| 【発明の名称】 |
超音波を用いた障害物検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 嘉光
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| 【要約】 |
【課題】超音波センサを用いた障害物検出装置において、廻り込みによる誤検出を防止する。
【解決手段】受信センサ12で受信した廻り込み成分及び物体からの反射成分を含む信号は受信回路18を介して廻り込みキャンセル回路20に供給される。廻り込みキャンセル回路20では、コンパレータを用いて受信信号と基準信号を比較し、廻り込み成分を除去する。基準信号のパルス幅は制御回路22から供給され、そのパルス幅はパルス送信回路16に供給されるパルス幅よりも大きい。これにより時間的に遅れてやってくる廻り込み成分を除去して反射成分のみを出力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波を送信する送信器と、障害物で反射された前記超音波を受信する受信器と、前記受信器で受信した信号に含まれる前記送信器からの廻り込み成分を除去する除去回路と、を有する超音波を用いた障害物検出装置において、前記送信器からの廻り込みに要する時間及び前記障害物までの最短検出距離に基づいて除去用パルス信号を前記除去回路に供給する制御回路を備えることを特徴とする超音波を用いた障害物検出装置。 【請求項2】 前記除去用パルス信号のパルス幅は、少なくとも前記送信器を駆動する駆動パルスのパルス幅よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の超音波を用いた障害物検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は超音波を用いた障害物検出装置、特に送信超音波の廻り込みによる誤検出防止に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、超音波を送信する送信器及び障害物からの反射超音波を受信する受信器を備え、送信超音波と受信超音波とのタイミングのずれに基づいて障害物までの距離を検出する障害物検出装置が知られている。 【0003】図4には、このような超音波を用いた障害物検出装置の検出原理が示されている。送信器(S)10から超音波パルスを物体13に向けて送信する。物体13で反射した超音波は受信器(R)12で受信され、図示しない信号処理回路に出力される。信号処理回路では、送信信号のパルスタイミングと受信信号のパルスタイミングのずれ(図中t)に基づき物体13までの距離を演算する。具体的には、物体13までの距離Lと時間(反射時間)tとの関係は、音速をCとして【数1】L=C・t/2 ・・・(1) となるので、この関係を用いて距離を演算する。 【0004】しかしながら、送信器10と受信器12が近接して配置される結果、受信器12には物体13から反射された超音波のみならず、送信器10から送信された超音波が直接入力してしまう場合がある(超音波の廻り込み)。したがって、受信器12から出力された受信信号には、物体13からの反射信号の他に送信器10からの廻り込みによる信号も含まれることとなり、誤検出の原因となる。そこで、従来より、このような廻り込み成分による誤検出を防止すべく、いくつかの方法が提案されている。 【0005】第1の方法は、除去用パルス信号(キャンセル信号)を用いて指数関数的に減衰する比較電圧を作成し、コンパレータでこの比較電圧と受信信号とを比較することにより廻り込み成分を除去するものである。 【0006】図5には、このような除去用パルス信号を用いた障害物検出装置の構成ブロック図が示されている。送信センサ10及び受信センサ12が設けられ、送信センサ10には発振回路14及びパルス送信回路16から所定パルス幅の駆動パルス信号が供給される。送信センサ10は、この駆動用パルス信号に基づき前方に向けて超音波パルスを送信する。一方、受信センサ12には受信回路18が接続され、受信した超音波(物体13からの反射成分及び送信センサ10からの廻り込み成分を含む)を適宜増幅して廻り込みキャンセル回路20に出力する。 【0007】廻り込みキャンセル回路20は、受信回路18から供給された受信信号に含まれる廻り込み成分を除去するもので、制御回路22から供給された除去用パルス信号(キャンセル信号)に基づいて指数関数的に減衰する比較電圧を作成して受信信号と比較する。なお、制御回路22から供給される除去用パルス信号は、パルス送信回路16から送信センサ10に供給される駆動用パルス信号のパルス幅と同一である。図において、制御回路22から同一信号がパルス送信回路16と廻り込みキャンセル回路20に供給されているのはこのことを示すものである。 【0008】図6には、廻り込みキャンセル回路20の具体的な回路構成が示されている。廻り込みキャンセル回路20は、ダイオード20a、キャパシタ20b、可変抵抗VR20c、及びコンパレータ20dを含んで構成されている。コンパレータ20dの非反転入力端子(+)にはダイオード20aの出力端子及び所定の正電源が接続されている。一方、コンパレータ20dの反転入力端子(−)には受信回路18が接続されるとともに、キャパシタ20b及び可変抵抗VR20cが並列接続されている。制御回路22からの除去用パルス信号(キャンセル信号)200(そのパルス幅は駆動用パルス信号のパルス幅と同一である)はダイオード20aの入力端子に入力され、受信信号はコンパレータ20dの反転入力端子に入力される。 【0009】図7には、図6に示された廻り込みキャンセル回路20の各部の信号波形が示されている。(A)は除去用パルス信号(キャンセル信号)200の波形であり、上述したようにそのパルス幅は駆動パルス信号のパルス幅と同一である。また、(B)はコンパレータ20dの反転入力端子に入力される受信信号300の波形と、コンパレータ20dの非反転入力端子に入力される基準信号500の波形、及びコンパレータ20dの出力端子から出力される最終的な受信信号400の波形が示されている。コンパレータ20dの非反転入力端子には、除去用パルス信号に同期して立ち上がり、キャパシタ20bにより指数関数的に減少していく基準信号500が入力され、この基準信号500と受信信号300との差分がコンパレータ20dから出力される最終的な受信信号400となる。 【0010】ここで、(B)において、受信信号300には廻り込み成分300a及び物体からの反射成分300bがピーク状の波形として示されている。廻り込みキャンセル回路20の本来の目的は、この廻り込み成分300aを除去して物体からの反射成分300bのみを取り出すことである。しかしながら、(B)に示されるように、廻り込み成分300aがケースの形状等の影響で時間的に遅れて受信器12で受信された場合、基準信号500では完全に除去することができず(遅延分だけ残る)、この廻り込み成分300aをも物体からの反射成分として誤検出してしまう。受信信号400において、正規の信号成分(物体からの反射成分)は400bであり、廻り込み成分300aによる誤検出成分は400aとして示されている。 【0011】もちろん、廻り込みキャンセル回路20の可変抵抗VR20cの値を調整してコンパレータ20dの非反転入力端子に入力される基準信号の値を増加させることも考えられるが、(C)に示されるように、廻り込み成分300aは確かに除去されるものの物体からの反射成分300bをも同時に除去してしまい、結果としてレベルの小さな物体までの距離を検出することができない問題が生ずる。 【0012】廻り込み成分を除去するための第2の方法は、送信器からの超音波振動が直接受信器に伝わらないように超音波センサをゴムなどの弾性体で保持し、あるいは送信器及び受信器を基板からそれぞれ独立させて取り付けるものである。 【0013】しかしながら、この方法によれば弾性体という新たな部品を取り付ける必要があるためコストが増加し、さらに基板からそれぞれ独立させて取り付ける構成では組み付け工数が増加してしまう問題がある。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】このように、送信器からの廻り込みを防止する従来の方法は、廻り込み成分を完全に除去できない、あるいはレベルの小さな物体からの反射波を確実に受信できない問題が生じ、また、コスト増加を招く問題があった。 【0015】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、受信信号に含まれる廻り込み成分を確実に除去するとともにレベルの小さな物体からの反射成分をも確実に受信し、かつ部品点数を徒に増加させることのない超音波を用いた障害物検出装置を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1の発明は、超音波を送信する送信器と、障害物で反射された前記超音波を受信する受信器と、前記受信器で受信した信号に含まれる前記送信器からの廻り込み成分を除去する除去回路とを有する超音波を用いた障害物検出装置において、前記送信器からの廻り込みに要する時間及び前記障害物までの最短検出距離に基づいて除去用パルス信号を前記除去回路に供給する制御回路を備えることを特徴とする。廻り込みに要する時間を考慮して除去用パルス幅の最適化を図ることで、廻り込み成分を確実に除去することができるとともに、その上限も規定することで障害物(特に近距離にある障害物)までの距離も確実に検出できる。 【0017】また、第2の発明は、第1の発明において、前記除去用パルス信号のパルス幅は、少なくとも前記送信器を駆動する駆動パルスのパルス幅よりも大きいことを特徴とする。駆動パルスのパルス幅よりも大きくすることで、時間的に遅れてやってくる廻り込み成分(遅延廻り込み)も確実に除去することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。 【0019】図1には、本実施形態の構成ブロック図が示されている。図5に示された従来の構成ブロック図とほぼ同様であるが、制御回路22から廻り込みキャンセル回路20に供給される除去用パルス信号が、パルス送信回路16に供給される駆動用パルス信号のパルス幅と同一ではなく異なる点に特徴がある。具体的には、制御回路22から供給される除去用パルス信号のパルス幅は少なくとも駆動用パルス信号のパルス幅よりも大きく設定されている。そして、廻り込みキャンセル回路20では、このように駆動用パルス信号のパルス幅よりも大きなパルス幅を有する除去用パルス信号を用いて受信信号に含まれる遅延廻り込み成分を確実に除去する。 【0020】図2には、本実施形態における送信センサ10及び受信センサ12の配置が示されている。送信センサ10及び受信センサ12は筺体30内に収容され、同一基板32上に装着される。従来においては、送信センサ(送信器)10や受信センサ(受信器)12はゴムなどの弾性体で覆われ、あるいは異なる基板上に装着されていたが、本実施形態においては上述したような除去用パルス信号を用いて廻り込み成分を確実に除去するため、このような弾性体や異なる基板は不要となり、従って部品点数の削減及び組み付け工数の低減を図ることが可能となっている。 【0021】なお、本実施形態における廻り込みキャンセル回路20の構成は図6に示された従来の廻り込みキャンセル回路の構成と同一であり、ダイオード20aの入力端子に駆動用パルス信号のパルス幅よりも大きい除去用パルス信号が印加される点が異なっている。 【0022】図3には、廻り込みキャンセル回路20における各部の信号波形が示されている。(A)は制御回路22からパルス送信回路16に供給される駆動用パルス信号100の波形であり、図7(A)に示された信号波形と同一である。また、(B)には制御回路22から廻り込みキャンセル回路20に供給される除去用パルス信号200の波形が示されている。除去用パルス信号200のパルス幅が駆動用パルス信号のパルス幅よりも大きいことに注意されたい。また、(C)には、受信回路18からの受信信号300の信号波形、廻り込みキャンセル回路20内のコンパレータ20dの非反転入力端子に入力される基準信号500の波形及びコンパレータ20dの出力端子から出力される最終的な受信信号400の波形が示されている。 【0023】本実施形態においては、除去用パルス信号のパルス幅が駆動用パルス信号のパルス幅よりも大きく設定されているため、コンパレータ20dの基準信号500のパルス幅もこれに応じて大きくなり、従って時間的に遅れてやってくる遅延廻り込み成分も確実に除去することができ、物体からの反射成分400dのみを検出することができる。 【0024】なお、図3(C)から明らかなように、制御回路22から供給される除去パルス信号のパルス幅が必要以上に大きくなると、物体からの反射成分300bをも除去してしまい、結果として物体までの距離を検出できない場合が生ずる。特に、受信信号に含まれる廻り込み成分と反射成分とが近接して存在する場合、すなわち物体までの距離が近い場合に上記問題が生ずる。そこで、除去用パルス信号200のパルス幅の上限は、この点を考慮して最適化する必要がある。 【0025】具体的には、例えば本実施形態の障害物検出装置を電動三輪車などに装着し、障害物に衝突せずに走行制御する場合を想定すると、装着された障害物検出装置は電動三輪車が障害物に衝突することなく停止できる最短距離を検出する必要がある。従って、除去用パルス信号のパルス幅は、その下限が超音波の廻り込み時間で規定され、その上限が障害物までの最短検出距離で規定されることになる。超音波の廻り込み時間は、センサの保持形態やケース構造によって異なるが、本願出願人が採用したケース構造においては、2.4msec程度が得られている。また、最短検出距離に関しては、電動三輪車が障害物から0.5mで停止すれば衝突することなく安全に停止できるとの結果を得ており、最短検出距離は0.5mとなる。上述の(1)式を用い、音速C=331.5+0.607T(Tは周囲温度)において周囲温度Tを25度とすると、物体までの距離0.5mは反射時間2.9msecに相当する。従って、除去用パルス信号のパルス幅Dは、【数2】 2.4msec≦D<2.9msec ・・・(2) となる。もちろん、この数値は一つの例示に過ぎず、採用するケース構造や利用システムの最短検出距離に応じて適宜決定する必要がある。 【0026】なお、コンパレータ20dの基準信号500はキャパシタ20bを用いて指数関数的に減少していくため、除去用パルス信号の実際のパルス幅は2.4msecよりも指数関数的な減少分を考慮して2.4msecよりも小さく(例えば2.0msec)設定することも可能である。但し、この場合でも駆動パルス幅よりは大きく設定する必要があることは言うまでもない。 【0027】なお、本実施形態においては障害物検出装置を電動三輪車に装着する場合を示したが、本発明の障害物検出装置は任意の移動体あるいは静止体に装着することが可能である。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、除去回路で用いる除去用パルス信号のパルス幅を最適化し、受信信号に含まれる廻り込み成分(特にその遅延成分)を確実に除去することができるので、物体までの距離を確実に検出することができるとともに、超音波センサの部品点数の削減及び組み付け工数の低減によりコスト抑制を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000185617 【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160430 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−323278 |
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