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【発明の名称】 レーザレーダのアライメント調整装置
【発明者】 【氏名】亀田 芳彦

【要約】 【課題】この発明は、レーザレーダの光学系の高精度なアライメント調整を自動的に実現し得るようにすることにある。

【解決手段】受信光学系13で受光する散乱レーザ光の一部を取出して、該散乱レーザ光の中心位置を検出し、この中心位置に対応して送信光学系10を移動制御することにより、送信光学系10と受信光学系11のアライメント調整を行うように構成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザ発振源から出力されたレーザ光を目標方向に送出する送信光学系と、この送信光学系から送出したレーザ光の散乱レーザ光を受光する受信光学系と、この受信光学系で受信した散乱レーザ光に基づいて被測定対象を検出する被測定対象検出手段と、前記受信光学系で受光した散乱レーザ光の中心位置を算出して、該中心位置に対応して前記送信光学系と前記受信光学系の光軸を合致するように制御する光軸制御手段とを具備したレーザレーダのアライメント調整装置。
【請求項2】 前記光軸制御手段は、受信光学系の光路に分岐素子を配設して、該分岐素子で受光したレーザ散乱光の一部を取出して、その中心位置を算出し、該レーザ散乱光の中心位置に対応して送信光学系と受信光学系の光軸が合致するように制御することを特徴とする請求項1記載のレーザレーダのアライメント調整装置。
【請求項3】 前記送信光学系は、光軸が可変調整自在に配設され、光軸が散乱レーザ光の中心位置に合致するように制御することを特徴とする請求項1又は2記載のレーザレーダのアライメント調整装置。
【請求項4】 前記分岐素子は、ビームスプリッタであることを特徴とする請求項2又は3記載のレーザレーダのアライメント調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば人工衛星等の宇宙航行体に搭載され、大気観測等に供するレーザレーダに係り、特に、そのアライメント調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、リモートセンシング分野においては、ライダと称するレーザレーダを用いて大気観測等を行う方法が研究されている。このレーザレーダは、図3に示すようにレーザ送信機でレーザ光を生成して、このレーザ光を送信光学系を介して目標方向に送信する。
【0003】他方、レーザ受信部としては、受信光学系3が、その光軸を送信光学系2に対応して配設され、この受信光学系3で雲、エアロゾル等の被測定対象で反射した散乱レーザ光を受光して検出器4に出力する。検出器4は、入力した散乱レーザ光の強度及び戻り時間等を検出して、その検出信号を信号処理部5に出力する。信号処理部5は、入力した検出信号に基づいて雲、エアゾル等の被測定対象の状態を検出する。この信号処理部5の検出特性は、送信光学系2と受信光学系3の光軸のアライメント調整によりほぼ決定される。
【0004】ところで、最近の宇宙開発の分野においては、レーダレーダを人工衛星等の宇宙航行体に搭載して、宇宙空間から雲やエアロゾル等を観測して、地球規模での大気観測を行う方法が研究されている。
【0005】しかしながら、上記レーザレーダにあっては、その検出特性が送信光学系2と受信光学系3の光軸のアライメント調整によりほぼ決定されるため、宇宙開発の分野に適用すると、宇宙空間への打上げ時の振動や衝撃、あるいは環境温度等により、送信光学系と受信光学系のアライメントずれが生じ、高精度なレーダ特性を確保するのが困難となるという問題を有する。
【0006】そこで、このようなレーザレーダを宇宙開発の分野に適用する場合には、送信光学系2と受信光学系3の光軸を合致させるアライメント調整手段を設けることが必要となりる。
【0007】このアライメント調整手段としては、単に、送信光学系2と受信光学系3の光軸を合致させれば良いものでなく、レーザレーダの高精度な測定動作に悪影響を及ぼすことなく、迅速にして高精度にアライメント調整を実現することが要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従来のレーザレーダでは、振動や衝撃を受けたり、環境温度の変化により、送信光学系と受信光学系の光軸が合致しなくなり、高精度なレーダ特性を確保するのが困難となるという問題を有する。
【0009】この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、構成簡易にして、光学系の高精度なアライメント調整を実現し得るようにしたレーザレーダのアライメント調整装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、レーザ発振源から出力されたレーザ光を目標方向に送出する送信光学系と、この送信光学系から送出したレーザ光の散乱レーザ光を受光する受信光学系と、この受信光学系で受信した散乱レーザ光に基づいて被測定対象を検出する被測定対象検出手段と、前記受信光学系で受光した散乱レーザ光の中心位置を算出して、該中心位置に対応して前記送信光学系と前記受信光学系の光軸を合致するように制御する光軸制御手段とを備えてレーザレーダのアライメント調整装置を構成したものである。
【0011】上記構成によれば、受信光学系で受光する散乱レーザ光の中心位置を検出して、この中心位置に対応するように送信光学系と受信光学系の光軸を合致するように制御することにより、アライメント制御が行われる。従って、環境条件等により送信光学系と受信光学系の光軸に位置ずれが発生しても、レーザレーダが駆動されて、受信光学系で散乱レーザ光が受光されると、この散乱レーザ光の中心位置に対応して送信光学系と受信光学系の光軸が合致するように制御され、高精度なアライメント調整が確保される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係るレーザレーダのアライメント調整装置を示すもので、送信光学系10は、その光軸方向が調整自在に配設され、レーザ送信機11で発生したレーザ光を目標方向に送出する。送信光学系10には、光軸制御機構部12が配設され、この光軸制御機構部12には、後述する光軸検出回路13の出力端が接続される。
【0013】この送信光学系10の光軸の調整構造としては、一部鏡面を移動調整してもよいし、あるいは送信光学系全体を移動調整するようにしてもよい。また、送信光学系10の光軸に対応して、受信光学系13が配設される。この受信光学系13の光軸上には、光分岐素子、例えばビームスプリッタ14が配設され、その透過光路には、検出器15が配設される。この検出器15には、信号処理部16が接続され、受信光学系13で受光した散乱レーザ光がビームスプリッタ14を介して入力されると、該散乱レーザ光の強度及びレーザ光の戻り時間等を検出して信号処理部16に出力する。信号処理部16は、入力した検出信号に基づいて大気観測状態等を求める。
【0014】そして、ビームスプリッタ14の反射光路上には、光軸検出回路17が配設される。この光軸検出回路17は、例えば図2に示すようにビームスプリッタの反射光路を介して入力される散乱レーザ光の一部を集光レンズ17aで例えば撮像素子で構成される検出器17bに案内する。検出器17bには、演算処理部17cが接続され、入射した散乱レーザ光の中心位置を検出して、その検出信号を演算処理部17cに出力する。
【0015】演算処理部17cには、上記光軸制御機構部12が接続され、入力した検出信号とに予め設定される基準値と比較して、例えばその差が「ゼロ」となるようなアライメント制御信号を生成して光軸制御機構部12に出力する。光軸制御機構部12は、入力したアライメント制御信号に基づいて送信光学系10の光軸を移動調整する。これにより、送信光学系10は、その光軸が受信光学系13で受光する散乱レーザ光の中心位置に対応するように制御され、そのアライメントが受信光学系13に対応される。
【0016】上記構成において、レーザ送信機11は、図示しない制御部を介して駆動制御され、レーザ光を発生し、そのレーザ光が送信光学系10を介して目標方向に送出される。このレーザ光は、雲等で散乱され、その散乱レーザが受信光学系13に受光され、ビームスプリッタ14の透過光路を通って検出器15に入力される。検出器15は、入力した散乱レーザ光の強度及び戻り時間等を検出して、その検出信号を信号処理部16に出力する。信号処理部16は、入力した検出信号に基づいて大気状態を求める。
【0017】同時に、受信光学系13で受信した散乱レーザ光は、ビームスプリッタ14の反射光路を通って光軸検出回路17に入力される。光軸検出回路17は、上述したように散乱レーザ光の中心位置を検出して、該中心位置が予め設定した基準値との差が「ゼロ」になるようなアライメント制御信号を生成して光軸制御機構部12に出力する。光軸制御機構部12は、入力したアライメント制御信号に基づいて送信光学系10の光軸を制御し、送信光学系10の光軸と受信光学系13の光軸のアライメントを調整する。
【0018】このように、上記レーザレーダのアライメント調整装置は、受信光学系13で受光する散乱レーザ光の一部を取出して、該散乱レーザ光の中心位置を検出し、この中心位置に対応して送信光学系10を移動制御することにより、送信光学系10と受信光学系11のアライメント調整を行うように構成した。
【0019】これによれば、環境条件等により送信光学系と受信光学系の光軸に位置ずれが発生しても、レーザレーダが駆動されて、受信光学系13で散乱レーザ光が受光されると、この散乱レーザ光の中心位置に対応して送信光学系10と受信光学系13の光軸が合致するように制御され、高精度なアライメント調整が確保される。したがって、レーザレーダの高精度なアライメント調整を自動的に行うことが可能となり、極限環境の宇宙空間においても信頼性の高い高精度なレーダ特性が実現される。
【0020】なお、上記実施の形態では、ビームスプリッタ14を用いて受信光学系13で受光される散乱レーザ光の一部を取出すように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、各種の構成が可能である。
【0021】また、上記実施の形態では、送信光学系10の光軸を移動調整してアライメント調整を行うように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、受信光学系13の光軸を移動調整してアライメント調整を行うように構成することも可能である。よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることは勿論のことである。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば、構成簡易にして、光学系の高精度なアライメント調整を実現し得るようにしたレーザレーダのアライメント調整装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成9年(1997)11月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開平11−160419
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−328345