| 【発明の名称】 |
航空機認識検知装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】氏家 健
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| 【要約】 |
【課題】高周波レーダを使用して走行路上の物体を画像情報として認識することにより航空機を確実に検知する航空機認識検知装置を提供する。
【解決手段】航空機の走行領域に向けて送信アンテナ15からマイクロ波を放射する送信部1と、そのマイクロ波の反射波を受信アンテナ21で受信して、混合器22、増幅器23及び復調処理回路24により画像情報を生成する受信部2と、該受信部2からの画像信号をA/D変換し、消化器32で固定目標の画像を消去して移動目標の画像を抽出した上で航空機の画像を認識するとともに、その航空機の画像を基に演算処理回路33で速度等のデータを求める画像処理部3と、該画像処理部3で処理された情報を官制塔等に伝送する通信部4と、航空機の画像データ及び速度等のデータを表示する表示部5と、から構成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】航空機の走行領域に向けて電波を放射する送信手段と、該送信手段から放射された電波の反射波を受信する受信手段とを備え、前記受信手段で反射波を受信したことに基づいて航空機を検知するレーダ方式の航空機認識検知装置において、前記受信手段の受信信号を基に前記送信手段の電波放射領域についての画像情報を生成する画像生成手段と、該画像生成手段で生成された画像情報と航空機に関する特徴情報とを比較して、前記画像情報が航空機に対応する画像を含むと認識可能なときに航空機の存在を検知する画像処理手段と、を備えて構成されたことを特徴とする航空機認識検知装置。 【請求項2】前記画像処理手段が、前記画像生成手段で生成された画像情報について固定目標からの反射波の受信により生成された画像を消去したものと前記特徴情報との比較を行うことを特徴とする請求項1記載の航空機認識検知装置。 【請求項3】前記画像処理手段が、認識した航空機に対応する画像を基にその航空機の走行状態に関するデータを演算することを特徴とする請求項1又は2記載の航空機認識検知装置。 【請求項4】前記画像処理手段で処理された航空機に対応する画像及びその航空機の走行状態に関するデータを表示する表示手段と、前記画像処理手段と前記表示手段との間で情報の伝送を行う通信手段と、を備えて構成されたことを特徴とする請求項3記載の航空機認識検知装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空港内の誘導路や滑走路等の走行路上を走行する航空機の検知を行う装置に関し、特に、高周波レーダ技術及び画像処理技術を用いて得られる画像情報を基に航空機を認識、検知して航空管制業務等を支援する航空機認識検知装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の航空機検知装置としては、例えば、空港内の走行路の路肩などにマイクロ波送受信器を配置して、その走行路上に位置する航空機を検知するものが知られている。この従来の航空機検知装置では、例えば、走行路の路肩の一方の側にマイクロ波を走行路に向けて放射する送信器が配置され、他方の側には前記送信器と対向させてマイクロ波を受信する受信器が配置されて、送信器から放射したマイクロ波のエネルギービームを受信器で受信し、走行路上の航空機が前記マイクロ波を遮断して受信器の受信レベルが低下した時に、航空機の存在が検知される構成のものがある。また、例えば、特開平6-270900号公報等に掲載された航空機検知装置では、上記のマイクロ波送信器及び受信器を走行路の路肩の同じ側に配置し、送信器から放射したマイクロ波が航空機で反射された反射波を受信器で受信することで航空機の検知を行うレーダ方式の装置も公知である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の航空機検知装置では、エネルギービームが遮断されたこと、または、反射波が受信器で受信されたことを基にして航空機を検知するため、例えば、車両や大きな鳥など航空機以外の物体が、送受信器の配置された走行路上を通ることによっても、送信器からのエネルギービームが遮断されまたは反射されることがあり、このような物体を航空機と誤って検知してしまうおそれがある。このように従来の航空機検知装置は、何によってエネルギービームが遮断されまたは反射されたのかを認識していないという欠点がある。 【0004】本発明は上記の点に着目してなされたもので、高周波レーダを使用して走行路上の物体を画像情報として認識することにより航空機を確実に検知する航空機認識検知装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】このため本発明は、航空機の走行領域に向けて電波を放射する送信手段と、該送信手段から放射された電波の反射波を受信する受信手段とを備え、前記受信手段で反射波を受信したことに基づいて航空機を検知するレーダ方式の航空機認識検知装置において、前記受信手段の受信信号を基に前記送信手段の電波放射領域についての画像情報を生成する画像生成手段と、該画像生成手段で生成された画像情報と航空機に関する特徴情報とを比較して、前記画像情報が航空機に対応する画像を含むと認識可能なときに航空機の存在を検知する画像処理手段と、を備えて構成されるものである。 【0006】かかる構成によれば、送信手段から放射された電波は、その電波放射領域に存在する物体により反射散乱され、反射波の一部が受信手段に到達して受信される。そして、その受信信号が画像生成手段に送られることで電波放射領域についての画像情報が生成される。この画像情報は、画像処理手段で航空機に関する特徴情報と比較され、航空機に対応する画像が含まれると認識されると、走行路上の航空機の存在が検知されるようになる。 【0007】また、前記画像処理手段が、前記画像生成手段で生成された画像情報について固定目標からの反射波の受信により生成された画像を消去したものと前記特徴情報との比較を行うようにしてもよい。これにより、画像処理手段では、画像生成手段で生成された電波放射領域の画像情報のうちで、その領域内の固定目標(移動しない物体)に対応する画像が消去されて移動目標に対応する画像が抽出され、その移動目標に対応する画像情報について航空機の特徴情報との比較が行われるようになる。 【0008】更に、前記画像処理手段が、認識した航空機に対応する画像を基にその航空機の走行状態に関するデータを演算するようにしてもよい。これによれば、画像処理手段で航空機に対応する画像の処理が行なわれ、例えば、航空機の速度や角度、距離等の走行状態に関するデータが求められるようになる。 【0009】また、上記の航空機認識検知装置は、前記画像処理手段で処理された航空機に対応する画像及びその航空機の走行状態に関するデータを表示する表示手段と、前記画像処理手段と前記表示手段との間で情報の伝送を行う通信手段と、を備えて構成してもよい。かかる構成によれば、画像処理手段の処理結果が、通信手段を介して表示手段に伝送され、航空機の画像及びその走行状態に関するデータが表示手段に表示されて、航空管制業務等を支援する情報として利用されるようになる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の航空機認識検知装置の構成を示すブロック図である。図1において、本航空機認識検知装置は、例えば、マイクロ波を空港内の誘導路や滑走路等の走行路に向けて放射する送信手段としての送信部1と、該送信部1から放射されたマイクロ波が図示されない走行路上の物体で反射された反射波を受信して検波し、マイクロ波放射領域の画像情報を生成する受信部2と、該受信部2からの画像信号を基に走行路上の航空機に対応する画像を認識し、その航空機の画像を基にその航空機の走行状態を示すデータを演算する画像処理手段としての画像処理部3と、画像処理部3で処理されたデータを官制塔等に伝送する通信手段としての通信部4と、伝送されたデータを表示する表示手段としての表示部5とから構成される。 【0011】送信部1は、変調器11、繰り返し周波数発振器12、方向性結合器13、クロック発生器14及び送信アンテナ15からなる。変調器11は、例えば、三角波等を発生して、繰り返し周波数発振器12及びクロック信号発生器14に出力する。繰り返し周波数発振器12は、変調器11からの出力信号を受けて発振し、周波数変調された信号を一定の繰り返し周波数で連続的に発生する。方向性結合器13は、繰り返し周波数発振器12からの信号を送信アンテナ15に伝えるとともに、その信号を受信部2に送る。クロック発生器14は、変調器11からの三角波に同期したクロック信号を発生して画像処理部3に出力する。送信アンテナ15は、方向性結合器13を介して伝わる信号を走行路上の空間に放射する指向性アンテナであって、例えば、一般的なフェーズドアレーアンテナ等を使用する。 【0012】受信部2は、受信アンテナ21、混合器22、中間周波増幅器23及び復調処理回路24からなる。受信アンテナ21は、送信アンテナ15から放射されたマイクロ波の走行路上の物体による反射波を受信する。この受信アンテナ21としては、例えば、平面アンテナやパラボラアンテナ等を使用する。混合器22は、受信アンテナ21からの受信信号を図示しない局部発振信号を用いて中間周波数に変換した後に、方向性結合器13からの信号と混合比較して検波を行う。中間周波増幅器23は、混合器22から出力される信号を所定のレベルまで増幅する。復調処理回路24は、増幅された信号を、図示しないが例えば、ハイパスフィルター、リミッター及びローパスフィルタ等を透過させることにより復調処理を行いアナログの画像信号を生成する。したがって、受信部2が受信手段及び画像生成手段として機能する。 【0013】画像処理部3は、A/D変換器31、消化器32及び演算処理回路33からなる。A/D変換器31は、復調処理回路24から出力されるアナログ信号をクロック発生器14からのクロック信号を用いてサンプリングしてディジタルの画像データに変換する。消化器32は、A/D変換器31で変換された画像データを処理して、固定目標(移動しない物体)からの反射波によって得られる画像の消去を行う。そして、固定目標の画像を消去した画像データを基に、航空機に対応する画像と他の移動目標(車や鳥等の物体)に対応する画像とを判別して、航空機の画像データを演算処理回路33及び通信部4に出力する。この消化器32で行われる処理については後述する。演算処理回路33は、消化器32から送られる航空機の画像データを用いて、航空機の速度、角度及び距離等を演算してその結果を通信部4に出力する。 【0014】なお、上記の送信部1、受信部2及び画像処理部3は、例えば、走行路付近に設けられた誘導灯と同じ位置などに取り付け可能な小型なものである。通信部4は、画像処理部3の設置される場所と官制塔等との間に構築された、例えば、有線又は無線LAN等により構成される。画像処理部3で処理された航空機の画像データ及び速度等のデータが送られる送信端末41は、官制塔等の側に設けられた受信端末42に各データを伝送する。受信端末42は、受信した各データを表示部5に出力する。 【0015】表示部5は、通信部4を介して送られてきた航空機の画像及び速度、角度及び距離等のデータを、例えば、CRT等に表示して航空管制業務を支援する。次に、本実施形態の動作について説明する。まず、送信部1の変調器11で発生した三角波が繰り返し周波数発振器12に入力されて送信信号が発生する。この送信信号は、図2上段の実線に示すように、三角波に応じて周波数変調され(周波数偏移幅をΔf、中心周波数をfo とする)、繰り返し周波数fmで連続的に発生し、方向性結合器13を介して送信アンテナ15から航空機の走行領域に向けて放射される。そして、送信信号が放射された領域に物体が存在すると、その物体により送信信号が反射散乱されて、その一部が受信アンテナ21で受信される。 【0016】この受信信号は、送信信号が固定目標によって反射された場合、図2上段の破線に示すように、送信信号の位相に対して一定の関係を保持した信号となる。具体的には、固定目標までの距離をR、光速をcとすると、送信信号に対して時間T=2R/cだけ遅れた信号が受信される。一方、送信信号が移動目標によって反射された場合には、図3上段の破線に示すように、ドップラー効果の影響を受けた信号が受信される。具体的には、受信信号の周波数が、送信信号に対して繰り返しサイクル(1/fm)毎に目標の移動速度に応じて変化する。 【0017】上記のような受信信号が受信アンテナ21から混合器22に送られると、混合器22では、中間周波数に変換した受信信号と、同様に変換された方向性結合器13からの送信信号とを混合比較することで検波が行われる。検波された信号は、中間周波増幅器23で所定のレベルまで増幅された後、復調処理回路24で復調されアナログの画像信号として画像処理部3に出力される。この画像信号は、受信信号が固定目標からの反射波である場合、図2下段に示すように、周波数がビート周波数frで一定(ただし、周期的な節を有する)な信号となる。一方、受信信号が移動目標からの反射波である場合には、図3下段に示すように、ドップラー周波数をfdとすると、周波数が(fr−fd)及び(fr+fd)で周期的に変化する信号となる。 【0018】そして、受信部2から出力された信号は、画像処理部3のA/ D変換器31に入力される。A/ D変換器31は、送信部1のクロック発生器14で生成されたクロック信号に応じて受信部2からのアナログ信号をサンプリングしてディジタルの画像データに変換した後に消化器32に送る。消化器32は、A/ D変換器31からの画像データを処理することで固定目標に対応する画像データを消去して移動目標の画像データを抽出し、その移動目標の画像データのうちから航空機の画像データを認識する。固定目標の画像データの消去処理は、例えば、公知のMTI(moving target indication;固定反射消去)方式等と同様にして、送られてくる画像データをビートの繰り返し周期(1/2fm)だけ遅延させ、1つ後の周期の画像データを反転させて加えることにより固定目標の画像データを消去する。また、航空機の画像データの認識処理は、例えば、航空機の形状や大きさ、移動方向等の特徴情報と、抽出された移動目標の画像データとを比較することで航空機の画像と他の移動物体の画像とを区別する。このように走行路上の移動物体を画像として捉え、航空機を認識することによって、従来のように車両や大きな鳥などを誤って航空機と認識してしまうようなことが防がれる。 【0019】消化器32で得られた航空機の画像データは、演算処理回路33に出力されるとともに、通信部4の送信端末41に送られる。演算処理回路33は、航空機の画像データを時系列的に処理することで、或いは、得られた画像データを基に反射波の受信遅れ時間やドップラー周波数を求め、航空機の実際の速度や角度、航空機までの距離等を演算してその結果を送信端末41に送る。送信端末41は、航空機の画像データ及び速度等の処理データをネットワークを介して官制塔等に設けられた受信端末42に伝送する。そして、受信端末42は、画像データ及び処理データを表示部5に送り、表示部5は、走行路上の航空機の画像及びその走行状態を表示する。 【0020】このように本実施形態によれば、走行路上の物体を高周波レーダ方式により検知し、その検知結果を画像情報として捉えて航空機の認識を行うことによって、従来のように航空機以外の移動物体を誤って航空機と認識してしまうことがなくなり、信頼性の高い航空機検知が可能となる。また、画像データから固定目標の画像を消去し移動目標の画像を抽出した後に航空機の画像の認識を行うようにしたことで、画像データ中から航空機の画像をより確実に認識できるとともに認識処理速度も速くなる。更に、演算処理回路33において航空機の画像データを基に速度等のデータを演算するようにしたことで、認識した航空機についての多様な情報を提供することが可能になる。加えて、通信部4及び表示部5を設けたことによって、航空機の画像や速度等のデータが官制塔等の側に表示されるようになり、航空管制業務等をより効果的に支援することができる。 【0021】なお、上述した実施形態では、送信部1から走行路に向けてマイクロ波を放射する場合を説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、ミリ波等の電波を放射するようにしてもよい。また、変調器11で発生する三角波を用いて繰り返し周波数発振器12を発振させる構成としたが、例えば、変調器11でパルス信号を発生させて、そのパルス信号により繰り返し周波数発振器12を発振させるパルスレーダ方式としても構わない。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の発明は、レーダ方式の送信手段及び受信手段により検知した情報を画像生成手段により画像として捉え、その画像情報を基に航空機を認識して検知することによって、従来のように航空機以外の移動物体を誤って航空機と認識してしまうことがなくなり、信頼性の高い航空機検知が可能となる。 【0023】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、固定目標の画像を消去した画像情報から航空機に対応する画像の認識を行うようにしたことで、航空機に対応する画像をより確実に認識できるとともに、認識処理速度の向上を図ることもできる。更に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、画像処理手段が航空機の画像を基に走行状態に関するデータを演算するようにしたことで、認識した航空機についての多様な情報を提供することができる。 【0024】また、請求項4に記載の発明は、上記の発明の効果に加えて、航空機の画像や走行状態に関するデータを通信手段を介して表示手段に表示させるようにしたことで、表示された情報を参照して航空管制業務等をより効果的に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004651 【氏名又は名称】日本信号株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】笹島 富二雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−160425 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−332036 |
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