【0026】 【数5】
となる。ここで、y=a/tanθであり、ε=cosθとすると、【0027】 【数6】
が得られる。あるいは、角度θに依存しない因子をconst.に含めて【0028】 【数7】
と表される。結局、振幅係数σは次式を満足すればよい。 【0029】 【数8】
【0030】図2(a)において、曲線200は1/((cosθ)6 (sinθ)2 )を表し、曲線201はIE0exp(‐θ2 /α2 )を表している。いずれも縦軸は任意スケールである。また、図2(b)において、曲線202は振幅係数σを表している。図1(b)の幅wは、この振幅係数σを模式的に表現したものである。実際には(3)式で仮定した指数関数的強度分布は、σ=kr(k:比例定数)を暗黙のうちに仮定しているが、これは設計事項で、一般にはθ=f(r)の形で表される(fは関数を表す)。設計の自由度として、図1(b)の幅wだけでなく、θ=f(r)の関数形を変えることにより、実現できる送光ビームの形状の自由度を拡げることができる。 【0031】上述した説明から分かるように、図3に示される光ビーム301は、振幅係数σを例えば(8)式に定めるように選ぶことにより実現される。なお、図1(b)では、幅wが送光レンズ101の直径に沿って分布するように例示されているが、これは種々の変更が可能で、送光レンズ101の面上に分散されてもよい。 【0032】また、図1(a)に例示された送光レンズ101は、説明を簡単にするため、平凸レンズで構成され、その平らな面に拡散素子が形成されているが、勿論、送光レンズ101は非球面レンズで構成されてもよく、また拡散素子は光源側の曲面に形成されてもよい。さらに、拡散素子は、レンズに形成される必然性はなく、送光レンズの近くに配置される透明板に形成されてもよい。 【0033】また、拡散素子として微小プリズムを想定したが、効率の問題を工夫することにより、回折格子で実現することも可能である。さらに上述の議論は送光ビームの水平面上の分布に限定したが、これに直交する鉛直面内の分布についても同様の議論が可能である。 【0034】次に、本発明の第2の実施の形態について図4と図5を用いて説明する。図4(a)に示されるように、送光ビーム401を放射している車等の移動体400が走行経路402に沿って移動すると、送光ビーム401は建物や塀や他の移動体等の障害物405の辺AB及び辺BCをなめるよう移動し、車400に実装された距離測走装置によって測定される距離情報は図4(b)の曲線ABCで示されるように変化する。 【0035】この変化は、車400と障害物405の間の実際の距離の変化に比べてかなり大きく、送光ビーム401の進行方向の長さが長く、辺AB及び辺BCの長さが長いほどこの影響は大きい。辺BCに関しては遠ざかる方向なので問題は少ないが、辺ABに関しては障害物405が高速で接近してくる場合と区別がつかず、誤警報を発生させる要因となる。本実施形態は、これを回避する手段を提供する。 【0036】図5(a)に示されるように、光源502とその駆動回路503は、厚みと直交する方向(図の左右方向)に可撓性を有する薄い導電性の導電部材504によって連結されている。光源502は、不図示の駆動部によって、矢印で示される光軸500に垂直な方向に移動可能となっている。導電性部材504には、図5(b)に示されるように捩ることにより、あるいは長手方向に撓みをもたせることにより、三軸の可撓性を持たせてもよい。 【0037】図4(a)に示されるように、車400が走行経路402に沿って移動する際、ステアリングホイール(ハンドル)の回転信号あるいは距離測定装置に内蔵された加速度センサからの信号により車400が回転走行を開始したことを検知すると、不図示の駆動部は光源502を光軸500に垂直な方向に1度程度の角度で微小振動させる。その結果、送光ビーム401は進行方向の左右に微小振動を行う。 【0038】車400が図4(a)に示されるように移動した際、距離測走装置は図4(b)の例えば点PQ間を振動する信号を得る。この振幅はかなり大きいので、大きな障害物による反射信号と区別できる。すなわち、ステアリングホイールの回転信号あるいは加速度センサーからの信号により車体の回転を検出し、かつ所定の値を超える距離変化を検知したときに、前述したように光束を振動させたときの反射信号の振幅が所定の値を超えていれば、距離測定用の光束が障害物を横切って移動したときであり、比較的大きな障害物を区別することが可能となる。障害物が小さい場合には、送光ビーム401を微小に振っても車400と真の障害物との間の距離の変化は小さく、反射信号の振幅は小さくなることから、交差点を左折/右折するときに実際の距離の変化か偽信号かの判別が可能となる。 【0039】また偽信号の大きさは送光ビーム401の進行方向の長さが長く、辺ABの長さが長いほど大きいので、車400が回転走行を開始した時には送光ビーム401の進行方向の長さは短い方が都合がよい。従って、車400が回転走行を開始したことを検知したときに、送光ビーム401の進行方向の長さを短くする機構を備えていると更に好適である。これは、交差点を右左折したり車線を変更したり車間を縫って走行したりする際に特に重要である。 【0040】図5(a)の構成において、送光ビームの短ビーム化は、送光レンズ501と光源502の間隔を短くすることで実現される。送光レンズ501と光源502の間隔が短くなると、光源502から発散する光束は送光レンズ501の有効径を越えて拡がり、送光レンズ501を透過する光量が減少する。その結果、送光ビーム401の到達距離が減少し、短ビームとなる。 【0041】短ビームは他の手法によっても実現可能である。例えば、予め長ビームと短ビームの両方の送光ビームを用意し、通常走行では長ビームを使用し、回転走行を検知したときに短ビームに切り換えてもよい。あるいは、光源を駆動する電圧あるいは電流を変化可能とし、回転走行を検知したときには、光源の出力を低下させて、実効的に短ビームとしてもよい。 【0042】更に別の偽信号の例として、凹凸の激しい悪路を走行する場合がある。平らな路面を走行するときは、送光ビーム401は路面にほぼ平行に進行するが、悪路を走行するときは、車400と路面とのなす角度は激しく変化し、丁度、図4(b)のような偽信号を生ずる。図5(a)の構成において、三軸の加速度センサあるいは水平を検知するセンサと組み合わせて車400と路面とのなす角度を検知し、これを相殺するように光源502を紙面と垂直な方向に駆動することにより、偽信号の発生が緩和される。本発明は上述した実施の形態に何等限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含んでいる。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、送光ビームの検出領域内に位置する測定対象物からの反射光の強度が一定である距離測定装置が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社 【識別番号】000108591 【氏名又は名称】タカタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160431 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−325968 |
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